フリーアドレスデスクとは?
フリーアドレスとは、従来のオフィスのようにオフィス内で固定席を設けず、その日の気分や業務に合わせて自由に座席を選択できるシステムのことです。
また、このフリーアドレスに対応したデスクのことをフリーアドレスデスクといいます。
これまでのオフィスでは、各社員が固定された席を持つのが一般的でした。フリーアドレスデスクを採用することで、幅広い働き方を社員に提供できます。
またテレワークと組み合わせることで、オフィス内の人員をコントロール可能です。
そのため、フリーアドレスデスクを導入する際には「座席設定率」が検討されます。
座席設定率とは、社員数に対して何席のフリーアドレス席を用意するかを決める割合のことです。
仮に3割の社員がテレワークを行っているなら、座席設定率は7割程度が目安になります。
これまで社員一人ひとりに用意していたデスクの数を減らせるため、オフィスの圧縮や設備導入コストの削減につながります。
フリーアドレスデスクの種類
フリーアドレスデスクにはさまざまな種類があり、特徴に応じた配置を行うことでオフィスの機能性を高められます。
ここでは、代表的なフリーアドレスデスクの種類をご紹介します。
キャスター付きデスク
キャスター付きデスクは、用途に合わせて自由にレイアウトを変更できる、フリーアドレスデスクの定番アイテムです。
このデスクは業務テーブルとしてだけでなく、ミーティングテーブルや会議用テーブルとしても利用できます。
レイアウトを頻繁に変えるなら、電源や配線計画を事前にしておくとさらに効果的に活用できます。
大型ロングデスク
大型ロングデスクは、人数の増減に合わせて拡張できることが特徴です。
デスクを増連することで、オフィスの規模に応じたフレキシブルなレイアウトが可能です。
将来的な増員やレイアウト変更が予想されるなら、設置する際にスペースにゆとりを持たせておくことも必要です。
大型の什器のため、基本的には業者に依頼して設置してもらいます。
単体デスク型
単体デスク型とは、一人ひとりに専用の机を割り当てて使用するタイプのデスクです。
集中して作業を行えるため、単独での作業が多いオフィスで採用されています。
従来のオフィス形式で採用されていましたが、近年ではキャスター付きの単体デスクも登場しており、フリーアドレスに対応するものもあります。
キャスターがついているものなら、業務に応じてレイアウトを自由に変更でき、必要なときにはデスクを移動させて連結させるなど柔軟な働き方を実現可能です。
可変型のデスク
近年、健康志向の高まりから、天板の高さを変えて立ったり座ったりできるデスクが人気を集めています。
定期的に姿勢を変えられるため、長時間のデスクワークでも疲れにくく、従業員に健康的な働き方を提案可能です。
基本的には電源が必要なため、導入時には配線計画を考慮する必要があります。
フリーアドレスデスクの選び方
フリーアドレスデスクを選ぶ際には、いくつかのポイントを考慮する必要があります。
以下に、選定時の重要なポイントを3つご紹介します。
柔軟性と拡張性
フリーアドレスデスクを選ぶ際には、オフィスの人数やレイアウトの変更に対応できるデスクを選びましょう。
たとえばキャスター付きデスクや増連結型のデスクは、将来的な人員増や環境の変化にも対応しやすい選択です。
柔軟性と拡張性を意識して、デスクを選ぶことで長期間運用できるオフィスとなります。
快適さ
デスクを選ぶ際には、機能性だけではなく快適なものを選ぶことも大切です。
適切な高さのものや、高さが変えられるデスクなど、幅広い働き方や社員一人ひとりの体型に対応するものを選びましょう。
姿勢を変えられるデスクを導入することで、健康的な仕事環境を提供できます。
また1人あたりのデスクスペースを適切に設定し、広すぎず狭すぎないスペースを確保することも大切です。
余白があることでゆとりある動線と作業スペースをつくれて、ストレスの軽減やコミュニケーションの活性化につながるでしょう。
デザイン性
使いやすさや機能性はもちろん大切ですが、オフィスの内装や雰囲気に合ったデスクを選ぶようにしましょう。
内装デザインに合わせてコーディネートしたデスクを選ぶことで、統一感のあるオフィスをつくり上げることができます。
訪問客におしゃれなオフィスを見てもらうことで、企業のイメージを印象付け、求人サイトに載せれば求職者にもアピールできます。
企業のブランドイメージが高まることで、市場での存在感を高められるでしょう。
最適なフリーアドレスデスクは?
