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新型コロナウイルス感染症の流行をきっかけに、テレワークを導入する企業が増えました。感染者の増加とともにオフィスへの出社率は全体的に下がり、テレワークによる働き方も定着しつつあります。テレワークは働く人にも多くのメリットがありますが、一方で生産性への影響を懸念する声もあがっています。2023年5月8日に2類相当 から5類感染症になったことで、オフィスへの出社率はどのように変化していくのでしょうか。今回は、アフターコロナにおける出社率の動向、出社率の変化に対応するためのオフィスづくりについて解説します。

オフィス出社率についての今後の意向

日本でのテレワーク実施率は、新型コロナ感染拡大をきっかけに大きく変化しています。都内企業のテレワーク実施率を見ても2020年3月に24.0%だった実施率が翌月には62.7%まで上昇し、その後も50~60%台で推移していました。

しかし、新型コロナが新型インフルエンザ等感染症(2類相当)から5類感染症への移行を翌月に控えた2023年4月に、2020年4月以降初の40%台に減少しています(46.7%)。
出典:テレワーク実施率調査結果をお知らせします!4月の調査結果|東京都

実際、2023年4月24日に帝国データバンクが発表した、「新型コロナ「5類」移行時の働き方の変化に関する実態調査」で、今後の働き方は新型コロナ前と同じ状態と回答した企業は39.1%です。ただ、新型コロナ前とは異なると回答した企業も(「2割程度異なる」と「半分以上異なる」を合わせて)38%あるため、新たな働き方を模索している企業も少なくありません。

これらの結果から新型コロナの2類相当から5類への移行を経て、現在は出社回帰の流れもありつつ、テレワークもしくはハイブリッドワーク継続、両方の流れがあるといえるでしょう。
出典:新型コロナ「5類」移行時の働き方の変化に関する実態調査|帝国データバンク

出社率に対する考え方

出社回帰とテレワーク継続、双方の流れが進むなか、出社率に対する考え方はどのように変化したのでしょうか。テレワーク導入が業務へもたらす影響や社員満足度が出社率によってどのように変わるのかを解説します。

業務への影響は業種によって異なる

テレワークは業種によって向き、不向きがあります。たとえば、一般に情報通信業や金融・保険業などはテレワークに向いているとされる業務が多く、テレワークを導入しても生産性にはあまり影響がないと考えられています。一方、飲食業や宿泊業などの対面型業務の場合は、テレワークの導入により生産性の低下を余儀なくされるケースが多いようです。

テレワークの導入で社員満足度を得られる

株式会社かんき出版教育事業部とオンラインコミュニケーション協会が2022年3月から4月にかけて共同で行った調査によると、約5割の企業がテレワークの導入により社員満足度にポジティブな変化が見られると回答しています。この調査結果から、テレワークの導入で社員満足度を一定得られるということがわかります。

テレワークにはメリット・デメリットがあり、向いている職種や部署もあれば向いていない職種や部署も少なくありません。さらに言えば、向き不向きだけではテレワークを導入すべきかを判断できない場合もあります。たとえば、テレワークに向いているイメージの情報通信業や金融・保険業であっても、コミュニケーション不足から出社回帰するケースもありえます。逆に、一般的にはテレワークに向いていないと考えられる職種でも、IT技術の進化や社員同士の協力によってテレワークを実施できているケースもあるでしょう。

テレワークを継続するかどうかは、それぞれの業種や職種、業務内容によって相性の良い働き方が異なるという点を踏まえて検討することが重要だといえます。

出社率については、『オフィスの出社率は今後どうなる?より柔軟な働き方を可能に!』をご覧ください。

出社率を変える際のポイント・注意点

テレワークを導入すれば、出社率は状況によって変化します。出社率を変える際には、テレワークでもオフィスでも仕事をしやすい環境を整える必要があるでしょう。ここでは、出社率を変える際のポイントや注意点を解説します。

業務環境の整備

出社率を変える際には業務環境の整備が欠かせません。まず、オフィスで業務を行う際には打ち合わせスペース・集中ブースの設置といった環境整備が求められます。また、テレワークで問題になりがちな社内コミュニケーションの減少を予防するツールや運用ルールも必要になるでしょう。

また、テレワークを導入する場合は、インターネット環境の整備やセキュリティ対策、ツールの導入などが欠かせません。オフィスとテレワーク両方の視点で業務環境を整えることが大切です。

労務管理の方法

労務管理の方法もテレワークとオフィスワークの両方に対応できるように見直さなければなりません。テレワークでは業務管理や勤怠管理が難しいという声もありますが、こうした問題はシステムを導入することで解決できる可能性があります。また、オフィスで働く社員、テレワークで働く社員、双方がモチベーションを保ち、生産性を向上させられるような工夫が必須です。テレワーク社員にも定期的な出社日を設定し、1対1の面談や食事会などコミュニケーション不足を補う施策が求められます。

