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人が快適に働ける空間を実現するために、オフィスの空間デザインにこだわる企業も多くなってきています。空間デザインを重視することで、社員の仕事に対するモチベーションが高まったり、新しいアイディアが生まれたりしやすい環境をつくることが可能です。一方で、コロナ禍によりオフィスの役割も変化してきました。今後は、感染症対策を徹底したうえで、オフィスだからこそ実現できる労働環境を提供することが重要となるでしょう。今回は、オフィスにおける理想的な空間デザインについて解説します。

オフィスランドスケープとは?近年話題のオープンなレイアウトについてご紹介

近年、新しいオフィスの形として「オフィスランドスケープ」が話題となっています。ここではその具体的な概念、メリットデメリットについて解説します。

オフィスランドスケープとは

オフィスランドスケープとは、固定的なデスク配置にとらわれないオープンで柔軟なオフィスレイアウトの考え方です。1960年代にドイツで生まれた概念で、壁や仕切りをできるだけ排除し、広々としたオープンスペースを作ることで、シームレスなコミュニケーションと業務効率向上を目的としています。

このオフィスでは、個人の作業スペースやチームでのディスカッションエリア、リラックススペースなど、多様な作業環境を同じオフィス内に設けることでさまざまな業務に対応します。
自然光や植物などの自然環境を取り入れることも重視しており、従業員の健康やストレス管理に配慮したサステナブルな労働環境をもたらすことから、働き方改革を進める日本でも近年注目が集まっています。

オフィスランドスケープのメリット

オフィスランドスケープを取り入れることで、もたらされるメリットについて解説します。

コミュニケーションの向上

開けた空間になることで、従業員同士が容易にコミュニケーションを取れます。情報の共有が迅速になり、チームの連携強化が期待できるでしょう。また部署を超えた交流も促進されるため、新しいアイデアやソリューションが生まれる機会も増えます。

柔軟性の向上

オフィスランドスケープでは、可動式の家具やパーテーションを採用することが多く、業務内容やプロジェクトの進行に応じて手軽にレイアウトを変更できます。

生産性の向上

自然を取り入れた快適で健康的な作業環境では、社員のストレスが軽減され、集中力と生産性が向上します。心理的な安らぎを与えることで、仕事のパフォーマンスを高める効果があります。

コスト削減

壁や固定的な仕切りを設けないことで、建設費用やリノベーション費用など初期費用を抑えられます。またスペースを効率的に使用することで、オフィスを圧縮でき、家賃などのランニングコストも削減可能です。

オフィスランドスケープのデメリット

オフィスランドスケープを取り入れることには、以下のようなデメリットもあります。

・プライバシーの確保が難しい
オープンなレイアウトは、従業員のプライバシーが確保しにくいという欠点を持っています。集中が必要な業務や機密情報を扱う場合、周囲の視線に配慮しなければなりません。

・騒音問題
オフィスランドスケープでは、広いオープンスペースに多くの従業員が集まるため、騒音が問題になることがあります。電話の会話や雑談、キーボードの音などが重なり、集中を妨げる要因となります。音を吸収する壁材や、集中できる作業スペースを別に確保する必要があります。

オープンなオフィス空間のレイアウト事例5選

オープンなオフィス空間を構築するためには、従業員同士の交流を促進し、働きやすい環境を整えるための工夫が必要です。
その1つとして、デスクのレイアウトに注目してみましょう。
オフィスレイアウトには多くの種類があるため、それぞれの業態や働き方に合わせたものを採用します。
以下では、5つの代表的なレイアウトについて解説します。特徴や活用されている業態、導入時のメリットや注意点などをチェックしていきましょう。

対向型

対向型はデスクを向かい合わせに配置する形式で、チームや部署単位で独立した島を作ることから島型レイアウトとも呼ばれています。
このレイアウトは広告代理店やデザイン事務所、企画部などのチームワークが必要な業態で採用されていますが、従来のオフィスレイアウトとして幅広い業界でみられます。
従業員が互いに顔を合わせられるため、日常的な会話やアイデアの共有がしやすくなり、迅速なコミュニケーションが求められる職場には最適です。
一方で、常に視線が合う環境のため、それぞれの集中力を損なう可能性があります。パーテーションを設けたり、周囲に静かな作業スペースを追加したりして対応する必要があります。

同向型(スクール型)