フリーアドレスデスクの選定において、オフィスのニーズや働き方に合った最適なデスクを選ぶことが大切です。
さまざまなデザインや機能性を持つデスクから、以下に3つのおすすめデスクをご紹介します。
キャスター付きデスク
キャスター付きデスクは、柔軟性の高いオフィスを構築でき、フリーアドレスに適しています。
簡単に移動できるため、用途に合わせてオフィスレイアウトを自由に変更できます。
急なミーティングが必要になれば、デスクを組み合わせることですぐに会議スペースをつくれます。また静かな環境がほしければ、騒がしい場所からデスクを離すことも可能です。
日常的にレイアウトを変えたいオフィスや、少人数で集まって会話する機会が多い場合は、優先度の高い選択肢となるでしょう。
大型ロングデスク(増連結型)
大型ロングデスクは、チームでの作業やグループミーティングから、個人での作業までに適した汎用性の高い選択肢です。
デスクの合間に小型のパーテーション(パーティション※)を設置すれば、簡易的な集中ブースも構築できます。
また人数の増減に応じてデスクを増やしたり減らしたりできるため、長期的な視点でのレイアウト変更に柔軟に対応できます。
デスクのデザインの幅も広いため、オフィスのインテリアに合わせて選ぶことができ、統一感のあるオフィス空間をつくることが可能です。
姿勢を変えるデスク
高さや角度を変えられるデスクは、健康を意識した働き方を提供できます。
天板の高さを自由に調節できるため、立ち仕事や座り仕事を切り替えられ、長時間のデスクワークによる疲労を軽減し、集中力を維持する効果も期待できます。
クリエイティブな業務を行うオフィスにおすすめですが、近年では従業員の健康に対して配慮ある仕事空間が求められているため、どんな業態でも一度は検討してみると良いでしょう。
フリーアドレスデスクを導入するメリット
フリーアドレスデスクを導入することで得られるメリットはたくさんあります。
ここでは、主なメリットを3つご紹介します。
コミュニケーションの促進
フリーアドレスデスクは、社員同士のコミュニケーションを促進する効果があります。
固定席がないため、日によって隣り合う人が変わり、従来のオフィスでは発生しなかった新しい交流の機会が生まれます。
部署や職位を超えた交流が活発化することで、情報共有やイノベーションの創出が期待できます。
異なる視点を持つ社員同士が関わることで、これまでになかった価値創出につながるでしょう。
リフレッシュ効果とモチベーションの向上
フリーアドレスデスクは、毎日異なる環境で仕事をするため、社員はいつも新鮮な気持ちで働けてモチベーションを維持しやすくなります。
また、フリーアドレスデスクの種類は多岐に渡ります。
ソファ席や個別のブース席、チームで使う島型のデスクなど、用途に合わせたデスクがあることで、効率よく仕事が可能です。
仕事内容に合わせて気持ちを切り替えながら業務を進められるため、集中力を保てる空間を構築できます。
整理整頓とセキュリティ向上
固定席を設けないフリーアドレスデスクは、収納スペースが多くありません。
デメリットのように感じますが、必要なものを必要なときだけ持ち歩くようになるため、社員一人ひとりが整理整頓の意識を持てるようになります。
散らかるデスクが自然に減り、スッキリと清潔感のある空間を保てるようになるでしょう。
また私物を置きっぱなしにしないことで、不意に第三者の目に重要な情報が映ることもなくなり、セキュリティの向上にもつながります。
フリーアドレスデスクの導入事例
近年では多くの企業がフリーアドレスデスクの導入により、柔軟な働き方を実現しています。
ここでは、実際にフリーアドレスデスクを導入した企業の事例をいくつかご紹介します。
株式会社セゾン情報システムズ-DEEP THINK LAB
セゾン情報システムズは、ITシステムの構築・運用を通じて、多くの企業のビジネスを支援しています。
2017年に、従来のオフィスとはまったく異なるコンセプトのフリーアドレスデスクを導入しました。
「DEEP THINK」というコンセプトのもと、バリスタが常駐するカフェのあるイノベーションラウンジを設け、アイデアの集約と実現を行うためのワークスペース「DEEP THINK LAB」を構築。
五感を刺激する環境を整え、思考を深めるための空間が提供されています。植栽や自然の音、アロマミストが心地よい空間をつくり出し、リラックスしながら集中して考えることができる環境を整えています。
ヒビノ株式会社
ヒビノ株式会社は、2020年9月にグループ会社を一つの拠点に集約し、シナジーを高めることを目的にオフィスを移転しました。
「憧れ」というコンセプトのもと構築されたオフィスでは、コミュニケーションの促進やブランディング向上、働く人々のマインドチェンジを目的にし、フリーアドレスに対応した空間設計を行いました。
執務スペースにはキャスター付きのデスクがジグザグに配置され、自然な交流を促すレイアウトになっています。
株式会社クライム 群馬事業所
群馬県高崎市に本社を置く株式会社クライムは、全国に事業所を展開するICT企業です。
テレワークを積極的に進める同社では、フリーアドレスデスクを導入し、社員が自由に働ける環境を整えました。
さまざまなデスクを配置することで個人の作業や打ち合わせなど、複数の機能を一つにまとめた空間となっており、社員の自由な働き方を促しています。
またエントランスには受付や待合スペースの他にも、簡単な打ち合わせができるようにスツールやパントリーが設置されています。
株式会社タダノ
株式会社タダノでは、複層フロアだったオフィスを1フロアに集約し、固定席を減らしてフリーアドレスデスクを導入しました。
ガラス面に囲まれており、開放感あふれる明るい空間でのびのびと業務を進められます。
またコーポレートカラーのブルーをアクセントに使用することで、企業イメージを反映させたオフィスデザインを実現しています。
ミーティングスペースや執務席はシンプルなレイアウトとなっており、ロングデスクを採用することで、今後の増員にも対応できるよう設計されています。
新しいオフィスをつくるなら「プラス」へ
フリーアドレスは、固定席に縛られず自由に働けるスペースを提供するオフィス形態です。
柔軟に働ける環境を提供することで社員同士の交流が生まれ、コミュニケーションの活性化や業務の効率化につながります。
また、増築やレイアウト変更が気軽にできるフリーアドレスデスクを設置することで、よりフレキシブルな働き方を実現可能です。
フリーアドレスに対応したオフィス構築を考えているなら「プラス」までご相談ください。
企業独自のコンセプトを活かし、創造性を高めて働く意欲を向上させるフリーアドレス対応型オフィスを提案いたします。
ホームページでは、今回紹介したオフィスにも多数の事例を掲載しているため参考にしてください。
※プラスではパーテーションをパーティションとしてカタログ掲載しております。