小規模オフィスとは?
小規模オフィスとは、従業員数が数名から十数名程度の少人数で活動するオフィスを指しますが、特に明確な定義はありません。
これまではスタートアップ企業や個人事業主、ニッチ分野の専門サービス業などが小規模オフィスを構えるイメージでした。しかし最近では、事業規模や業績に関わらずオフィスを小規模化する企業も増えてきています。
その背景には、コロナ禍によってオフィスの人員数を制限する流れが生まれ、テレワークやフリーアドレスが普及したことがあります。
一度に多くの社員がオフィスに集まらなくなったため、面積の圧縮が可能となり、家賃や光熱費などのコストを削減できるようになりました。
また、小規模オフィスの特徴は、ワンフロアにさまざまな機能を持たせていることです。
一つのエリアに執務スペースと会議室を組み合わせたり、カフェスペースやリラックスゾーンを設けたりして、少人数でも快適に働ける環境を整えて設計されています。
小規模オフィスでは、収納スペースやミーティングスペースなどの基本的なオフィス機能を備える必要があります。
また、ワークスペースが十分に確保されているかどうかも重要です。
これにより、従業員が快適かつ効率的に働ける環境が整えられます。
以上を踏まえると、小規模オフィスは限られたスペースを有効に活用し、効率的なレイアウトと機能的なデザインが求められる場であるといえます。
小規模オフィスのレイアウトの3つのメリット
コスト削減
小規模オフィスは、面積が抑えられることで什器や備品が少なくすみ、賃料自体も抑えられます。
少人数で使うため必要な設備や家具の数も少なく済み、さまざまな面でコストを低く抑えることができます。
特に、賃貸料が低いことでランニングコストも削減できるため、経費の節約に大きく貢献します。
一体感のあるレイアウト
小規模オフィスでは、限られたスペースを効率よく使い、一体感のあるデザインが構築しやすいというメリットがあります。
大きなオフィスと比較して、家具や内装のイメージをそろえるハードルが低く、まとまりのある空間を構築できます。
また少ない家具で済むため、全体のデザインバランスを考慮しやすく、シンプルにまとめやすいです。
結束力の向上
小規模オフィスでは、従業員同士の距離が近くなるため、自然とコミュニケーションが取りやすい環境になります。
デスクでの距離はもちろん、動線も限られるため日々の交流が活発になり、部署やチームの垣根を超えた人間関係が生まれます。
迅速な意思決定やイノベーションの創出にもつながり、生産性の向上が期待できます。
小規模オフィスのレイアウトのデメリット
オフィスを使う人数や家具の数によってはオフィスが狭く感じられ、窮屈さを感じてしまうことがあります。
小規模オフィスのレイアウトを考える際には、事前に寸法や想定される動員数を計算し、最適な大きさの家具を選定しましょう。
また会議室や応接室、執務室などオフィスに必要なエリアの広さを、使用頻度と人数に合わせて決定し、広々と使用できる工夫が必要です。
レイアウトを決める前にコンセプトを決めることが大切
小規模オフィスの構築にあたっては、レイアウトの前にコンセプトを決定しておくことが重要です。
コンセプトを決めることで一貫性のあるデザインになり、必要なものを必要なだけ導入しやすくなります。
例えば「集中力を高める空間」や「コミュニケーションを促進させるオフィス」といった具体的なコンセプトを設定することで、おのずと内装や家具の選定の際に優先順位を設定できます。
またコンセプトをしっかり決めることで、ブランディングを高めることにもつながり、企業のビジョンを表現し、来客へのイメージアップや社員のモチベーション向上にもなるでしょう。
小規模オフィスのスペースを活用するゾーニングのポイント
動線を意識する
効率的な動線の確保は、業務の円滑な遂行に欠かせない要素です。
社員の移動がスムーズに行えるように、執務スペース、会議室、リフレッシュスペース、収納エリアなどを適切にゾーニングしましょう。
また複合機やプリンターのような頻繁に使用する機器は、社員全員がアクセスしやすい場所に配置することが重要です。
動線が整備されることで無駄な移動が減り、生産性の向上につながります。
各エリアの機能を明確に
オフィス内の各エリアを明確に区分けすることで、各スペースを効果的に利用できます。
エントランスは来客のための空間として整備し、執務スペースは集中できる環境を提供、リフレッシュスペースは休憩やリラックスの場としてデザインしましょう。
各エリアの目的がはっきりすることで、限られた空間でも適切に使い分けられるようになります。
