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現在、政府主導で進められている「働き方改革」の影響もあり、企業の労働環境の改善や業務効率の向上に対して関心が高まっています。こうした状況のなか、近年注目を集めているのが「ワークスタイル変革」です。ワークスタイル変革とは一体どのような概念なのか、推進するうえで押さえておきたい取り組みと合わせてご紹介しましょう。

ワークスタイル変革とはどんなもの?

そもそも、「ワークスタイル」という言葉はさまざまな意味で使われます。ワークスタイル変革と聞いても、いまいち意味がわからないと感じている人も多いかもしれません。まずは、ワークスタイル変革がどのような概念を指すものなのかを考えてみましょう。

「ワークスタイル」の意味

「ワークスタイル」の意味はとても広く、受け取り方は人それぞれです。狭義にはその人がどのように仕事をするかを表すもので、例えば、情報の共有の仕方や効率よく仕事をするための方法論を指します。「効率化のため連絡方法は社内チャットを使用する」「集中して仕事に取り組むためメールチェックは1日3回のみ」などのような例を考えると分かりやすいでしょう。

広義のワークスタイルはその人の価値観に基づき、どのように仕事と関わるかを表します。例えば「ライフ・ワーク・バランス実現のために残業しない」「仕事を自己実現の場と捉え、常に全力で取り組む」といった、その人の仕事に対する姿勢のことと考えるとイメージしやすいのではないでしょうか。

ワークスタイル変革とは?

これまでの日本の労働は、男性が長時間働くことが前提となっていました。しかし、実際の労働者は必ずしも健康な男性だけではありません。ワークスタイル変革とは、それぞれ違ったバックグラウンドを持つ労働者が無理なく働ける社会と、生産性の向上やコストの削減など企業体質の健全化を目指す施策です。

生産性の向上というと、従来は労働者個人のスキルや頑張りに頼る場面がありました。それだけでは十分な効果を上げられないばかりか、長時間労働やメンタルヘルスの阻害といったリスクが生じることが広く認知されるようになってきたのは、ここ数年のことです。

こうしたリスクを踏まえて十分な成果をあげるためには、IT機器の活用や在宅勤務の導入など仕事のやり方を見直すことが必要です。さらに働く人の価値観の変化や、育児や介護といったライフイベントにも対応できるようなワークスタイルを考えなければなりません。こうすることで結果的に、「生産性の向上」や「イノベーションの創出」「事業継続性の確保」を目指していくのがワークスタイル変革の基本的な考え方なのです。

ワークスタイル変革が求められる背景

では、なぜ今ワークスタイル変革が求められているのでしょうか。その背景にある大きな要因が「人口減少による労働力の低下」です。日本の15歳以上65歳未満の生産年齢人口は、1995年をピークに減少が続いています。少子高齢化が進むなか、生産年齢人口は今後も減少し続ける見込みで、国内の労働力低下は避けられない状況です。また、国際社会と比較して低い労働生産性や、長時間労働や非正規雇用の増加が問題となっていることも、ワークスタイル変革が必要になった背景でしょう。

少ない労働力で業績を上げるには生産性の向上が欠かせず、働き方を見直さなくてはなりません。さらに、急速に企業のグローバル化や雇用のダイバーシティが進行し、これまでとは違った柔軟で働きやすい環境づくりが求められています。

今後、企業としての価値を高めていくには、ワークスタイル変革により企業体質を変えていく必要があります。

ワークスタイル変革はどう実現する?

ワークスタイル変革を実現するためには、現場にあった働き方を考えたり、業務の仕組みを見直したりと、企業と社員が一体となって取り組む必要があります。ワークスタイル変革を実現するために、会社として取り組みたいことをご紹介します。

ITの整備

業務の効率化を図るためにはITの活用が重要なポイントです。例えば外回りの多い営業社員に対して、タブレットやスマートフォンなどのモバイルデバイスを用意すれば、移動時間やアポイントの間の時間を有効活用できます。残業時間の短縮につなげることができるでしょう。
またWi-fi環境の整備やモバイル端末が普及することで、配線に悩まされず、働き方に即したオフィスレイアウトが可能になります。

