企業が個人と最も違う点は、さまざまな能力や個性を持った人材を集めチームとして業務を行える点です。これにより個人では難しい大規模なプロジェクトに取り組めるのは、企業であることの大きなメリットといえるでしょう。しかし、だからこそ重要なのが「誰とチームを組むのか」です。これを失敗すれば、チームをつくることがかえってマイナスになってしまうでしょう。そこで今回は、成果を生み出すチームづくり、チームビルディングのプロセスとその注意点についてお伝えします。
チームビルディングとは?
チームビルディングとは、チームを構築することを意味します。ある特定のプロジェクトに取り組む際、経営層も含めすべての社員を対象に、そのプロジェクトを成功させるために欠かせないメンバーを選定し、チームをつくり上げるものです。
チームビルディングを行う最大の目的は、プロジェクトの成功確率向上にあります。また、社員側も特定のプロジェクトのために集められたと意識することで、モチベーションアップにつながるのもチームビルディングの目的の一つであり、効果だといえます。
チームビルディングのメリット
チームビルディングを行うことで企業や社員にどのようなメリットがあるのでしょうか。主なものとしては次の点が挙げられます。
最小の労力で最大の効果を上げやすくなる
チームビルディングは、社員のなかからプロジェクト成功のために最も適した人材を集めます。その結果、目標に向かって無駄なく効率的に進めていけるようになり、最小の労力で最大の効果を上げられる可能性が高まるでしょう。
社員のモチベーションアップにつながる
社員は、自分がプロジェクトの成功に必要なメンバーだとして選定されるため、そのプロジェクトに対して高いモチベーションを持って臨めます。
モチベーション向上に関連して、『時代にあった快適な「職場環境」で社員のモチベーションアップ!』の記事もご覧ください。
チームビルディングのプロセス
実際にチームビルディングを行う際には、いくつかの方法がありますが、そのなかでもよく使われるプロセスの一つが、タックマンモデルの5段階プロセスです。
形成期
チーム結成当初で、メンバーの関係性を構築する段階です。プロジェクトを遂行していくうえでベストなメンバーを選定し、目標の共有を行います。
混乱期
関係性を構築していくなかで、互いの意見がぶつかり合い混乱が生じる段階です。それぞれの役割が明確になっておらず、どうやって進めていくかがはっきりしない状態です。
統一期
混乱期を経て、コミュニケーションによって意見のすり合わせを行い、相互に理解したうえでチームが一つになっていく段階です。
機能期
それぞれが適材適所で自分の能力を発揮し、プロジェクトを目標に向かって進めていく段階です。
散会期
プロジェクトを終え、チームを解散し、活動を終了させる段階です。
チームビルディングを行ううえでの注意点
チームビルディングは、選定するメンバーはもちろん、選定されるメンバーもプロジェクト成功に向け積極的にチームの関係性構築に努めていかなければなりません。そこで、チームビルディングを行ううえでの注意点を説明します。
チームビルディングを行う目標の明確化
なぜ、チームを構築するのか、何を達成させるためにチームビルディングを行うのかを明確にしないとベストなメンバーの選定もできません。また、集めたメンバーに対して目標を共有することも重要です。チーム全員が同じ目標を共有しなければ、高い成果は上げられないでしょう。
役割の徹底
プロジェクトに対し、ベストメンバーを集めたとしても、それぞれの役割を把握していなければ成果を上げるのは難しくなります。プロジェクトの道筋をつくるもの、道筋を整備するもの、その道に立ち先導していくものなど、メンバーの適性に合わせた役割を決めることが重要です。
コミュニケーションの徹底
同じ目標を共有していたとしても、プロジェクトを進めていくなかで、意見の対立が起こる可能性は少なくありません。そうした際に重要なのがメンバー間のコミュニケーションです。常に話し合いを行い、ゴールにたどりつくためのやり方や考え方の共有を行っていくことが重要になります。
コミュニケーションを欠かさないためのポイントは、気軽にコミュニケーションを行える場の設置です。企業規模にもよりますが、通常の会議室だけでは、いざ話し合いたいといった際に空いていない可能性も考えられます。
そのため、ハドルルームやファミレス席、マグネットスペース(マグネットゾーン)、カフェスペースなどを設置することで、チーム内はもちろん、ほかのチームと雑談ができるスペースを確保するのもよいでしょう。
プラスでは、5 TSUBO CAFEを提供しています。オフィスのコミュニケーションスポットをご検討の際は、ぜひご覧ください。
また、ハドルルームについてより詳しく知りたいかたは、『少人数で行うミーティングに最適なハドルルームの効果的な活用方法とは?』の記事もご覧ください。
チームビルディング成功のポイントはメンバー一人ひとりのマインドセット
チームビルディングはいかに適材適所に人材を配置するかがポイントですが、それと同時に、選定されたメンバー一人ひとりがいかに高いモチベーションを持って自分の役割を果たせるかも重要です。
そのためには、コミュニケーションの徹底によるゴールの共有、それぞれの役割の徹底と互いの把握、そして、プロジェクトを成功させたいというマインドセットが欠かせません。
ミーティングルームの増設や気軽にコミュニケーションを取れるレイアウトなど、オフィス環境の改善も含め、チームビルディングに取り組みましょう。