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オフィスの内装工事の種類

オフィスの新装や移転の際には、ほとんどの場合で内装工事をともないます。電気やインターネットの開通、壁や床のレイアウトといった内装工事は物件をオフィスとして機能させるために必要なものです。ここでは、オフィスの内装工事でどんなことを行うのか説明します。

①建築工事

建築工事では、オフィスの壁や天井、床などの内装に関わる工事全般を行います。また間仕切りを設置して、各フロアをセパレートしていきます。内装の変更や新しい仕切りの設置を行うことで、自社のイメージやワークスタイルを反映させたオフィスを構築します。

②電気工事

電気工事では、オフィス内の照明やコンセント、配線などの電気設備に関わる工事を行います。オフィスの従業員が安全に作業できるように、明るい照明や人数に応じた電源を確保することが大切です。

③空調・衛生工事

空調・衛生工事では、オフィス内の空調設備や給排水、給湯などの衛生設備に関わる工事を行います。快適な室内環境を維持するためには、効率的な空調設備や清潔な衛生設備が必要です。特にオフィス内での快適な温度や湿度の維持は、従業員の健康と生産性の向上に影響します。

④防災工事

防災工事では、消防法に基づいてオフィス内に必要な防災設備を設置します。煙感知器や火災報知器などの機器を適切に配置し、火災や災害時に迅速かつ効果的な対応ができるようにします。

⑤防犯工事

監視カメラシステムや、入退室管理システムなどの防犯設備を導入します。防犯工事によってオフィス内のセキュリティを強化し、機密情報や企業のあらゆる財産を保護します。従業員や来客の安全を確保することはもちろん、企業としての信頼構築につながる重要な工程です。

⑥電話・LAN工事

電話・LAN工事では、オフィス内の通信設備やネットワークインフラの整備を行います。従業員間や外部との円滑なコミュニケーションを確保することで、業務効率の向上を目指します。

関連記事:内装工事とは?工事の内容・流れ・費用を安く抑える方法も解説

オフィス内装工事の費用相場

オフィスの内装工事を行うにはさまざまな資格や許可が必要なため、基本的に外部の専門業者に工事を依頼します。ではオフィスの内装工事を行うには、どのくらいの費用が必要なのでしょうか?確実な費用は業者や依頼するタイミングによっても異なるため、あくまで目安として参考にしてください。

全体工事の場合

オフィスを丸ごと新設する場合、全体的な内装工事が必要です。全体的な内装工事の費用の目安は、坪単価で10万円から30万円とされています。仮に100坪のオフィスの場合、費用は約1,000万円から3,000万円ほど必要です。ただし工事の内容や使用する素材のグレードによって金額は変動するため、詳細な見積もりが必要です。

またこの相場にはデスクやパソコンなどのオフィス家具は含まれておらず、別途費用が発生します。全体工事は費用が高額になるものの、一から内装を構築できるため、自由度の高いおしゃれなオフィスを作ることも可能です。

部分的な工事の場合

オフィスの工事では、受付、会議室、リフレッシュスペース、執務スペースなどの特定の場所を改装することもあります。またオフィスの一部を改築する工事の費用は、全体を工事するよりもやや割高になる傾向があります。もちろん全体工事と同様に、工事内容や使用する素材によって金額は変動し、改装するエリアによっても詳細な見積もりは変化します。エリアのもつ機能によって工事工程も変化するため、それぞれのケースで費用は変化します。

オフィスの内装工事の進め方

オフィスの内装工事を効率的に進めるために、新オフィスの計画から完成までの一連の流れをチェックしておきましょう。

改装・新装の目的を明確にする

オフィス内装工事を進めるうえで最初に行うべきことは、改装や新装の目的をはっきり決めることです。現状のオフィスにある問題点や改善したい点を洗い出し、工事を行う目的を明確にします。これによりスケジュールや予算の決定など、後の段階での計画がより具体的になります。

業者の選定

内装工事を進めるにあたって、オフィスのデザイン設計と内装の施工の2つの面で業者を選定する必要があります。業者によって、委託できる作業範囲に違いがあります。デザインから竣工までを一括行ってくれる業者、デザイン設計や施工のみ請け負っている業者などさまざまですから、ワンストップで依頼するか別々の業者に依頼するかを検討しましょう。業者選定は慎重に行い、施工の品質や安全管理の面で信頼できる業者を見極めます。業者の選定方法については、次章で詳しく解説しています。

デザイン設計

選定した業者と工事内容のヒアリングを重ね、内装イメージやデザイン、レイアウトなどを図面化していきます。通常、設計図の作成は数回の打ち合わせを経て行います。また入居予定のビルの管理会社などに、工事可能な範囲を確認することも大切です。

見積・契約

設計図が完成したら、正式な見積もり作成を業者に依頼します。予算内で計画当初に決めた目的を達成できるかどうかを判断し、予算をオーバーする場合は優先順位をつけて要不要を判断します。どうしても条件が合わない場合は、業者の再選定を行います。予算の兼ね合いがつき、契約内容に問題がなければ契約を結びます。