同向型はデスクを一方向にそろえて並べるレイアウトで、研修施設や学習塾、コールセンターなどで活用されています。
この形式は、一方向に視線を向けることで参加者や働く人々の集中力を高められる点が特徴です。
プレゼンテーションや、全体的な指示を出す場面が多い職場で効果を発揮します。
一方で横のつながりが薄くなり、従業員間の対話が制限される可能性があるため、情報共有が必要な場面では別途ミーティングスペースを確保することが求められます。
その他、休憩スペースを用意するなどして、従業員同士のコミュニケーションを確保するといった工夫が効果的です。

背面型

背面型は各従業員のデスクを背中合わせに配置する形式で、個々の業務に集中したい職場で採用されています。
エンジニアやプログラマーなどの高度な集中力を求められる業務に適しており、業務内容に応じて効率的にスペースを活用できる点が魅力です。
作業中に顔を合わせる必要がないため、従業員が自分のタスクに集中できる環境を提供可能な一方で、振り返ればすぐにミーティングも可能です。
ただし自然発生的な交流は生まれにくく、コミュニケーションが希薄になる可能性があるため、休憩スペースの設置やコミュニケーションを促す仕組みを導入することも大切です。
また背面からパソコンの画面を見られる可能性もあるため、セキュリティ面での注意も必要です。

フリーアドレス型

フリーアドレス型は、固定席を設けずに従業員がその日の業務内容や気分に合わせて好きな場所で作業できるレイアウトです。
主にテレワークを導入している企業や、出入りが多い営業部門を持つ企業で採用されており、コロナ禍をきっかけに多くの企業で採用されるようになりました。
このレイアウトはオープンな空間を構築しやすく、部門を越えたコミュニケーションを促進し、柔軟な働き方を実現するメリットがあります。
また全従業員分の席を用意する必要がないため、オフィスのスペースを効率的に使うことができます。
一方、フリーアドレスに対応したデスクは収納力が課題となるため、別途個人用ロッカーの導入を行うことも検討しましょう。
またお互いの位置も分かりにくくなるため、ルール作りやICTの活用も求められます。

ブース型

ブース型は個人の作業スペースを区切り、プライバシー性や集中力を高めるレイアウトです。
コンサルティング会社や法律事務所、カスタマーサポートセンターなど、機密性の高い業務を行う企業で多く利用されています。
この形式は外部の雑音や視線を遮断し、従業員が自分の業務に専念できる環境を提供します。
また近年ではオンライン会議や電話対応を頻繁に行う場所として、業態を問わず幅広く導入されています。
従業員同士の交流が制限されるため、オープンスペースや共用ラウンジを併設し、チーム間のつながりを確保しましょう。

オフィス空間デザインのメリット

オフィス空間のデザインにこだわることで、おしゃれなオフィスが構築できるだけではなく、業務効率や社員の士気に良い影響を与えます。
企業文化に合わせてデザインされたオフィスは、社員が快適に働ける環境をつくり、結果として企業全体の業績向上やパフォーマンスアップにつながるでしょう。
また企業の価値観やビジョンを表現するデザインを採用することで、社員は自社ブランドに対する理解や帰属意識を深め、チーム全体の結束力も高まります。
そのほか、オフィス空間デザインの代表的なメリットは以下のとおりです。
①業務効率化などの働き方改革につながる
②コミュニケーションの円滑化
③社員の士気が高まる
④企業への帰属意識が高まる

①業務効率化などの働き方改革につながる

コロナ禍以降、オフィスはただ業務を行う場所ではなく、安全性や作業効率に配慮した付加価値が求められています。年々働き方に関するアップデートが行われており、官民一体となって労働環境の改善や持続可能な成長が推進されています。政府は労働時間の制限や賃金の改善に取り組んでおり、企業にも働き方改革に対するアプローチが求められています。

実際にオフィスの空間作りにこだわることは、企業が取り組める働き方改革の一つです。社員が過ごしやすいようにリラックススペースを設けたり、集中できる個別ブースを設けたりと、業務効率と過ごしやすさの両立が目指されています。またWeb会議が当たり前になり、インターネット対応のミーティングルームの設置も進んでいます。

最近では、大企業だけではなく少数精鋭の企業でも快適なオフィス環境の構築に取り組み、業務効率化を目指す傾向があります。

②コミュニケーションの円滑化

ビジネスの成長のためには、社員同士のコミュニケーションの強化は避けては通れない課題です。その一方で、働き方改革にともない自宅でのテレワークやフレックス制などさまざまなワークスタイルが広まり、全ての社員が一堂に集まることも少なくなってきました。
またコロナ禍以降、感染症対策のために他人との直接的なコミュニケーションを控えるという考えも生まれています。