自宅や外出先などモバイルワークを行う社員とコミュニケーションを取り、スムーズに業務を進めるためには、社内チャットツールやビデオ会議システムなどの活用、ITの活用が重要です。最近では特に、データの共有ツールを備えた社内コミュニケーションシステムを導入する企業も増えてきました。ITを活用することで、よりフレキシブルな働き方が実現できます。

フリーアドレスの導入

子育てや介護などを両立しながら働くために、時短勤務や在宅勤務を希望する社員は少なくありません。多様な働き方に臨機応変に対応していくうえで、ITの整備を含め、オフィスもそれに合わせた機能性が必要です。

こうした課題への答えのひとつとして最近広まっているのが、オフィスのフリーアドレス化です。あえて固定席を設けず、自由に自分の場所を決められることで、オフィスに常駐しない社員のスペースを有効活用できるでしょう。オフィススペースの最適化が図れるとともに、社員同士の偶発的なコミュニケーションが生まれることで企業の活性化が期待できます。

フリーアドレスについてさらに詳しく知りたい方は下記の記事も御覧ください。
【関連コラム】 ルールと事前準備が大切!フリーアドレス導入で失敗しないために
【関連コラム】 失敗例から学ぶフリーアドレスを成功させるポイントとは?

テレワークの導入

テレワークとは「tele(遠く)」と「work(働く)」を組み合わせた造語で、オフィス以外の場所で仕事をするスタイルです。テレワークの導入により育児や介護、病気などを理由にオフィスに通うことが難しい人でも労働が可能となり、これまで労働力として活用できなかった人にも柔軟に働いてもらえるようになりました。自宅に限らず、移動中やカフェ、コワーキングスペースなどでの仕事もテレワークに当たります。

モバイルワークと混同されがちですが、モバイルワークはオフィス内でも自席を離れて仕事をすれば該当するのに対し、テレワークはオフィス外での仕事のみを指します。

クラウド活用

「クラウド」とは、データをインターネット上に保存することで、どこでも閲覧、共有できるシステムのことです。Web上で利用できるメールもその1つ。クラウドシステムを活用することで、社外にいても仕事で必要なデータや社内の状況が共有できるのです。また、データを閲覧するだけでなく、ダウンロードして編集後にアップロードすることもできます。社内申請や承認、決裁などのワークフローをクラウド上で行うことで、迅速な処理やペーパーレスの効果も見込めますね。
クラウドの活用によって、勤務場所を自社のオフィスに限定する必要がなくなります。

社内制度の整備

新しいワークスタイルを模索するうえでは、フレックス勤務制度の導入や、労働時間ではなく業務内容で評価をする仕組みの整備など、オフィスにいないことが人事評価に影響しない社内制度を導入することが重要です。

一時期に比べれば、サービス残業や休日出勤を強制するような企業は減っているものの、企業によっては労働の質よりも量を評価する意識は依然として強く残っています。仕事を早く終わらせて帰ることを「サボっている」と揶揄(やゆ)したり、時短勤務をしている人の働きぶりがいつまでも評価されなかったりするような体制では、ワークスタイル変革を実現するのは難しいでしょう。改革実現のためには、こうしたフレキシブルなワークスタイルを推進していくことをトップ自らが表明し、社内制度の整備を行うことが重要です。

コミュニケーションしやすい環境づくり

ワークスタイル変革のためにオフィスができることは、労働環境やオフィス環境の改善です。さらに、ワークスタイル変革を業績アップにつなげるには、社内のコミュニケーションがカギとなります。そのためには、従業員同士が気軽に話し合える環境づくりが不可欠。オフィスのレイアウト変更やシステムの導入が必要です。現在は、ワークスタイル変革のために、さまざまなサービスが提供されています。自社に合ったサービスを活用して、ワークスタイル改革に応じたオフィスづくりを実現しましょう。

フリーアドレスを導入したオフィスデザイン事例集

健全な労使関係を築くワークスタイル変革

自社の労働環境を整備していくことは、従業員の生活の質向上や働きやすさに繋がるだけでなく、業務生産性を向上させたり優秀な人材の流出を食い止めたりするなど、経営上も数多くのメリットがあります。健全な労使関係を構築する上でも、ぜひ取り組みを始めてみてはいかがでしょうか。

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