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オフィスにおける照明の役割

オフィスの照明は、単なるおしゃれなインテリアとしてではなく、業務効率の向上や企業イメージの表現などのさまざまな役割を持っています。
家庭でも照明によって部屋の雰囲気を変えられますが、オフィスの照明設計は生産性や安全性にも配慮して選ばなければなりません。
以下から、オフィス照明の具体的な役割について詳しく見ていきましょう。

業務を効率的に

オフィスで最も大切な照明の役割は、業務を効率的に進めるために必要な明るさを確保することです。
適切な色みと明るさの照明は視認性を高め、目の疲れを軽減します。
反対に明るすぎる照明は目に負担をかけ、逆に暗すぎると集中力が下がる原因になります。

省エネ効果

省エネもまた、オフィス照明が担う大切な役割です。
国際的に環境意識が高まるなか、日本では2050年までにカーボンニュートラルを実現するための取り組みが求められており、事業規模に関わらず環境に配慮した運営を求められています。
電力消費を抑えるためには、消費電力の低いLED電球の導入や、人が通行したときだけ光るセンサーライトの使用が効果的です。
企業にとっても、電気代の削減によって長期的な経費の節約につながります。

企業イメージの表現

オフィスの照明を効果的に使うことで、ブランディング効果を得られます。
エントランスや会議室など、訪問者が目にすることの多い場所には、企業のコンセプトに合った照明を選びましょう。
例えば暖色系の間接照明を用いれば、おしゃれで温かみのある雰囲気を演出できます。
照明一つで、与える印象は大きく変わるでしょう。

法令遵守のため

オフィスにおいて、照明の明るさは法律によって決まっています。
照明の明るさを示す単位を「ルクス」といいます。「労働衛生基準」では精密な作業で300ルクス以上、一般的な作業で150ルクス以上、そのほかの作業で70ルクス以上の明るさを保つことが定められています。
また廊下や階段、非常口なども明るい環境であることが求められます。

オフィスに照明器具を設計するポイント

オフィスの照明器具を設置する際には、業務効率を高めつつ、居心地の良い空間を構築しましょう。
以下では、オフィスの照明を設計するときに考慮したいポイントを紹介します。

オフィスの目的に合わせる

照明を決める際には、まずオフィスの目的に基づいた選択を行いましょう。
会議室や執務室、応接室など各部屋の用途を考慮し、それぞれに最適な照明を選ぶことで、その部屋の持つ機能を十分に発揮できます。
集中が必要な執務室なら、基本的には視認性が高い昼白色の照明を使用します。
またリラックススペースに関しては決まりはないものの、落ち着ける雰囲気を求めるなら暖色系の照明がおすすめです。

快適な色味と明るさ

照明の色味や明るさは、その場の雰囲気や作業効率に影響を与えます。
色味には電球色、昼白色、昼光色などがあります。
昼白色は自然光に近く、業務効率を高める効果があります。
昼光色はさらに明るい色味になり、電球色はやや暗めです。
明るければ集中力を高めますが、明るすぎると目が疲れる原因にもなるため注意しましょう。
明るさについては、労働衛生基準に基づき各場所に適した照明を設置しなければなりません。

天井の配線の確認

照明器具の設置を検討する際には、照明の種類に合わせた配線が必要となるため、天井の配線状況の確認が必要です。
たとえばスポットライトやペンダントライトを取り付ける場合、天井に引っ掛けるためのレールを設置する必要があります。
照明の種類については次章で詳しく解説します。

オフィスに適した照明器具の種類

オフィスの照明を選ぶ際には、デザイン性にも考慮して選択しましょう。
ここでは、オフィスに適した照明器具の種類とその特徴について詳しく解説します。

シーリングライト

シーリングライトは天井に直接取り付けるタイプの照明器具で、広い範囲を均一に照らすことができます。
オフィスフロア全体や、長時間のパソコン作業を行う執務室に採用されています。
またさまざまな形があり、なかにはスピーカーと一体化しているものも存在します。多機能でデザイン性にも優れているのが特徴です。
ただしシーリングライトは存在感があるため、空間に圧迫感を与えることもあります。
また、ライトから離れた場所は暗くなりやすいため、業務内容によってはデスクを直接照らすタスク照明と併用しましょう。

ダウンライト

ダウンライトは天井に埋め込むタイプの照明器具で、すっきりとした見た目が特徴です。
インテリアの邪魔をせず、オフィス空間に広がりを持たせて開放的な印象を与えます。
落ち着いた雰囲気を演出できるため、リラックススペースや食堂、エントランスなどに向いています。
ただしダウンライトは手元を直接照らすほどの明るさはないため、細かい作業が多い執務室では他の照明と組み合わせて使用します。
また複数設置する必要があるため初期費用が高めで、設置方法によっては電球の交換を外部の業者に委託する必要もあります。

ペンダントライト

ペンダントライトは天井から吊り下げるタイプの照明器具で、デザイン性に優れています。
特定のエリアをピンポイントで照らせ、おしゃれなものも多いため、受付カウンターや応接室などの訪問者を迎えるスペースでよく使用されています。
一方で部屋全体を照らすことができないため、広い空間のメイン照明として使用することは難しいでしょう。
また天井から吊り下げられているため、天井の高さとバランスを考慮しないと頭をぶつけてしまうこともあります。
衝撃で破損しやすいため、取り付ける場所の高さには注意しましょう。

