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ハイブリッドワークを導入する企業が増え、オフィスの役割があらためて見直されるようになりました。一方で、出社回帰の動きもあり、オフィス環境の整備がより重要になってきています。一日の大半を過ごすオフィスの居心地をアップさせることで、生産性向上に効果が期待できるでしょう。

そこで今回は、オフィスに居心地のいい場所を作るための4つのヒントをご紹介します。オフィスをより快適な環境にするために、ぜひ参考にしてください。

社員の働き方を変えるオフィスレイアウト

オフィスにリラックスできる休憩スペースはなぜ必要か

働く場所であるオフィスに、なぜリラックスするスペースが必要なのかと疑問に思う人もいるでしょう。しかし休憩スペースがあることで、業務においてもさまざまなメリットがあります。
ここでは、オフィスに休憩スペースが必要な理由について解説します。

リラックスした環境で集中して業務を進められるオフィス集中スペース

生産性の向上

人間の集中できる時間は限られており、長時間連続した作業では集中力が落ちて効率も下がりがちです。しかし短時間の休息を挟むことで、長時間働き続けるよりも高い生産性を発揮できます。
オフィスにこまめに休める休憩スペースがあることで、リフレッシュする時間ができ集中力を維持できます。

また近年では、座りっぱなしによる健康への影響も懸念されています。休憩スペースがあることで、適度に移動することになり座りっぱなしの解消につながります。

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ブランドイメージの向上

ブランディングはオフィスの役割の一つです。オフィス内に快適な休憩スペースがあることは、企業のブランドイメージを向上させる要素の一つです。

とくに働き方改革が進む昨今、従業員を大切にし働きやすい環境を提供している企業として認知されることは、大きなアドバンテージになります。外部からの評価が高まることで、優秀な人材の採用や顧客からの信頼獲得に繋がるでしょう。
福利厚生の一環としてだけではなく、快適さを追求することが企業の価値を高めることにつながります。

従業員のコミュニケーションが活発化

従業員同士のコミュニケーションは、成長を目指す企業にとって欠かせないファクターです。
人が集まる休憩スペースを設けることで、部署や職位の違いを超えて、従業員同士が自然にコミュニケーションを取るきっかけを作れます。普段の業務では接点のない社員同士が交流することで情報共有が進み、新しいアイデアやソリューションが生まれることもあるでしょう。
ナチュラルなコミュニケーションが生まれることで社内が一丸となり、離職率の低下や生産性の向上につながります。

従業員の満足度の向上

日本は少子高齢化による人手不足が深刻で、今後もこの流れは加速していくものと考えられています。
そのため企業にとって良い人材の確保は、優先して取り組むべき課題の一つです。快適でデザイン性の高い休憩スペースは、従業員の満足度の向上に大きく貢献し、離職率の低下や新たに人材を招くチャンスを創出します。

また従業員の満足度に力を入れている企業は、社会的な役割を果たす企業と見なされ、昨今必要性が高まっているCSRを果たすことにつながるでしょう。

創造性の向上

新しいアイデアの創出やイノベーションが起こるとき、人間の脳はリラックスした状態にあるといわれています。反対に業務に追われている状況は、脳のリソースを作業に集中させているためクリエイティビティを発揮しにくいのです。

そのためクリエイティブな業務では、脳をリラックスさせ創造性を高める必要があります。また、正しい経営判断を行うためにも創造性は欠かせません。
休憩室を設置することで、新しいものを生み出し、正常な判断を行うための環境を提供できます。

オフィスにリラックスできる休憩スペースを設置するときのポイント

オフィスに休憩スペースを作るには、いくつかポイントを抑える必要があります。ここでは、業務効率を向上させながら多くの人がリラックスできる環境を整えるコツを紹介します。

リラックスできる家具やインテリアを設置する

休憩スペースには、従業員がリラックスできるようなソファやリクライニングチェアを設置しましょう。快適な座り心地で落ち着いた雰囲気をもつ家具は、休憩の質を高め短い時間で効果的なリフレッシュが可能です。ソファに置く柔らかいクッションやブランケットなどの小物も、よりリラックスできる環境を作り出します。

