オフィスの中で最も長い時間を過ごすのは自分のデスクではないでしょうか。特に総務や経理、人事といったバックオフィスの場合、食事やミーティング、顧客対応以外の時間は自分のデスクで業務を行うのが一般的です。それだけ長時間過ごすデスクがさまざまな書類や文具などで散らかった状態では、快適に業務を行うことはできません。そこで今回は、デスク周りの書類整理が重要な理由、整理整頓するためのポイント、お役立ちグッズを紹介します。デスク周りの書類整理がなかなかできずにお悩みの方は、ぜひ参考にしてください。
オフィスのデスクの書類整理が重要な理由
業務で使用する資料、請求書、見積書など書類は日々増えていくため、こまめに整理しないとすぐにデスクの上は書類だらけになってしまうでしょう。デスク周りが書類だらけになることのデメリットは数多くありますが、なかでも次のような問題が起こりやすくなります。
集中力が持続しなくなる
たとえば、領収書の整理を行っているときに翌日の会議で使う資料が目の前にあれば、そちらに意識が持っていかれ、領収書の整理もままならなくなってしまうでしょう。多くの人は同時に複数の業務をこなせません。そのため、一つの業務を行っているときにほかの業務の書類が散乱していれば、気が散ってしまい集中力を削がれてしまいます。
必要な書類を探す時間がかかる
1人の従業員が書類を探すのに費やす時間は、1日あたり約20分とされています。
この時間を1年で換算すると、約80時間もの時間を無駄にしていることになります。
デスクが散らかっていると必要な書類が見つかりにくくなるため、探すための時間がさらにかかることがあります。
書類が見つからないストレスは、業務の効率を下げるだけでなく、仕事に対するモチベーションにも影響を与えます。
書類を整理することは、時間の節約とストレスの軽減につながります。
セキュリティリスクが高まる
デスク周りの書類のなかには、給与明細のような本人の個人情報を含む書類、契約書、機密書類などほかの人には見せてはいけない書類が含まれているケースもあります。書類が散乱し、整理整頓ができていないことでセキュリティリスクが高まってしまうのも大きなデメリットといえるでしょう。
効率よく働けるデスクにするための書類整理のポイント
業務への集中力を高め、生産性を向上させるには、まずデスク周りに散乱する書類の整理が欠かせません。ここでは、効率よく働くために必要な書類整理のポイントを解説します。
業務に必要な書類と不要な書類を分ける
書類整理でまず大切なのは、業務に必要な書類と不要な書類を分けることです。
「ナレムコの法則」によれば、書類作成から半年後の利用率は約10%、1年経過後はわずか1%です。
この法則を参考に、長期間使っていない書類は捨てるか、保管する必要性を再評価することで、デスク上をスッキリさせて業務効率を向上させることができます。
書類は平置きせず立てて保管する
書類を平置きにするのではなく立てて保管することで、視認性が向上し必要な書類をすぐに見つけることができます。
また、書類のデータ化を進めることも一つの手段です。
デジタル化すると、物理的なスペースを確保しつつ必要な情報にすぐアクセスできる環境を整えることができ、作業の効率化が図れます。
収納場所を決めて整理する
「書類を探す」という行為を極力減らすには常に同じ場所に同じ書類を置くことが重要です。ファイルに入れても立てて保管しても、置く場所が毎回違うようでは意味がありません。モニターに集中しながら必要な書類を見ずに取り出せるようになれば、業務効率は各段にアップするでしょう。
終業時にまとめて整理する
書類や文房具の収納場所をあらかじめ決めておくと、散らかりを防ぎやすくなります。
使用頻度に応じて、必要なものは手前に、あまり使わないものは奥に配置することで、取り出しやすく整理整頓が維持されやすくなります。
また使用頻度があまりにも低いものは、定期的に整理することも検討しましょう。
終業時にまとめて整理する
終業時にデスクを整理することは、翌日の業務をスムーズに進めるために必要です。
使用した書類や文房具を元の場所に戻すことで、散らかりを防ぎ整然としたデスク環境を維持できます。
片付ける習慣がないと最初は難しいかもしれませんが、毎日少しずつでも整理することを意識しましょう。
習慣が身につけば、自然と片付ける力が向上し、気持ちの良い作業環境が整います。
書類整理という業務を、翌日に持ち越さないという意識が大切です。
