学校の内装デザインのポイントは?家具計画の流れと事例を紹介

学校の内装デザインを検討する際には、教育の狙いに合わせたポイントがあります。普通教室やラーニングコモンズなどエリア別の設計ポイントと、家具計画の進め方を解説します。
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この記事でわかること

  • 学校の内装計画を進める際の考え方と、工事スケジュールの組み方
  • 木質化や安全対策、ICT対応など、押さえておきたい環境面の配慮
  • 普通教室やラーニングコモンズなど、エリアごとの設計の視点
  • 家具計画の進め方と、プラスが手掛けた学校・教育施設の事例

高度経済成長期に建設された校舎の老朽化が進み、安全面・衛生面の課題が表面化しています。そのため、建て替えのほか、内装リニューアルを検討する学校が増えています。学校内でリニューアルや内装デザインの実務担当になった方の中には、「学校における内装制限や安全基準などの建築・設備要件がわからない」「家具・レイアウト計画をどう両立させればよいかわからない」といった悩みを持つ方もいらっしゃるかもしれません。

この記事では、学校内装の基本ポイントのほか、学校内エリア別の設計、安全・木質化の配慮事項、家具計画の進め方や、プラスが手掛けた学校の内装デザイン事例を詳しく紹介します。

学校の内装計画を進める基本ポイント

学校の内装計画を進める際に、取り入れたいポイントは次の3つです。

■学校の内装計画を進める基本ポイント

学校の内装計画を進める基本ポイント

教育理念に合わせた「学びの場」の明確化

まずは「どんな学びを実現したいか」という教育理念・方針を確認するところから始めます。理念が曖昧なまま進めると、内装や家具の選定基準がぶれやすくなります。

併せて、ワークショップなどを通じて、教員・児童生徒・保護者といった使い手の意見を取り入れましょう。実際の使われ方を反映することで、完成後に「使いにくい」と感じる場面を減らせます。

例えば、教員からは授業中の動線や教材の収納、児童生徒からは居心地のよい場所、保護者からは安全面の要望が挙がることがあります。立場ごとの意見を整理し、優先順位をつけて計画に反映してください。

建物計画と家具計画の同時進行

家具のサイズや動線を先に想定しておけば、教室の寸法や設備の位置、照明計画を最適化できます。内装と家具は、別々に進めずに同時に検討することが大切です。建物の完成後に家具を選ぼうとすると、サイズが合わない、電源やLANの配線が足りないといった問題が起きやすくなります。

例えば、グループワークで机を向かい合わせる教室では、コンセントの数が少ないと充電のたびに児童生徒が動くことになります。家具の配置を前提に、電源や配線の位置を決めておきましょう。

長期休業期間を活用したスケジューリング

夏休みや春休みなどの長期休業期間を使えるよう計画を立て、授業に影響を与えない工事スケジュールを組みます。授業を続けながら工事をする「居ながら工事」の場合は、児童生徒の安全対策が必須です。

工事は、騒音や振動が出る作業を休業中にまとめるなど、授業への影響が少なくなる順序で計画します。家具の搬入や引越しの日程も、工事の工程と併せて確認しておくと、新学期に間に合わないといった事態を防げます。

学校内装で押さえておくべき安全対策と環境配慮

学校の内装を検討する際には、安全対策と環境配慮が欠かせません。具体的な安全対策や環境配慮は下記のとおりです。

木造化・木質化の推進

脱炭素やSDGsの流れを受けて、文部科学省・林野庁は学校施設への木材利用を推進しています。木のぬくもりは、児童・生徒のストレス緩和や集中力の向上、調湿効果につながると期待されています。

また、国産材・地域材を利用する場合は、自治体や国の補助金制度を活用できることも少なくありません。計画の初期段階で、対象となる制度を確認しておきましょう。

木質化は、床や壁だけでなく、机・椅子・収納などの家具にも取り入れられます。内装材と家具の木目や色合いをそろえると、空間全体に統一感が生まれます。ただし、木材を使う場所によっては防火上の制限を受けるため、後述する内装制限と共に検討することが必要です。

環境に応じた安全対策と法規制への対応

学校は子供が日常的に過ごす場所のため、安全面への十分な配慮が求められます。具体的には天井脱落防止対策やガラス飛散防止のほか、壁面や柱のコーナーの面取り、指挟み防止ドア、滑りにくい床材の選定などが挙げられます。これらは、学校種や建物の状態、使い方に応じて必要な内容を検討することが必要です。

