フリーアドレス導入時の4つの課題とその解決方法

フリーアドレス導入時の4つの課題とその解決方法

ワークスタイル

オフィス内のコミュニケーション活性化や省スペース化などに効果を発揮するフリーアドレス。特にスタートアップ企業や、営業中心で在席率が低い企業で導入されているケースが増えています。しかし、フリーアドレスにはさまざまなメリットがある一方、導入時においては、経営層や社員が不安を感じるケースも少なくありません。そのなかでも大きいのは、「マネジメントの困難さ」「新しいものへの拒否感」「帰属意識の喪失」「セキュリティリスクの心配」の4点です。そこで、今回はそれぞれのデメリットが起こる理由と、解決策についてお伝えします。

フリーアドレスを導入するうえでの4つの課題

「新しいワークスタイル」というと、海外発祥と思われがちですが、実はフリーアドレスは日本発祥とされています。オフィスにおけるひとり当たりの作業スペース拡大を目的に考えられました。このフリーアドレスは、オフィスの省スペース化をはじめ、多くのメリットがありますが、導入に二の足を踏む企業も少なくありません。考えられる主な理由としては以下があります。

1.マネジメントの困難さ

一般的な部署ごとにまとまっているレイアウトであれば、部下の在席確認は容易です。しかし、座る席が自由になると、同じ部署の従業員であってもメールやチャットツールを使う、話をするために探すといった手間が増えます。これにより、マネジメント、特に勤怠管理やフェイス・トゥ・フェイスのコミュニケーションが困難になる場合があるのです。

2.新しいものへの拒否感

フリーアドレスに限らず、新しい仕組み、設備、ツールなどを導入する際には、拒否感を示す従業員が少なからず存在します。そうした社員はフリーアドレスについてもデメリットだけを見ている可能性があります。例えば、自席がなくなるという今までに経験のない試みに対して、具体的なイメージが持てずに躊躇しているケースがあります。結果として、社員の足並みがそろわないという懸念が出てきてしまうのです。

3.帰属意識の喪失

常に同じ席に座り同じ環境で働くことが、企業への帰属意識を生み出す重要な要因の1つであると考える方も少なくありません。固定された自席があることで、自分がこの部署に属している、ひいてはこの会社の一員であるという意識を持ち、それが結果として帰属意識に反映されているという考え方です。そう考える人は「フリーアドレスの導入によって社員の帰属意識を喪失してしまうのでは」と懸念します。

4.セキュリティリスクの心配

フリーアドレスで使用するデスクには、基本的に引き出しやサイドキャビネットなどの個人で利用する収納がありません。そのため、従来どおりの自席の物量をフリーアドレス席に持ち込むと、私物や書類がデスクの上に溢れてしまいます。結果として、見た目の問題が出てくるのはもちろん、紛失や盗難などのセキュリティリスクが心配されます。

フリーアドレスを導入したオフィスデザイン事例集

フリーアドレス導入時の課題を解決する施策

フリーアドレス導入に関する4つの課題を見てきました。しかし、これらの課題はフリーアドレスに対する誤解や、フリーアドレスの本質を理解していないことで生まれているケースも少なくありません。また、しっかりとした対策を立てることで課題を解決することも可能です。ここでは、それぞれの課題に対する具体的な解決方法を紹介します。

マネジメントが困難になることを防ぐ方法

部下の在席確認に関しては、ITツールの活用で解決することが可能です。例えば、着座時にどこに座った席を登録・公開できるツールを使えば、誰がどこにいるかが可視化でき座席確認も容易になります。

また、同じ部署、チームの人間が離ればなれになることでコミュニケーションが取りづらくなるといった不安には、社内SNSやチャットサービスのグループ機能がおすすめです。メールよりも気軽なコミュニケーションが可能となります。

新しいものへの拒否感を防ぐ方法

新しいものへの拒否感を持つ社員は、年代にかかわらず存在します。そうした社員の拒否感を防ぐ方法は、上司自ら率先して新しいものを利用することが効果的です。また、拒否感はそもそもフリーアドレスの意義、目的を理解していないことから生まれるケースもあります。そのため、導入前に、なぜフリーアドレスを導入するのかをしっかりと伝えることも重要です。そして、導入後は活用方法についても講習会を行い、必要性や効果を理解してもらえるようにしましょう。

