オフィス移転をスムーズに進めるうえで重要な業者選び。大手引っ越し業者やオフィス移転の専門業者など、移転業務を請け負ってくれる業者は多数存在するものの、実際はどのようにして選べばいいのでしょうか。その選定基準と、優れた業者を見極めるためのポイントをご紹介します。
まずは業者の対応力を見極める!
オフィス移転は、さまざまなタスクが同時に進行する非常に複雑なプロジェクトです。移転計画の立案はもちろん、新オフィスのレイアウト作成や工事日程の管理、当日の引っ越し作業まで、その作業範囲は多岐にわたります。また、引っ越しの規模が大きくなりやすいことも業務を複雑化させる要因といえるでしょう。
こうした複雑なプロジェクトをスムーズに進行するためには、まずは何を置いても対応力のある業者を選定することが重要です。具体的には、業者側には以下のような能力が必要とされます。
- 搬出、搬入計画の立案力:オフィス移転は家庭の引っ越しとは異なり、デスクや椅子、書類棚やロッカーなど荷物が大型化し、さらに数も増える傾向にあります。そのため、搬出や搬入に際しては綿密な計画を立て、スムーズに搬送する能力が必要となります。
- オフィスレイアウトのデザイン力:オフィスのレイアウトは、社員の動線や働き方を踏まえ、効率的に仕事ができるよう計画する必要があります。また、最近では企業のブランディングにつながるような見た目のよさも重視されるポイントです。
- 電気やネットワーク工事の対応力:新オフィスの電気やネットワーク工事、旧オフィスの原状回復工事など、オフィス移転にはさまざまな工事が発生します。当然ながら、これらに対する知識や経験も必要とされる能力のひとつです。
優れた業者を見極めるためには、上記のような知識や経験があるかを率直に聞くのはもちろんですが、自社と同規模のオフィス移転を請け負った経験がどれくらいあるかをしっかりと確認するようにしましょう。いくら経験が豊富でも、自社よりも小さい規模の移転しか請け負ったことがなければ、思わぬトラブルにつながる可能性があります。
また、総務担当者(移転プロジェクト担当者)の負担を軽減するためには、工事の発注やオフィスデザインの計画など複数の業務をワンストップで発注できるかどうかも確認したいポイントです。
見積もりは金額の詳細まで提示してくれるかどうかを重視
新しい什器を購入したり工事費用が発生したりと、さまざまなコストがかさむオフィス移転。できれば業者に支払う費用も抑えたいところですが、見積り金額だけで業者を選定するのはおすすめできません。
見積りをとる際に大切なのは、金額だけでなく詳細項目まで提示してくれているかを確認すること。詳細が書かれていれば、綿密な作業工程を計画したうえで見積金額を算出していることの裏付けになり、追加作業や工程の変更などで余計なコストが発生するのを防ぐことができます。
また、どういった作業にいくら発生しているのかがわかれば、金額交渉の際に「自社でできる作業」「業者に依頼する作業」を切り分けてコストダウンにつなげることもできるでしょう。くれぐれも「一式」など大まかな合算でしか提示してくれない業者は避けたほうが賢明です。
対応の細やかさもしっかりと確認しよう
業務効率の改善やブランディングの強化など、さまざまな理由で行われるオフィスの移転。業者を選定するうえでは、ただ移転プロジェクトをスムーズに進行できるだけでなく、これらの課題を解決してくれるような業者を選びたいところです。
検討中の業者にこうした課題解決能力があるかどうかを見極めるためには、これまでの実績を確認するほか、対応の細やかさをチェックすることも重要です。現在のオフィスが抱える課題や、新オフィスに求めることに前向きに耳を傾け、解決策を提案してくれるような業者を探すようにしましょう。打ち合わせの際にただ事務的に作業工程を確認するだけの業者では、課題の解決は望めません。
オフィス移転は、オーダーメイドで自社だけのオフィスを作り上げるようなもの。自社がかかえる課題に耳をかたむけ、細やかに対応してくれる業者を見つけることができれば、理想のオフィスの実現にまた一歩近づけるのではないでしょうか。
オフィス移転は、ただオフィスの場所を移動するだけの作業ではない
さまざまなタスクが同時進行で発生するオフィス移転。スムーズに進行し、現状のオフィスが抱える課題を解決するためには、対応力や課題解決能力の高い業者を選ぶことが重要です。オフィス移転は、ただオフィスの場所を移動するだけの作業ではないことを十分に認識し、優れた業者を選ぶようにしましょう。
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