またナチュラルな木材を用いたテーブルやラックは、温かな雰囲気を作り出します。自然のモチーフを取り入れることで、リラックス効果をアップさせられます。

デザインを業務スペースと違ったものにする

空間的に休憩と業務の境界がはっきりしていることで、より深いリラックスが得られるとされています。そのため休憩スペースを業務スペースと異なるデザインにし、仕事と休憩のメリハリをつけるようにしましょう。
ポップな壁紙や自然素材を使ったインテリアなど、オフィスライクではないリラックスできる雰囲気を演出することが大切です。視覚的な違いによってリフレッシュ効果を高め、従業員が気分転換しやすくなります。

窓に面した設計にする

窓に面した休憩スペースは、自然光が入り開放感をもたらします。外の景色を眺めることで、目の疲れを和らげ心をリフレッシュさせる効果があります。特に緑の多い場所や遠くまで見渡せる場所に設計することで、一層の癒し効果が期待できます。

一人で作業ができるスペースを作る

休憩スペースには、一人で静かに過ごせる作業スペースも設置しましょう。小さなブースや仕切りを設けることで、集中して読書や個人的な作業ができる環境を提供します。こうしたスペースは、ちょっとしたプライバシーを求める従業員にとっても有益です。またフリーアドレスを採用している企業では、休憩スペースで仕事をしたいというニーズもあります。
集中できる環境があることで、生産性と快適性の両方を向上させられます。

リフレッシュできるグッズを置く

休憩スペースには、リフレッシュできるグッズを設置することも効果的です。例えば、アロマディフューザーや観葉植物などが取り入れやすいアイテムです。自然な香りや植物には人間をリラックスさせる効果があり、休憩の質を高めてくれます。
なかにはパズルやボードゲームなどを設置して、交流を促している企業もあります。
リラックスできるアイテムや、交流が生まれるアイテムを設置することで、短時間で効果的なリフレッシュが可能となるでしょう。

従業員の意見を積極的に取り入れる

みんなが快適に過ごせる休憩スペースの設計には、実際に使用する従業員たちの声が欠かせません。新しく休憩室を設置する際には、従業員の意見を積極的に取り入れましょう。
社内アンケートを行い、従業員が求める要素や改善点を把握し、それを反映させることで、より満足度の高いスペースが完成します。従業員のニーズを反映させることで快適な休憩スペースが設計でき、従業員満足度の向上につながります。

オフィスの休憩スペースにあると良い設備

オフィスの休憩スペースには、リラックスを促す設備の他にも業務に関連する設備を置くことで、さまざまなニーズに対応できます。
ここでは、休憩スペースに取り入れたい設備について紹介します。

カフェスペースを作る

仕事中に頭が凝り固まってきて集中できなくなったり、考え事をしていて行き詰まったりしたときは休憩を入れるとよいでしょう。

休憩を取る際は、デスクを離れて執務室以外の場所に移動すると効果的です。また、お茶やコーヒーなどを飲みながら、リラックスすることで凝り固まっていた頭がほぐれてきます。オフィスの一角にゆっくり休憩できるカフェスペースがあれば、よりリラックスしやすいでしょう。

仕事の合間の休憩時間は、気分転換以外にも効果があります。 たとえば、休憩中に同僚や上司・部下とオフタイムの話を雑談したり、行き詰まっている課題の話をしたりすることで、そのときの会話が自分にはない視点をくれるかもしれません。それがきっかけとなり新たな発想が生まれるという効果も期待できます。

気軽に休憩が取れるカフェスペースがあれば、部門や世代を超えて人が集まってくるでしょう。いつも顔は見かけているけど、名前は知らないという人とコミュニケーションを取る機会も生まれます。休憩中の新たな出会いや会話の中から新たな発見があったり、刺激を受けたり、仕事のヒントをもらったりということにつながるかもしれません。

