フリーアドレスの苦痛を解消!「意味ない・疲れる」を防ぐ企業の再設計術

企業のフリーアドレス導入が増加している一方で、違和感や不満を持つ従業員は少なくありません。自由度の高い働き方を叶えるために導入しているのに、苦痛が伴うようであれば運用を考え直す必要があります。 この記事では、一部の従業員がフリーアドレスを「苦痛」と感じる主な理由と、改善のための具体策、そして見直しの視点をわかりやすく解説します。
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フリーアドレスは自由な席選択を特徴とする新しい働き方

フリーアドレスは、オフィス内に固定席を持たない働き方のひとつです。毎日好きな座席で働ける「自由度の高さ」が魅力で、コロナ禍を経てDXやABWの流れもあり、導入が加速しています。

フリーアドレス導入の目的

フリーアドレスは、座席効率の改善や出社率低下への対応策として、オフィス縮小とセットで導入する企業が増えています。また、「フラットな組織風土」「部門間交流の促進」など、ソフト面でのメリットも期待されています。

フリーアドレスについて詳しくは、こちらのページをご覧ください。

【事例あり】フリーアドレスの種類やメリット、導入事例を紹介

ABWとの違いや混同しやすい概念について

フリーアドレスは、よく似た概念であるABWと混同しがちですが意味は異なります。ABWは「仕事内容に応じて働く場所を選ぶ自由」に重きを置き、フリーアドレスは「働く場所を選ぶ自由」に重きを置いています。

ABWとフリーアドレスを混同すると、「席だけが自由な会社」で終わってしまい、形骸化のリスクが高まります。

ABWについて詳しくは、こちらのページをご覧ください。
【事例あり】ABWとは?フリーアドレスとの違いやメリット・デメリットを解説

フリーアドレスが「苦痛」と感じられる主な理由

フリーアドレスの導入が進む一方、苦痛を感じる人も少なくありません。その理由は下記のとおりです。

■フリーアドレスが「苦痛」と感じられる主な理由

フリーアドレスが「苦痛」と感じられる主な理由

毎回席を選ぶこと自体をストレスに感じる

毎回の出社時に「今日はどの席に座ろう?」と判断しなければいけないことを負担に感じる人は少なくありません。先着順ゆえに「居場所争奪戦」になることもあり、精神的疲労に少なからずつながります。また、あまり話したことがない人や関わりのない業務担当者が隣の席だったらどうしよう、という心理も働きます。

プラスが実施した「職場の居心地WEB調査」(2024)によると、固定席からフリーアドレスデスクに変わり、以前と比較してデスクやイス等の清潔さや状態を気にするようになった人は72%でした。「誰かの使用後である共有スペースという状況が気になる」という層も、一定いることがわかります。

■フリーアドレスデスクへの移行で7割以上の人が清潔さへの意識を高めた

フリーアドレスデスクへの移行で7割以上の人が清潔さへの意識を高めた

この調査結果については、こちらのページをご覧ください。

【職場の居心地WEB調査】第19回 「フリーアドレスデスクにおける職場の清潔さ、気になりますか?本音発表!」

コミュニケーションの分断が起こりやすい

従来の固定席であれば自然に交わしていた会話が、フリーアドレスでは席の流動化によって途切れがちになります。毎回違うメンバーが近くになると相談しづらい空気が漂い、結果的にチーム間の関係性が希薄化しかねません。

マネジメント層からは、進捗管理がしづらい、メンバーがどこにいるかわかりづらいという声もあります。

荷物管理や私物の置き場に困る

フリーアドレスは固定のデスクがないため、私物の収納・持ち運びの負担が増えます。業務に必要な資料や私物を置く収納スペースが不足すると、さらなる不満を生みます。

ノートPCや書類を常に持ち歩くことで、作業効率に悪影響を及ぼすケースもあるでしょう。

自分には居場所がないように感じる

「自分の席がない=自分の居場所がない」と感じ、心理的な孤立を生むことがあります。部署やチームの一員としての帰属意識が薄れ、「どこにも属していない感覚」になりやすいといえます。

フリーアドレスの苦痛を減らす具体的な対策

ここからは、フリーアドレス本来のメリットを活かし、より快適な職場環境を実現するために、苦痛をやわらげる具体的な対策を紹介します。

<フリーアドレスの苦痛を減らす具体的な対策>

  • ゾーニングや半固定席で選択肢をつくる
  • ICTツールで人の居場所や連携を「見える化」する
  • 収納・持ち物管理のストレスを軽減させる
  • デスクの利用ルールとマナーを明確化し共有する

ゾーニングや半固定席で選択肢をつくる

完全なフリーアドレスではなく、チーム単位でゾーニングしたり、職種別に「よく使う席」を半固定式で設定したりする方法を取り入れれば、フリーアドレスの苦痛を減らすことができます。「どこでも自由」ではなく「選べる自由」があることで、ストレスが減るでしょう。

また、コミュニケーション用のスペースと、集中スペースを分けるのも効果的です。プラスはさまざまな集中ブースを提供しています。音や視線をうまく遮り、業務効率化にお役立てください。

プラスの集中ブースはこちらのページをご覧ください。

集中ブース

IoTツールで人の居場所や連携を「見える化」する

プラスが提供する座席管理システム「Suwary(スワリー)」は、フリーアドレスに最適なアプリです。オフィス内で誰がどこにいるか、いつ話しかけられるかをアプリで表示できるため、導入する企業が増えています。

