転職市場の優位性にもつながる!「働き方改革」の重要性

ワークスタイル

政府の主導で具体的な検討テーマの決定や関連法案の整備が進められている「働き方改革」。「長時間労働の是正」や「柔軟な働き方の実現」などはその核ともなる施策ですが、こうした取り組みは転職市場での優位性にもつながるとして注目されています。具体的に、そのメリットについてご紹介しましょう。

仕事を続けるうえで重要なのは、勤務時間と場所の柔軟性

「ゆとり世代」や「ミレニアル世代」がますます存在感を示すようになった昨今の転職市場。最近の転職者は企業を選ぶ際、どのようなことを重視しているのでしょうか。

株式会社リクルートキャリアでは、転職を実現したビジネスパーソン3,906名を対象に「第31回転職世論調査」(PDF)を行いました。この調査は「何を求めて転職に踏み出すのか?」「転職先を選択する際の最優先項目は?」など、転職活動全般における意識や行動の決め手となったものを調査したものです。

調査によると、現在在籍している会社での仕事を継続するうえで「勤務時間の柔軟性」が「極めて重要だ」「重要だ」「やや重要だ」と回答した人の割合は79.2%と、非常に高い割合を示していることが明らかになっています。同様に「勤務場所の柔軟性(在宅勤務など)」では56.8%と、こちらも勤務時間ほどではないものの重要な指標となっていることがうかがえます。

また、「あなたが転職活動を始めた理由を教えて下さい。」という質問項目で「時間的・精神的なゆとりを求めて」と回答した人の割合は32%となっており、「会社の将来に不安を感じて」「年収アップ」に次ぐ大きな理由であることが分かっています。

この質問項目で特に注目したいのは年齢別の割合です。「時間的・精神的なゆとりを求めて」転職活動を始めた人の割合は全年齢では先のとおり32%という数字であるものの、25歳以下では45.2%、26〜30歳では38%と、若い世代ほど労働時間とプライベート時間のバランスを重視する傾向にあることがうかがえる結果となっています。

ワーク・ライフ・バランスの実現が転職市場の重要なポイントに

「時間的・精神的なゆとり」や「勤務時間・場所の柔軟性」などが仕事を続けるうえで重要とされている現在の転職市場。仕事の内容ややりがいが重視されていたひと昔前までとは、対象的な結果といえるでしょう。

昨今の転職市場がこうした傾向にある理由にはさまざまなものが考えられますが、一因としては長時間労働や過労自殺、ブラック企業など労働環境にまつわる問題がクローズアップされ、労働者が自身のプライベートの時間について真剣に考え始めたことがあるでしょう。

企業で働く以上、職務を全うするのは当然のことといえますが、同時に、仕事だけで自分の生活時間を埋めるのではなくプライベートも充実させ、ワーク・ライフ・バランスを実現させたいと考えるのは自然なことといえるでしょう。

また、出産・育児や親の介護などを考えたとき、フルタイムで常にオフィスにいなければならない状況では、仕事を続けるのが難しいといった現実的な問題もあります。こうした状況になったときに、時短勤務や在宅勤務などの制度が整っていて、さらに多くの人が当たり前に制度を利用している企業であれば、仕事をそのまま続けられるという安心感を持つことができるでしょう。

働きやすい職場は転職市場の優位性にもつながる

企業側の現実問題として、時短勤務や在宅勤務などの制度を整えることは必ずしも容易ではありません。オフィスにいない社員の対応をどうするか、時短勤務している社員のフォローはどうするかなど、制度以前に業務プロセスの見直しが必要な場面もあるでしょう。

ただ今の時代、ワーク・ライフ・バランスの実現や従業員が抱える個別の事情を軽視する企業では、優秀な人材を集めることはできません。

「働き方改革」では、従業員の労働環境を見直し働きやすい職場をつくるのはもちろんですが、転職者が求める「時間的・精神的なゆとり」や「勤務時間・場所の柔軟性」を実現するきっかけになることは言うまでもありません。「働き方改革」を通して、企業が働きやすい職場づくりに取り組み、従業員の満足度を向上させることが、転職市場での優位性をもつことにもつながるのです。

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