【Solarization #01】チェア「BeneS」開発ストーリー 2

オフィス家具

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オーバルネオ 座り心地の追求/試行錯誤を繰り返した表面形状

ネクスト主力オフィスチェア開発テーマ「オーバルネオ」スタート!プラスが考える座り心地の追求、特徴付けとして、中立姿勢に着目しました。これは無重力下での上体と太ももの角度が128°となり、最も骨格筋の負担が少ないとされている姿勢です。具体的には、座面角度を前傾させることで骨盤をより立ちやすくし、‘背筋まっすぐを楽に保つ’ことを目指しました。

上体と太ももの角度を128°にすることで、合わせるデスク高さはこれまでより高くなります。身長に応じ、デスク高さも変えてこの角度を実現することが、当初の理想案でしたが、現実的にはオフィスでデスク高さが決まっているユーザーが圧倒的に多く、多くのユーザーに使ってもらえることを考えると、128°ではなく、90°よりも少し開く程度が望ましいと判断しました。またそれ以上に座面が前傾していると、お尻が滑ってしまう課題があります。これを解決したのが座骨ポケットです。座った際に2か所、骨が座面にあたりますが、それが座骨です。この座骨が適度に座面へ引っかかることでお尻の前滑りを防止することを考えました。

この試作のステップには大きく二つあります。一つは背座の基本サーフェイス(表面形状)を完成させること、次にそれをベースにして実際の構造設計(さらには量産設計)を完成させることです。基本サーフェイスの試作では、クレイ(粘土)を用います。材質は硬めの粘土なので削って形を出し、また盛って削るということを何度も繰り返すことができます。前傾シートと座骨ポケットの実現はそう簡単ではなく、前傾の角度をつけすぎるとお尻が滑り安定せず、傾斜を緩めると通常のチェアと変わりがなく、座骨ポケットも深くしすぎると違和感があり、何度も試行錯誤を繰り返して理想の位置・バランスを探りました。もちろん座のみでなく、背の3次元形状と合わせて、削り出し、いろいろな体格の人のフィードバックを踏まえながら理想の表面形状を追求しました。

構造設計でも様々な試行錯誤の末、現在の形になっています。当初の構想では、座の前傾モードと通常モードが切り替えられる構造を検討していましたが、製造コストが企画原価よりどうしてもオーバーしすぎてしまうため、前傾シートは切替式ではなく通常設定で構造検討をやり直しコストダウンを実現しつつ、奥行調節をしても座骨ポケットの位置が座った人にちょうどよい位置を保てる2層構造を設計開発することができ、特許取得 (特許 第6793414号)にもつながりました。


クレイを用いたサーフェイス試作の様子。


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