※この記事は、2022年のコロナ禍で執筆された記事です。2023年5月8日の5類感染症移行後の対応とは異なりますが、当時の記録として掲載しています。最新オフィスづくりをご希望の方は、是非お問い合わせくださいませ。
IT技術の進化や社会情勢の変化、そして感染症など、これまでに何度かそれまでのビジネスを大きく揺るがす出来事が起きています。特に今回の新型コロナウイルスの感染拡大は、多くの人にとって働き方を改めて考え直す大きなターニングポイントになったのではないでしょうか。そこで、今回はコロナ以前とコロナ禍における「ニューノーマル」について、それらの違いやこれからの仕事環境に求められるものについてお伝えします。
コロナ以前、コロナ禍におけるニューノーマルの違いとは?
ニューノーマルとは、社会情勢の変化や新たな技術の開発、感染症の流行などにより、従来の働き方の常識が変わり新たな常識が生まれ、それが定着していく様を示すものです。これまでに生まれたニューノーマルとしては、IT技術の進化によって起こった業務スピードの向上、そして、リーマンショックによるコーポレートガバナンスのニーズ急増などが挙げられます。
これに対し、今回の新型コロナウイルスの感染拡大を要因とするニューノーマルは、オフィスにおける仕事環境の変革を促すものです。それまでのニューノーマルは、オフィスで働くことを前提としたうえでの変革でした。
もちろん、コロナ以前からもテレワークの流れがなかったわけではありません。ただ、実際に導入していたのは大企業やテレワークがしやすい業種に限られていました。しかし、今回の新型コロナウイルスの感染拡大により、中小企業でもテレワークを導入する企業が一気に増加。さらにはテレワークとオフィスワークを融合したハイブリッドワークを導入する企業も出てくるなど、企業規模を問わず、オフィスでの働き方を見直さざるを得なくなっています。
ハイブリッドワークについてより詳しく知りたいかたは、『ハイブリッドワークとは?テレワークの定着を実現させるポイントと注意点』の記事もご覧ください。
ニューノーマル時代に求められるものとは?
2020年5月に厚生労働省は、「新しい生活様式」の実践例のなかで「働き方の新しいスタイル」として次の5点を挙げています。
1. テレワークやローテーション勤務
2. 時差通勤でゆったりと
3. オフィスはひろびろと
4. 会議はオンライン
5. 対面での打ち合わせは換気とマスク
2022年現在においてもこれらの働き方のスタイルは大きくは変わっていません。ただ、2020年の時点ではあくまでも、「新しいスタイル」といった形での提示であったのに対し、現在では、多くの企業にとってこれらはベースとなりつつあります。つまり2022年のニューノーマルに求められるのは、テレワークやオンライン会議、換気、ゆとりのあるオフィススペースのなどを前提としたうえで、社員がいかに快適かつ安全に働けるかです。
コロナが終息すればコロナ以前の状態に戻るのではないかと思われる方もいるかもしれません。しかし、オフィスワークにこだわらない新しい働き方は、すでに社会に出て働いている者やこれから社会へ出る学生にとって企業を選ぶひとつの基準になっています。企業に求められるのは、コロナが終息する・しないにかかわらず、時代が大きく動いていることを認識し、社員が快適かつ安全に働ける環境を構築することだといえるでしょう。
働きやすい環境についてより詳しく知りたい方は、『社員が働きやすい環境を整えるために!企業が取り組むべきことは?』の記事もご覧ください。また、社員の快適かつ安全に働ける環境については、『ウィズコロナ時代に社員の健康を守る施策となるホテリングとは?』の記事で紹介しています。
ニューノーマル時代の働き方の注意点
今回のニューノーマルにおいて最も重要なポイントは、感染対策を軸に働き方を考えていく必要があるということです。これまでのニューノーマルのように、単純に何らかの影響によって働き方が変わるのではなく、安全に働ける環境の構築が前提にあります。そのうえで、どのような働き方を実践していくかを考えなくてはなりません。具体的には次のような注意点が挙げられます。
オフィス内での密の回避
感染症対策のひとつとして、密の回避は必須です。ただし、急にオフィススペースを拡大するわけにもいきません。そこでおすすめの方法はふたつ。ひとつは、レイアウトの工夫。そして、もうひとつはハイブリッドワークの導入です。
レイアウトの工夫とは、フリーアドレスの導入やデスクの設置を対面式から背面式へ変更する、換気のため、窓の近くには大きな棚やロッカーなどを置かないといったことです。
ハイブリッドワークの導入は、テレワークとオフィスワークを融合させ、オフィスに出社する人員を制限することに効果を発揮します。また、テレワークのみを継続することによる社員同士のコミュニケーション不足解消にも大きく貢献するでしょう。
なお、ハイブリッドワーク導入によるオフィスレイアウトについては、『ハイブリッドワークを前提としたフリーアドレスのオフィスレイアウトとは?』の記事をご覧ください。
コミュニケーション活性化対策
これまでと働き方が変わり、オフィスに出社しないこともあるため、従来のようなコミュニケーションは取れなくなる可能性があります。そこで欠かせないのがツールの導入・活用とオフィス環境の整備です。
オンライン会議やグループウェアなどのツールを導入し、多様なコミュニケーションの手段を確保する必要があります。それだけでなく、出社時にコミュニケーションを自然と取りやすいオフィスづくり(Web会議用のエリア、カフェスペース、マグネットスペース(マグネットゾーン)などの設置)も重要です。ハイブリッドワークの導入によって変化した「オフィスのあり方」を再考することで、コミュニケーションの課題をクリアした働き方が実現できるでしょう。
マグネットスペースについてより詳しく知りたい方は、『職場コミュニケーションの円滑化に効果あり!マグネットスペース(マグネットゾーン)とは』の記事もご覧ください。あわせて、コミュニケーションの活性化について紹介している、『ウィズコロナで大きく変わった社内コミュニケーション。活性化させるためのポイントは?』の記事もご覧ください。
コロナ禍におけるニューノーマル時代に求められるのは快適性と安全性を実現した環境の構築
ハイブリッドワークやフリーアドレス制など多様な働き方が会社を選ぶ際の基準のひとつになっている今、ニューノーマルはすでに定着しているといってもよいでしょう。そのなかで企業に求められるのは、単純な出社頻度の調整やオフィスレイアウトの変更ではありません。
たとえば、ソーシャルディスタンスを確保したオフィスレイアウト。コミュニケーションツール導入によるテレワーク社員の孤立防止。さらに、オフィスにいる社員同士のコミュニケーションを可能にするスペースの設置など、社員が快適かつ安全に働けることを前提とした環境の構築が必須だといえるでしょう。