施工スケジュール・着工

契約が成立したら、業者と打ち合わせしながら施工スケジュールを立てます。施工中はオフィスが通常通り使えなくなるため、社内外への告知や対応策の策定も必要です。スケジュールの確保や遅れの対応などを考慮し、余裕を持って工事を進めます。

竣工・引き渡し

内装工事が完了したら、いよいよ引き渡しです。竣工検査を行い、結果に問題がなければ、引き渡し完了です。

オフィスの内装工事を依頼する業者の選び方

オフィスの内装工事では多くの工程を外注する必要があるため、業者選びが非常に重要です。オフィスの移転や新設を成功させるためにも、業者の選定は慎重に行いましょう。ここでは、業者選定に必要なポイントをチェックします。

実績を確認する

内装工事を依頼する業者を選ぶ際には、まず業者の施工実績をチェックしましょう。施工数が多い業者は、さまざまなリクエストに柔軟に対応できる技術やノウハウを持っている可能性が高く、自社のニーズに合うオフィスの構築が可能でしょう。業者のホームページやパンフレットなどを確認し、イメージや目的に合った施工事例があるかを見てみましょう。

法律を順守している業者を選ぶ

内装工事には消防法や建築基準法、オフィスが入る物件の契約内容など、さまざまな法や決まりごとを遵守する必要があります。そのため内装のノウハウだけでなく、法律に精通している業者を選ぶことが求められます。法律を順守する業者を選定し、工事中や工事後にトラブルが起きるリスクを回避しましょう。

保証やアフターサービスの有無で選ぶ

内装工事を依頼する業者を選ぶ際には、保証やアフターサービスの有無にも注目しましょう。アフターサービスが確立している業者は、工事後のトラブルや不具合に対応する体制が整っており、竣工後に万が一のことがあっても安心です。保証制度や定期的なメンテナンスなど、アフターサービスが充実している業者を選ぶことで、本来の事業に集中できるでしょう。

オフィス内装工事の成功事例15選

オフィスの内装工事を成功させた事例を紹介します。いずれのオフィスも機能性とデザイン性の両立が実現しています。

イオンタウン株式会社

イオンタウン株式会社は、オフィスのシンボルとして「5 TSUBO CAFE」を導入しました。リノベーションによるフリーアドレス化に伴い、文房具などの備品を共有化して「5 TSUBO CAFE」に置くことで、社員の自然な交流を促しています。朝礼や情報共有の場として活用されており、季節の飾りつけでオフィスを華やかに演出するなど、当初の目的通りオフィスのシンボルとして活用されています。

株式会社メディカル・コンシェルジュ 町田支社

株式会社メディカル・コンシェルジュ町田支社は、ニューヨークのカフェをテーマにデザインされています。受付や個室、ウェイティングスペースなどをカフェ風に演出し、来訪者へのホスピタリティを高めています。エントランスにはビンテージ感のある小物を置き、床材にはエイジング加工したフローリングを採用し、雰囲気作りにこだわっています。良い意味で「オフィスらしくないデザイン」が特徴です。一方、応接室は落ち着いて過ごせるようにシンプルな配色でレイアウトされています。

コスモ調剤薬局

コスモ調剤薬局の新オフィスは、過ごしやすさや地域との交流をテーマにデザインされています。多目的フロアを設置し、セミナーやランチなど社内外のイベントに活用できる空間を提供しています。また照明や家具、テーブルレイアウトなどは用途に合わせてカスタマイズが可能で、フリーアドレスを採用したコミュニケーションを促進する環境が整っています。カウンター席からは外の景色を楽しめ、落ち着いて話せる異なるタイプのミーティングスペースも用意されています。

株式会社メディカル・コンシェルジュ阪急ターミナル梅田支社

株式会社メディカル・コンシェルジュの阪急ターミナル梅田支社は「URBAN JUNGLE」をコンセプトにしたオフィス空間です。梅田のオフィス街のイメージから着想を得て、都会的な雰囲気の中にグリーンの要素を取り入れてデザインされています。エントランスはクールな雰囲気のコンクリート調で、ターコイズカラーのタイルが目に優しく親しみやすい雰囲気を演出しています。面談ブースでは壁面に植物を配置することで、柔らかい空間を演出しています。

クリスピー・クリーム・ドーナツ・ジャパン株式会社

クリスピー・クリーム・ドーナツ・ジャパン株式会社は、日本上陸10周年を迎える節目にオフィスを移転しました。新オフィスのコンセプトは「OPEN THE BOX!」で、ドーナツのボックスを開ける瞬間のわくわく感を表現した内装となっています。社員たちが集まる「5 TSUBO CAFE」の導入により、コミュニケーションが促進されています。またエントランスや会議室、執務エリアなどではクリスピー・クリーム・ドーナツの世界観を表現しており、独自性のある空間に仕上がっています。

某人材育成支援会社

某人材育成支援会社の新オフィスは、鋭角なフロアの角に大きな曲面窓があり、その独特な物件のロケーションを活かしてデザインされています。エントランスや大会議室や中会議室などの各スペースは使いやすく設計されています。また扇形デスクやハイバックソファなどが設置されたサテライト席は、新宿の夜景を望む絶好のロケーションで、心地よい空間を実現しています。

