※この記事は、2020年のコロナ禍で執筆された記事です。2023年5月8日の5類感染症移行後の対応とは異なりますが、当時の記録として掲載しています。最新のオフィスづくりをご希望の方は、是非お問い合わせくださいませ。
フリーアドレスというと、ここ数年で普及しつつあるオフィス形態のひとつといったイメージを持つ方が多いかもしれません。しかし、1980年代後半にも一時的にブームになっているため、実は30年以上前にすでに導入されていたスタイルなのです。このフリーアドレスが2020年、新型コロナウイルス感染拡大の影響で改めて大きな注目を集めています。そこで今回はフリーアドレスの歴史を振り返りつつ、コロナ禍におけるフリーアドレスの効果についてお伝えします。
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これまでのフリーアドレスの変遷
そもそも、フリーアドレスとは、1980年代に清水建設が技術研究所における一人ひとりの作業スペースを拡大するために試験的に導入したものです。しかし、その後、多くの企業で、デスクの共有化によって空席率を下げ、スペースコストを減らす目的でフリーアドレスが導入されました。当初の目的とは異なるものの、オフィスの省スペース化がなされ、固定費削減を実現するとして、90年代から2000年代にかけて最初のブームが起きました。
しかし、自分の固定席で仕事をするという従来からの形態は大きく変わることはなく、ブームは一過性のものとなり、一部の企業を除いて普及しませんでした。その後、2010年代に入り、フリーアドレスが改めて注目されるようになった背景にあるのはインターネットの普及とIT機器の進化です。
多くの業務で紙資料が減り、デジタル化されることで、社員はノートパソコンひとつでどこででも仕事をすることが可能になりました。また、生産性向上を実現する手段のひとつとして、社内のコミュニケーションが重視されるようになったのも、フリーアドレスが再び注目された要因となっています。
こうして、時代の変遷により目的は変わりつつも、それを実現するための手段として、フリーアドレスの普及は少しずつ進んできたのです。
コロナ禍においてフリーアドレスが注目されるふたつの理由
過去に2度のブームを経たフリーアドレスですが、2020年になり三度目の大きな注目を集めることになりました。その理由としては、主に次の2点が挙げられます。
1. テレワーク導入によるオフィスの効率的な活用方法として
新型コロナウイルス感染拡大の影響により、2020年4月に国から緊急事態宣言が発令され、その影響でテレワークを導入する企業が増加しました。その結果、出社する社員の増減に対応しやすいスタイルとしてフリーアドレスを検討する企業も増加しています。
2. オフィスの3密対策として
フリーアドレスは、部署ごとにデスクを設置するのに比べ、柔軟なレイアウトが可能になるため、部署の壁を越えてソーシャルディスタンスが取りやすくなります。そこで、オフィスの3密を回避する対策として、注目を集めるようになりました。
コロナ禍においてフリーアドレスがもたらす効果と注意点
次に、コロナ禍においてフリーアドレスは具体的にどういった効果をもたらすのか、そして、フリーアドレスを導入する際の注意点について見ていきます。
フリーアドレスがオフィスにもたらす効果
オフィス縮小
テレワークにより出社する人数が減っても、固定席のままではオフィススペースの無駄が多くなります。フリーアドレスを導入すれば、ソーシャルディスタンスに留意しながらオフィススペースを縮小することも可能です。
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感染症対策につながる
テレワーク同様、フリーアドレスの導入においてもペーパーレス化を実行することが基本です。ペーパーレス化が実現されることで、不特定多数の人が触れる可能性のある紙に触れなくて済むようになり、結果として感染症対策につながります。
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フリーアドレス導入時の注意点
在籍状況の確認を徹底する
フリーアドレスはソーシャルディスタンスが保てる半面、感染者が出た際には接触者の把握が困難です。これを避けるにはホテリング(社員が席を予約して利用するシステム)を導入し、日々の在籍状況を確認できるようにする必要があります。PLUSの座席管理システム「Suwary」を活用して席を予約制にするのもおすすめです。
※ホテリングについて詳しく知りたい方は「アフターコロナ時代に社員の健康を守る施策となるホテリングとは?」をご覧ください。
設備や備品の共有を避ける
フリーアドレスにおいては、パソコン、デスク、椅子、固定電話など、設備や備品の共有が増えてしまいがちです。そこで、殺菌の徹底、専用のノートパソコンの貸与、内線用の携帯電話の支給など、感染を防いだり共有を避けたりするための施策が必須となります。
コロナ禍におけるフリーアドレス導入のポイントは十分な注意を怠らないこと
新型コロナウイルス感染拡大の影響に伴い、テレワーク導入を進める企業が増えましたが、それと同時にオフィス形態をフリーアドレスにする企業も増加しています。
フリーアドレスとテレワークの同時導入は、双方のメリットを生かせる点において非常に相性が良く、感染症対策としての効果も期待できるでしょう。
しかし、フリーアドレスは感染症対策となる一方で、しっかりと管理しないと、感染者が出た際に接触者の把握が難しくなるというデメリットもあります。
そこで、フリーアドレスを導入する際には、備品や設備の定期的な殺菌、衝立やアクリルスタンドの使用、ホテリング導入による在籍者の把握などの徹底が必須です。フリーアドレスのメリットを生かすためにも、十分な注意をしたうえで導入を進めていきましょう。
PLUSでは、安心快適なオフィス環境のポイントをご紹介しております。ぜひ、こちらを参考にオフィスレイアウトを検討されることをおすすめします。
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