一方、内装制限にもとづく防火材料の選定は、建築基準法などの法令で定められた要件への対応であり、専門的な知識が必要です。制限の対象となる範囲や使用できる材料は、学校の規模や構造、階数、部屋の用途などによって異なるため、設計や施工の専門家のアドバイスを受けながら進めましょう。安全対策は、設計者や施工会社だけでなく、家具を提案する側とも共有することが大切です。

家具の転倒防止や角の処理、素材の安全性などを含めて確認すると、安心して使える教室に近づきます。

ICT化やアクティブ・ラーニングに対応する設備の充実

近年、学習環境におけるICT化は欠かせない要素の1つです。タブレット端末の充電や電子黒板の活用を想定した電源・配線計画は、内装の段階で組み込んでおくことが欠かせません。

また、児童生徒が主体的に参加する学習を意味する「アクティブ・ラーニング」では話し声が増えるため、音環境への配慮が必要です。電子黒板の画面が見づらくならないよう、眩しさを抑える照明計画も進めましょう。

学校内エリア別の内装設計のポイント

学校は一般の建築と異なり、普通教室やラーニングコモンズ、廊下など、エリアごとに求められる機能が違います。リニューアルの際は、対象エリアごとに設計の視点を変えましょう。

普通教室のレイアウトと内装

普通教室では、机・椅子の可動性を確保することが基本です。動かしやすい家具を選べば、一斉授業からグループワークへの切り替えをスムーズに行えます。

また、教室の壁面や後方にロッカーや収納、掲示スペースをどう配置するかも検討してください。荷物や教材の置き場が整理されていると、教室内の動線が確保され、机を動かす活動にも対応しやすくなります。床材や壁材は、落ち着いて学べる色合いを選ぶとよいでしょう。

ラーニングコモンズの設計

ラーニングコモンズとは、個人学習・グループワーク・発表など、複数の学習形態に対応できる学びの場です。その重要性から、近年は取り入れる学校が増えています。目的の違う活動が干渉しないよう、ゾーニングと家具配置を考えることが大切です。

また、自然に人が集まる空間(マグネットスペース)としての機能を持たせると、交流と学びが生まれやすくなります。

廊下や踊り場などの共用部のデザイン

廊下や踊り場などの共用部を単なる通路とせず、偶発的な交流や個人学習が起きる場として活用する事例が増えています。ベンチや小型テーブルを置いて、立ち寄りやすい空間をつくることが有効です。

ただし、廊下は避難経路でもあるため、家具の配置で通行や避難の妨げにならない幅を確保する必要があります。固定する家具と、移動できる家具を使い分けると、安全と使いやすさを両立できます。

特別教室・図書室のデザイン

図書室は、メディアセンターとして機能を拡張する事例が増えています。調べ学習のエリアと討議のエリアを分けたゾーニングが有効です。また、木のぬくもりを感じる内装材や家具は、落ち着いた教育環境をつくり、集中力の向上が期待できます。

理科室や家庭科室、美術室などの特別教室は、授業の内容によって必要な設備や家具が大きく異なります。実験や調理、制作で使う道具の収納や、作業台の高さ・配置を、教員にヒアリングしながら決めていきましょう。

学校内装の家具計画の進め方

プラスでは、学校内装の家具計画についてご相談を承っています。主な進め方は次の5ステップです。

<学校内装の家具計画の進め方>

  • STEP1:ヒアリング
  • STEP2:家具の基本設計
  • STEP3:詳細設計
  • STEP4:納品・引越し
  • STEP5:開校後フォロー

STEP1:ヒアリング

教育理念や目標、カリキュラム、施設内容を確認しながら、スケジュール、予算、組織の体制などをお聞きします。ここで学校が目指す学びの姿を共有しておくことで、以降の家具の提案がぶれにくくなります。

STEP2:家具の基本設計

ヒアリングをもとに、学習形態に合わせた家具をご提案します。併せて、開校時に必要な家具をリストアップします。

STEP3:詳細設計

各教室の家具選定、調達区分、仕様を確定します。必要に応じて「建築工事家具」「既存流用家具」「新規購入家具」に区分し、レイアウト資料の作成と、新規購入家具の予算算出を行います。

前述のように区分を分けておくと、どの家具を建築工事に含め、どれを既存から流用し、どれを新しく購入するかが明確になるのが利点です。予算を無駄なく配分でき、工事側との調整も進めやすくなります。

STEP4:納品・引越し

工程表にもとづき、納入から引越しまでを管理します。養生計画、納品の段取り、引越しまでを一元管理します。

STEP5:開校後フォロー

利用状況を見守りながら、保守・アフターサービス、消耗品や部品の供給などを行います。実際に使い始めてから見えてくる課題にも対応できるため、長く安心して使い続けられます。

