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オフィスの移転や改装を行うタイミングでOAフロアへの変更を検討されている企業は多いでしょう。OAフロアを導入すれば、オフィスの見た目もすっきりするうえ、「ケーブルに足を引っかけてケガをしてしまう」「コードやケーブルにホコリがたまってショートによる火災が発生する」などのリスク軽減にもつながります。今回は、OAフロア施工の内容や工事の流れから、施工にかかる期間、費用、施工時の注意点についてお伝えします。

OAフロア施工の内容・工事の流れ

OAフロアには、大きく分けて、床高調整式タイプと置敷タイプ(「置敷式簡易OAフロア」、「置敷式溝配線OAフロア」)の2種類がありますが、施工方法はそれぞれ異なります。ここでは簡単に工事の流れを見てみましょう。

床高調整式タイプの工事の流れ

1. OAフロアを設置するオフィスの床に凹凸や傾斜がないかを確認、調整したうえで支柱をセットします。支柱の種類や本数などは、オフィスの広さやオフィスが入っているビルによっても異なります。

2. セットされた支柱の上にパネルを設置します。

3. オフィス全体にパネルを設置したら、その上にタイルカーペットを敷いて施工完了です。

置敷タイプの工事の流れ

1. OAフロアを設置するオフィスの床に凹凸や傾斜がないかを確認します。床高調整式とは異なり置敷タイプは大きな凹凸や傾斜には対応できないため、下地処理や清掃を行い凹凸や傾斜がない状態にしなければなりません。

2. 床面を安定させるため、クッションシートを敷き詰めます。※置敷式簡易OAフロアの場合は、水平な床で、支柱(固定脚)の先にゴム製キャップがあるパネルであれば、シートを敷かずにパネルを置いていくこともあります。多少の凸凹であればキャップで吸収可能です。また、支柱(固定脚)の先にゴム製キャップがあるパネルでも、さらに凸凹を調整したい場合はシートを敷きます。ゴム製キャップのないパネルなら、必ずシートを敷きましょう。

3. クッションシートの上にパネルを設置します。

4. オフィス全体にパネルを設置したら、その上にタイルカーペットを敷いて施工完了です。

OAフロア施工にかかる期間・費用

OAフロア施工にかかる期間と費用は、当然、オフィスの広さやOAフロアの種類、下地処理があるかどうかで大きく異なります。それを踏まえつつ、おおよその施工期間、費用目安について見ていきましょう。

工事費用の主な内訳は、「OAフロア本体価格」「タイルカーペットの価格」「スロープ・框(従来のフロアとOAフロアの段差を解消させるもの)」「OAフロアやタイルカーペット、スロープ・框の取付工事」「工事を行うのに必要な部材」「運搬・搬入」などです。これに諸経費を含めたものが、OAフロア施工にかかる費用になります。

また、既存オフィスでOAフロア施工をする場合は、什器・設備・OA機器などの撤収と再配置の費用、OAフロアを貼り替える場合は、既存OAフロアの撤去・廃棄の費用、そして下地処理などがある場合は、上記に追加で費用が発生するため、見積もりを依頼する際は工事に付随した費用についても必ず確認するようにしてください。

また、工事期間中はオフィス内の設備や家具を取り払うため、その間、オフィスでの業務は止まってしまいます。その代わりにテレワークを取り入れる、シェアオフィスやサテライトオフィスを利用するなど別途、業務を行う場所をつくらなければなりません。シェアオフィスやサテライトオフィスを利用する場合は、その賃料も予算に組み込んでおく必要があるでしょう。

床高調整式タイプの費用・施工期間相場

床高調整式タイプは、スチール製で支柱の長さ調節もできるなどの利点があり、主に大規模オフィスやサーバールームなどで使われます。置敷タイプに比べ耐久性が高く高機能であることから、価格も高価です。

費用相場は、1平方メートル当たりで5,000~6,000円。施工期間は2週間以上を見ておくとよいでしょう。なお工事費は別です。新規か既存オフィスか、下地処理があるかないかで費用は変わります。

置敷タイプの費用・施工期間相場

一般に、置敷タイプは床高調整式タイプに比べ、低価格かつ施工期間も短期間で済ませられます。費用相場は、1平方メートル当たりで2,500~3,000円。施工期間は1週間以上ですが、床高調整式タイプ同様、工事費込みとなると費用は変わります。

OAフロア施工の注意点

OAフロアの施工を行う際、費用や期間以外で注意すべきポイントは、「耐荷重の確認をする」「配線容量だけを選択肢にしない」の2点です。それぞれについて簡単に説明します。

耐荷重を必ず確認する

OAフロアの耐荷重は、N(ニュートン)という単位で表されます。Nは1平方メートル当たりの耐荷重を示す単位で、1N=0.1kgです。

一般的に置敷タイプの耐荷重は、2,000~3,000N。床高調整式タイプの耐荷重は、3,000~5,000Nです。執務室や会議室などあまり重量のある設備や什器がない部屋であれば、置敷タイプを選んでも重量についての問題は発生しにくいと言えます。

しかし、自動販売機や重量のあるソファなどがある休憩室やサーバールームなどは、置敷タイプだと床が沈んでしまうリスクがあるため、床高調整式タイプがよいでしょう。

配線容量だけで選択しない

床高調整式タイプは支柱があるうえ、高さの調整もできるため、配線容量も多いのがメリットです。しかし、このタイプはオフィス床とパネルの間の空洞にコードやケーブルを収納するため、無造作に収納すると中で絡み合ってしまう場合もあります。そのため、レイアウト変更や、新たなコードまたはケーブルの増設がある場合には、配線変更が非常に困難です。

レイアウト変更や増設が多いのであれば、置敷タイプのなかでもパネルの溝にコードやケーブをはめ込む溝配線タイプをおすすめします。ただし、溝配線タイプは、溝の数が決まっているため、増設する際は、使用しないコードやケーブルを廃棄しておかないと入りきらなくなってしまうケースもあり得ます。それぞれのメリット・デメリットと自社のコード・ケーブルの容量をしっかりと検討して選択しましょう。

OAフロアの高さについて、詳しくは『OAフロアを設置する際に確認すべき高さとは?自社に合った高さを選ぶ方法』の記事をご覧ください。

費用や期間だけではなくOAフロアの特徴を把握したうえで適切な判断を

パソコンやOA機器、スマートフォンなどビジネスで活用するデバイスや設備はいまや業務に欠かせないものとなっています。これらのデバイスや設備は配線と切っても切れない関係にあり、デバイスや設備が増えればそれだけ配線の量も増えるため、整理をしないとすぐに足元が配線だらけになってしまうでしょう。

配線だらけの床は、見栄えが悪いのはもちろん、足を引っかけて転んでしまうリスクもあります。また、ホコリがたまったまま放置すれば、ショートして火災につながってしまう可能性もあるでしょう。

OAフロアは足元をすっきりさせ、コードに引っかかって転ぶ、火災が発生するといったリスクも防止できますが、設置するにはそれなりの費用と期間がかかります。もちろんコストを抑えられるのが一番ですが、費用や期間ばかりを意識すると、「荷重に耐えられない」「増設できない」といった問題が生じかねません。

従来のオフィスからスムーズにOAフロアに移行するには、費用や期間と同時に自社の配線量や什器・設備の重量、レイアウト変更する頻度などまでも含めた検討が重要です。

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