働きやすいオフィスの作り方とは?メリットや共通点を解説

「従業員の生産性がなかなか上がらない」「部署間のコミュニケーションが少なく、新しいアイディアが生まれにくい」といった課題を感じていませんか。その原因は、毎日働くオフィスの環境にあるかもしれません。働きやすいオフィスは、従業員の満足度を高めるだけでなく、企業の成長を後押しする重要な経営資源です。 この記事では、働きやすいオフィスがもたらすメリットのほか、すぐに実践できる5つの共通点、プラスが手掛けた働きやすいオフィス事例などをご紹介します。従業員にとって働きやすいオフィスをつくりたいと考えているご担当者さまは、ぜひ参考にしてください。
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働きやすいオフィスがもたらす企業への3つのメリット

働きやすいオフィスは、単に業務を効率化し、従業員のモチベーションを向上させるだけではありません。ここでは、働きやすいオフィスによって企業が享受できる主なメリットをご紹介します。

<働きやすいオフィスの3つのメリット>

  • 従業員の満足度向上と人材定着
  • 生産性の向上と新たなイノベーションの創出
  • 企業イメージ向上による採用競争力の強化

    メリット1:従業員の満足度向上と人材定着

    快適なオフィスは日々の業務で感じるストレスを軽減し、従業員のエンゲージメントと会社への愛着を育みます。心身ともに健康に働ける環境は、優秀な人材の離職を防ぎ、長期的な企業の成長基盤の構成につながります。

    また、オフィス環境への投資は、企業からの「従業員を大切にしている」という明確なメッセージです。オフィス環境が整えば従業員の組織への信頼感が高まり、結果として人材の定着率向上につながるでしょう。

    メリット2:生産性の向上と新たなイノベーションの創出

    働きやすいオフィスでは、従業員が自身の業務内容に応じて集中する場所、リラックスする場所、協業する場所などを自由に選べます。個々のパフォーマンスが最大化され、書類を探す時間や無駄な移動といったストレスが減り、本来の業務に集中でき、組織全体の生産性の底上げが可能です。

    また、部門や役職を超えた自然なコミュニケーションが生まれる仕掛けは、新たなアイディアの源泉となります。予期せぬ会話からイノベーションの種が生まれることも少なくありません。

    メリット3:企業イメージ向上による採用競争力の強化

    魅力的で機能的なオフィスは、採用活動における強力なアピールポイントになります。特に、働く環境を重視する傾向にある優秀な若手人材に対し、企業の価値観や姿勢を視覚的に伝えることができ、採用競争で優位に立つことも可能です。

    働きやすさを追求する企業姿勢は、社外にもポジティブな評判として広がり、取引先や顧客からの信頼獲得にも貢献します。

    働きやすいオフィスの5つの共通点

    働きやすいと評価されるオフィスには、いくつかの共通点があります。ここでは、すぐにでも取り入れられる5つの共通点をご紹介します。

    ■働きやすいオフィスの5つの共通点

    働きやすいオフィスの5つの共通点

    コミュニケーションを育む空間がある

    部門を超えた情報交換や人間関係の構築は、風通しの良い組織文化を育みます。そのためには、人が自然と集まり、会話が生まれる仕掛けが重要です。

    例えば、本格的なコーヒーが楽しめるカフェスペースや、ソファでくつろげるリフレッシュエリアを設置すれば、偶発的なコミュニケーションが活性化します。固定席とフリーアドレスを組み合わせ、日によって違うメンバーの近くで働くレイアウトも、新たな出会いを創出するのに効果的です。

    業務に合わせて場所を選べる

    業務に合わせて働く場所を選べることも、働きやすいオフィスの特長です。今日のビジネスでは、集中して資料を作成する時間もあれば、活発に議論する時間、オンラインで会議をする時間など、業務内容は多岐にわたります。

    ウェブ会議や電話に集中できるブースがあれば、周囲の雑音を気にせずオンラインの商談に臨め、リモートワークとの連携もスムーズになります。また、一人で集中して作業したいときに利用できるソロワークスペースの確保も、生産性向上に欠かせません。

    心身の健康を支える設備が整っている

    従業員の心身の健康は、企業のパフォーマンスを支える基盤です。個々の体格に合わせて高さや角度を調整できるデスクやチェアは、長時間のデスクワークによる身体的な疲労を軽減し、健康維持と集中力の持続に貢献します。