小規模オフィスの場合は、背の高い家具をおかずに床の色や低めのラックで、緩やかにゾーニングすることで開けた空間が構築できます。
コミュニケーションが生まれる配置に
ゾーニングにより、社員同士のコミュニケーションを促進するレイアウトの構築ができます。
オープンスペースでのランダムな動線を取り入れることで、自然なコミュニケーションが生まれやすくなります。
またリフレッシュスペースや休憩室を設けることで、部門を超えた交流やアイデアの共有が促進され、組織全体の連携力が高まります。
人が集まるポイントを意識することが大切です。
社員の意見を取り入れる
小規模なオフィスの利点の一つは、社員の意見をまとめやすいことです。
スタッフの希望やオフィスに感じている課題を抽出しやすく、新規オフィスの移転や改築に於いて、効果的なアイディアを得られるでしょう。
また、小規模オフィスの改装や移転作業では社員の協力が不可欠です。
社員のリアルな声を反映させたり、主導権を与えたりすることで、新規オフィスプロジェクトを通して会社全体のチームワークの向上が実現できます。
オフィスのレイアウトの種類と特徴
対向型レイアウト
対向型レイアウトは、各デスクが向かい合う形で配置される、オフィスでは最もスタンダードなレイアウトです。
社員同士が顔を合わせやすくなるため、コミュニケーションが活発に行われます。
また電話やパソコンの配線がしやすく、チームごとにまとめやすくなります。
ただし、対向者の視線が気になり集中しにくいという欠点もあります。
同向型レイアウト
同向型レイアウトは、すべてのデスクが同じ方向を向くように配置されるレイアウトです。
電話対応など、受付業務が多いオフィスによく採用されます。
対向型に比べてプライバシーが保ちやすく、集中力が必要な作業に向いている一方で、コミュニケーションが取りにくいというデメリットもあります。
背面型レイアウト
背面型レイアウトは、社員が背中を向け合って座るレイアウト方法です。
正面に誰もいないため、集中力を高めて作業に没頭しやすくなります。
また、振り返るだけでチームメンバーと簡単にコミュニケーションが取れることも利点です。
ブース型レイアウト
ブース型レイアウトは、各デスクが個別のブースで区切られて配置されています。
プライバシーを扱うコールセンターや、集中の必要なシステム開発など、個人で作業を進める業務に適しています。
プライバシー性が高く集中しやすい環境を提供しますが、一方でコミュニケーションが制限されるため、連携が必要な業務には向いていません。
フリーアドレス型レイアウト
フリーアドレス型レイアウトは、デスクを固定せずにその日の気分や業務に合わせて自由に席を選べるレイアウトです。
チーム編成が頻繁に変わる職種や、リモートワークが多い業種、オフィス内の人員を制限したい場合などに適しており、小規模オフィスに取り入れやすいレイアウトです。
一方で固定席がないため、書類の管理や収納スペースの確保が課題となります。
小規模オフィスのレイアウトを決める際のポイント
収納家具をパーテーションに
小規模オフィスでは、限られたスペースを効率的に利用するために、パーテーションと収納を兼用できる背の低い家具を活用することが有効です。
収納キャビネットをパーテーションとして使用することで、収納場所をつくりながら空間を分けられます。
ワークスペース、会議スペース、応接室などをワンフロアに配置でき、限られたスペースでも多機能なオフィスを実現できます。
また、可能なら壁面収納などを活用することで、さらにスペースを有効に使えます。
統一感を持たせる
小規模なオフィスのデザインにおいては、内装と家具に統一感を与えやすいこともメリットですから、ぜひ意識したいポイントです。
設計前に決めたコンセプトに沿って全体のバランスを考え、内装と家具を選ぶことで統一感のある洗練されたオフィス空間をつくり出せます。
コンセプトが確立していないと家具や内装がバラバラになり、落ち着かない印象になってしまいます。
色や素材を統一することで、一体感のあるオフィスを構築できます。
エリアごとに色を変える
小規模オフィスでは、なるべく視線を遮らない工夫をすることで空間を広く感じさせることが重要です。
パーテーションや収納キャビネットの高さを低くするといったことも有効な手段ですが、床や壁の色をエリアごとに変えることで、仕切りをつくらなくてもゾーニングができます。
視界が開けることで限られたスペースでも広がりを感じられ、のびのびと使いやすいオフィスとなります。
色による視覚効果を取り入れることで、社員が快適に仕事をできる環境を整えられるでしょう。