オフィスのカフェスペースは、社員の休憩だけでなく、社員同士のコミュニケーションを活性化させる場としてさまざまな役割が期待できます。

【関連コラム】 雑談の効能については、「雑談が仕事の生産性を上げる!?」の記事もご覧ください。

リラックススペースを作る

ランチタイムを終えた後の午後2時頃から4時頃は、人間にとって眠気を感じやすい時間帯といわれています。強い眠気を感じながら業務を続けても集中力が落ちてしまうため、あまり効率的ではありません。そうした状況はミスにつながり、かえって業務量が増えてしまうことにもなりかねないでしょう。そのため、眠気を感じたときは、いったん作業を中止して軽く昼寝をするのがおすすめです。眠さを感じたときに15分程度の昼寝ができる場所があれば、その後はスッキリして仕事の効率も上がると言われています。

しかし、仕事の効率を上げるために昼寝が効果的といっても、執務室では周囲の目が気になって昼寝ができないという人も少なくないでしょう。また、音や光が気になって、うまく入眠できないかもしれません。

そこで、社員がオフィスで気兼ねなく昼寝しやすくするために、リラックススペースを設けることをおすすめします。周りの目が気にならないように、パーティションで区切ったスペースや個室感のあるソファなどを用意するとよいでしょう。

【関連コラム】 昼寝が業務効率を上げることについては、「マメに休むが「勝ち」? 業務効率を向上させる休憩術」の記事もご覧ください。

打ち合わせスペースを増やす

チーム2~3人で打ち合わせをすることは仕事でよくあるシーンです。少人数での打ち合わせは会議室を使うほどではありませんが、自席では話しづらいこともあります。

そこで、少人数の打ち合わせに対応した打ち合わせスペースをいくつかオフィスに作ってみてはいかがでしょう。 たとえば、カフェや居酒屋のように小さいテーブル席をいくつか用意すれば、2~3人くらいの打ち合わせに最適です。テーブルをつなげば、4人・6人の打ち合わせにも対応できます。

また、簡単な打ち合わせであれば、立ち話で済んでしまうこともあるでしょう。気軽に打ち合わせができるスペースとして、ハイテーブルを設置するのもおすすめです。立ちながらサッと打ち合わせができる環境を整えることで業務効率の向上が期待できるでしょう。

ちょっとした打ち合わせがしたいと思ったときに、場所探しからはじめるのはストレスになります。すぐ使える少人数対応のスペースが効率的な打ち合わせを実現できれば、オフィスでの居心地もよくなるでしょう。

集中ブースを作る

電話の音や社員同士の会話、人の行き交う通路など、オフィスは雑然としています。考え事や細かい作業をしたいなど、集中して仕事をしたい人のために「集中ブース」がオフィスにあると仕事がはかどるでしょう。

集中ブースとは、業務に集中したいときに利用できるスペースのことです。音や人の動きが気にならないようにパーティションを立てて個空間にしたり、専用の家具を導入することで、より集中できるように工夫されています。

近年では、社内コミュニケーションの活性化やハイブリッドワークに対応するために、フリーアドレスを導入する企業が増えています。しかし、フリーアドレスは開放的なオフィスになる反面、個人で行う作業に集中しづらくなることがデメリットです。そこで、個人作業をより効率的に行えるように集中ブースを設置する事例が多く見られるようになってきています。

オフィスの休憩スペース事例5選!

ここからは、実際に快適な休憩スペースの設置に成功した企業の事例を写真付きで紹介します。

株式会社EPファーマライン本社 及び 本社アネックス

このオフィスでは「自然」をテーマに、遊び心のあるユニークでカラフルなデザインが取り入れられています。執務室や会議室など、業務空間にはオレンジやブルーのカラーを採用して活気を生み出しています。その一方で休憩室では石材の壁やフェイクグリーンが設置され、他の空間との違いを演出しています。山小屋をイメージしてデザインされており、親しみのある空間が従業員同士のコミュニケーションを促しています。