    また、自然光を多く取り入れた明るい照明計画や、快適な室温・湿度を保つ空調システムも重要です。季節や時間帯に合わせて最適な環境を維持すると、従業員のストレスを減らし、健康をサポートできます。近年では、短時間の仮眠を推奨するパワーナップを導入し、従業員の集中力回復を促す企業も増えています。

    パワーナップについて詳しくは、こちらのページをご覧ください。

    パワーナップの効果とは?生産性を向上させる正しい方法とアイテムを解説

    業務を効率化するツールを導入している

    業務効率を上げるためには、それを支えるICT環境や設備が欠かせません。どこでも快適にネットワークに接続できる高速Wi-Fi環境と、十分な数の電源タップは、場所を選ばない働き方の必須条件です。デバイスの電池切れといった些細なストレスをなくすことが、業務の停滞を防ぎます。

    また、予約システムと連携した会議室や、スムーズに画面共有ができる大型モニターなども、会議の準備を効率化し、議論の質を高める上で有効です。

    清潔で快適な環境が保たれている

    清潔で整理整頓された環境は、心理的な快適さをもたらします。物が乱雑に置かれていないだけでも、必要なものを探す時間を削減し、クリアな思考を助けます。

    共有スペースや個人のデスク周りの整理整頓を促すルールづくりと、十分な収納スペースの確保が大切です。清潔で心地よい空間は、従業員の気分をリフレッシュさせる効果があり、衛生的な環境は健康経営にもつながりやすいでしょう。

    働きやすいオフィス環境を作る流れ

    実際に働きやすいオフィスを作るには、どのような手順で進めれば良いのでしょうか。ここでは、具体的な4つのステップと、それぞれのポイントを解説します。

    <働きやすいオフィス環境を作る流れ>

    1. 現状の課題を洗い出し、目的を明確にする
    2. オフィスのコンセプトとゾーニングを計画する
    3. 従業員の意見も参考に具体的なレイアウトを決める
    4. 運用しながら効果を測定し、継続的に改善する

    STEP1:現状の課題を洗い出し、目的を明確にする

    働きやすいオフィス環境を作るには、まず現状を把握します。従業員アンケートやワークショップを実施し、オフィス環境に対する具体的な不満や要望を収集しましょう。「コミュニケーションが不足している」「ウェブ会議の場所に困る」など、現場のリアルな声を可視化することが重要です。

    次に、それらの課題解決の先にある「どのような状態を目指すか」という目的を設定します。「部門間の連携を強化し、新たな企画を年間10本創出する」といった、定性的・定量的なゴールを明確にすれば、プロジェクトの方向性が定まります。

    STEP2:オフィスのコンセプトとゾーニングを計画する

    次に、設定した目的にもとづき、「創造性を刺激するコラボレーションハブ」「静と動を両立するワークプレイス」など、オフィスの中心となるコンセプトを策定します。このコンセプトが、今後のデザインや家具選定における判断基準となります。

    コンセプトに従い、オフィス全体を機能ごとにエリア分け(ゾーニング)します。集中して作業するための「フォーカスエリア」、活発な議論を促す「コラボレーションエリア」、休憩や雑談のための「リフレッシュエリア」など、各ゾーンの役割と配置を大まかに計画しましょう。

    レイアウトについて詳しくは、こちらのページをご覧ください。

    オフィスレイアウトの基本パターンや機能性との両立方法、事例を紹介

    STEP3:従業員の意見も参考に具体的なレイアウトを決める

    策定したゾーニング計画にもとづき、デスクや什器の具体的な配置、動線を設計します。その際、従業員の日常業務をシミュレーションし、非効率な動線やストレスのかかるレイアウトになっていないかを確認しましょう。

    また、レイアウト案を複数作成し、模型やVRなどを活用して従業員に提示するのも良い方法です。実際にその場所で働く従業員から意見をフィードバックしてもらえば、計画段階では見えなかった問題点を発見でき、より実用的に設計できます。

    STEP4:運用しながら効果を測定し、継続的に改善する

    オフィスは作って終わりではありません。オフィス移転・改装後も、定期的に従業員満足度調査などを実施し、計画段階で設定した目的が達成されているか、新たな課題は発生していないかをチェックして効果を客観的に測定しましょう。

    働き方は時代とともに変化します。一度作ったオフィスに固執するのではなく、従業員の意見を取り入れながら、レイアウト変更やツールの導入といった小さな改善を繰り返していけば、常に最適な働きやすい環境の維持に役立ちます。

