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新型コロナウイルス感染拡大により、取引先やお客様への対応の場も対面からWebへと変化しつつあります。その影響もあって、以前は多くのオフィスで見られた応接室を無くしてしまう企業も少なくありません。しかし、応接室はエントランスと並び企業の顔ともいえる場であるため、ある程度の規模に成長した企業であれば、ブランディングのひとつとしての設置もおすすめです。今回は、応接室の用途、会議室との違いから、レイアウトのポイントや用途別家具の選定方法までをお伝えします。

応接室と会議室は何が違うか

応接室と会議室では、用途が異なります。
応接室は外部のゲストを迎える場所であるため、座り心地の良いソファやクラシックなテーブルが設置されます。
一方の会議室は、社内外を問わずミーティングに用いられる部屋で、会議に集中できるように基本的にはシンプルなインテリアで構成されます。

応接室のレイアウトにおいて注意するポイント

冒頭でも触れたように応接室はエントランスと並んで会社の顔となる場です。そのため、必要以上に華美にする必要はありませんが、ブランドイメージを向上させるレイアウトにするための工夫は欠かせません。特に重要なポイントとして挙げられるのは次のような点です。

応接室はどのくらいの広さの部屋にするか

応接室の広さは、設置するソファやテーブルのサイズ、利用する人数を想定して計画しましょう。
通路幅や扉の開閉スペースも考慮し、実際に利用する際に窮屈さがないように、移動動線を含めて計算します。12㎡(3000mm×4000mm)の部屋であれば、ゆったり座れるタイプのソファを使用すると接客人数は4名程度が想定されます。

コンパクトタイプのソファであれば6名まで対応可能ですが、多少窮屈になるかもしれません。
またソファとテーブルの間は通路幅400mm以上を確保し、上座下座の配置にも配慮しましょう。

応接室はスムーズに移動できる場所に設置する

来客スペースはエントランスの近くに設置するのが基本ですが、あまり入り口に近すぎるとほかのお客様や社員の出入りが多くなり、くつろいでもらいにくくなります。そのため、入り口から適度に離れた場所に設置するのが理想です。

ただし、応接室につながる通路はできるだけほかの社員が通らないようにすること、可能な限り広めの通路にし、スムーズに移動できるようにすることが重要です。

会社からのメッセージが伝わるレイアウトにする

応接室は企業の顔であり、ブランディングを行う場でもあります。そのため、会議室や商談室のようなデスクとチェアだけの簡素なレイアウトではなく、会社からのメッセージが伝わるレイアウトになるよう工夫しましょう。

たとえば、創業時から現在までの社屋の写真を展示する、調度品を設置するといったアイデアもおすすめです。

森村商事株式会社 様
森村商事株式会社 様

また、大きなガラス窓を設置する、質のいい家具、照明を設置するなど、あえてシンプルなレイアウトにしつつ、センスを伝えるのもよいでしょう。

株式会社クライム 東京事務所 様

さらに、黒や茶を基調とした家具やほかのフロアとは異なるカーペットで重厚感を演出する方法もあります。

サムティ株式会社 様

押し付けすぎない程度にメッセージを込め、オリジナリティを出したレイアウトにすることで、お客様に良い印象を持ってもらえるでしょう。

おもてなしの精神を意識し、くつろげる空間を提供する

応接室を設置する際の最も重要なポイントである「おもてなしの精神」を意識して、くつろげる空間を提供しましょう。ポイントはひとり当たりのスペースです。あまり狭すぎると窮屈さを感じてしまい、くつろぐことはできません。

一般的な執務室でのひとり当たりのスペースは約3坪といわれているため、ひとり当たり5坪以上を確保すればかなりくつろげるでしょう。ただし、これはひとり掛けの椅子を設置する場合で、2~3人掛けのソファを設置する場合は、ひとり当たりのスペースはソファの大きさに合わせます。

応接室と会議室を兼ねる際の注意点

オフィスの広さによっては、応接室と会議室の機能を一つのエリアにまとめることも考えられます。ここでは、応接室と会議室を兼用する際の注意点について解説します。

必要なもののみ置くようにする

会議室と応接室を兼用する場合、来客の目に入ることを想定し、必要なものだけを置くようにしましょう。
会議用の備品を置きっぱなしにすると、部屋全体が雑然とした印象になり、応接室としてゲストを迎える空間にはふさわしくありません。
ホワイトボードやプロジェクターなどの会議用でよく使う備品は、キャスター付きのタイプを採用し、利用する時だけ別の場所から持ってくるなどの工夫が必要です。
急な来客も想定されるため、いつでも応接室として使用できるようにすっきりした空間を保つことが大切です。

1人あたりに必要なスペースを把握する

1人あたりに必要なスペースを適切に設定することで、会議室を応接室としても利用可能です。
会議室では活発な議論を行うためにあえて狭めに設計することもありますが、応接室としては圧迫感があり居心地が悪くなります。
最低でも1人あたりのスペースとして幅600〜700mm、奥行き450〜600mm程度を確保したいところです。
圧迫感を軽減したい場合には、さらに100〜200mm程度広めに設定するとよいでしょう。
適切なスペースを確保することで、快適な環境を提供し、会議や応接のスムーズな進行が可能です。

応接室の家具の選び方

ここでは、応接室の家具を選ぶ際のポイントについて解説します。

応接室のサイズを考える

部屋の広さやドアの大きさと、家具の寸法を計測して選定します。
部屋の大きさに対して大きすぎる家具だと圧迫感が出て、家具が小さすぎるとくつろげない雰囲気になってしまいます。
部屋のサイズに対応した大きさの家具を合わせることで、快適で落ち着いた空間を作り出せます。
また家具を配置する際には、人がスムーズに移動できる動線も確保するようにしましょう。