住商グローバル・ロジスティクス株式会社 茜浜センター

目の前に海が見える、絶好のロケーションを活かしてデザインされているオフィスです。執務室や会議室ではビジネスライクな家具を採用している一方で、休憩室では温かみのある木製の椅子やソファが設置されており、空間にメリハリを生んでいます。とくに窓のそばにある囲われ感のあるチェアは、1人でゆったりと過ごすのに最適です。リフレッシュルームのバリエーションが豊かで、従業員はその日の気分に合わせてゆったりと過ごしたり、仲間と交流しながら過ごしたりとさまざまな形でリラックスできます。

サムティ株式会社

サムティ株式会社のオフィスにはナチュラルなインテリアが取り入れられており、全体的に温かみのある印象です。従業員の働きやすさにあらゆる面で配慮しており、働く場所を自由に選べるABWを導入しています。オフィスの中央にコーヒーサーバーや電子レンジのあるカフェスペースを設置することで、人が集まりやすい環境を提供。また業務スペースと棚で仕切ることで、集中できる環境とリラックスできる環境を共存させています。

株式会社AIT

株式会社AITの休憩スペースは、従業員の活性化を促すことを目的に設計されています。そのためワークスペースとリフレッシュスペースが一体になっており、入り口付近には「5 TSUBO CAFE」と呼ばれる、お菓子やおつまみが置かれたパントリーエリアが設けられています。さまざまなスタイルで休憩ができることも魅力で、移動可能なキャスター付きのスクエアテーブル、窓側の個別のソファーなど、交流を促しつつリラックス感も共存させています。

株式会社セゾンファンデックス 大阪支店

不動産やファイナンスを営む株式会社セゾンファンデックス大阪支店では、ホスピタリティを体現するオフィス空間を目指して設計されています。木目調のパネルや家具が採用されており、外の景色を取り入れることで明るい空間を演出しています。ゆとりを持って設計されたリフレッシュスペースでは、オフィスグリーンを取り入れた簡易パーテーションも設置され、程よいプライバシーを確保しています。また執務室の中央には、休憩も可能なミーティングエリアを設けています。

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ハイブリッドワークになっているからこそオフィスを活用する

近年、オフィスワークとテレワークを組み合わせたハイブリッドワークの導入を進める企業が増えてきました。ハイブリッドワークの導入により、柔軟な働き方が可能になっています。一方で、ハイブリッドワークでは社員同士のつながりが薄れ、円滑なコミュニケーションが取れないことが課題でした。そのため、一度はハイブリッドワークを導入したものの、出社回帰の方針を取る企業も増えてきています。

ハイブリッドワークの導入が進んだことで、オフィスの価値をあらためて考える必要が出てきました。実際にハイブリッドワークで働いてみた結果、オフィスだからこそ可能なこともあると気づいた人も少なくないでしょう。たとえば、ハイブリッドワークではコミュニケーションツールやWeb会議システムを使用したコミュニケーションが主流です。しかし、オフィスでは対面でのコミュニケーションになるため、相手の状況を見ながら情報共有できます。また、リアルタイムにコミュニケーションを取れるため、すれ違いが生じにくい点もメリットです。

このようなメリットを最大化するには、オフィスに人が集まるような施策が必要になります。社内コミュニケーションの促進や社員のストレス緩和、生産性の向上などの効果が見込めるように、オフィス環境の見直しを進めましょう。

リラックスできるオフィスが仕事の効率を上げる

居心地のいいオフィス作りは、オフィスの価値を高め、生産性の向上を促進する効果が期待できます。打ち合わせスペースや集中ブースなどを設置すれば、業務がスムーズに進み、労働時間の削減にもつながるでしょう。また、カフェスペースやリラックススペースは、社内コミュニケーションの促進や社員のストレス緩和に効果的です。オフィスの風通しがよくなり、新たな発想を生み出すきっかけになるかもしれません。オフィス環境を整えるためにも、居心地のいいオフィス作りを意識しましょう。

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この記事を書いた人

マーケティング部 コラム編集部 プラス株式会社ファニチャーカンパニー

プラス株式会社ファニチャーカンパニー マーケティング部 コラム編集部

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