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ユニバーサルレイアウトとは?

ユニバーサルレイアウトとは、管理職の席を指定せずにデスクを横一列に並べるオフィスレイアウト形式のことです。
この配置方法では、特定の役職や部署に関係なく、どの社員も一律に同じデスクを使用します。
またユニバーサルレイアウトは組織の変化や増員に柔軟に対応でき、スペースの効率的な利用を可能にするため、多様な働き方に適しています。
2019年から順次施行されている働き方改革や、コロナ禍によって進んだリモートワークの普及によって注目されるようになりました。
これまでのオフィス環境では、固定席や役職に応じた配置が一般的でした。しかし現代のビジネスシーンでは、より柔軟なコミュニケーションを行える空間が求められています。
ユニバーサルレイアウトは、職位を超えたコミュニケーションを活性化し、業務の効率化やイノベーションを実現する新たな方法として注目されています。

他の形式との違い

オフィスレイアウトにはさまざまな形式があります。
では、ユニバーサルレイアウトは他の形式とどのように異なるのでしょうか。
それぞれのレイアウトの特徴と、違いを見ていきましょう。

島型対向式との違い

島型対向式レイアウトは、部署やチームごとにデスクを島状に配置します。対面で座る、従来のオフィスで採用されていた形式です。
基本的に役職者は全体を見渡せる位置に座り、チーム内に限定してコミュニケーションが取りやすいのが特徴です。
しかし他部署との交流が制限され、レイアウト変更には時間とコストがかかるというデメリットもあります。

フリーアドレスとの違い

フリーアドレスは、固定の席を設けず社員が自由に空いている席を選んで座る運用方法を指します。
毎日違う場所で作業できるため、プロジェクトや気分に応じた柔軟な働き方が可能です。
ユニバーサルレイアウトも自由度が高いですが、デスク自体の配置は横一列に統一されている点がフリーアドレスとは異なります。
フリーアドレスは座席選択の自由があるため、フリーアドレス化したオフィスの一部にユニバーサルレイアウトが採用されることもあります。

ユニバーサルデザインとの違い

ユニバーサルデザインは、障がいや性別・年齢に関係なく、すべての人が快適に利用できる製品や環境をデザインする考え方です。
ユニバーサルレイアウトのように、特定のデスク配置を指すものではありませんが、働きやすい環境を整えるという点では共通しています。
ユニバーサルデザインの例を挙げると、バリアフリー設計の通路や、どんな手でも扱えるレバー式の水栓などがあります。
これに対して、ユニバーサルレイアウトは職場内での役職や部署に縛られない働きやすい環境の構築を目指しています。

ユニバーサルレイアウトを導入するメリット

ユニバーサルレイアウトには、多くのメリットがあります。企業がこのレイアウトを採用する理由をいくつか挙げてみましょう。

フレキシビリティの向上

ユニバーサルレイアウトは、急な組織変更やプロジェクトの変更にフレキシブルに対応できる点が魅力です。
社員がデスクを移動するだけで済むため、配置替えの度にデスクの引越しを行わなくて済み、本来の業務に集中できます。
また新たなメンバーが加わった場合でも、同じデザインのデスクを追加するだけで簡単に対応できます。

コミュニケーションの活性化

横一列に並んだデスク配置は、他部署や職位の違いによるへだたりをなくし、自然なコミュニケーションを促します。
社員同士の情報共有がスムーズになれば、課題やナレッジ、アイデアを共有する機会が増えて業務効率の向上が期待できます。
またフリーアドレスと併用することで、部門ごとよりもプロジェクト単位でのつながりを重視した働き方が可能です。
日ごろからプロジェクトに関わるメンバーで集まって業務を行うことで、必要なときに適切な人にすぐに相談できる環境が得られます。