企業にはコミュニケーションを推進するような仕組みづくりが求められており、その一端としてオフィス空間にこだわることは有効な手段です。例えば一度に働く社員の数が減っているなら、フリーアドレスを採用することでオフィス空間を圧縮し、コミュニケーションが取りやすくなります。
またフリーアドレスでは自由に席を選べるため、部署や職位が違う人と隣り合うこともあり、立場を超えたコミュニケーションも生まれるでしょう。

業務を通してチームワークを高めることも大切ですが、オフィス空間を工夫することで、日常的にコミュニケーションが促進されます。

③社員の士気が高まる

オフィス空間を整えることは、社内ブランディングに効果があり、社員の士気を高めることにつながります。企業や経営者の価値観やビジョンを表現するレイアウトを取り入れることで、社員は日常的に会社への理解を深めていきます。また非言語コミュニケーションであるため、押し付けがましくない自然な啓蒙につながります。

企業のブランドを表現する具体的な方法は、空間に企業ロゴやコーポレートカラーを取り入れることです。なかには企業理念をスタイリッシュな文体で内壁に描くなど、よりダイレクトなデザインを採用する企業もあります。エントランスや執務室に企業独自の要素を取り入れることで、社員は会社について日常的に想起しやすくなり、一体感のある組織へと成長します。またオフィスの写真をホームページや求人サイトに掲載することで、外部のゲストやステークホルダーに対してもブランディング効果があるといわれています。

④企業への帰属意識が高まる

日々過ごすオフィス空間は、社員の心理やモチベーションに大きな影響を与えます。テレワークやリモートワークの普及により、働き方の柔軟性が高まり、個々の利便性が向上しました。しかしオフィスでの仕事には、いまだに独自のメリットがあります。オフィスは企業文化を体現する場所であり、組織全体の一体感と帰属意識を高める役割を持っています。実際に顔を合わせることで、社員は他のメンバーの働き方や取り組みを目の当たりにし、自分も組織の一員として貢献しているという認識が強まります。

またオフィスのデザインにこだわることは、企業の価値観や文化を視覚的に表現する手段でもあります。オープンなレイアウトやカラフルなインテリアは、先進的な企業文化を示しています。またクラシックな家具を用いたオフィスは、社員に安心と誇りを提供します。こうした環境に身を置くことで、社員は企業のビジョンやミッションを肌で感じられ、帰属意識が高まることで結果的に離職率の低下やモチベーションのアップにつながるでしょう。

オフィスの空間づくりに重要なレイアウトの種類は5つ

オフィスレイアウトには主に5つの種類があり、それぞれ得られる効果が異なっています。
社風や業務内容に合わせて適切なレイアウトを選ぶことで、業務の効率化やコミュニケーションの促進など、さまざまな効果を最大化できるでしょう。
ここでは、代表的な5つのレイアウトとその特徴について解説します。

そもそもオフィスレイアウトとは?

そもそもオフィスレイアウトとは、オフィス内のデスクや家具をどのように配置するかを計画することです。
オフィスの広さや従業員数、求める効果や業態ごとにレイアウトの型を選択することが大切です。

①対向型レイアウトとは

対向型レイアウトは、デスクを向かい合わせに配置する形式です。正面の人と顔を合わせて働くため、部署内でのコミュニケーションがとりやすく、情報の共有がスムーズに行われます。
一方、常に人の目があるため個人で集中した作業がしにくく、他の社員の声や動きが気になることもあるため、業務内容に応じて使い分けが必要です。

メリットデメリット
チームでのコミュニケーションが活発になる情報共有が容易で、連携が取りやすい周囲の声や動きが気になり、集中しづらい
プライバシーの確保が難しい

②背面型レイアウトとは

背面型レイアウトでは、デスクを背中合わせに配置するレイアウト方法です。
普段は社員同士が視線を合わせることがなく個々の作業に集中できますが、振り向けばすぐにコミュニケーションが取れるのが利点です。
集中力を重視しながらも、協力が必要な場面ではすぐに対応できる柔軟なレイアウトです。

メリットデメリット
視線を気にせず作業に集中できる
必要時にすぐコミュニケーションが取れる
直接の対話が少なく、コミュニケーションが不足することも
チーム感が薄れる可能性

