
空間をまるごと作り変えるような大規模な改装を行い、思い通りの理想のオフィスを実現できるとして、オフィスリノベーションが大きな注目を集めています。従来のオフィスからは想像もつかないような思い切ったレイアウトやおしゃれな空間をつくることができ、社員が働きやすい環境を生み出すことが可能です。ここでは、オフィスをリノベーションすることのメリットと、実施するうえで気をつけるべきポイントについてご紹介しましょう。
働く空間を一新するオフィスリノベーションの事例
住宅だけでなく、オフィスをリノベーションする事例も増えています。オフィスリノベーションと一言でいっても、現在使用しているオフィスを改装するケースや、古民家や空き店舗を活用するケースなどさまざまです。ここでは、実際に行われているオフィスリノベーションの事例を紹介します。
間取りを変更して空間を有効活用
働きやすい環境づくりは、今や企業にとってひとつの課題となっています。従来のオフィスといえば、上司を中心とした島型のレイアウトに、インテリア性のない家具や内装が定番でした。しかし、近年はオープンで快適な空間を実現するために、間取りやインテリアにこだわったオフィスも誕生しています。オフィスリノベーションで間取りを変えることで、面積を変えずに広々とした空間を実現することも可能でしょう。近年はフリーアドレスや集中スペースの導入など、働きやすい環境づくりを目指す事例が増えています。
天井や照明にこだわったオフィス空間を実現
オフィスリノベーションで、天井や照明にこだわったオフィスも続々と誕生。オフィスでありがちな殺風景な天井に白い蛍光灯だったオフィスをリノベーションし、華やかさや温かみのあるオフィス空間を実現した事例も多く見られます。天井や照明が変われば、空間の雰囲気もガラリと変わるもの。リラックスできるカフェ風の照明、空間を広く見せる高い天井など、オフィスとは思えないインテリアで快適に働ける環境を実現できます。執務室や会議室など、使う目的によって天井や照明に変化を付け、遊び心のあるオフィスづくりをしている事例もあります。
古民家や空き店舗を活用して個性的なオフィスづくり
古民家や空き店舗をリノベーションして、個性的なオフィスを構える会社も登場しました。あえて都会から離れた場所や地元住民が行き交う商店街にオフィスを置き、新しいアイディアを生み出そうとする取り組みです。都会のオフィスとは違った環境で仕事をすることで、これまでにない価値観やアイディアが生まれる可能性があります。また、地域の人とのつながりも生まれやすい、オープンなオフィスも実現可能。地域の活性化にもつながる新しい形のオフィスとして、注目されています。
古民家をリノベーションした事例はこちら
オフィスリノベーションの3つのメリット
オフィスリノベーションには、主に3つのメリットがあります。見た目の美しさだけでなく、企業イメージの向上や働く人のモチベーションアップなど、企業の生産性につながる効果も期待できるでしょう。
自分の思い通りの空間を実現できる
リノベーションと同じような意味合いで使われる言葉に「リニューアル」という言葉があります。この両者には明確な定義はないものの、一般的に「リニューアル」はリフォームと同じように、老朽化したり機能が損なわれたりした建物を元の状態に修復することを指すケースが多いようです。
それに対して「リノベーション」は、建物や物件に対して大規模な工事を行うことで、機能を高めたり、新しい付加価値を付与したりする場合に使われます。間取りや内外装の変更なども含めた工事を実現によって、より自分の思い通りの空間を生み出すことができるのです。
高いブランディング効果が期待できる
リノベーションのメリットは、ただオフィスの外見を良くすることだけではありません。リニューアルでは実現できないような空間設計を一から行うことで、床や壁材など細部にまでこだわった、企業イメージにあわせたオフィスを実現することができます。
このようにしてデザインされたオフィスは企業の印象を良くする効果があります。例えば、取引先や株主など外部のステークホルダーが「ユニークな取り組みをしている」「信用できそうだ」などのようにポジティブな印象をもって受け止めてくれれば、その後の経営にも良い影響を与えるでしょう。企業のイメージを具現化したような個性的なオフィスを作り上げることで、高いブランディング効果を期待することができるのです。
さらに、リノベーションで企業のビジョンやミッションを体現したオフィスができれば、従業員に対するインナーブランディングの効果も見込めるでしょう。
社員のモチベーション向上につながる
オフィスのリノベーションは、空間を一から設計し直すことができるため、社員の働きやすさや居心地の良さにこだわった設計ができるのも大きなメリット。最近では休憩スペースにこだわったり、業務内容にあわせた執務空間を構築したりと、働きやすさに配慮したオフィスも増えてきました。リノベーションにより、こうしたこだわりをさらに追求した、世界に一つしかないオフィスが実現できるでしょう。
こうしたオフィスはただ業務の生産性を高めるだけでなく、従業員の満足度をアップし、モチベーションを向上させる効果もあります。また、採用活動において優秀な人材を集める効果も期待できるなど、人事面でのメリットも見逃せません。
リノベーションの際に気をつけておきたいポイントは?
リノベーションは大掛かりな工事が発生する場合もあるため、リニューアルやレイアウト変更などに比べて注意するポイントも増えます。具体的には、以下のようなポイントに気をつけておきましょう。
リノベーションの可能な範囲を考慮する必要がある
リノベーションは基本的に自由に空間を設計することができますが、全く制限がないわけではありません。例えば賃貸オフィスの場合は原状回復義務があるため、床や壁に手を加えるのはあくまで原状回復が可能な範囲でということになります。また、たとえ原状回復が可能であっても、あまり大掛かりな工事はビルのオーナーや管理会社に難色を示されてしまう可能性もあります。後々のトラブルを避けるためにも、リノベーションの可能な範囲を確認しながら進めるようにしましょう。
費用、工期がかかる場合がある
リニューアルに比べて工事が大規模になりがちなリノベーションでは、それだけ費用や工期がかかることになります。工事にかかる期間はもちろんですが、床や壁の建材や、オフィス家具などにこだわれば、その発注や取り寄せにも通常以上の時間が必要になるでしょう。予定していた費用や期間で収まるかどうか、デザイン事務所や施工会社に十分に確認しながら進めるようにしてください。
建築基準法や消防法への配慮が必要
当然のことですが、オフィスのレイアウトや構造を大幅に変更する際は、それが関連法律に準拠しているかどうかを確認しながら進める必要があります。例えば、万一火災が発生した際に排煙や消火活動ができるような構造になっているか、避難経路のための廊下幅は適切に確保されているかなど数多くの規定があり、これを遵守していないと違反となってしまいます。
また、これらの法律はあくまで最低限の基準を定めているだけのもので、ただ規定をクリアしていればいいというものではありません。実際にはその都度、所轄の消防署が指導を行うことになっているため、それを踏まえたうえで内装のデザインを決めていく必要があります。
リノベーションは会社の差別化につながる
オフィスのリノベーションは大規模な工事になるだけに注意すべき点も増えますが、それ以上に自社のイメージにあったデザインや設備を導入し、会社を差別化できるという大きなメリットがあります。特に、ブランディング効果や人事的な強みがほしいと悩んでいる場合は、思い切ってリノベーションを検討してみてはいかがでしょうか。
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