こういったIoTツールを活用することで、物理的な距離はあっても、情報的なつながりを補完できます。

座席管理システム「Suwary(スワリー)」についてはこちらのページをご覧ください。

Suwary(スワリー)

収納・持ち物管理のストレスを軽減させる

フリーアドレスでは、個人ロッカーやキャスター付き収納、ノートPCの軽量化などで「持ち運びの負担」を減らす工夫が必要です。出社時の利便性を高めるためにも、アクセスしやすい個人ロッカーや、荷物置き用の専用ワゴンの導入がおすすめです。

プラスが提供する「L6 パーソナルロッカー」はゾーニングにも使え、機能も充実しています。

「L6 パーソナルロッカー」はこちらをご覧ください。

L6 パーソナルロッカー

デスクの利用ルールとマナーを明確化し共有する

デスクを使用した後の清掃ルールや予約制の有無、利用時間の制限など、ルールを明示し習慣化することで現場の混乱を防げます。運用開始後も改善の余地を見ながら柔軟にルールを見直す姿勢が重要です。

フリーアドレスの再設計ポイント

フリーアドレスの運用に苦痛を感じている従業員が多い場合、その運用を再設計する必要があります。そのポイントを紹介します。

<フリーアドレスの再設計ポイント>

  • ポイント1:従業員の声を取り入れる
  • ポイント2:ハイブリッドな働き方を検討する
  • ポイント3:運用の仕方を見直す

ポイント1:従業員の声を取り入れる

制度主導ではなく、現場の従業員の声を集め、使いやすさや居心地を重視してオフィスを再設計することが大切です。具体的な方法として、以下のような取り組みが効果的です。

アンケート調査の実施

全従業員を対象とした匿名アンケートを実施し、現在の不満点や改善要望を収集します。「どんな場面で困っているか」「理想的な働き方は何か」など、具体的な状況を把握することが重要です。

ワークショップやヒアリングの開催

部署別・職種別の小グループでワークショップを開催し、リアルな課題を共有します。管理職だけでなく、現場の一般職員からも直接意見を聞くことで、実態に即した改善策を検討できます。

試行期間の設定

改善案を一定期間試行し、その結果を従業員にフィードバックを求めます。PDCAサイクルを回すことで、継続的な改善が可能になります。

ポイント2:ハイブリッドな働き方を検討する

フリーアドレスが定着しない場合、「一部固定席+フリーアドレス+在宅」といったハイブリッドな働き方に切り替え、柔軟性と安定性を両立させるのもひとつの方法です。一例として、次の方法が考えられます。

職種・業務内容別の席割り当て

営業職はフリーアドレス、経理・総務は固定席、企画職は在宅とフリーアドレスの併用など、職種の特性に応じて最適な働き方を選択できる制度を設計します。

時間帯別の運用ルール

午前中は集中作業用の固定席、午後はコミュニケーション重視のフリーアドレスエリアを利用するなど、時間帯に応じた使い分けを促進します

チーム単位での柔軟な対応

プロジェクトチームは一定期間固定席を確保し、通常業務はフリーアドレスを活用するなど、チーム単位での柔軟な運用を可能にします

ポイント3:運用の仕方を見直す

フリーアドレスに苦痛を感じている従業員がいる場合、「フリーアドレスという制度が悪い」のではなく、「どう運用しているか」が課題かもしれません。具体的な見直しポイントは以下のとおりです。

ルールの見直しと明文化

現在の運用ルールを整理し、曖昧な部分を明確化します。座席の予約方法、使用後の清掃ルール、私物の管理方法など、具体的なガイドラインを作成し、全員に周知します。

管理者向けの研修実施

フリーアドレス環境でのチームマネジメント方法について、管理職向けの研修を実施します。進捗管理やコミュニケーション促進のノウハウを共有し、現場の混乱を防ぎます。

定期的な効果検証

3ヵ月に一度程度、利用状況や満足度を調査し、運用方法の改善点を検討します。データに基づいた客観的な評価により、制度の継続的な最適化を図ります

すべてのメンバーにとってメリットのあるフリーアドレスをつくろう

フリーアドレスは導入ありきではなく、「その会社・チーム・すべてのメンバーに合うかどうか」を定期的に問い直すことが重要です。従業員の快適さを起点に、制度と環境を調整しましょう。

プラスは、従業員にとっても企業にとってもメリットのある快適な働き方を提案しています。
フリーアドレスの運用を最適化したい、オフィスをリニューアルしたいと考えている担当者は、プラスにご相談ください。貴社にとってベストのオフィスの空間づくりをお手伝いします。

フリーアドレスを導入したオフィスデザイン事例集

よくある質問

フリーアドレスを苦痛に感じる主な理由は?

出社ごとに毎回席を選ぶストレスや、コミュニケーションの分断、荷物管理の負担、居場所がないように感じる心理的な問題などが挙げられます。これらの要因が複合的に作用し、従業員の満足度低下につながります。

フリーアドレスの苦痛を減らす具体的な対策は?

苦痛を減らすには、オフィス内のゾーニングや半固定席の設置、IoTツールを導入して見える化を進めるほか、収納スペースの充実、利用ルールの明確化などが効果的です。完全な自由席ではなく、適度な制約と選択肢のバランスが重要です。

フリーアドレスを再設計するポイントは?

ハイブリッドな働き方の検討、社員の声を取り入れた現場視点での改善、運用方法の見直しが重要です。制度に固執せず、柔軟な対応で従業員にとって快適な環境を整えることが成功のカギとなります。

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