プラスが手掛けた学校・教育施設の改修・改築事例

プラスは、各種学校・教育施設の改修や家具計画のお手伝いも得意としています。ここでは4つの納入事例を紹介します。

木の温かみを感じられる内装や家具に囲まれ、学習環境が整った府中市立府中第八小学校 様

府中市学校施設改築・長寿命化改修計画にもとづき、改築した小学校です。学年ごとのまとまりを重視した学年ユニットの構成、木の温かみを感じる内装や家具に囲まれ、子供たちが落ち着いて一日を過ごすことができる教育環境となっています。

詳しくはこちらのページをご覧ください。

府中市立府中第八小学校 様

多様な学習形態を展開できる環境を備えた府中市立府中第一中学校 様

府中市の新しい学校づくりのモデル校として、多様な学習形態が展開できるような設えを取り入れた同校の改修事業。「かしの樹ホール」や「メディアセンター」といった施設が、教科や学年を越えた新しい学びを支えています。

詳しくはこちらのページをご覧ください。

府中市立府中第一中学校 様

豊かな緑の中で、芸術性・創造性をはぐくむ環境を備えた東京音楽大学 様

2019年に開校した中目黒・代官山キャンパスの家具計画を、プラスが担当。家具デザイン監修の外部デザイナーと連携し、可動性・木質・親しみやすい色合いを考慮して家具計画を実施しました。学習意欲・創作意欲を大いに刺激するキャンパスで、豊かな感性を磨く環境が整っています。

詳しくはこちらのページをご覧ください。

東京音楽大学 様

「人」が集い、「知」が交流を象徴する拠点になることを目指す神奈川大学みなとみらいキャンパス 様

経営学部・外国語学部・国際日本学部のグローバル系3学部が集結した、同大学のみなとみらいキャンパスの空間デザインを、プラスが設計しました。デザインコンセプトは「学びの場に、あらたなデザインを」。あらゆる「人」が集い、「知」が交流を象徴する拠点となることを目指しています。

詳しくはこちらのページをご覧ください。

神奈川大学みなとみらいキャンパス 様

学校や教育施設の内装計画ならプラスにお任せください

学校の内装計画は、「どんな学びを実現したいか」という教育理念・方針の確認から始めることが大切です。最新の教育環境に応じた家具や内装を選べば、理想とする学びの場を創ることができるでしょう。

プラスは学校専門の提案チームのほか、全国で先進的な学校づくりのコンサルティングに取り組む教育環境研究所を持ち、ヒアリングから開校後のフォローまでワンストップで対応しています。教育理念や学習形態に合わせた家具の提案から、納品・引越しの管理、開校後の保守まで一貫して任せられるため、担当者様の調整の負担を抑えられます。

建築側の計画と家具計画を併せて進めたい場合や、内装制限や安全面の検討に不安がある場合は、お気軽にご相談ください。

プラスの教育環境の提案について詳しくは、こちらをご覧ください

プラスがつくる教育環境

オフィス見学ツアー

学校の内装に関するよくある質問

学校の内装計画を進めるポイントを教えてください。

学校の内装計画を進めるには、「どんな学びを実現したいか」という教育理念を確認し、使い手の意見も取り入れて「学びの場」を明確にすることが大切です。また、建物計画と家具計画を同時に進め、サイズや配線のズレを防ぎましょう。夏休みや春休みなどの長期休業期間を活用し、授業に影響しない工事スケジュールを組むことも欠かせません。

学校内装を進める上で知っておくべき安全対策と環境配慮は何ですか?

学校内装の安全対策と環境配慮として、まずは木のぬくもりによってストレス緩和や集中力の向上が期待できる「木造化・木質化」の推進が挙げられます。また、天井の脱落防止やガラスの飛散防止、家具・柱などの角の面取りといった安全面への配慮のほか、防火材料の選定をはじめとする法規制への適切な対応も求められます。さらに近年では、タブレットの充電や電子黒板に対応した電源・配線計画に加え、快適な音環境や照明への配慮も重要なポイントです。

学校内エリア別の内装設計のポイントを教えてください。

普通教室では、机・椅子を動かしやすくして、一斉授業とグループワークを切り替えられるようにします。ラーニングコモンズでは、個人学習・グループワーク・発表に合わせたゾーニングと家具配置を行いましょう。廊下・共用部はベンチなどを置いて交流や個人学習の場にし、図書室は調べ学習と討議のエリアを分けて設計するのが有効です。

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