    【事例】働きやすいオフィスで組織の課題を解決した企業

    ここからは、プラスがお手伝いした働きやすいオフィスを紹介します。働きやすいオフィスづくりを通じて、組織が抱える課題解決に取り組む事例を見ていきましょう。

    【事例1】工業団地の新しい働き方を示したプライフーズ株式会社 ゴーデックスカンパニー様

    入居人数約40名
    延べ床面積約1,300平方メートル
    業界・業種製造業

    工業団地におけるこれからの働き方・働く場の在り方を考えた本社事務所の建替えプロジェクト。従業員の働きやすさを叶えるために、「縁」をキーワードにさまざまなつながりが生まれる仕掛けを施しました。

    詳しくは、こちらのページをご覧ください。

    プライフーズ株式会社 ゴーデックスカンパニー様

    【事例2】フラットなオフィスが垣根のない組織につながった東洋精糖株式会社様・トーハン株式会社様

    入居人数60名
    延べ床面積約600平方メートル
    業界・業種製造・販売業

    グループ会社2社が同一フロアへ拠点統合移転するタイミングで、働きやすいオフィスへの転換を図った同社。役職席を廃し、書類量も最小限まで抑え、リフレッシュスペースなどの共有スペースを広く確保しました。見通しの良いオフィスは、物理的にも部署間・会社間の垣根のないオフィス環境となりました。

    詳しくは、こちらのページをご覧ください。

    東洋精糖株式会社様・トーハン株式会社様

    【事例3】明るいオフィスで創造的な組織風土が醸成されたシナリー株式会社様

    入居人数34名
    延べ床面積230平方メートル
    業界・業種製造業

    「風通しのいいオフィス」をテーマに、化粧品メーカーである同社の本社オフィスを働きやすくリニューアル。窓からの自然光がオフィス全体に柔らかく広がるようになりました。また、レイアウト変更によって社員同士の交流が促進され、創造的なアイディアが生まれやすい空間が広がっています。

    詳しくは、こちらのページをご覧ください。

    シナリー株式会社様

    オフィス環境以外の働きやすい職場づくりのポイント

    働きやすい職場を実現するために必要な、オフィス環境以外に取り組むべき6つのポイントを簡潔にご紹介します。

    ■働きやすい職場づくりの6つのポイント

    働きやすい職場づくりのポイント具体的な取り組み例
    1. 柔軟な働き方の導入テレワーク、フレックスタイム、ABW(Activity Based Working)の導入
    2. 円滑なコミュニケーションの促進チャットツールの活用、定期的な1on1ミーティングの実施
    3. 公正な人事評価制度の構築成果とプロセスを評価、360度評価や目標管理制度(MBO)の導入
    4. 人材育成制度の充実スキルアップ研修、資格取得支援制度の整備
    5. ワークライフバランスの推進残業時間削減、有給休暇取得の促進、独自の福利厚生
    6. ハラスメント対策の徹底防止研修の実施、社内外相談窓口の設置

    これらの施策をオフィス環境の改善とあわせて進めることで、従業員はより安心して能力を発揮できるようになります。

    企業の成長を後押しする理想のオフィスを実現しよう

    働きやすいオフィスは、従業員の満足度と生産性を高め、イノベーションを生み出す土壌となります。それは、企業の持続的な成長に不可欠な投資といえるでしょう。何から手をつけるべきか迷ったら、まずは自社の課題を洗い出し、従業員の声に耳を傾けることから始めてみてください。

    プラスでは、お客さまの課題に合わせた働きやすいオフィスづくりを多数お手伝いしております。オフィスに関するお悩みがあれば、ぜひお気軽にご相談ください。

    よくある質問

    働きやすいオフィスを取り入れるメリットは?

    働きやすいオフィスは、「従業員の満足度向上と人材定着」「生産性の向上とイノベーションの創出」「企業イメージ向上による採用競争力の強化」という3つの大きなメリットを企業にもたらします。働きやすいオフィスは社員と企業の双方に長期的な価値をもたらす投資といえるでしょう。

    働きやすいオフィスに見られる共通点は?

    働きやすいオフィスの共通点として、コミュニケーションが生まれる空間があるほか、業務に合わせて場所を選べる柔軟性があったり、心身の健康を支える設備が充実していたりすることが挙げられます。また、業務を効率化するツールが導入され、清潔で快適な環境が保たれていることも特長です。

    働きやすいオフィスを作る流れとは?

    働きやすいオフィスをつくる流れは一般的に、現状の課題を洗い出して目的を設定し、オフィスのコンセプトとゾーニング計画を検討します。その後、従業員の意見を参考にしてレイアウトを決定して内装工事を実施し、運用開始後は効果測定と継続的な改善の繰り返しが望まれます。

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