コミュニケーションと集中のメリハリを実現する集中ブースの効果的活用方法

コミュニケーションと集中のメリハリを実現する集中ブースの効果的活用方法

ワークスタイル

企業は基本的に部署やチームで1つの仕事に取り組むことから、横や縦のつながりといったコミュニケーションを重視します。そのため、オフィスのレイアウトも必然的にコミュニケーションを取りやすいことを前提に構成されています。しかし、部署によってはコミュニケーションを重視し過ぎるとかえって業務効率が悪くなるケースも少なくありません。

重要なことは「コミュニケーションを取る時」と、「外部の雑音をシャットアウトして集中して仕事をする時」のメリハリを付けられるようにすることではないでしょうか。そこで今回は、今大きな注目を集める集中ブースの効果的な導入方法や運用時の注意点についてお伝えします。

集中スペースが仕事を効率化する

集中ブースとは

コミュニケーションのとりやすいレイアウトは、一方で集中して仕事をするのに向かないレイアウトであるともいえます。常に周りに人がいて動いたり話している環境では、集中できたとしても、それを持続させるのは困難です。そこで、最近になって多くの企業で導入が進んでいるのが集中ブースです。

集中ブースとは、自席で集中して仕事をすることが難しい時に、周囲をシャットアウトして一人で仕事ができるスペースです。二面または三面を衝立やパーティションで囲うことによって目線をコントロールし、周囲から独立して集中できる作りになっています。

集中ブースには椅子とデスクだけ設置されているものもあれば、用途やサイズによって棚があるものもあります。オフィス家具として集中ブースとしてのプロダクトが数多く販売されている他、オフィスを造る際に造作家具として造り付ける場合もあります。

集中ブースの特徴として、ブースに開口部があったり、スリットが入っておりブース内の様子がわかりやすくなっている点です。周囲から断絶された完全な個室ということではないため、ブースが使われているかどうかの確認がしやすい点があります。一方で、ブース利用者の目線はコントロールし、周囲の気配を感じさせないよう工夫がされていることが多いです。

集中ブースを設置することで、部署、チームとしてコミュニケーションを取りながら仕事をする時は自席で取り組み、一人で集中して仕事をしたい時は集中ブースで取り組む、といった形で使い分けが可能になります。

コミュニケーションと集中のメリハリを付けるべき理由

集中ブースをオフィス内に設置すれば、一人で集中して仕事をするときと、自席で周囲の社員とコミュニケーションを取りながら仕事をするときと、メリハリを付けられるようになります。しかし、なぜコミュニケーションと集中のメリハリを付けて仕事をする必要があるのでしょう。その主な理由として次の2点が挙げられます。

一人が適していることとチームが適していることに違いがあるため

企業ではチームで仕事をするのが基本です。これは個人事業主にはない大きなメリットで、それぞれが得意な分野で力を発揮し、それぞれの足りない部分を補えば一人では困難な仕事でも達成できる可能性が高まります。

しかし、チームで仕事をする場合でも、一人で取り組む方が効率的な時間もあります。それはアイデアを生み出す時です。もちろん仕事内容にもよりますが、0から1を生み出す際は一人のほうが向いています。そして1のアイデアを100に膨らませるのは、チームのほうが向いているのです。

そこで、アイデアを考える際は、集中ブースに入り一人で集中する。そして、ある程度アイデアが固まったらチームでコミュニケーションを取りながらブラッシュアップしていく。つまり、一人が向いていることとチームが向いていることに違いがあるため、それぞれの環境を用意したほうが業務効率もアップするのです。

どちらか一方に偏ると効率が悪くなるため

前述したように、一人が適している仕事とチームが適している仕事があります。そのため、仕事を進めるにあたって一人またはチームのどちらかに偏ってしまうと、仕事全体を見たときに効率が悪くなるリスクがあります。例えば、新製品を企画するにあたって、まずは個人でアイデアを考え、チームで持ち寄って企画内容を議論する、といった進め方は効率がよくなります。