小さな積み重ねが大きな効果を生むため、自分に合った整理法を見つけて日々の業務に役立ててください。
プラスでは、オフィスの整理・収納の課題解決につながる資料、「オフィスダイエットガイドブック」の提供を行っていますので、ぜひ参考にしてください。
オフィスのデスクの書類整理に役立つアイテム10選
書類整理を行うには、アイテムの活用が欠かせません。ここでは書類整理におすすめのアイテムを紹介します。
ボックスファイル
書類をクリアファイルに入れて分類しても、それだけだと平置きしてしまう可能性があります。会議資料、領収書などいくつかに分類したうえでボックスファイルに入れれば、立てておけるため、必要な書類がすぐに見つかるでしょう。
モニター台
パソコンのモニターを置く台を活用すれば、台の下にキーボードを収納できるため、デスクを広く使えるようになります。デスクの広さには限りがあるため、できるだけ広く使える工夫をすることで書類整理もしやすくなるでしょう。
引き出し用間仕切り・整理ボックス
いざというときに書類が見つからなくなる理由のひとつに、とりあえず引出しの中にしまってしまうというケースが考えられます。これを避けるには、引出し用の仕切りを用意し、引出しの中も整理しましょう。
引き出しのどこに何をしまうかを決めてしまえば、とりあえず書類を引き出しにしまうこともなくなり、整理が進むでしょう。
クリアファイル
クリアファイルは、書類をすっきりと整理するための便利なアイテムです。
透明な素材でできているため、中身が一目で確認でき、必要な書類をすぐに取りだすことが可能です。
複数の書類を分けて保存できるタイプやポケットが豊富にあるものなど、さまざまな種類があります。
ジャンルに応じて書類を分けることで、常に必要な情報を手元に置いておくことができます。
バインダー
バインダーは、書類をまとめるのに役立つアイテムです。
複数の書類を一つの束として整理できるため、取り回しやすくなり書かれている内容も隠せます。
リング式やクリンチ式のバインダーを使うことで、必要なときにページを簡単に追加したり取り出したりできます。
ビジネス文書や会議資料など、頻繁に使う書類を管理する際におすすめです。
付箋ホルダー
付箋はメモや重要な伝達事項をすぐ目に入る場所に置いておくための便利なアイテムですが、散らかりやすいのが難点です。
乱雑になるのを防ぐため、付箋ホルダーにまとめておきましょう。
色とりどりの付箋を使って視覚的にタスクやメモを整理することで、業務がスムーズに進行できるでしょう。
ホルダーを利用することで、付箋が散らばることなく常に整った状態を保てます。
デスクトレー
デスクトレーは書類や小物を整理するためのトレイで、デスクの上を整然と保つために役立ちます。
書類を種類ごとに分けて収納できるため、取り出しやすく作業効率が向上します。
すぐに取り出せて目の前にあるため、未処理の書類や一時的に置いておくものを整理するのにも適しています。
デスクに出しっぱなしにするよりも、セキュリティ性も向上します。
名刺ホルダー
名刺ホルダーは、名刺を整理するためのアイテムです。
ビジネスシーンでは名刺交換が頻繁に行われるため、整理整頓が求められます。
ホルダーに名刺を収納することで、名刺が傷むことなく必要なときにすぐに取り出せる状態を保てます。
また名刺ホルダーはスタンドタイプのものもあり、デスクの上に置いておくことでビジネスの印象を良くすることもできます。
ワイヤーラック
ワイヤーラックは、デスク上や周辺を有効に活用できる収納アイテムです。
軽量で通気性が良く、書類やファイルを積み重ねて収納できるため、限られたデスクスペースを最大限に活用できます。
本棚のように使えるため、必要な書類をすぐに取り出せるのも魅力です。
デザインもスタイリッシュでシンプルですから、オフィスの雰囲気を損なうことなく整理整頓が可能です。
マグネットボード
マグネットボードは、書類を簡単に貼り付けられる便利なアイテムです。
重要なメモやタスクを目に見える場所に貼っておくことで、忘れがちな事項を常に意識できます。
またボードに磁石で書類を留めるため、テーブルの上がすっきりと保たれます。
デザインも豊富で、オフィスのインテリアにも合わせやすく見栄えが良いのが特徴です。
収納のポイントについては、『フリーアドレスでは収納が課題に!収納のポイントや役立つグッズを紹介』をご覧ください。
オフィスのデスクを整理するために企業ができること
オフィス環境を整えるためには、個人の力に頼らず企業側が積極的に取り組む姿勢も必要です。
