オフィスの間仕切り工事、注意するべきポイントは?

オフィス家具

オフィスのゾーニング計画を立てるために欠かせない間仕切り(パーティション)。特に、設置に工事が必要となる大掛かりな間仕切りは、空間を機能的に使ううえでも重要になります。間仕切り工事を行う際に注意しておくべきポイントをまとめました。

間仕切りには2つの種類がある

間仕切りといわれるものには、デスクに取り付ける高さ30㎝程度のものから、脚のついた移動できるスクリーンやパネル、折りたためる衝立、設置工事が必要な天井まで届く壁など、さまざまな種類があります。
一般的には建物そのものにあるものを「壁」、後から増設したもの・取り外せるものが「間仕切り」と分けられるようです。そのなかで、今回は工事を必要とする間仕切りについて見ていきましょう。

工事が必要な間仕切りには、「欄間(らんま)が空いているタイプ」「欄間が空いていないタイプ」の大きく2種類があります。LGS壁や木材、ガラス、スチール、アルミなど、種類はさまざま。オフィスのレイアウト変更はもちろん、設置した場所に防音性やデザイン性を持たせることも可能です。それぞれ特徴があるので、どのような部屋を作りたいかによって使い分けましょう。

欄間が開いているタイプ

間仕切りの上部1/4〜1/5程度の空間(欄間部分)が抜けているタイプ。部屋を区切ってもある程度空気の通りがあるため、新たにエアコンを増設しなくてもいい場合があることや、結果的に工事費用が抑えられるなどのメリットがあります。

ただ、どの程度空気が通るかは隣の部屋のエアコンの位置や欄間の高さによっても変わります。隣の部屋と完全にエアコンを共有できるほどの効果はなかったり、遮音性がないため室内で話している内容が漏れてしまったりというデメリットがあることに留意しなければなりません。次に説明する「欄間が空いていないタイプ」とどちらを選ぶかは、現状のエアコン位置や、どういった部屋を作りたいかによって決めることが重要です。

欄間が空いていないタイプ

天井までパネルで区切られており、欄間がないタイプの間仕切り。遮音性が高く空間にセキュリティ性を持たせられるため、会議室などの間仕切りとして適しています。

デメリットとしては、空間が完全に区切られてしまうため、部屋内にエアコンや照明がない場合は増設工事が必要となります。結果的に工事費用がかさんでしまうということも。また、消防法によってパーティションの設置位置が制限されたり、消防設備の増設が必要になったりといった場合があることを覚えておきましょう。詳細は次項以降で説明します。

レイアウトで悩んだらすぐに読みたい一冊.jpg

間仕切りの設置工事前に消防法の確認

欄間が空いていないタイプの間仕切りを立てる場合、区切られた空間は消防法上の「部屋」と見なされます。そのため、以下のような点に注意する必要があります。

消防署への届け出が必要

オフィスに新しく入居するときはもちろんですが、現在入居中のオフィスに間仕切りを立てる場合も、消防署への届け出が必要になります。工事に着手する7日前までに、必ず「防火対象物工事等計画届出書」の提出を済ませるようにしましょう。

各間仕切り内に火災報知器を設置する必要

消防法では、オフィスの各部屋に火災報知器を設置することが義務付けられています。そのため、間仕切りで区切った空間内にない場合は、新たに増設する必要があります。工事費用を抑えるのであれば、火災報知器の位置を考慮しながらパーティションを設置したほうがいいでしょう。

排煙設備を設置する必要

万一の場合に備えて、室内に排煙設備を設置する必要があることも覚えておきましょう。排煙設備には建築基準法と消防法がかかわってきます。また、これらの法律が改正された場合には、設備にも変更が必要になることがあります。
つまり、建築基準法と消防法を遵守しつつ排煙設備を設置しなければならないのです。排煙設備の設置の際は、専門家におまかせすることをおすすめします。

以上はあくまで最低限の基準であり、これをクリアしていれば必ずしも問題がないというわけではありません。実際にはその都度、所轄の消防署が指導を行うことになっています。

間仕切り工事前に確認しておきたいこと

オフィス内で間仕切り工事を行うには、消防法以外にも確認すべきポイントがあります。見積もり依頼や発注を行う前に、確認しておいたほうがいいポイントをまとめました。

天井設備の確認

オフィスの天井には3つのタイプがあり、天井のタイプにより間仕切り工事ができないことがあります。事前に必ず確認しておきましょう。

  • グリッドシステム天井

グリッドシステム天井とは、天井パネルが格子状にはめ込まれたタイプです。パネルや照明器具を部分的に交換できるので、間仕切り工事が可能です。

  • 従来工法天井

鉄骨鉄筋天井下地工法と呼ばれる工法で、ボードを組み合わせてつくられます。オフィスの天井として最も普及しているタイプですが、間仕切り工事がしにくい天井設備です。

  • ライン型システム天井

照明器具やスピーカー、火災感知器などの天井設備機器を天井仕上げ材と一体化させて組み立てたタイプです。設備機器の移転が可能なタイプなので、間仕切り工事にも適しています。

ビル会社の事前承認

オフィス内の工事には、ビル会社によってA工事、B工事、C工事と工事区分が決められています。

  • A工事

ビル会社指定の業者により、ビル会社が費用を負担するビルの建物全体に関わる工事です。

  • B工事

ビル会社指定の業者で、テナントが費用負担します。テナントの要望で行われますが、ビル全体の施設や安全性に影響するためビル会社が工事を発注します。分電盤や給排水工事、空調設備の工事がB工事です。

  • C工事

テナントが業者を指定し、費用負担します。ただし、ビル会社の承認が必要です。オフィスの内装や照明器具の工事がC工事に含まれます。

間仕切り工事はB工事、またはC工事になりますが、区分はビル会社によって異なります。間仕切り工事をする際に、事前にビル会社に確認して承認を得る必要があるのはこのためです。

室内の照明やエアコンの効き

間仕切り工事をすることにより、新たに照明やエアコンの増設が必要になることがあります。特に、欄間が空いていない間仕切りの場合は、間仕切り内に設備が入っていることが条件です。もし増設が必要となった場合には、その分の工事や費用負担も考えておく必要があります。

原状回復費用の確認

賃貸オフィスは退去時に原状回復することが前提となっています。間仕切り工事を行った場合、退去時に壁や天井の修復や廃材処理など原状回復のためのコストがかかります。そのため、工事前に原状回復費用も確認しておきましょう。

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実現したい空間に合わせた間仕切りを

「欄間が空いているタイプ」「欄間が空いていないタイプ」いずれの間仕切りにもメリット、デメリットがあり、設置にかかる費用も異なります。また、ビル会社との確認作業や消防法との兼ね合いなど、注意しなくてはならないこともたくさんあります。間仕切りを立てることを決めたら、どんな空間をつくりたいのか考え、施工会社としっかり打ち合わせしながら進めることが必要です。