コミュニケーション活性化や多様な働き方の実現、DX(デジタルトランスフォーメーション)化推進など企業が抱える課題は多様です。しかし、その多くはオフィスデザインの改善によって解決につなげられる可能性があります。そこで、今回は企業が抱える課題の解決につながるオフィスデザインのアイデアを、実際のオフィス改善事例とあわせてお伝えします。
企業が抱える主な課題とは?
いつの時代も企業はさまざまな課題を抱えています。そして現在、多くの企業が抱えているのは次のような課題です。
コミュニケーション活性化
社内コミュニケーションの活性化は以前より企業が抱える大きな課題のひとつでしたが、新型コロナウイルス感染拡大によりその課題はさらに大きなものになっています。十分な準備ができないままテレワーク導入を余儀なくされた結果、社員同士のつながりが希薄となってしまい、現在においても状況は変わっていないという企業が多いでしょう。
社内コミュニケーションについて詳しく知りたい方は、「職場内のコミュニケーションが不足する理由は?原因と対策を考えよう」の記事をご覧ください。
多様な働き方の実現
少子高齢化の影響により、あらゆる業種で人材不足が慢性化しています。また、高齢者介護や保育園不足などにより、働きたくても働けない社員の増加が人材不足にさらに拍車をかける状況をつくっているのも大きな課題だと言えるでしょう。
多様な働き方について詳しく知りたい方は、「ニューノーマルな働き方へ対応するための考え方や実践のポイント」の記事をご覧ください。
DX化推進
経済産業省は、2018年に公開した「DXレポート」において、老朽化・複雑化・ブラックボックス化している既存システムがDXを本格的に推進する際の障壁となることに対して警鐘を鳴らしました。そして、この課題を克服できない場合、DXが実現できないのみでなく、2025年以降、最大12兆円/年(現在の約3倍)の経済損失が生じる可能性があるとしていました。にもかかわらず、2年後の2020年に公開された、「DXレポート2」においては、DX推進指標の自己診断に取り組んだ企業の実に95%がDXに取り組めていないという結果が発表されています。
企業によって状況は異なるものの、思ったようにDX化が進まないもしくはDXを進める準備段階にも入れていないというのも大きな課題です。
企業が抱える課題を解決するオフィスデザイン
「コミュニケーション活性化」「多様な働き方の実現」「DX化の推進」などの課題を解決する施策として大きな効果が期待できるのがオフィスデザインの改善です。具体的にどのようなデザインで課題解決を実現するかについて説明します。
フリーアドレスの導入
フリーアドレスの導入は、他部署の社員とのコミュニケーション活性化に大きな効果を発揮しますが、ほかにもさまざまな効果が期待できます。
例えば、フリーアドレスでは個人のデスクがなくなるため、紙書類の電子化が欠かせません。フリーアドレス導入によってペーパーレス化が進めば、DX化への一歩となります。
オフィスデザインによって従来の働き方を変えることが、結果として企業の課題解決にもつながるのです。
フリーアドレスについて詳しく知りたい方は、「フリーアドレスがもたらすメリットを生かしデメリットを解消する方法」の記事をご覧ください。
コミュニケーションスペースの増設
コミュニケーション活性化を実現するためのオフィスデザインにするためには、フリーアドレス以外にコミュニケーションスペースの増設も必要でしょう。オフィスカフェやマグネットスペース(マグネットゾーン)を設置し、オフィス内に何気ない雑談をできるスペースをつくる、ハドルルームやスタンディングディスクの設置により予約なしでもすぐにミーティングできる場所をつくるなど、積極的にコミュニケーションを取れる場を増やすことが重要です。
ミーティングスペースについて詳しく知りたい方は、「オフィスの新たなミーティングスペースの形、ファミレス席とは?」の記事をご覧ください。
ハイブリッドワークの導入
介護や育児などで毎日オフィスに出社するのが難しい社員が増えた際におすすめなのがハイブリッドワークの導入です。ハイブリッドワークは、週に1回もしくは2週に1回など、社員の状況に応じてオフィスワークとテレワークをあわせる形の働き方です。100%テレワークにしてしまうと、コミュニケーションの課題が解決せず、業務が滞ってしまう可能性が高まりますが、ハイブリッドワークであれば、その可能性を低くすることもできるでしょう。
テレワーク時は社内SNSやチャットツールなどでコミュニケーション不全を補います。そしてオフィスへ出社した際は、コミュニケーションスペースを積極的に活用することで、多様な働き方とコミュニケーション活性化という2つの課題解決につなげることができるでしょう。
そのほか、どうしても社員がオフィスまで出社するのが難しい場合は、自宅近くに複数人が集まれるオフィスを設置するなど、サテライトオフィスの導入もおすすめです。
ハイブリッドワークについて詳しく知りたい方は、「ハイブリッドワークとは?テレワークの定着を実現させるポイントと注意点」の記事をご覧ください。
企業の課題解決を実現したオフィスデザイン事例
実際にオフィスデザインによって課題解決を実現した企業事例を紹介します。
株式会社クレディセゾン様
同社では、オフィス内を自由に行き来ができるデザインを目指し、フレキシブルに使えるラウンジを中心に、フリーアドレスやミーティングスペースなどのエリアを導入しました。
6つのフロアに分散していたオフィスを4つに集約し、あらゆる部署の社員が気軽にコミュニケーションを取ることができるフロアも新設しました。ワークスタイルの変革、業務効率化を促すデザインになっています。
株式会社武蔵野化学研究所様
同社では、本社ビル移転に伴い、これまで以上に業務が行いやすく、コミュニケーションが取りやすいオフィスを目指し、Easy Accessをキーワードにオフィス構築を行いました。
フリーアドレスを全面に取り入れるのではなく、一部固定席も残すことで業務による使い分けを可能にしています。また、執務スペースに隣接したコミュニケーションエリアのほか、ソロワークやリモート会議に対応したスペースを設置するなど、柔軟な働き方ができるデザインにより、多くの課題解決を実現しました。
企業の課題解決にはオフィスデザインの改善がおすすめ
オフィスデザインを改善することで、職場の雰囲気や社員の働き方が変わるかもしれません。それにより社員の意識が変わり、企業が抱える課題を解決する手段のひとつとなるでしょう。
ちょっとした工夫でこれまで困難であった課題の解決がいともたやすく実現する可能性もあるため、課題が生まれたらオフィスデザインを見直してみることをおすすめします。
プラスでは、豊富な施工実績により、それぞれの企業にあった最適なオフィスデザインの提案が可能です。多くの課題解決に悩まれているのであれば、ぜひお気軽にご相談ください。
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