従業員任せにするのではなく、組織全体の課題を把握し、環境を整えるための具体的な施策を実施することで整理整頓を促進しましょう。
ここでは、企業が取り組むべきオフィスのデスクを整理するための方法を紹介します。
書類のペーパーレス化
ペーパーレス化は、オフィスのデスク周りをスッキリさせる効果的な手段です。書類を電子化することで物理的なスペースが空き、整理整頓がしやすくなります。
ただしすべての書類を電子化するのではなく、取捨選択が必要です。
使用頻度の低い書類や長期間保存が必要なもの、チームで共有する名刺などから、ペーパーレス化を進めていくのが望ましいでしょう。
ITツールの活用
タスク管理や依頼の手続きをITツールで行うことも、オフィスを整理するための有効な方法です。
従来のメモや付箋を使う代わりに、チャットや勤怠管理ツールを活用することで、業務がスムーズに進み書類を減らすことができます。
ITツールを導入するにはコストがかかる場合がありますが、無料で使えるものをうまく活用すれば、業務効率の向上とともに整理整頓されたデスク環境を実現できます。
オフィス空間・家具の変更
オフィスのレイアウトや家具を見直すことも、デスク整理に役立ちます。
従業員の増加や業務内容の変化に伴い、現行のオフィスレイアウトや家具が不適切になることがあります。
例えば近年では、テレワークやWeb会議の普及により柔軟な働き方を実現するためのスペースが必要となりました。
オフィスの空間を見直し、家具を新たに配置することで整理整頓がしやすくなる環境を目指しましょう。
また新しいオフィス環境は、従業員のモチベーション向上にもつながります。
フリーアドレスでも書類を整理する方法
フリーアドレス制度が導入されることで、オフィスの働き方は柔軟性が増していますが、収納が少ないためデスク周りの整理整頓が課題になることもあります。
また従業員が自由にデスクを選べる一方で、整理整頓が行き届かないと作業効率が落ちてしまう可能性があります。
そこで、フリーアドレスでも書類を整理するための方法をいくつかご紹介します。
移動式ワゴン
フリーアドレスでは固定の引き出しがないため、デスクの周りをすっきりと保つための工夫が必要です。
業務が忙しくなってくるといつの間にかデスクが散らかっていたというのは、フリーアドレスにありがちの課題です。
こういったことを避けるためにも、移動式のワゴンを使用することが効果的です。
ワゴンは必要なアイテムを置いておくためのスペースとなるため、デスク上を広く使えるようにします。
またワゴンは移動も容易ですから、デスクを変える際にもスムーズに持ち運びできます。
カバンフックの設置
フリーアドレスでは、カバンをどこに置くかも迷ってしまうという従業員が多いようです。
デスクの上だと業務の妨げになり、足元だと衛生的に不安という声もあります。
そこでカバンフックをデスクやイスに取り付けることで、カバンを省スペースで保管できるようになります。
さまざまな種類が販売されており、マグネット製のフックやテコを利用してカバンを吊るすものなどバリエーションも豊富です。
いずれもデスク周りに取り付けることができ、デザイン性と機能性を兼ね備えた収納方法を実現します。
携帯できるものもあるため、従業員に提供することで多くのスペースで活用できます。
持ち運びバッグの活用
デスク上を整理するためには、社内で使用する持ち運びバッグを用意することも一つの方法です。
従業員がパソコンや書類を持ち運びバッグにまとめることで、必要に応じて速やかに移動でき、デスク上を整理された状態に保つことが可能です。
どのようなバッグでも構いませんが、業務に応じて必要な容量を収納できるものを選択しましょう。
またクリアホルダーなどそのほかの収納アイテムと併用することで、よりスムーズな移動と整頓が可能になります。
まとめ
デスクは個人が使用する狭い空間ですが、オフィス全体の雰囲気を左右するものでもあります。
多くのデスクが散らかっていると、空間全体が乱雑に見えてしまうことにつながりかねません。
業務効率の低下にもつながるため、デスク上の環境はいつも整頓されていることが理想です。
また片付けができないことを個人の資質と捉えずに、散らからない仕事環境の構築が企業には求められます。
組織が率先して取り組むことで社員の教育にもつながり、整理整頓の行き届いた空間となっていくでしょう。
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