スペースとコストの効率化

ユニバーサルレイアウトは、デスクやオフィス家具を統一することでスペースの有効活用とコスト削減が可能です。
無駄な空間が減り、オフィス全体のスペースが有効に使われるため、オフィスの圧縮も可能で賃料コストの削減にもつながります。
さらに可動式のワゴンやキャビネットを使用することで、席替えやレイアウト変更が容易になり、オフィス運営の効率化が図れ将来的な人員増にも対応可能です。
ある程度の変化であればわざわざオフィスを引っ越す手間もなく、長期的な運用を行うことでコストカットにつながります。

ユニバーサルレイアウトを導入するデメリット

ユニバーサルレイアウトには多くのメリットがある一方で、デメリットも存在します。
導入に際して考慮すべき点をいくつか挙げてみましょう。

マネジメントの課題

ユニバーサルレイアウトでは、島型レイアウトのように役職者の席が特別に設けられていないため、マネジメントの難しさが課題となるケースもあります。
横並びであるため上長は部下の顔を見にくくなり、チーム単位での管理が難しくなる可能性があります。
また部署外のスタッフにとっては、稟議を取るべき管理職が誰なのかわかりにくくなります。
普段からそれぞれの動向を把握し、チームを管理する仕組みをつくり、部署外のスタッフにもわかりやすい工夫が必要です。

集中が難しいことも

デスクが横一列に並ぶため、プライバシーの確保が難しく、人によっては周囲の視線によって集中しづらいかもしれません。
また業務内容や個人の情報が他人に見られやすい環境になるため、ある程度の機密性を確保する必要もあります。
周囲からの視線をカットするパーテーション(パーティション※)の設置や、集中が必要な部署や業務には専用ブース席や個室を用意するなどの配慮が必要です。

部署やチーム単位での把握が難しい

ユニバーサルレイアウトでは、基本的に同じデザインのデスクや椅子を使用するため、社員の所属部署が分かりづらくなることがあります。
とくにフリーアドレスと併用する場合には、業務内容との相性も考慮しなければなりません。
経理部や法務部などは、固定席があることで部署外からのタスクを請け負いやすくなっています。
経理が移動すると、領収書の提出先が毎回変わってしまうため少々面倒です。
またチームメンバーとの一体感が薄れ、チームビルディングがうまくいかなくなることもあります。
ICTを活用したチームビルディングや、交流のためのミーティングスペースを設置するなどして対策しましょう。

ユニバーサルレイアウトの導入を成功させるには?

ユニバーサルレイアウトには、メリットもデメリットもあります。
ここでは、ユニバーサルレイアウトのメリットを最大化し、デメリットを解決する導入のポイントについて解説します。

働く人の立場になる

ユニバーサルレイアウトの導入に際して最も大切なのは、従業員の理解を得ることです。
オフィスの配置が突然変わると、業務効率の低下や働く人々のストレスにつながります。
従業員に対して新しいレイアウトのメリットを明確に伝え、どのように働きやすくなるのかを具体的に説明することでスムーズな移行を図りましょう。
またレイアウト変更後には、定期的に従業員からのフィードバックを受け入れる仕組みが必要です。
働く人々の声を集めてPDCAを回し、より効果的なオフィス運用を目指しましょう。

適切なオフィス家具を選ぶ

ユニバーサルレイアウトに適したオフィス家具を設置しましょう。
可動式のデスクやチェアを取り入れることで、ミーティングや個人作業など、状況に応じて柔軟にレイアウトを変えることが可能です。
キャスター付きのデスクやイスを採用することでレイアウト変更が容易になり、ミーティングの際にはすぐに配置を変えられます。
またオフィス全体のデザインに統一感があることで、どの席でも違和感なく働けます。
プラスではユニバーサルレイアウトに対応したデスクも販売しております。詳細は「フリーアドレスデスク」のカテゴリをご覧くださいませ。

