オフィスの移転はなにかと費用がかかるもの。内装工事やオフィス家具の購入費用、電話・ネットワーク工事費用、旧オフィスの原状回復費用など、すぐに思いつく項目だけでも多岐にわたります。たとえ小規模な移転であっても数十万、数百万単位の金額が発生することも少なくないため、オフィス移転を検討しているけれど費用が心配という人も多いのではないでしょうか。
具体的にはどういった項目でどのくらいの費用が発生するのか、移転費用の相場についてご紹介しましょう。
移転費用の相場は業容によって大きく異なる
一部のサイトでは「社員1人あたり◯◯万円」もしくは「1坪あたり◯◯万円」などのように大まかな金額が提示されているオフィスの移転費用。概算とはいえ、そんなに簡単に費用を算出できるものなのでしょうか。
実際のところ、オフィスの移転費用は業種や実現したいオフィスの様相によって大きく異なります。例えばIT企業で大型のサーバールームを設置したい場合や、大量の個人情報を扱うため特にセキュリティに配慮する必要のある企業では、通常の移転よりも多くの費用がかかるでしょう。このほか、移転費用は現状のオフィスの状態や荷物量、企業規模などさまざまな要素に影響されるため、あくまで目安程度に考えておく必要があります。
ただ、移転費用を項目ごとに分け、それぞれの費用を算出することで合計費用の精度をあげることは可能です。まずはそれぞれ、どのような項目があるのかを見ていきましょう。
(なお、移転費用は企業規模や工事内容によっても大きく異なりますが、本記事ではごく一般的な例として、従業員数10~100人程度の中規模オフィスを想定してご紹介しています。)
旧オフィスの退去にかかる費用
原状回復工事費用:坪単価30,000~50,000円
旧オフィスを退去する際に発生する原状回復工事費用は、回復箇所やビルのグレード、立地にも左右されるため、相場をつかみにくい項目のひとつです。中規模オフィスであれば坪単価30,000~50,000円が目安になりますが、工事業者の指定がある場合(特に、大手企業が指定されている場合)は割高になる傾向にあります。
家賃・水道光熱費:1カ月分×残日数/30
オフィスを完全に明け渡すまでの賃料や水道光熱費なども考慮しておきたい費用です。一般的には日割りで計算されますが、契約内容によって異なるケースもあるので確認が必要です。
オフィスの引っ越し費用
引っ越し費用:社員1人あたり20,000~30,000円
新オフィスへの引っ越しにかかる費用は、社員1人あたりおよそ20,000~30,000円程度が目安。大型家具の量が多い、ビルにエレベーターがない、クレーン車の手配が必要などのケースでは金額が割高になる場合もあります。
不用品の廃棄処理費用:2トントラック1台あたり70,000~80,000円
不要になった什器や書類、雑ゴミなどの廃棄処理費用は、2トントラック1台あたり70,000~80,000円が目安。2トントラックはおよそ3畳の広さに高さ1mまで荷物が積める量と考えると、物量がイメージしやすいでしょう。
新オフィスにかかる費用
契約金:賃料の7.5~15カ月分
新オフィスの契約にかかる費用。保証金(敷金)が賃料の6~12カ月分、権利金(礼金)が賃料の1~2カ月分、不動産手数料が賃料の0.5~1カ月分がそれぞれ目安です。
内装工事費:坪単価100,000~300,000円
オフィス移転費用のなかでも大きな割合を占める内装工事費。こちらも原状回復工事費用と同様、工事内容によって大きく変わるため相場がつかみにくい項目のひとつです。相場は坪単価100,000~300,000円程度ですが、新規で什器などを購入する場合はその費用も加算されます。見積金額があまりに高い場合は使用している建材のグレードを落とすなどして調整していくといいでしょう。
電話・ネットワーク工事費:社員1人あたり70,000~85,000円
それぞれ、電気配線工事は社員1人あたり30,000~35,000円、電話配線工事は社員1人あたり20,000~25,000円、ネットワーク配線工事は社員1人あたり20,000~25,000円程度を目安にするといいでしょう。費用を抑えたい場合は、それぞれの工事をワンストップで依頼できる業者を探すのもひとつの方法です
オフィス移転費用は事前にしっかりシミュレーションを
移転費用の項目を見ていくだけでも、思いのほか多くの費用が発生することがお分かりいただけるのではないでしょうか。オフィス移転の際には、プロジェクトを進めるうちに思いもよらない費用が発生して慌てることのないよう、事前にしっかりとシミュレーションしておきましょう。
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