雑談が仕事の生産性を上げる!?

ワークスタイル

仕事中の雑談、してますか?


みなさんは、仕事中に雑談してますか? 
よく同僚と雑談している、という人もいれば、いや、仕事中の「雑談」なんてもってのほか。うちの職場はそんな雰囲気じゃない、というところもあるでしょう。 
ICT化が進み、ビジネスコミュニケーションの主体がメールやチャットツールになってきており、仕事中はほとんど話をしないどころか、隣の人とすらチャットする、などという話もききます。

「雑談」に対する評価は意外と高い


最近では「雑談力」という言葉も出てきています。営業職などでは、『お客さんと雑談の一つもできるぐらいでないと一人前でない』というぐらいコミュニケーションスキルの一つとしてとらえられています。仕事中の雑談を、みなさんどう考えているのでしょう。 

弊社がインターネットを使ってオフィスで働く500名(経営層:200名/一般社員:300名)の方にアンケートを取ったところ、約70%の人が「雑談」は社内コミュニケーションの一つとして必要と考えていました。また、83%の人が「雑談」は仕事に効果・効能があると感じています。 

具体的な雑談の効果・効能についてきいてみると、「コミュニケーションが活発になる」と答えた人が60%以上、次いで「気分転換になる」「社内が明るくなる」「チームワークが向上する」「社内の人と親しくなる」ということをあげる人が多くいました。 
つまり、多くの人が雑談によって、社内の雰囲気が良くなり、社員同士の団結力が増すと感じているようです。

社内の雰囲気を変えるコミュニケーション改革の第一歩.jpg

雑談が新たな思考や発想を呼ぶ


雑談の目的についてきいてみると、経営層の人たちは「情報収集」(47.6%)「アイディア出し」(28.0%)などの「仕事の肥やし」になることをあげる人が多くいました。「情報収集」は一般社員でも多く(48.1%)あげられています。 

とある大手企業の会長が「雑談は『言葉の炎』で化学変化を起こし、新しいものを生み出すこと」*1と語っています。少し仕事から離れて、いろいろな話題の雑談をすることで、逆に本業に対する視野が広がって、新たな思考や発想を呼ぶ原動力になると感じている人は多いようです。

実際に雑談の効果を調べてみると…


雑談の効果がどれほどあるかの調査結果が出ています。電話営業を行っているコールセンターの従業員200名あまりにウェアエアブルセンサーを約1ヶ月間装着してもらい、従業員の行動と生産性の関係性を調べた企業がありました。*2 
この調査結果によれば、休憩時間の雑談が従業員全体で活発に行われた日は、受注率が最大1.34倍になったとのこと。 

興味深いのは、雑談をたくさんした人だけでなく、従業員全体で受注率がアップしたこと。つまり、雑談が組織全体の活性度を高め、業務の効率を上げる結果につながっているということがわかったのです。まさに雑談による社内コミュニケーションの増加が、組織力をアップさせたと言えるでしょう。

いろいろな人との雑談が新たな発想を生む


ある大会社の本社ビルは全館禁煙で、2階に社内唯一の喫煙室があったそうです。全館禁煙はしっかりと徹底されていて、上層階にあった社長室はじめ役員室も禁煙。つまり社長たりとも一服したければ2階の喫煙室まで降りてくる必要がありました。 
実際、その社長は喫煙室まで降りてきて、一服しながら他の社員と会話をしていたとか。喫煙タイムはリラックスタイムでもあるので、かなりフランクな雑談がかわされていたようです。 

社長だけでなく、管理職の人たちも同じようにリラックスして会話する場になっていたので、職場では聞けない・話せない会話を求めて、喫煙者の上司に非喫煙者の部下がついて行って雑談するということもよく見られたとか。この雑談の中から新たな発想が生まれる経験をした人も多いので、みんな喫煙室に行っていたようです。 

さすがにタバコを吸わない人まで積極的に喫煙室で雑談するというのは勧められるものではありませんが、「上下」の分けへだてなく、業務時間にリラックスして会話できる「場」が社内に存在することの意味と価値がこの話からわかります。 

今では館内禁煙の会社も少なくありませんので、この「場」はリフレッシュルーム・スペースが担っているでしょう。そのような意味ではリフレッシュルーム・スペースが「雑談しやすい場」になっているか、もう一度見直してみる価値はあります。 

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「雑談できる場」をオフィスに


先のアンケートでも、職場では雑談しにくい理由として、「まわりで仕事している人の迷惑になるから」(38.4%)、「サボっているように思われるから」(31.9%)と、まわりの人達との関係を気にする人が多いことがうかがわれます。 
この結果からも、心おきなく「雑談できる場」のニーズは高いといえるでしょう。 

社員同士のコミュニケーションが増え、上下の風通しを良くし、新たな発想を生み出すオフィスの雑談。会社を活性化させたい、より強力な組織づくりをしたいという経営者、管理職の方は、「雑談しやすい場」作りからはじめてはいかがでしょうか。 


*1 【雑談力】いい会社は必ず「雑談」を大切にしている! アサヒホールディングス 泉谷直木社長(現会長) PHP Online 衆知 

*2 ウエアラブル技術による幸福感の計測 ―知識労働やサービス業務の生産性を飛躍させるテクノロジー- 日立評論 2015年6・7月号合併号