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従来、オフィスにある会議室といえば、個別に仕切られた空間ということもあり、堅苦しいイメージをもつ方も多かったのではないでしょうか。もちろん会議の議題によっては秘密裡(ひみつり)に進められることもあるため、ほかとは切り離された空間にする必要があることは確かです。しかし、そのような会議室は、その分、軽いミーティングや打ち合わせには向きません。そこで、最近、多くの企業で導入が進んでいるのが、“ファミレス席”のようなデザインのミーティングスペースです。今回はファミレス席風デザインとはどのようなものか、人気の理由、ファミレス席の使い方から、そのメリット・デメリット、活用のアイデア、成功させるポイントまでをご紹介します。

オフィスへの導入が進んでいるファミレス席とは?

ファミレス席とは、その言葉が示すとおり、ファミリーレストランで見られるようなテーブルを挟んで対面に座り商談やミーティングを行う席のことです。もちろん、これだけであれば従来のオフィスでも会議室や応接室、商談室などでよく見かけるレイアウトだといえるでしょう。

従来の会議室や応接室などとの大きな違いは、よりコンパクトなソファとテーブルを配し、ファミレスにいるような感覚でリラックスしてミーティングが行える点にあります。

今、オフィスでファミレス席が人気(注目)を集めている理由

今、なぜオフィスでファミレス席が人気なのでしょうか。ここではファミレス席が注目を集めている主な理由を紹介します。

用途に応じて柔軟な利用が可能

ファミレス席は基本的にはオープンな環境に設置しますが、ついたてをうまく活用すれば、セミオープン、セミクローズドにもできるため、クローズドが基本の会議室や応接室に比べ、柔軟な使い方が可能です。すなわち、従来のオフィスレイアウトに比べ、用途、状況に応じて柔軟な利用ができる点が理由のひとつとして挙げられます。

省スペースでも設置が可能

新型コロナウイルス感染防止対策としてテレワークを導入する企業が増加し、オフィスに出社する人数が減ったことで、これまでよりも狭いオフィスに移転する企業も増えています。その際、ファミレス席であればコンパクトなソファとテーブルを使用するため、それ程広いスペースがなくても複数の席を設置可能です。これにより、個室の会議室を複数作るよりも効率よくレイアウトすることができます。

また、席数が確保できることにより、ミーティングスペースが埋まっていて使えないという場面が少なくなるのも注目を集めている理由のひとつです。

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ファミレス席の使い方

ファミレス席はさまざまな用途で活用可能ですが、そのなかでも次の4つが代表的な使い方です。

社内ミーティング

会議をするまでもない短時間のミーティングに使います。

商談

既存の取引先との商談でも利用可能です。商談内容にもよりますが、完全オープンではないため、応接室よりもリラックスして話し合いができるでしょう。

Web会議

自席では周囲が気になってできないWeb会議もファミレス席であれば、周りを意識せずに集中できます。

休憩

設置されている場所にもよりますが、誰も使っていないときや昼食時間帯は、食事をしたり休憩をしたりといった使い方もあります。ただし、コロナ禍のため、飲食をする際には消毒、殺菌などの注意が必要です。

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ファミレス席のメリット・デメリット

ファミレス席にはさまざまなメリットといくつかのデメリットがあります。ここで簡単にまとめてみましょう。

ファミレス席のメリット

開放感があるミーティングスペースを実現できる

ファミレス席は少し広めの通路や、オフィス内の空いたスペースに設置することが多く見られます。

そのため、上方の視界を遮られることがなく、開放感のあるミーティングスペースを実現できます。オフィスに圧迫感を与えることなくミーティングスペースを増やすことができるので、オフィスに軽快なイメージをもたせることができます。