株式会社メディカル・コンシェルジュ新宿本店

株式会社メディカル・コンシェルジュの新宿本店は、新宿御苑を望む窓からの景色とニューヨークのカフェをイメージした空間で、オフィスながら特別な場所を演出しています。エントランスから面談ブースや個室まで、来客と社員の使いやすさを追求したデザインとなっています。とくに面談ブースでは、植栽の配置などを工夫し視線を誘導することで、自然なプライバシーの確保を実現しています。オフィススペースはスタイリッシュにまとめられており、使い勝手の良さが重視されています。

株式会社新興出版社啓林館

株式会社新興出版社啓林館の新オフィスではグループアドレスを採用しており、多くの社員が使いやすいフロア全体が見渡せる開放的なデザインが特徴です。営業や編集チームの専用エリアがある一方で、部署を超えたコミュニケーションを促す環境を提供しています。シンプルな構成の執務スペースでは、さまざまな人数や仕事内容に適した席を用意し、開放的な雰囲気の中で集中作業やミーティングが行えます。さらにはリフレッシュコーナーや交流ラウンジも備え、社内外のコミュニケーションや交流を促進しています。

株式会社EPファーマライン

株式会社EPファーマラインの新オフィスは、企業のブランディングを表現するためのコーポレートカラーが至るところに活用されています。エントランスでは青と白、そして植物を組み合わせて清廉で親しみやすい雰囲気を演出し、床には各事業のシンボルカラーを取り入れて成長と拡大を表現しています。エントランスの壁に設置された植物は、手入れの不要なスカンディアモスのためメンテナンス性も良好です。

住商グローバル・ロジスティクス株式会社 茜浜センター

住商グローバル・ロジスティクス株式会社茜浜センターのオフィスは、海と山をテーマにしたデザインが特徴です。休憩室は「山」をイメージしてイエローやグリーンを基調としたインテリアで、デザイン性のある壁紙や木調のルーバーが空間に変化を与えています。海の見える窓側は景色を堪能できる家具で構成され、社員が集まる売店スペースも設けられています。一方「海」を表現したエントランスや執務室ではグレーのタイルやブルーの壁紙が使われ、白を基調としたインテリアが配置されています。会議室やリフレッシュスペースも、それぞれのテーマに合わせたデザインが施されています。

株式会社ファイン

株式会社ファインのオフィスの内装は、フリーアドレス制の導入とともに、社員の働きやすさとコミュニケーションを重視してデザインされました。リビングのようなミーティングエリアは、活発な議論の促進を目指して設計されています。またカフェスペースもワークスペースとして利用可能で、クリエイティブな発想を促します。執務スペースのテーブルやデスクは自在に配置可能で、柔軟なワークスタイルを可能にしています。さらに受付や通路、応接室、会議室など、さまざまなエリアに自然なデザインや小物を配置し、快適な環境を整えています。

株式会社アソビズム秋葉原本社

株式会社アソビズム秋葉原本社のオフィスは、独自の働き方やコミュニケーションスタイルを追求し、個人の執務環境の充実で多彩なコミュニケーション空間を提供しています。オープンな社風を反映したエントランスやラウンジ、快適なデスクエリアなど、職場のさまざまなニーズに対応した設計が特徴です。コミュニケーションを深める「ほら穴」やリラックスしながら交流できる場所、「和」の空間など、他のオフィスでは珍しい個性的なスペースが用意されており、柔軟な発想を生み出しています。

セーラー万年筆株式会社 広島工場

セーラー万年筆株式会社の新棟建設にともない、工場内に新たなオフィスが設置されました。万年筆のペン先や船をモチーフとしたインテリアが各所にデザインされており、見学コースのエントランスにはアンティーク家具や万年筆型のディスプレイ棚が設置されています。一方、製造ラインは清潔感のあるシンプルな空間で統一されておりメリハリを演出しています。

おしゃれなオフィスづくりはプラス株式会社へ

オフィスの移転や新装にともなう内装工事は、今回紹介した事例に携わった「プラス株式会社」にお任せください。今回紹介したオフィス以外にも、さまざまなデザインを手がけています。会社のビジョンを活かした、個性的かつ最新のワークスタイルにも対応した機能的なオフィスデザインを提案します。デザインから施工、さらにはインテリアの選定までワンストップで対応し、貴社のタスクを軽減し理想的なオフィス環境を提供します。

関連記事:オフィスデザインのコンセプトの決め方・手順について

まとめ

オフィスの内装工事は物件にオフィスとしての機能を持たせる基本的な工程ですが、人数や目的に合わせて最適な内装にする必要があります。またオフィスの規模や工事の内容によって費用の幅も広いため、安心して任せられる業者の選定が重要です。業者を選定する際には、これまでの実績やサービスの範囲を確認してから相談しましょう。竣工後もアフターフォローを行ってくれる業者だとさらに安心です。工期に余裕をもつためにも、早めに取り組むことが大切です。

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