コミュニケーションスペースの設置

ユニバーサルレイアウトを採用すると、チームメンバーとの距離が離れることがあるため、コミュニケーションを円滑にするためのスペースを設けましょう。
リフレッシュスペースやミーティングスペースを別途設置し、交流を促すことでチームワークの維持を目指します。
また自宅で働くテレワーカーがいる場合、チャットツールを使って交流の機会を増やすなど、ICTを活用して離れているスタッフとの連携も行います。

ユニバーサルレイアウトの導入事例

ここでは、ユニバーサルレイアウトを取り入れている3つの企業の事例を紹介します。

株式会社プラネット

株式会社プラネットでは、オフィスのスペース不足を解消し、社員の創造性を引き出す環境を整えることを目的に、ユニバーサルレイアウトとフリーアドレスを採用した新しいオフィスの設計に取り組みました。
個人のデスクに加えてテーブル席、カウンター席、ソファタイプのスペースを設けており、社員は気分や業務に合わせて座席を選択可能です。
また各スペースには電源やモニターが備えられているため、どこでもスマホやパソコンを使って快適に働ける環境が整っています。
素材を活かした自然を感じさせるインテリアや、スタンドライトや観葉植物を活用することで、従業員の居住性にも配慮しています。
落ち着きとリラックス効果を与える空間をつくることで、社員のクリエイティビティを引き出すだけでなく、訪問者にも好印象を与える空間となっています。

ネットイヤーグループ株式会社

ネットイヤーグループ株式会社では、自律的なワークスタイルを促すために、ユニバーサルレイアウトを採用したフリーアドレス制を導入しました。
またコミュニケーションの課題を解決するために、ラウンジスペースにはビリヤード台やダーツが設置されており、社員同士の交流が活性化される仕組みも整っています。
固定の座席がないため柔軟な働き方を実現しており、将来的な人員増にも対応しやすい環境を構築しています。
もちろん、どこでも働きやすいように社内のネットワーク環境も整備されています。

コスモ調剤薬局

コスモ調剤薬局は、地域社会への医療貢献を掲げる企業です。
新しいオフィスを構築する際、社員にとって魅力的な空間であることを目指し、海外の大学や企業を経営者自身が視察した上で設計を進めました。
社員同士が自然にコミュニケーションをとれる環境を目指し、会長室や社長室もない完全なユニバーサルレイアウトを採用しています。
またキッチンを中心にアットホームな空間を設け、社員同士が自然に集まって交流できるよう工夫されています。
さらに6階には地域社会への貢献を目的とした多目的フロアがあり、セミナーやランチを通じた地域の人々との交流を行っています。

新しいオフィスをつくるなら「プラス」へ

ユニバーサルレイアウトは、職位によるデスクの違いをなくし、働く人々のクリエイティビティを引き出すオフィスデザインです。
事例で紹介したようにフリーアドレスとの相性もよく、多様なワークスペースを採用することで、より柔軟な仕事空間を構築できます。
オフィスの構築にあたっては、従業員の声を聞き相性の良い家具を設置することで、一人ひとりが働きやすいオフィスとなるでしょう。
フリーアドレスやユニバーサルレイアウトの導入を考えているなら「プラス」にご相談ください。
これまで培ってきた、オフィスに関する豊富なノウハウから、理想とする仕事空間の構築をお手伝いします。

※プラスではパーテーションをパーティションとしてカタログ掲載しております。

この記事を書いた人

マーケティング部 コラム編集部 プラス株式会社ファニチャーカンパニー

プラス株式会社ファニチャーカンパニー マーケティング部 コラム編集部

プラス株式会社ファニチャーカンパニーのマーケティング部門です。オフィスに関する最新のトレンド情報や、オフィス移転・リニューアル・オフィスデザインに関する情報を発信しています。 オフィスの最新情報はInstagram「plus_kagu」で検索してフォロー!昨日よりもオフィスが好きになるような、「家具・働く空間にまつわる工夫・デザイン事例」などの情報をお届けしています。

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