リラックスした環境でコミュニケーションが弾む

ファミレス席は会議室のような囲われた空間よりも気楽に会話ができるので、リラックスして会話をすることができます。

社内の気軽なミーティングだけでなく、取引先や商談相手とファミレス席で会話をすることで普段とは違った会話を引き出し、ビジネスを成功に導いてくれるかもしれません。

対外的なイメージの向上

新しいデザインを取り入れていることで、オフィスに訪れたお客様や取引先に対してイメージアップの効果があります。

ファミレス席のデメリット

より厳重な感染対策が必要になる

通常の会議室や応接室での商談に比べ、互いの距離が近づくため、より厳重なコロナ感染対策が求められるようになります。

会議室の代わりにはならない

省スペース、少人数での利用が基本のため、商談や軽いミーティングには使えますが、大人数で行う会議には使えません。

機密性の高い打ち合わせには使えない

セミクローズドにしても密閉されるわけではないため、機密性の高い打ち合わせは会議室や応接室のような完全クローズドの場所で行う必要があります。

ファミレス席の活用アイデア

さまざまな使い方ができるファミレス席ですが、より効果的に活用するためのアイデアをいくつか紹介します。

Web会議専用として設置する

対面ではなく片側だけにソファを設置します。これにより、Web会議専用のファミレス席となります。

来客専用として設置する

窓側に設置し、来客用にするのもおすすめです。明るく開放的な空間で接客が可能になります。

カフェスペースとして設置する

休憩室に隣接させ、カフェスペース風に利用します。他部署、チームとの軽いコミュニケーションも可能になるでしょう。

そのほか、ミーティング専用スペースとして利用するために、壁にホワイトボード、モニターを設置するのもおすすめです。

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ファミレス席を成功させるポイント

さまざまなメリットを持つファミレス席ですので、導入企業では人気の席になっているようです。導入だけで終わらせず、利用上のルールなどを決めることで、より有効活用できるようになります。

ファミレス席導入を成功させるためのポイントをご紹介します。

予約制にするのか、しないのかを決める

思い立ったときにすぐに使えるのが、ファミレス席のメリットです。一方で、使い勝手のよさから人気席となってしまい「使おうと思ったらすべての席が埋まっていた」という話もよく耳にします。

これを未然に防ぐにはファミレス席を「予約制」にするのがよいでしょう。一方で、全席を予約席にしてしまうと思いたったときにすぐに使ったり、気軽に利用できなくなったりすることも想定されます。

複数のファミレス席を導入するのであれば、一部予約制で自由に座れる席を残しておくという方法もあります。また、予約制にしないのであれば一回あたりの利用時間の制限を設けることを検討してもよいでしょう。

多目的に利用できる場所として活用する

ファミレス席は多目的スペースとして利用できるようにすることで、その価値はさらに高まります。最近ですと、適度な囲われ感があるのでリモート会議で利用されるケースもよく耳にします。

また、昼食時のランチタイムスペースや、集中して作業したいときのソロワークの活用を認めることで、さらに活用の幅は広がっていきます。

とはいえ、ミーティング業務での利用を優先したいところ。さまざまな活用方法を見据え、最初にルールを付することが後のトラブルを防ぎます。

オープンすぎず、セミクローズドなスペースにする

会議室よりも堅苦しさがなく、気軽にミーティングを行えるファミレス席。オープンな作りにしすぎると、周囲の動きが気になったり、会話内容が周囲に漏れたりしてしまいます。

ファミレス席を導入する際は、少しの囲われ感を出しオープンにしすぎないことが導入を成功させるためのポイントのひとつです。

オープンすぎないセミクローズドなファミレス席を実現するために重要なのが、ソファの背もたれの高さです。

人が立てば存在がわかる程度、座ったときには見えなくなる高さを確保することで、周りを気にせずミーティングに集中することが可能になります。

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ファミレス席の事例

次に実際にファミレス席を導入している企業の事例をいくつかご紹介します。

株式会社アソビズム秋葉原本社様

グローバルセキュリティーエキスパート株式会社様

景色の良い窓側に面してソファ席が設けられています。ちょっとした打ち合わせがしやすく、出会いがしらの偶発的な会話も増えるなど、社内コミュニケーションの活性化につながっています。

日本アキュレイ株式会社様

リフレッシュコーナーとソファ席。主動線上に配置することで、ここがコミュニケーションの場として活用されます。休憩だけでなく、執務や作業にも使える多目的スペースです。

株式会社セゾン情報システムズ様

まるでカフェのような設え。円形の壁際にはゆったりと座ることができるソファ席を用意。

業務スピードのアップも実現可能なファミレス席

ファミレス席は、近年の働き方改革の影響もあり導入する企業が増えています。一方で、クローズドな会議室でのミーティングスタイルも必要とされています。オフィスのデザインを考える際には会議室とファミレス席のバランスを考え、導入していくとよいでしょう。

また、ファミレス席は人気席になる傾向がありますが、コロナ禍においては、在籍管理や消毒など感染対策のより厳重なルールの明確化、徹底が成功のための重要なポイントのひとつとなります。

ファミレス席は有効に活用できれば業務効率を上げることができる理想のスペースです。これからオフィスの移転やリニューアルを考えているのであれば、ぜひファミレス席の導入を検討しましょう。

【お役立ち資料】

社員の働き方を変えるオフィスレイアウト

この記事を書いた人

マーケティング部 プラス株式会社ファニチャーカンパニー

プラス株式会社ファニチャーカンパニー マーケティング部

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