また、チーム内でのコミュニケーションは新たなアイデアを生み出すきっかけになる場合もありますが、話が脱線してしまい無駄に時間が過ぎてしまう場合もあります。コミュニケーションは重要ではあるものの、無駄が多くなってしまうケースもあるため、一人とチームのバランスを取ることが重要だといえるでしょう。

《一緒に読みたい記事》

コミュニケーションと集中のメリハリを実現する集中ブースの効果的活用方法

集中ブースの重要性と導入のメリット

企業で仕事を進めていくには、集中とコミュニケーションのメリハリが重要であると説明しましたが、それ以外にも集中ブースを設置する重要性はいくつか考えられます。具体的には次のとおりです。

集中ブース設置の重要性

  • 周囲のノイズを避けられる

集中して仕事をするのは、アイデアを生み出すときだけではありません。「企画書をつくる」「データの分析をする」なども集中して行わないとミスが生まれる可能性が高まります。そうした際は、周囲の話し声もすべてノイズに感じてしまうため、集中ブースがないと仕事が滞ってしまうかもしれません。

  • 電話で仕事を遮られない

納期や決算などの時間が限られた仕事をする際も集中ブースの重要性が増します。集中ブースには基本的に電話がないため、電話で仕事を遮られてしまうリスクもありません。集中して仕事をしているときに電話に出てしまうと集中力が切れてしまい、その分仕事のスピードも落ちてしまう可能性もあります。そのため、自席で仕事をするよりも集中ブースのほうが早く仕事を終えられるでしょう。

集中ブースを設置するメリット

次に集中ブースをオフィスに設置するメリットについて説明します。

  • 気分転換になる

集中ブースと名がついているものの、集中して仕事をするとき以外に使えないわけではありません。自席でずっと仕事をしていて、行き詰まってしまったときや次の仕事に移るときなど、仕事内容によって気分を変える目的で利用できます。

  • リラックスして仕事ができる

多くの集中ブースは四方が囲まれた状態になっているため、周囲を気にせずリラックスして仕事ができます。

  • Web会議でも利用できる

テレワークを導入する企業が増えたこともあり、一般的になりつつあるWeb会議。しかし、オフィスでWeb会議を行う場合、自席では周囲の音がうるさく会議に集中するのは難しいでしょう。また、通常の会議室は広すぎるうえ、すでに使われていれば使用できません。そうした際は、集中ブースの利用が便利です。周囲のノイズが入らず、会議室が使われていても問題なく使用できます。

  • 機密情報に関わる仕事も可能

例えば、決算関連の仕事や取引先の未発表情報を扱う際には、自席だと周囲の目が気になってしまうでしょう。しかし、集中ブースであれば、周囲の目も届かないため、安心して仕事ができます。

《一緒に読みたい記事》

仕事に集中できないオフィスを改善するためのポイントとは?

《一緒に読みたい記事》

うるさい職場のなかで集中して仕事を進めていくための方法とは?

集中ブースの設置方法

集中ブースを実際に導入するとなった際、具体的には次の2つの方法があります。

  1. 一体型を購入する

集中ブースとして販売されているものを購入する方法です。四方を囲まれているタイプや、前面が空いているタイプなど用途に応じてさまざまなタイプが用意されています。

  1. 壁付けのカウンター席とパネルを組み合わせた簡易的な集中ブースを設置する

既存の、もしくは購入したパネルを使い、簡易的な集中ブースを設置する方法です。壁面や窓側などのスペースを効率的に活用し、集中ブースを設置できます。一体型を購入する前のテストとしてもおすすめです。

集中できる環境にしたい方はこちら

集中ブースの効果的な導入方法

集中ブースの導入目的は、当然ながら集中して仕事ができる環境づくりにあります。しかし、ポイントを押さえずに闇雲に設置してしまうと、集中しづらかったり、逆に集中できないといったこともおこりえます。そこで、集中ブースの効果的な導入方法について2つのポイントを紹介します。

