オフィス移転をする際にはさまざまな費用がかかります。しかも基本的には一般の住居移転よりも荷物が多くなるため、移転費用も高額になってしまうケースがほとんどでしょう。そこで重要なのがそれぞれにかかる費用の概算を把握することであり、そのために必要なのが見積書です。今回は、オフィス移転で必要な見積りにはどのようなものがあるか、それぞれいつくらいまでに取得しなければならないかについてお伝えします。
オフィス移転全体の流れの詳細は『これで完璧!オフィス移転の流れとすべきこと【チェックリスト付き】』をご覧ください。
オフィス移転にはどのような費用がかかるのか
冒頭でも触れたようにオフィス移転にはさまざまな費用がかかります。ここでは、そのなかでも主な費用の項目を説明します。
賃貸借契約にかかる費用
敷金・礼金、保証金、仲介手数料など不動産会社や仲介会社へ支払う費用です。
新オフィスの入居にかかる費用
主にレイアウト・設計費用、内装工事費用、空調工事費用、新規家具、備品等購入費用など新オフィス入居時にかかる費用です。
オフィスの内装工事については、『オフィスの内装工事をするなら知っておきたいA工事 B工事 C工事』をご覧ください。
新オフィスのインフラにかかる費用
電気工事費用、LANネットワーク費用、電話工事費用など通信環境整備にかかる費用です。
オフィス移転時の電話回線については、『要点をおさえれば理解しやすい!オフィス移転時の電話回線のポイント』をご覧ください。
旧オフィス原状回復工事費用、産業廃棄物廃棄費用
旧オフィスを退去する際、原状復帰にかかる工事費用と不要な家具や設備などを廃棄するにあたってかかる費用です。
プラスでは、廃棄コスト削減、環境負荷の軽減を目的として、中古家具の回収・再利用・再資源化を行うサービスを提供しています。詳しくは「MRS(マテリアルリバースシステム)」を参照ください。
各種印刷物作成費用
新しいオフィスの住所を記載した名刺、封筒などを作成するためにかかる費用です。
引越運搬費用
引越をする際、運送業者に支払う費用です。
より詳細な項目については、『オフィス移転でかかる費用の項目は?見積もりが必要な項目を紹介』をご覧ください。
オフィス移転に必要な見積書の取得先は?
前項でオフィス移転にかかるさまざまな費用項目を紹介しました。では、これらのなかで見積書が必要な項目はどれで、それぞれどこにいつまでに依頼すればよいのでしょうか。
それぞれの見積りを個別に依頼する場合
オフィスの賃貸契約にかかわる見積書
→ 移転候補地を複数に絞った段階でオフィス仲介会社やビル管理会社に依頼します。
新オフィスのレイアウト・設計費用、内装工事費用(壁の取り壊し、新たな執務室の造作など大がかりなもの)
→ 新オフィスが決まった段階で設計会社、建築会社、工務店などに依頼します。
新オフィスの内装工事(壁紙やカーペットの張り換え、カーテンの取り付けなど)
→ 新オフィスが決まった段階でインテリアショップ、リフォーム設計事務所、工務店などに依頼します。
新オフィスの家具購入にかかる費用
→ 新オフィスの内装や必要な家具が定まった段階でオフィス家具専門店に依頼します。
新オフィスのインフラにかかる費用
→ 内装工事の概要が決まった段階で電気工事は電気工事会社、空調工事は空調設備工事会社、電話、LANネットワーク工事は通信設備工事会社、電話会社などに依頼します。
旧オフィス原状回復工事
→ オフィス移転日が決まった段階もしくは移転日の1~2カ月前までに建設会社や工務店、専門工事事業者、原状回復に特化した会社などに依頼します。
旧オフィス産業廃棄物処理
→ オフィス移転日が決まった段階もしくは移転日の2~3カ月前までに産廃業者に依頼します。ただし原状回復工事を行う業者が一緒に処理してくれる場合もあるため、回復工事見積り依頼の際に確認しましょう。
引っ越し運搬費用
→ 移転が決まった段階もしくは移転の1~2カ月前までに引っ越し業者に依頼します。
一括で見積り依頼を行う場合
現在、オフィス移転を行う際、効率化を図るうえでもさまざまな業者への見積り依頼を一括で行えるサービスがあります。具体的には、引っ越し業者への見積りのほか、「オフィスレイアウト・オフィス家具」「電話回線・インターネット」「OA機器」などの見積りを一括で取得可能です。
また、オフィス移転に特化し、移転、リフォーム、設計、デザインなどを一気通貫で手がける会社もあります。このような会社に依頼する場合は、どこまで依頼できるのかを確認したうえで、移転が決まった段階で見積り依頼を行いましょう。
オフィス移転の見積りのチェックポイント詳細は『オフィス移転で気を付けたいことは?引っ越し見積もりのチェックポイント』をご覧ください。
見積書取得後の業者選定で注意すべき点とは?
見積書を取得後、業者選定を行う際に注意すべき点は次のとおりです。
結論を急かす業者は選ばない
→ 「本日中に決めれば割引します」「申し込みが遅れるとご希望に添えない場合があります」など、結論を急かす業者は避けましょう。詳細を詰めずに決めてしまい後になってトラブルに発展するリスクが高まります。
細かい見積りを出す業者に絞る
→ 見積書に細かい明細を書かず、「一式」とだけ記載して金額を入れてある業者は選ばないようにしましょう。こうした業者には、後になって追加費用を請求されてしまう可能性があるためです。
見積書の内容は必ず質問し、しっかりと回答できる業者を選ぶ
→ 見積書に内容が詳細に書かれている場合であっても、それぞれの内容に関して必ず質問をするようにします。そこでしっかりと回答ができない業者も後になって、「言った言わない」のトラブルになる場合があるため、選ばないほうがよいでしょう。
オフィス移転時の見積り依頼はできるだけ早い段階から始めるのがポイント
オフィス移転にかかる費用見積りは多岐にわたるため、移転が決まったら移転スケジュールを作成し、見積り依頼の漏れがないよう注意して進めていく必要があります。
スムーズに移転を進めていくポイントは、個別の場合も一括の場合も少し早めに見積り依頼をすることです。基本的に複数の業者に依頼することになるため、業者への確認や業者の選択にも時間がかかるので、それを見越したうえでのスケジュール作成が重要です。
ギリギリになって慌てなくてもすむよう、早めの見積り依頼をこころがけましょう。
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