小規模オフィスのレイアウトを決める際の注意点
収納スペースをつくる
小規模オフィスでは、書類や備品の収納スペースが不足しがちです。
特にフリーアドレスを導入している場合は、固定席がないため収納スペースはかなり限られるでしょう。
解決策として、壁面や柱などのスペースに収納機能を持たせたり、ペーパーレス化を進めて書類の量を減らしたりすることで、省スペース化しながら収納を確保できます。
また災害に対応するために、収納家具には転倒防止策を施しましょう。
安全で整理整頓されたオフィス環境を目指して、よく考えて計画しましょう。
圧迫感を軽減する工夫
小規模オフィスで背の高い家具やパーテーションを多用すると、圧迫感を感じやすくなります。
そのためパーテーションの使用は最小限に抑え、オープンな空間をつくることが大切です。
パーテーションを使う場合は、背の低いものやガラスやアクリルなどの透明なものを選び、視界を確保することで圧迫感を軽減できます。
開放感があることで社員同士の視線が交差することも増え、コミュニケーションが取りやすいオフィス環境を実現できます。
音への配慮
小規模オフィスでは、限られた空間のなかにさまざまな音が響きやすくなります。
大きな音が出るコピー機などの複合機は部屋の隅に配置し、壁材には吸音効果のあるものを採用して音を響きにくくするなどの工夫が必要です。
またスペースに余裕があれば、静音性の確保された集中ブースや個室をつくることも有効な対策です。
集中ブースを置く場合は、音の多い執務スペースと離して配置するのがポイントです。
将来的な増員への対応
将来的な社員数の増員を想定して、オフィスデザインを検討することも大切です。
社員数が増えた際にスペースが不足すると、移転や増築などにかなり大きなコストがかかることも考えられます。
そのため、工事や大規模なレイアウト変更をせずに対応できるよう、省スペース化を実現するペーパーレス化や、フレキシブルに動かせるオフィス家具の導入を進めておくことをおすすめします。
柔軟なオフィス環境を維持し、コストを抑えることを見越した設計を行いましょう。
小規模オフィスにおすすめのレイアウト紹介
フリーアドレスに対応したレイアウト
小規模なオフィスとフリーアドレスの相性はよく、多少人が増えてもオフィスの機能に影響を与えません。
一つのフロアに4人掛けのテーブルや、個人で作業できるパーテーション付きのデスクなどを設置し、働き方に選択肢を持たせます。
電源の位置に配慮し、どの席でもスムーズに作業を行えるようにしましょう。
床の色でゾーニングしたレイアウト
小規模オフィスをパーテーションで仕切ると、各フロアが狭くなり圧迫感を感じてしまいます。
フロアの境界線を床の色で分けることで、仕切りを置かなくてもそれぞれの空間の目的を分けられます。
例えば、執務室と休憩スペースの床の色を変えることでオンとオフを区別しやすくなるでしょう。
移動できる家具を採用したレイアウト
フレキシブルにレイアウトが変えられることで、限られたスペースも有効に活用できます。
パーテーションやデスクはキャスター付きのものを選び、床に余計なものを置かないことでスムーズなレイアウト変更を可能にします。
またホワイトボードやプロジェクターを設置することで、会議やセミナーにも対応できます。
仕切りに収納家具を採用したレイアウト
小規模なオフィスでは、フロアの境目にパーテーションの代わりに背の低い家具を置くこともおすすめです。
視界が開けることで開放的な空間になり、収納場所も確保できます。
特にフリーアドレスを採用する場合、収納場所は課題になるため組み合わせて導入しても良いでしょう。
休憩スペースを設置したレイアウト
広さが限られていても、休憩スペースを設けることが可能です。
場所を取らないカウンタータイプのカフェスペースや、窓の近くに休憩室を置くことで、社員がゆったりと過ごせる空間を提供できます。
天井から吊り下げられるハンギングプランツを利用すれば、床に鉢植えを置かなくても休憩スペースに観葉植物を設置できます。
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最近は事業規模に関わらず、大きなスペースを持たずに小規模なオフィスを効率よく使う企業が増えてきています。
小規模なオフィスはコストを抑えながら運用ができ、人と人との距離が物理的に近くなることでチームワークも向上します。
構築する際には、パーテーションや背の高い家具をなるべく置かずに、開けた空間をつくることがポイントです。
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