③同向型レイアウトとは

同向型レイアウトは、社員が全員同じ方向を向いて座る形式で、コールセンターなどで採用されています。
別名スクール型とも呼ばれるこのレイアウトは個々の作業に最適で、パーソナルスペースを確保しやすいのが特徴です。
上長のテーブルを最前、もしくは最後尾に置くことで社員のマネジメントを行いやすいこともメリットです。
会議やプレゼンテーションなどの集団活動が少なく、各自が黙々と業務をこなす環境に適しています。

メリットデメリット
パーソナルスペースを確保しやすい
マネジメントしやすい
共同作業や対話が少なくなり、コミュニケーション不足になりやすい
共同作業が必要な現場には不向き

④フリーアドレス型レイアウトとは

フリーアドレス型レイアウトは、社員一人ひとりの特定の席を設けず、その日の気分や業務内容に合わせて自由にデスクを選べる形式です。
近年採用されることの多い形式で、チームや部署を超えたコミュニケーションを促進し、柔軟な働き方を実現することでイノベーションの創出を目指します。
社員が日替わりで異なる席に座ることで他部門の人との交流が自然に生まれるため、組織全体の一体感を高める効果があります。
一方で、誰がどこにいるのか分かりにくくなる可能性もあります。

メリットデメリット
柔軟な働き方が可能で、コミュニケーションが活発になる
他部署や他チームとの交流が増え、組織全体の一体感が高まる
席が固定されていないため、個人の居場所が分かりにくくなる
収納が少ない

⑤ブース型レイアウトとは

ブース型レイアウトは、パーテーションで仕切られた個別の作業スペースを置く形式です。
集中力が求められる技術的な業務や、プライバシーを重視する作業に向いています。
社員はそれぞれのブース内で独立して作業できるため、外部の視線や音に気を取られずに仕事を進めることができます。

メリットデメリット
プライバシーを確保でき、集中しやすい
外部の視線や音を遮断でき、作業効率が向上する
コミュニケーションが不足しがち
狭い空間での作業が続くと、閉塞感を感じる場合がある

理想のオフィス空間をデザインするためのポイント

理想的なオフィスにするためには、どのような空間デザインがよいのでしょうか。ここでは、オフィスの空間デザインを考える際のポイントを紹介します。

オフィスデザイン事例紹介】おしゃれにこだわるコンセプトやレイアウト設計

オフィスレイアウトのパターンとは?レイアウトを決める際のフロー・注意点も解説

ゾーニングを考える

ゾーニングとは、オフィス内の各エリアを用途に応じて効率的に配置することです。
エントランス、会議室、業務スペースなどを適切に区分けし、通路幅やデスク間のスペースも考慮することで、効率的に業務を行えるようにします。
また、一人当たりに必要なスペースを知ることで快適な仕事環境を構築できます。
下記に記した数値を参考に、各スペースの使用人数や通行頻度を考慮し効率的なゾーニングを考えましょう。

項目必要なスペース
1人当たりのスペース2〜4坪(約6.6〜13.2平方メートル)
メイン通路幅60~160cm
座席間の通路幅160~210cm
デスク間の通路幅160~210cm

部署間の連携の取りやすさ

他部署とのやりとりの多い業務では、連携の取りやすさに配慮してゾーニングしましょう。部署同士の距離が近いことで、日々の業務効率が上がりコミュニケーションも自然に生まれます。連携をとる部署が別の社屋にあったり、別の階にあったりすると、その都度移動が生まれ不便に感じることがあります。連携を高めるために、遮蔽物をどかしたりオフィスの配置を近くしたりするなど、可能な限りシームレスな空間を作りましょう。

また部署間の共有設備はお互いのちょうど中心に配置することで、公平に使用でき交流も行われます。
例えば、コピー機や共有する資料が収納されているキャビネットなどが該当するでしょう。

動線のスムーズさ

スムーズな動線を確保することで、移動時間の短縮が実現し業務効率の向上につながります。まっすぐで障害物の少ない動線を確保することで、移動が迅速になり無駄な時間を削減できます。

また使用する人数を想定し、十分な通路幅も確保しましょう。とくにコピー機やプリンター、会議室などの共用スペースは人のすれ違いが多く、スムーズに移動できる配置が求められます。万が一の災害時にも安全で迅速な避難が実現できるため、社員の安全のためにも余裕ある動線の確保は必須です。

また新入社員やゲストにはオープンな印象を与え、初めてのオフィスでも迷わずに動けることで安心感も提供できます。

目的やコンセプトとの相性

オフィスは執務空間、会議室、休憩スペースなど、さまざまな役割をもつ空間で分けられています。それぞれのスペースがしっかり機能するよう、目的に適したデザインであることが求められます。