使う人数や目的を考える

使用する人数や、目的を想定して家具を選びましょう。
一般的には2~3人用ソファ1脚、一人掛けソファ2脚、ローテーブル1台という構成です。
少人数での商談や接客がメインなら、この構成で十分でしょう。
ただし3人以上の来訪や会議室として使用するなら、高さのある会議用テーブルや椅子の方が使いやすいことがあります。

素材は予算から考える

応接室の雰囲気に合わせて、予算内で家具の選定を行いましょう。
代表的なソファの素材には、ファブリック製、合成皮革、本革があります。
本革は高価ですが高級感があり、長期の使用にも対応します。
合成皮革は耐久力こそ本革に及ばないものの、手入れがしやすく安価でカラーバリエーションも豊富です。
ファブリック製の素材は通気性が良いため、長時間座っていても蒸れにくく、優しい印象の空間になります。

応接室のレイアウト事例5選

ここからは、実際の企業が採用した応接室の設計事例を写真付きで紹介します。
自社の目的や理想と照らし合わせて、イメージと近いものを参考にしてください。

【その他事例はこちら】

トランコム株式会社 東京オフィス

トランコム株式会社東京オフィスでは、東京駅前の好立地を活かし応接室から東京の街並みを望めるようになっています。
また多くの人数にも対応できるように、ファブリック製の座り心地の良いベンチや、ミーティング用のチェアも設置されています。
テレビモニターも設置されており、応接室でありながら顧客との会議にも使えるような空間を構築しています。
さらに、ちょっとした打ち合わせならエントランスに設置されたラウンジでも対応可能です。

株式会社セゾンファンデックス 大阪支店

株式会社セゾンファンデックス大阪支店は、居心地の良さに焦点を当ててデザインされたオフィスです。ゲストを迎えるために、エントランスにはタッチパネル型の受付システムを設置。待合スペースにはソファが置かれ、ゆったりと過ごせるようになっています。応接室は人数に合わせて大小二つのフロアを用意しており、プレゼンやミーティングなどさまざまなシーンに対応可能です。

株式会社AIT

株式会社AITの応接室は会議室と同じエリアに設けられ、シンプルな動線を実現しています。動線に面する壁面の一部をシート張りにすることで、オフィス空間全体にメリハリを持たせ活気ある空間を実現。応接室の内部のスチールパーテーションにもシート張りが採用されているものの、外部とカラーを変えることで与える印象をコントロールしています。既存の家具を使用することで、かつてのオフィスとの親和性を持たせ、ゲストに安心を与える工夫も取り入れられています。

株式会社ICUS

株式会社ICUSの応接室は背の高い家具を設置しており、大人数や取引先との会議にも対応可能です。
無駄なもののないシンプルな空間で、見晴らしの良い窓側のエリアを応接室にすることで、おもてなしの心を表現しています。
また別のエリアに30名弱の大人数に対応する会議室も設置しており、セミナーなど幅広いシーンへの活用が想定されています。

医療法人A

医療法人Aは風格のある和モダンのエッセンスを取り入れ、重厚感あるオフィスを構築しています。ゲストを迎えるレセプションにはソファとライブラリーを置き、ゆったりと過ごせる雰囲気を演出することでホスピタリティの高さを表現。応接会議室は眺めの良い窓側に配置され、廊下柄にはフィルムを貼ることでプライバシーにも配慮しています。レセプションエリアから応接室まで真っ直ぐに進めるゆとりある動線も、ゲストに安心を与える要素の一つです。

応接室には「おもてなし」を重視したレイアウト、家具の選択が重要

応接室は、重要なお客様のおもてなしを目的として、ゆったりとくつろいだ雰囲気のなかでコミュニケーションを取る場所です。そのため、特に専用の応接室を設置する場合は、企業のブランドイメージの向上も意識したレイアウト、家具の選択が求められます。といっても、有名なブランドや、単純に価格の高いものを選択すればよいわけではなく、会社のメッセージも込めつつ、いかにくつろげる空間を演出できるかを重視することが欠かせません。

そこでおすすめなのが、オフィス家具を専門に扱うメーカーの活用です。家具の選定を依頼することが可能なだけではなく、設計やレイアウトの段階から相談でき、自社にとって最適な応接室の設置が実現しやすくなります。

PLUSはこれまでにも多くのオフィス設計を手掛けているため、応接室の設置に関しても適切な支援が可能です。オフィスリニューアルや移転で応接室の設置を検討されている際は、ぜひ過去の事例をご覧になったうえで、お気軽にご相談ください。

【その他事例はこちら】

また、社長室を設置する際のポイントについては、『社長室の役割とは?設置のメリットやレイアウトのポイントを解説』をご覧ください。

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この記事を書いた人

マーケティング部 コラム編集部 プラス株式会社ファニチャーカンパニー

プラス株式会社ファニチャーカンパニー マーケティング部 コラム編集部

プラス株式会社ファニチャーカンパニーのマーケティング部門です。オフィスに関する最新のトレンド情報や、オフィス移転・リニューアル・オフィスデザインに関する情報を発信しています。 オフィスの最新情報はInstagram「plus_kagu」で検索してフォロー!昨日よりもオフィスが好きになるような、「家具・働く空間にまつわる工夫・デザイン事例」などの情報をお届けしています。

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