ブラケットライト

ブラケットライトは壁に取り付けるタイプの照明器具で、間接照明として採用されています。
デザインが豊富で空間にアクセントを加えられるため、インテリアとしても良いでしょう。
また壁を照らすことで奥行き感を出して空間を広く見せるため、廊下や階段、エントランスに設置されています。
ただし他の照明と比べて暗めなため、組み合わせて使用することが求められます。

オフィスへの施工事例4選

ここではさまざまな企業の照明施工の事例を紹介し、それぞれのコンセプトやデザインのポイントについて解説します。

コスモ調剤薬局

コスモ調剤薬局は、社員にとって魅力的な空間づくりを目指し本社ビルを新築しました。
地域社会への貢献をもコンセプトに含んでおり、さまざまな用途に応じた空間が設計されています。
5階のヘッドオフィスにはタスク&アンビエント照明が導入されており、朝から夜にかけて色温度が変化するサーカディアン機能を持つ照明が設置されています。
時間帯に応じて心地よい明るさに変化し、社員の集中力やリラックスのバランスを保っています。
6階の多目的フロアは地域貢献の場としても利用されるスペースで、アイランド型のオープンキッチンを中心に、食を通じた交流が行われています。
R型のソファ下に組み込まれたスマート照明はスマホやタブレットで操作でき、使用シーンに応じた色の演出が可能です。
またキッチンの近くにあるカウンターでは、ペンダントライトを採用し柔らかな雰囲気を演出しています。

青山特殊鋼株式会社

青山特殊鋼株式会社では、本社建て替えに伴う移転計画を実施し、2フロアを使用する新オフィスを設計しました。
コミュニケーションスペースには、テーブル席だけでなくソファ席やカウンター席が設けられ、壁面モニターやプロジェクター設備を備えた多用途の空間が設計されています。
またダウンライトとペンダントライトを設置することで、十分な明るさを確保しつつリラックス感を演出しています。
使用機会の多い会議室では、会議内容やイベントに応じて照明が変化するシステムを導入し、照明による演出効果でプレゼンテーションや打ち合わせを効果的にしています。
執務空間には自然光もふんだんに取り入れ、集中しやすい環境を構築しています。

株式会社科学情報システムズ

株式会社科学情報システムズは、本社移転に伴う全体的なレイアウトとデザインの刷新を行いました。
新しいエントランスでは、間接照明を効果的に取り入れて広々とした受付空間を演出しています。
エントランスの壁面にはリブ材を使用した棚が設置され、照明がそれを優しく照らすことで、信頼性や光といった企業イメージを表現しています。
さらにアクリルバー上部にはLED照明が内蔵され、白とブルーで統一された配色が空間全体を引き締めています。
訪れた訪問者だけでなく、社員も自社のイメージを再確認できるようなデザインが施されており、間接照明を効果的に設置することでエントランスからオフィス全体にかけて一体感をもたらしています。

株式会社廣済堂

株式会社廣済堂は、多層階から1フロアへの集約移転を行い、新たな知を創造する空間をコンセプトに新オフィスを設計しました。
照明が備わったサークル状のステージを設置し、人が自由に行き交い自然なコミュニケーションが生まれるように計画されています。
随所に設置されたペンダント照明はフロア全体を照らす役割を果たしていますが、白を基調としたインテリアを採用することで、より明るい雰囲気になっています。
また同社の技術を活かしたオリジナル印刷のカーペットやプリントタイルが採用され、印刷業務を主に行う企業としてのアイデンティティを表現しています。

新しいオフィスをつくるなら「プラス」へ

オフィスの照明は、空間の雰囲気や社員の働きやすさに大きく影響します。
照明の色や明るさには、集中力を高めたりリラックスを促したりする効果があり、こだわって設置することで生産性のアップも可能です。
さらに照明にはブランドイメージを高める効果もあり、オフィスに訪れる人々に好印象を与えることもできるでしょう。
複数の照明器具を組み合わせ、デザイン性と機能性を両立したおしゃれなオフィスを実現しましょう。
オフィスの新築や移転を検討中なら「プラス」にご相談ください。
照明設計はもちろん、オフィス全体のレイアウトや家具の選定についても提案可能です。
今回紹介した事例以外にもさまざまなオフィスの構築に携わっているため、ぜひそのほかの事例も参考にしてください。

この記事を書いた人

マーケティング部 コラム編集部 プラス株式会社ファニチャーカンパニー

プラス株式会社ファニチャーカンパニー マーケティング部 コラム編集部

プラス株式会社ファニチャーカンパニーのマーケティング部門です。オフィスに関する最新のトレンド情報や、オフィス移転・リニューアル・オフィスデザインに関する情報を発信しています。 オフィスの最新情報はInstagram「plus_kagu」で検索してフォロー!昨日よりもオフィスが好きになるような、「家具・働く空間にまつわる工夫・デザイン事例」などの情報をお届けしています。

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