帰属意識の喪失を防ぐ方法

そもそも、企業への帰属意識は固定席だから生まれるのではなく、その会社の社風や風土・良好な人間関係から生み出されます。それでも部署やチームが固まって業務を行うことが重要であるという意識が強い場合、フリーアドレスのなかでも「グループアドレス制」を使用するとよいでしょう。これは、部署、チーム関係なく自由に席を決めるのではなく、部署、グループ単位で固まりつつ、その単位で自由に席を移動できる方法です。また、定期的にグループのエリアをシャッフルすることで席を自由に変えることのメリットを体験してもらえば、フリーアドレスの意義を理解してもらいやすくなるでしょう。

セキュリティリスクを防ぐための方法

セキュリティリスクを防ぐポイントは2点。「ペーパーレス化」と「個人用ロッカーの設置と書類持ち運びの工夫」です。

ペーパーレス化は、フリーアドレスと同時に導入することで大きな効果を発揮します。自席に山積みにされた書類を電子化したり、形式的に行われていた押印書類を電子ワークフローの仕組みに変えていくことで、固定席である必要性がなくなります。さらには、書類紛失・盗難防止などのセキュリティリスクも防ぐことができるのです。

次に、個人用ロッカーの設置と書類持ち運びの工夫です。自席をなくし、デスクの収納場所をなくす代わりに個人用のロッカーをひとり1台設置します。個人用ロッカーがあれば、そのとき必要な書類を必要な分だけ取り出して利用するという働き方にシフトできます。毎日持ち運ぶものや仕掛り資料については、持ち運び用のボックスなどを活用すればスムーズに仕事することができます。必要最小限の書類のみをデスクに置くことになるので、機密情報を紛失したり、見られてしまうリスクを抑えることができます。

フリーアドレスの活用を活性化させるツール

フリーアドレス導入を成功させるには、前項で挙げたような課題解決が必要となります。そして、そのためにはツールを効果的に活用することが重要です。ここでは代表的なツールについて簡単に紹介します。

社内SNS、チャットツール

フリーアドレスを定着、活性化させるにはITツールを活用することが効果的です。社内SNSやチャットツールは、形式ばったメールのように「お疲れ様です」や「所属、名前」などを入力する必要がなく、LINEのように気軽にやり取りが可能です。こうしたツールを導入すれば、離れた席に座る社員ともスムーズにコミュニケーションを取れます。

一人で業務を行えるためのデスク、チェア、パーティション

フリーアドレスは基本的にオープンスペースでの業務が中心となります。そのため、一人で集中して業務を行いたい場合に備え、オフィスの中にプライベート空間をつくるのがおすすめです。プラスのCOVOは、ソファとパネルが一体化した1人用ブースで、誰にも邪魔されずに集中できる空間を簡単につくり出せます。

パーソナルロッカーとオフィスカート

プラスのパーソナルロッカーL6は、個人用の荷物を収納できるロッカーです。社員証やICカードで施開錠が可能なので、別途認証用カードや鍵を用意する必要がありません。また、扉の裏に封筒や書類を入れておける収納ボックスがあり、ロッカー内で荷物が散乱してしまうことを避けられます。サイズも豊富で、オフィス空間に合わせた選択が可能です。

このほか、コンパクトなつくりで楽に移動ができるオフィスカートもおすすめです。ハンドルを格納できるタイプなら、ワゴン自体の収納も場所をとりません。大きなファイルやパソコンを運ぶときなど、女性でも気軽に活用できるワゴンを選ぶと便利です。

フリーアドレスの活性化は社員一人ひとりの理解が重要

フリーアドレスの導入により、業務効率向上を実現させるためには、従来のマネジメント方法、コミュニケーション手段を見直すことが求められます。また、フリーアドレス管理ツールや社内SNS、フリーアドレスに適した収納用品など、ツール、備品を効果的に活用することも忘れてはなりません。

そして、最も重要なことは、上司が率先して社員一人ひとりにフリーアドレス導入の目的を説明する、あるいは勉強会・講習会を通して伝え、理解してもらうことです。フリーアドレスは、単純に気分転換するためだけのものではありません。時には集中して業務を行う、時には同部署・同チーム以外の社員とコミュニケーションを取ることで新たな発想を得るなど、業務への取り組み方にメリハリをつけるものです。そのためにはどういった工夫が必要か、社員一人ひとりが自発的に考えるようになることが、フリーアドレス導入を成功させるポイントと言えるでしょう。

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