そのほかに、テレワーク社員も社内コミュニケーションに参加できるように、コミュニケーションツールの導入も検討しましょう。さらに、テレワーク社員の交通費や通信料、光熱費などの経費負担も見直しが必要になります。

出社率を上げる際に注目すべきこと

多くの企業が今後もテレワークを継続させる可能性があり、実際に継続させる場合には、テレワークとオフィスワークの両方に対応できるオフィス環境が必要です。ここでは、出社率を上げる際に注目すべきポイントを紹介します。

ハイブリッドワークにも対応できるオフィスづくり

社員のなかには、オフィスは労働環境が充実しており、業務に集中しやすいと感じる人もいるようです。また、直接的なコミュニケーションが必要だと考える人もおり、あらためてオフィスの重要性が認識されています。一方で、業種や業務によってはテレワークを継続したいという社員も多いのが実状でしょう。出社率を上げる際には、双方に対応できるオフィスづくりが必要です。

ハイブリッドワークのポイントについては、『ハイブリッドワークとは?テレワークの定着を実現させるポイントと注意点』の記事もご覧ください。

ハイブリッドワークに効果的なオフィス

ハイブリッドワークに対応するには、オフィスレイアウトの変更やツールの導入などが有効です。具体的なポイントを見てみましょう。

・フリーアドレスの導入

ハイブリッドワークでは、日によって出社する人数が変動するため、従来のオフィスレイアウトでは、効率が悪く、コミュニケーション不足の解消にもつながりません。そこで、フリーアドレスを導入し、同じ部署やチームはもちろん、それ以外の社員とも積極的にコミュニケーションを取れるレイアウトにします。その結果、出社率の変動に柔軟に対応できるようになるだけではなく、新たなコラボレーションにつながる可能性も高まるでしょう。

また、フリーアドレスには在籍確認が難しいといったデメリットもありますが、プラスではフリーアドレスのデメリットを解消する「座席管理システムSuwary(スワリー)」の提供を行っています。在籍確認でお困りの際はぜひご検討ください。

・新たなコミュニケーションツールの導入

テレワーク社員とのコミュニケーションを行えるツールを導入すれば、ハイブリッドワークでもスムーズな社内コミュニケーションが可能です。具体的には、チャットツール、グループウェア、社内SNS、社内Wiki、Web会議システムなどが挙げられます。

とはいえ、ただコミュニケーションツールを導入するだけでは、コミュニケーション活性化の実現は困難です。たとえば、チャットツールやグループウェアで雑談ができるスペースをつくる、メールのような前置き、締めの挨拶は不要、返信はしなくてもリアクションは取るなどのルールを設定します。

ツールを導入すると同時にできるだけ気軽にコミュニケーションを取れるようにすることが重要です。

・集中スペースの設置

取引先がテレワークを行っている場合、ミーティングはWeb会議システムを利用するケースも多いでしょう。オフィスで周囲に人がいる状況では、Web会議は難しいため、専用のスペースを設置します。集中スペースは、個人で集中して仕事をしたい時にも使えるため、生産性向上にもつながるでしょう。

・リラックススペースの設置

オフィス内に休憩を取れるスペースを設置します。オフィス内カフェの導入も効果的です。また、ファミレス席のようにリラックスしながら仕事もできるスペースも設置すれば、気分転換を図りながら業務を進めていけるようにもなります。

ハイブリッドワーク対応のオフィス環境については、『アフターコロナで出社率はどう変わる?ハイブリッドワークにも対応できる環境へ』の記事ををご覧ください。

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オフィス内カフェについて詳しくは「5 TSUBO CAFE」をご覧ください。

出社率の変動に対応できるオフィスづくりを!

調査によっては、テレワークのほうがオフィスワークよりも生産性が下がるという見解を示す人が多いという結果が出ています。一方で、テレワークに向いている業務では出社率は生産性にあまり影響しないという見方もあるようです。アフターコロナに向けて、テレワークとオフィスワークのどちらも選択可能なハイブリッドワークを導入する企業が増えています。そのため、それぞれのメリットが活かせるようなオフィスを整備することが大切です。

そして、これからの新しいオフィススタイルのひとつでもあるハイブリッドワークには、ハイブリッドワークに適したオフィスレイアウトが欠かせません。プラスでは「ピアレンス」というコンセプトのもと、人が集まって一緒に働くことで相乗効果が生まれやすいオフィス環境づくりを目指しています。ハイブリッドワーク導入を検討されている際は、ぜひ参考にしてください。

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この記事を書いた人

マーケティング部 コラム編集部 プラス株式会社ファニチャーカンパニー

プラス株式会社ファニチャーカンパニー マーケティング部 コラム編集部

プラス株式会社ファニチャーカンパニーのマーケティング部門です。オフィスに関する最新のトレンド情報や、オフィス移転・リニューアル・オフィスデザインに関する情報を発信しています。 オフィスの最新情報はInstagram「plus_kagu」で検索してフォロー!昨日よりもオフィスが好きになるような、「家具・働く空間にまつわる工夫・デザイン事例」などの情報をお届けしています。

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