整理整頓しているつもりでも、気が付くとモノがあふれているといった経験がある方は多いのではないでしょうか。これが自宅ならまだしもオフィスでも同じ状況となると、仕事に必要な資料がない、領収書がなく経理に提出できないといったケースも起こりえます。解決に必要なのは、片付かない理由の明確化と収納ルールの策定です。今回は、オフィス内をすっきりと整理し、効率化を進めるための収納アイデアをお伝えします。
オフィスが片付かない理由
オフィス内の整理整頓を進めるためには、まず、なぜ常にオフィス内が雑然としているのか、その理由を明確にしなくてはなりません。主な理由として考えられるのは次の点です。
整理整頓しなくてはならないという意識が希薄
そもそも、オフィス内を整理整頓するといった意識が希薄な社員が多いと、オフィスは片付きません。特に経営層や上司にその意識がないと、部門全体に「片付かないままでもいいや」という空気が広がり、常に散らかったままになってしまいます。
収納場所が決まっていない
何をどこに収納するかが決まっていないのもオフィスが片付かない理由のひとつです。収納場所が決まっていないと適当な場所に置きっぱなしにしてしまい、気が付くと必要なモノがないといった状況に陥ります。
必要なモノと不要なモノの区別ができない
モノが多すぎて収納スペースの限界を超えてしまっているのも、オフィスが片付かない理由といえるでしょう。そして、モノが増えてしまう理由の多くは、必要なモノと不要なモノの区別ができていないことにあります。
過去の会議資料やプレゼン資料、書き損じたメモなどの不要な書類を廃棄していかなければ、モノは溜まる一方です。必要なモノと不要なモノを区別せず一緒くたにしていれば、自ずとオフィス内が散らかった状態になるでしょう。
ペーパーレス化については、『ペーパーレス化が進まない理由とは?推進のポイントを考える』や『オフィスで今、見直されつつあるペーパーレスのメリットとデメリット』の記事をご覧ください。
オフィスの収納ルールの作り方
オフィスを整理整頓し、すっきりさせるには、収納のルール策定も欠かせません。ここでは、すぐに始められる収納ルールの例を紹介します。
片付けを行う時間の設定
始業後や昼休み終了後などに5分程度の片付け時間を設定します。毎日が難しければ2日に1回でも構いません。強制的に時間を決め、その時間は片付けに当てるようルールを策定すれば、片付けをする習慣として身に付くでしょう。
収納場所の統一
一人ひとりが独自のルールで片付けをすると、すっきりとした見た目にはなりません。オフィス全体での統一感を出すために、部署ごとや社内全体で共通の収納ルールを決めましょう。
たとえば、全社員に同じ収納ボックスを配布し、ボックスのサイズごとに書類や文具といった用途を決めてしまいます。全社員が同じルールで収納すれば、見た目も綺麗に整ったデザイン性の高いオフィスを目指せるでしょう。
不要なモノの廃棄ルールの徹底
不要なモノの廃棄を進めないと、いつまでたってもオフィス内の整理整頓は実現しません。法律で保存が義務付けられている書類以外は、一定期間を過ぎたら廃棄するといったルールを徹底しましょう。
すぐに廃棄するのが不安であれば、検討ボックスを用意し、入れた後も一定期間閲覧しなかった書類のみを廃棄する方法がおすすめです。
オフィスの収納アイデア
オフィスの整理整頓を進めるには、いかに上手に収納するかも重要なポイントです。ここでは、個人のデスクや共有スペースなどに分け、収納のアイデアを解説します。
個人のデスクを整理整頓する収納アイデア
個人専用のゴミ箱を設置する
個人のデスクが散らかってしまう理由のひとつに、近くにゴミ箱がなく、後で捨てようと思ったまま放置してしまうケースが挙げられます。整理整頓は思ったときにすぐ行動に移せないとなかなか進みません。そこで、個人専用のゴミ箱を用意し、デスクの近くに設置すれば、不要なモノをそのままにせず、すぐに廃棄できるようになります。
縦のスペースを有効活用する
個人のデスクはそれほど大きい面積はありません。その上に電話やパソコン、キーボードなどを置くため、書類などを置けるスペースは限られています。そこで、縦の空いたスペースを活用して収納場所を増やしましょう。たとえば、パソコンのモニター台を設置する、縦3段の棚を置くなどの工夫で、スッキリと整理しやすいデスクスペースになるでしょう。
共有スペースを整理整頓する収納アイデア
見える収納を活用する
共有スペースに書棚やラックなどを設置するなら、扉がないオープンなタイプがおすすめです。扉がない場合、無造作に収納するとオフィス全体の見栄えも悪くなるため、整理しようという意識も働きやすくなります。
また、収納の容量以上にモノを詰め込むリスクも減り、不要なモノは廃棄するというルールの徹底にもつながるでしょう。
パーテーションの代わりに棚で仕切る
共有スペースを仕切るパーテーションの代わりに書棚やラックを使うと、収納スペースを増やす効果もあります。休憩スペースやミーティングスペースの仕切りとして雑誌を置ける書棚を設置すれば、その雑誌から雑談やアイデアのヒントが生まれるかもしれません。
フリーアドレスでの収納については、『フリーアドレスでは収納が課題に!収納のポイントや役立つグッズを紹介』の記事をご覧ください。
関連記事:オフィスデザインのコンセプトの決め方・手順について
オフィス収納は見られていることを意識することから始まる
オフィスの整理整頓が進まない理由のひとつとして、人から見られているという意識の希薄さが挙げられます。デスクの引き出しや扉の付いた書棚など、外から見えない場所に無理やり詰め込んでしまうことから、何がどこにあるかもわからなくなってしまうのです。
オフィスの収納アイデアは数多くありますが、どれを実践する際も「いつどこで誰が見ているかわからない」といった意識をしっかりと持つことが重要です。収納ルールを徹底すると同時に、見える収納をうまく使えば、自ずと整理整頓の意識も高まっていきます。
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