その取り組みは本当に生産性向上につながっていますか?

ワークスタイル

現在政府の主導により進められている「働き方改革」。よりよい労働環境の実現を目指してさまざまなテーマの検討や関連法案の整備が進められていますが、そのテーマのひとつとして注目されているのが「生産性向上」です。労働生産性を向上するためにはどのような取り組みが必要なのか、注意点をご紹介しましょう。

会議の省略が必ずしも生産性向上にはつながらない

生産性向上のための施策としてよく聞かれるのが、定期的に行われていた会議をなくす(減らす)という取り組みです。特に定例会議は「定期的に行わなければいけない」という意識から、特に緊急の議題がない場合でも行われていたり、業務の進捗報告会になっていたりするケースも少なくありません。

このように、定例会議が必ずしも必要でないケースでは、会議をなくすことで時間を有効活用できるため生産性の向上にもつながるかもしれません。ただ、会議を行うことで部署全体の業績に関わるような議論ができたり、情報共有により業務がスムーズに進んだりするなどのケースもあるため、会議をなくすことが必ずしも生産性の向上につながるとは一概にいい切れない部分もあります。

そのため、まずはその会議をなくすことで本当に「生産性向上」が実現できるのかを、事前に検討することが重要です。議題の有無によって会議を行うかどうかを柔軟に選択できたり、会議室を使用しないクイックな情報共有の場にしたりするなど、会議のスタイルを再検討するのもひとつの方法です。

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業務をアウトソーシングする際は、しっかりとマネジメントを

最近では生産性向上のために自社の従業員は企画やマネジメント業務に注力し、営業活動やコールセンター業務などのそれ以外のタスクをアウトソーシングする企業も増えてきました。企業のコアとなる企画業務にリソースを集中し、それ以外の業務はそれぞれのプロに依頼することで、より生産性の高い状態を維持できるという考え方です。

こうした取り組みは効果的に成果をあげられるとして、すでに新しい働き方のスタンダードになりつつありますが、この場合も、導入する際は本当に生産性を高められるのかどうかを検討する必要があります。

顧客と直接接触する営業やコールセンター業務も、企業の評判を左右する重要な業務であることはいうまでもありません。もし、自社の社員にマネジメントのノウハウがなく、アウトソーシング先を上手にコントロールできず、業務の品質を落とすようなことがあれば、その対応に追われることで生産性を下げたり、企業の将来的な業績に影響したりする危険性もあります。業務をアウトソーシングする場合は、自社社員のマネジメントスキルを向上する勉強会を開くといったように、本当に生産性の向上につながるかをしっかりと検討することが重要です。

社内システムの活用で、生産性を下げてはいませんか?

最近では多くの会社で導入が進んでいる社内システム。プロジェクトの進捗状況を共有したり、業務連絡を効率的に行えたりするなど便利なツールといえるでしょう。また、社員のスケジュールやタスクを入力することで業務を共有化し、万が一急病で誰かが出社できないときでもほかの社員がフォローしやすくなるといったように、リスクヘッジにも最適です。

このように、一般的には生産性を向上するツールとして認識されている社内システムですが、スケジュールやタスクの入力は意外と手間がかかり、余分な作業を生み出している実態があることは認識しておく必要があります。例えば少人数のプロジェクトでは社内システムにわざわざ入力するよりも直接伝えたほうが早いこともあり、必ずしも社内システムの活用が生産性向上につながらないケースもあります。こうした情報共有のためのシステムを活用する際は、情報をどこまで共有するかの指針を定めるといったように、業務を妨げないような工夫が必要となります。

新しい取り組みを始める際は「生産性向上」につながるかしっかりと検討を

従業員の働き方を改革し、かつ業績をあげていくためには「生産性向上」は避けては通れない課題のひとつといえるでしょう。ただ、効率性だけを求めるような考え方では、かえって労働環境を悪化させる危険性もあります。新しい取り組みを始める際は、それが本当に生産性向上につながるのか、しっかりと検討するようにしましょう。

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効率はどうして良くならない?生産性向上のためにできることを考える