ルールと事前準備が大切!フリーアドレス導入で失敗しないために

ワークスタイル

フリーアドレスを導入する企業が増えていますが、すでに導入している企業のなかには「失敗」と感じていることもあるようです。フリーアドレスはオフィスの省スペース化やコミュニケーションの活性化など、さまざまなメリットがあります。一方で、事前準備やルールづくりが不十分だったために、仕事がしにくい環境になる場合もあります。今回はフリーアドレスがうまくいかない原因を挙げ、成功させるためのポイントをご紹介しましょう。

フリーアドレスで悩んだらすぐに読みたい一冊.jpg

フリーアドレスとはどういうオフィススタイルなのか

多くの企業で導入が進んでいるフリーアドレス。そもそも、どのようなオフィススタイルなのかご存じでしょうか。フリーアドレスの意味やメリットを解説します。

フリーアドレスとは

フリーアドレスとは、オフィスで決まった座席がなく、自由に席を選べるオフィススタイルのことをいいます。従来、日本の企業では一人ひとり決まった座席があり、管理者と数人の社員でグループを形成していました。決まった座席があることがオフィスでは当然のことだったのです。しかし、フリーアドレスの導入により、社員は毎日自分の座席を自由に決めることができるようになりました。なぜ、このようなオフィススタイルの導入が進んでいるのでしょうか。

フリーアドレスのメリット

フリーアドレスを導入するメリットの一つに、オフィススペースを有効活用できることがあるでしょう。例えば、時間帯によってオフィスで仕事に従事する社員数が違うことがあります。フリーアドレスなら社員すべての席を用意しなくてもよく、座席を必要とする最大人数分の席が確保できればよいのです。

また、社員同士のコミュニケーション活性化にも効果が期待できます。従来の固定席では、遠い席の人とはコミュニケーションが取りづらいことがデメリットでした。フリーアドレスなら、その日の仕事内容に応じて異なる人と席を隣り合わせることも可能です。

さらに、フリーアドレスでは、席に自分の書類や私物を置くことができないため、デスクがいつもきれいに片付けられることもメリット。毎日、仕事が終わったら自分のものはロッカーや自分のかばんにしまいます。固定席では「自席に書類が山積み」というのはよくある話ですが、フリーアドレスではそのようなことがありません。

フリーアドレスがうまくいかない原因とは?

さまざまなメリットがあるフリーアドレスですが、一方で導入した企業では「失敗」と感じているケースも少なくありません。なぜ、フリーアドレスがうまくいかなかったのでしょうか。それには、いくつかの原因があるようです。

席が同じ人で固定されてしまう

フリーアドレスなのに、毎日同じ人が同じ席を使うという現象が見られることがあります。座席が固定化することで、仕事内容に応じて働く場所を選ぶというフリーアドレスのメリットが得られません。共有席の私物化が一旦許容されてしまうと、フリーアドレスだったはずのオフィスは、たちまち硬直化したオフィスに逆戻りしてしまいます。ルールとしては席を自由に選べるが、実態としてはほぼ席が決まっているという形骸化したフリーアドレスはよくある失敗のケースです。

コミュニケーションが苦手な社員が孤立する

社員のなかにはコミュニケーションが苦手な人もいます。固定席ではコミュニケーションが苦手でも、上司や同僚と隣り合って座る必要がありました。否応なくコミュニケーションを取らざる得ない状況が発生していたのです。しかし、フリーアドレスの導入で自由に席が選べるようになり、同僚や上司との接触を避けた結果、孤立してしまうケースもあります。

上司と部下の距離感が保ちにくい

固定席ではグループ内の上下関係がわかりやすいように、上司の席は上座、部下の席は下座に配置されることが一般的です。フリーアドレスのオフィスでは、上司の席も決まっていないため、上司と部下の距離感が保ちにくいというデメリットがあります。席を決めるためにお互い気を遣うこともあるでしょう。

書類を収納するスペースが少ないため不便に感じる

フリーアドレスは、基本的に自席を持たないオフィススタイルです。自席に書類を保管できないため、デスク以外の収納に書類をしまうスペースが必要です。個人ロッカーが必要な大きさよりも小さかったり、共有ロッカーが使えないなど、収納スペースが少ないと書類や持ち物を保管できず不便に感じるケースがあります。

フリーアドレスを成功させるためのポイント

フリーアドレスのメリットを生かすためにも、ルールづくりや事前の準備が重要です。すでにフリーアドレスを導入している場合でも、さらなる効率化をはかるためにルールの見直しをすべき場合もあるでしょう。

ルールづくり

フリーアドレスを成功させるためには、新しい環境に合わせたルールの策定が必要です。例えば、電子ファイルの共有化ルールはその代表的な例です。これまで紙で保存していた文書を電子データで保存したり、共有が必要なデータは共有フォルダに保存したりするなどの取り組みが必要となるでしょう。
また、毎日同じ座席にならないように、座席が流動的になるようなルールづくりも欠かせません。座席が固定しないように、席を自動的に決めるシステムや、くじ引きを導入する企業もあるようです。

レイアウトの変更

フリーアドレスは職種によっては仕事の効率を下げてしまう可能性もあります。例えば、クリエーターや研究職など、長時間自席で仕事をする職種です。一方で、営業や企画のように打ち合わせが多い部門では、フリーアドレスの方が使いやすいこともあるでしょう。すべての社員が使いやすいオフィスにするためには、職種によりフリーアドレスを部分的に導入するグループアドレスという方法もあります。

レイアウトの際のポイントは、フリーアドレス席として通常執務を行うデスクのほかに、個人での仕事に特化した集中席や、立ちながらでも少人数でミーティングができる席など、仕事内容に応じて必要な機能をバランスよく配置することがおすすめです。

収納スペースの確保

フリーアドレスの導入で課題となることが、収納スペースの確保です。デスクに書類や私物を置けないため、個人用のロッカーや共用ロッカー、可動式ワゴンなどを設置しなければなりません。個人用のロッカーはプライバシーに配慮した鍵つきもので、最低でも書類やノートパソコンなどが一式収納できる大きさは欲しいところです。共用ロッカーには、複数の社員で共有が必要な書類を収納します。例えば、カタログやマニュアルなどの共有して使うための書類は共用ロッカーが良いでしょう。可動式ワゴンがあれば、書類や備品をまとめて運べて便利です。

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フリーアドレス成功にはルールやレイアウトの見直しも必要!

オフィスをフリーアドレス化することで、省スペース化や社員同士のコミュニケーション活性化が期待できます。しかし、フリーアドレスを導入しても、期待されたメリットが得られないこともあるようです。かえって仕事がしづらいと感じる社員もいるでしょう。失敗を防ぐためにも事前のルールづくりやレイアウトの変更、収納スペースの確保などが重要です。

参考