例えば執務空間では業務に集中しやすい環境を提供し、会議室では効果的なコミュニケーションができる照明やデスクの配置を採用します。また休憩スペースではリラックスできる雰囲気を重視し、心地よい家具やインテリアを選びましょう。

さらにコンセプトを明確にすることで、役割の違う別々の部屋に統一感を持たせられ、一貫した企業イメージを構築できます。「明るい」オフィスを目指すなら、自然光を多く取り入れたり明るい色調の家具や内装を選んだりすることも有効でしょう。コミュニケーションを重視するなら、リフレッシュスペースを設け、フリーアドレスに対応したデスク配置にすることも検討しましょう。

オフィス家具の機能

椅子やデスク、収納棚といったオフィス家具は、それぞれの機能性や使い心地を考慮して選定しましょう。
執務室や役員室など、日々の作業を行うための椅子は、長時間の使用を考慮して座り心地が良く、高さ調節やアームレストが備わっているものが理想的です。
デスクはPCや資料を置ける十分な広さを持ち、収納力のある引き出しが便利です。
収納棚は業務内容やオフィスの広さに合わせて、必要な容量や高さのものを選定します。
さらに、家具を選ぶ際にはデザイン面にも注目しましょう。
オフィス全体の調和を考えた色や形状を選ぶことで、統一感が生まれます。
新品家具が予算的に厳しい場合は、中古やリースを活用するのも有効な選択肢です。
そのほか、耐久性や長期利用のコストなども含めて慎重に検討することが大切です。

オフィスランドスケープの導入事例

ここからは、オフィスランドスケープを導入した事例を紹介します。

株式会社NTTデータ コンサルティング&ソリューション事業本部

NTTデータ株式会社では、アフターコロナ時代に対応する「クッションオフィス」となる、これまでにない働く環境を構築しました。
部門ごとの専有スペースを最小限にし、共有スペースを最大化することに注力しました。
全社員が利用可能なオープンコラボスペースやカフェスペースを設置し、部門間の交流を促進する工夫がされています。
一方、集中作業は各業態に合わせたプロジェクトブースで行う仕組みで、社員の多様な働き方に対応しており、効率性とクリエイティビティの両立を実現しています。
さらにはデザインコンセプト「Live palette」に基づき、視覚的に楽しめる要素を多く取り入れ、働きながら心地よさを感じられる環境を提供しています。

コスモ調剤薬局

コスモ調剤薬局では「社員にとって働きやすい空間」と「地域社会との連携」を両立させたオフィスづくりを進めました。
オフィス内に地域イベントに対応した多目的フロアやオープンキッチンを設置し、セミナーや料理教室などの場として地域住民にも開放しています。
また役員室を廃止してフリーアドレス制を採用することで、社員間の自由なコミュニケーションが生まれやすい環境を構築しました。
さらにオフィス家具や照明を可変性の高いデザインにすることで、利用シーンに応じて空間を柔軟に調整できるようにしています。
業務効率を確保しながら、地域貢献を目指したオープンな空間を構築した好事例です。

NECネッツエスアイ株式会社 新潟支店

NECネッツエスアイの新潟支店では「Active Collabo Office」という新しい概念をテーマにオープンなオフィスを構築しました。
オフィス内には、自然光が差し込むリラックスできるカウンター席や小上がりスペースが設置され、集中作業やリフレッシュに最適な環境が整っています。
また床下には防災用品が収納されており、万が一の災害時にも対応できる工夫が施されています。
さらに大型モニターを備えたコラボエリア、Webミーティングも可能な集中ブース、芝生を使ったパター練習スペースなどを設け、幅広い働き方に対応可能です。
社員が快適に仕事に集中できる環境を整えるとともに、創造性の向上につながっています。

オフィスの役割を重視した空間デザインを実現!

コロナ禍によりオフィスにおける空間デザインの考え方も変わってきました。従来は、チームメンバーが対面になる島型のレイアウトが主流でしたが、今後は衛生面も重視しつつ、コミュニケーションを取りやすい空間づくりをする必要があります。


また、テレワークや時短勤務との両立を考え、柔軟に働ける環境を選べる空間を設けることも大切です。空間デザインを重視することで、より機能的で快適なオフィス空間を実現しましょう

こちらの記事では、おしゃれなオフィスの事例を紹介しています。ぜひ参考にしてください。

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