1.雑音が激しい場所からの距離を離す

執務スペースなどの、電話や社員同士の話し声が聞こえる場所に集中スペースを設置してしまうと、周囲の雑音により集中して仕事をしづらくなります。そこで、集中ブースは執務スペースなどの騒音や雑音が多い場所からは少し離して設置することを心がけましょう。とはいえ、執務スペースからあまりにも遠い場所だと利便性が下がりますので、適度な場所を探すことがポイントです。音をコントロールして集中しやすい環境にすることがポイントです。

2.視覚的ノイズを排除できる環境を選ぶ

集中力を欠いてしまう要因は、雑音などの聴覚的ノイズの他に、目に映るものが集中力を阻害する視覚的ノイズがあります。そのため、集中ブースを使用しない社員は基本的に集中ブースには近づかず、視覚的ノイズになることを避けなければなりません。また頻繁に出入りがある場所に設置すると、集中ブースであったとしても気が散ってしまい集中できなくなります。他にも、テレビが見える場所、誰かの視線を感じる場所なども集中できない要因になります。なるべく視覚的ノイズを排除できる環境に設置しましょう。

集中ブースの運用に関する注意点

集中ブースで仕事をする場合、自席を離れることになるため、集中ブースに行く人、行かない人双方で注意すべき点があります。

  • 集中ブースを利用しない社員が注意する点/緊急の用以外は呼び出しにいかない

一刻を争う用事や、取引先からの緊急な電話以外は、席を外しているため後から連絡すると告げ、集中ブースには呼びにいかないようにしましょう。電話や問い合わせがあるたびに呼び出してしまうと自席にいるのと変わらず、結局仕事に集中できません。

  • 集中ブースを利用する社員が注意する点/周囲に声をかけてから行く

黙って集中ブースに行ってしまうと、電話がかかってきた際の対応ができなくなります。また、集中ブースにいった社員に用事がある時も、わざわざ社内を探し歩かなければなりません。もし集中ブースにいないのに、集中ブースに探しにいけば、集中ブースで仕事をしているほかの社員に迷惑がかかってしまいます。そのため、集中ブースに行く際は、必ず周囲に声をかけてからいくようにしましょう。

フリーアドレスで利用する座席予約システムを活用し、集中ブースを予約制にするのもおすすめです。集中ブースへ行く際、周囲に誰もいないときでもこのシステムがあれば気にせず利用できます。

座席予約システムについて詳しく知りたい方はこちらの「座席管理システムSuwary(スワリー)」を参照してください。

また、集中ブースを利用する際は離席する目安時間を告げるような運用を心がけるといいでしょう。場合によっては、会社として集中ブースを利用する際の制限時間を設けてもいいかもしれません。

利用する社員、利用していない社員が配慮することで、顧客をはじめとした関係各所に迷惑をかけることなく、集中して業務を進めることにつながります。

集中スペースが仕事を効率化する

集中ブースの設置が生産性を向上させる

集中ブースは、日本で注目を集め始めているとはいえ、一般に浸透しているとはいえません。その理由のひとつとして日本の企業が欧米企業に比べ個人主義がそれほど強くないこと、部署やチームで一丸となって進めることが重要といった全体主義が根付いていることが挙げられるでしょう。

もちろん、全体主義が大きな効果を発揮する場合もあります。しかし、業務内容によっては1人で集中して仕事をしたほうが、効率が良くなるケースも少なくありません。チームで進めるという日本の働き方の良さはそのままに、個の力も最大限に引き出せる工夫が必要です。そのためコミュニケーションを取りやすいレイアウトと集中ブース、それぞれのメリットや特徴を活かしたオフィスづくりが、生産性を向上させるための重要なポイントといえるでしょう。