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コロナ感染拡大が一段落したところで、テレワークからオフィスワークに戻す、もしくはハイブリッドワークへ移行する企業が増加しています。ただテレワーク期間が2年近く続いたこともあり、従業員がオフィスに求めるものも以前とは変わってきているかもしれません。そこで、多様な働き方が受け入れられるようになった今、これまでよりおしゃれで機能的に働けるオフィスをコンセプトや事例も含めて解説します。オフィスレイアウトの改善に悩まれた際には、ぜひ参考にしてください。

今、従業員が求めるオフィスデザインとは?

おしゃれなオフィスを実現させるうえで、まず考えなければならないのは、機能性や快適性、そして従業員が今求めるものです。見た目がおしゃれなオフィスであっても、機能性や快適性が損なわれるおそれがあれば、従業員の誰もが求めていないデザインになってしまうリスクがあります。

オフィスでもっとも長い時間を過ごすのは従業員です。その従業員が窮屈さを感じたり、働きにくさを感じたりするようでは、どれだけおしゃれでなオフィスであっても意味がありません。

2021年10月にイケア・ジャパン株式会社が行った、「オフィスでの働き方について」というWebアンケートによると、新型コロナウイルス感染症収束後の出社意向について尋ねたところ、テレワークを行う従業員の78.2%がオフィスに出社したいと回答。その理由としてもっとも多かったのは、「同僚とのコミュニケーションの円滑化のため」です。

また、26.7%の従業員が、「オフィスにカジュアルな交流ができるコミュニケーションスペースが欲しい」、26.2%が「リラックスしてコミュニケーションができるお洒落なスペースが欲しい」と回答しています。

これらの結果から、今、従業員の多くがオフィスに求めているのはコミュニケーションが取れるスペースだといえるでしょう。

出典:オフィスに求めるものは同僚との心の「密」 イケア、「オフィスでの働き方について」アンケート調査実施|IKEA

従業員の声を生かしつつおしゃれなオフィスデザインを実現するポイント

コミュニケーションスペースを求める従業員の声を生かしつつ、おしゃれなオフィスデザインを実現させるには何が必要なのでしょうか。ポイントは、「気軽にコミュニケーションが取れるペースの設置」「多様な働き方の実現」「オープンスペースとクローズドスペースの住み分け」の3つです。それぞれについて簡単に説明します。

気軽にコミュニケーションが取れるペースの設置

従来の休憩室でも従業員同士のコミュニケーションは可能です。しかし、席が固定されている休憩室では、どうしても毎回同じ席に座りがちで、メンバーも固まってしまう傾向があります。

普段、関わりのない部署の従業員とも積極的にコミュニケーションを取るのであれば、スタンディング形式のカフェスペースがおすすめです。お茶を入れる間に会話が生まれやすく、おしゃれなカフェも実現します。

【関連コラム】 カフェスペースについて詳しく知りたい方は、『社内コミュニケーション活性化に効果!事例で見るオフィスカフェの効能』の記事もご覧ください。

多様な働き方の実現

部署ごとに島をつくって座るレイアウトでは、オフィス全体でのコミュニケーションも難しく、おしゃれなオフィスデザインも実現しにくくなります。

そこで、フリーアドレスやABW(アクティビティ・ベースド・ワーキング)を導入すれば、これまでのレイアウトから解放され、自由な発想によるおしゃれなオフィスデザインが可能になり、オープンなコミュニケーションも実現するでしょう。

【関連コラム】 フリーアドレスやABWについて詳しく知りたい方は、『より自由な働き方ができるABWとは?フリーアドレスとの違い』の記事をご覧ください。

オープンスペースとクローズドスペースの住み分け

オフィス全体でコミュニケーションの活性化を実現させるには、オープンスペースを増やすのが最適です。しかし、業務によっては一人で集中したいときや、Web会議で静かな場所を使いたいときもあるでしょう。

そこで、重要となるのはオープンスペースとクローズドスペースの住み分けです。集中ブースや小さめのミーティングルームなどを設置すれば、オフィスデザインにもメリハリがつき、おしゃれな演出もしやすくなります。

【関連コラム】 集中ブースについて詳しく知りたい方は、『コミュニケーションと集中のメリハリを実現する集中ブースの効果的活用方法』の記事をご覧ください。

おしゃれなオフィス事例紹介

おしゃれなオフィスといえば、海外のオフィスを思い浮かべるかもしれませんが、日本でもおしゃれなオフィスは少なくありません。ここでは、横浜銀行様、山田電器工業株式会社様のオフィスを紹介します。

横浜銀行様


創立100周年の記念事業の一環として、横浜みなとみらいにある本店ビルの食堂をリニューアル。沖をイメージした床、水面をイメージした異形の掘り込み天井や照明など「海」をデザインキーワードに横浜らしさを表しています。社員はもちろん、社外の方とのコミュニケーションスペースとしても大きな役割を果たすデザインです。

山田電器工業株式会社様


電器製品の製造を行う山田電器工業株式会社。同社では、新社屋への建て替えを機に次の時代に向け、「進化」をキーワードにしたオフィス設計を行いました。

オフィス中央にコミュニケーションスペースを、部門間にコラボレーションスペースを設置するなど、オンオフにかかわらずコミュニケーションを取れる場所を増やしています。また、執務スペースをコーポレートカラーに統一することで、おしゃれな雰囲気をつくり出しています。

おしゃれなオフィスを実現するにはまず従業員の声に耳を傾けることが重要

「おしゃれ」の定義は人によっても異なりますが、いずれにしてもオフィスデザインに関しては、そこで働く多くの従業員の声を聞くことから始めることが大切です。

まず、機能性や快適性を重視するのはもちろん、今、従業員がオフィスに求めるものが何であるかを知ることが、おしゃれなオフィスデザイン実現の第一歩です。

テレワークからオフィスワーク、ハイブリッドワークへの切り替えを行う企業が増えてきました。しかし、この2年で従業員の働き方やオフィスに対する考えは以前とは変化しています。その変化を把握することが重要だといえるでしょう。

参考:【事例つき】日本にもあった!おしゃれなデザインのオフィス、そのつくり方のポイント|PLUS

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