オフィスでフリーアドレスが求められる背景とは?導入事例や手順を紹介

ワークスタイル

従業員が自由に自分の席を決められるフリーアドレスは、社内コミュニケーションの促進や生産性向上の効果が期待できるとされています。実際に、この方式を導入する企業も増えており、商品開発や業務の効率化に役立っている事例もあります。オフィスでフリーアドレスを導入する際には、自社がフリーアドレスに適しているのか、どのような環境づくりが必要なのかを見極めることが重要です。フリーアドレスが求められる背景や導入事例、導入の手順などを紹介します。

オフィスでフリーアドレスが求められる背景

「モノが売れない時代」といわれている現代、消費者はこれまでとは違ったサービスや商品を求めるようになりました。良質で安価なモノが増えるなか、一般的な基準を満たしただけでは、選ばれなくなってきているのです。企業がモノを売り続けるためには、新しい価値を生まなければなりません。そのため、従業員にもマニュアルどおりの作業ではなく、新しいアイデアの構築が必要な「ナレッジワーク」が求められています。

ナレッジワークとは知的労働のことです。知識やスキルを駆使して新しいモノを生み出すような創造的な仕事を意味します。ナレッジワークを行う従業員が、新しいアイデアを生み出せる環境づくりの一例として、フリーアドレスが注目されるようになりました。フリーアドレスを導入すると、毎日違う環境で働けるため、発想が豊かになると考えられています。

例えば、フリーアドレスでは、これまで同じ空間で仕事をすることがなかった部署の人と、隣り合った席で仕事をする機会ができます。ちょっとした会話のなかから、新たな発想が生まれる可能性もあるのです。また、集中力を要する作業に対しては静かな環境を用意するなど、従業員の業務内容に合わせて働く環境を設定することもできるため、知的な仕事がしやすくなるというわけです。

フリーアドレスの導入で期待できる効果・事例

フリーアドレスの導入が新商品の開発につながった企業や、業務の効率化を実現することができた企業の事例があります。フリーアドレスの導入によって、どのような効果が期待できるのかを事例とともに見ていきましょう。

他部門の社員と連携しやすくなる

従来のように席を固定する方式には、他部門との連携がとりづらいという欠点がありました。同じ会社の従業員でも部署が違うと、ほとんど会話をする機会が持てなかったのです。しかし、フリーアドレスを導入すると、これまで会話が持てなかった他部署の人とも、一緒に仕事をする環境が生まれます。

ある食品会社大手のA社では、フリーアドレスを導入したことで、新しい商品を開発するまでの期間短縮につなげることができました。開発チームと加工チームが同じ空間で働いているため、相談や打ち合わせがしやすくなったのです。フリーアドレスの導入により連携がスムーズになったことが成功につながったといえます。

仕事が効率的に進む

フリーアドレスでは業務内容に合わせて席を移動できるので、仕事が効率的に進むという効果も期待できます。従来のオフィスでは、仕事に集中したいときでも、電話に出たり来客対応をしたりといった業務もこなす必要がありました。すると、肝心の仕事が進まず、結局残業で対応することも多くなりがちだったのです。しかしフリーアドレスなら、仕事に集中したいときには集中ブースやソロ席を選ぶこともできます。

ある食品会社大手のB社でも、フリーアドレスの導入を進めてきました。「打ち合わせをしたいときはコミュニケーション用の席」「ひとりで作業に集中したいときはソロ席」など、業務によって席を選べるようになっています。ソロ席を選べば、人に邪魔されることなく、作業を効率的に進めることができます。

オフィスでフリーアドレスを進めるための手順

フリーアドレスの導入を進めるには、事前準備が必要です。社内の状況を見極めたうえで、必要な設備を整えていきましょう。ここでは、フリーアドレス導入の手順を説明します。

社内の状況を見極める

従業員の働き方、座席の稼働率、部署ごとの業務内容などを把握し、フリーアドレスの導入が適切かを見極めましょう。導入が難しい場合は、部分的に導入することも可能です。たとえば、フリーアドレスを導入しやすい営業部門から始めて、徐々に他部署まで拡大していくこともできます。

設備を整える

ノートパソコン、デスク、配線など、フリーアドレス導入に必要な設備を整えます。デスクは業務の内容に応じて選べるように、複数人で使うタイプとひとりで利用できるタイプを用意するとよいでしょう。また、コミュニケーションがとりやすいように、ミーティング席を設けることもおすすめです。

従業員に周知する

オフィスに新しいシステムを導入する際、なかなか従業員の理解が得られないこともあります。そのため、事前にフリーアドレス運用にあたっての注意事項や、具体的な方法などを従業員に周知することが大切です。特に、席を決める際のルールは、座る席が固定化してしまうことを防ぐためにも必要です。あらかじめルールを周知し、従業員の理解が得られるようにしましょう。

フリーアドレスの導入は慎重に検討しよう!

フリーアドレスを導入した企業では、商品開発の期間短縮や業務の効率化などの効果も出ています。新しいアイデアを生み出すには、オフィス改革も必要かもしれません。まずは、フリーアドレスの導入が自社に適しているのか見極めたうえで、オフィス環境の整備や運用方法策定などの準備を進めていきましょう。従来とはまったく異なるオフィス環境に変わることで、従業員の働き方にも大きな変化が期待できます。