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事務所を移転する際にはさまざまな準備が必要ですが、そのなかでもお知らせや案内を出すことはとても大切です。新事務所のレイアウトや荷物の搬出入などと比べて軽視されがちですが、移転後もスムーズに取引を継続するために、事前の通知が欠かせません。取引先の信頼を損なわないようにするためにも必要でしょう。

お知らせを出す方法には手紙やはがき、メールなどがあり、移転のお知らせを出す相手や時期によって手段を選びます。また、メールで送る際には失礼にならないように、送り先や文面に気を付けなければなりません。今回は、事務所移転のお知らせをする方法やタイミング、例文などを紹介します。さらに、ハイブリッドワークを実施している場合の移転案内方法や配慮すべきポイントも解説するので参考にしてください。

オフィス移転全体の流れの詳細は『これで完璧!オフィス移転の流れとすべきこと【チェックリスト付き】』をご覧ください。

事務所移転のお知らせを出す方法やタイミング

事務所の移転先が決まったら、タイミングを見て移転の案内を送りましょう。コーポレートサイトやメールマガジンなどに案内を掲示することも大切ですが、取引のある企業や担当者には、手紙やメール、電話などで案内を出す必要があるでしょう。まずは、どのように案内を出すのか、いつ出すのか、業務に支障がないように事前準備をしっかりと行い、移転前に案内を出しておくことが大切です。

事前準備

送り先リストの作成や案内のデザイン決め、印刷業者への発注などは2カ月~3カ月前に行うことをおすすめします。特に重要な作業が、送り先のリストアップです。社内各部署に、関係のある企業をリストアップしてもらいましょう。意外と時間のかかる作業なので、余裕を持って始めるといいですね。取引先への通知が遅れたり漏れたりすれば、契約書や請求書など事業に必要な書類が届かないケースも考えられます。

いつから新オフィスで業務が始まるのか、移転のスケジュールも明記しておく必要があります。文面やデザインは印刷業者へ相談すれば、決まったフォーマットを利用することができます。

タイミング

移転の1カ月前には準備を完了し、1カ月~2週間前を目安に発送する必要があります。直前になると移転作業で忙しくなり、案内まで手が回らなくなるかもしれません。また、取引先が旧住所で書類を作成してしまう可能性もあるでしょう。場合によっては再発行などの手間や時間が発生してしまいます。大切な顧客への通知が遅れると、ビジネスチャンスを逃すことにもなりかねません。

案内状の発送は余裕を持って、移転の2週間前までに送るようにしましょう。

案内を送る手段

移転の案内を送る手段としては、手紙やはがきが一般的です。特に、送り先の宛名が重役の場合は封書で送ったほうが失礼にならないでしょう。そのうえで、実際に関わりのある担当者に電話やメールでフォローを入れてもらうようにするといいですね。担当者レベルでのやり取りなら、メールやFAXで案内を送るだけで十分なこともあります。

業務上、書類のやり取りを行っている場合は、移転することを電話でも伝えたほうが確実なこともあるでしょう。伝える相手によって、適切な手段を選ぶことが大切です。また、急な移転でお知らせが直前になってしまう場合は、より速く伝わるメールやFAX、電話を利用するとよいでしょう。どうしても案内状が必要な場合は、後で改めて郵送することもできます。

事務所移転のお知らせで伝えるべきポイント

印刷会社へ案内状の作成を依頼する場合、伝える内容はテンプレートで決まっていることがほとんどなので、テンプレートでお知らせすべき内容が網羅できているか確認しましょう。自分でお知らせを作成する場合は、どのような内容を伝えるか、一から決めなければなりません。また、内容は案内を送る手段によっても多少変わります。

手紙やはがきで案内を出す場合

いつもお世話になっている取引先や顧客に出す場合は、電話やFAXよりも手紙やはがきで案内を出すほうが正式な文書となるでしょう。案内の文面にはタイトル、冒頭の挨拶、時候の挨拶、移転の日程、結びの挨拶、移転先の住所、アクセス方法などを明記します。

タイトルや冒頭の挨拶、時候の挨拶、結びの挨拶は形式的な文面でよいでしょう。移転の日程や移転先の住所、アクセス方法は、相手がわかりやすいように明記することが大切です。

メールやFAXでお知らせする場合

担当者同士のやり取りがある場合は、事務所移転をメールでお知らせすることも多いでしょう。内容は基本的に手紙やはがきで送るときと同じですが、メールの場合には冒頭の挨拶や時候の挨拶は不要です。タイトル、移転の日程、移転先の住所、移転後の連絡先などを簡潔に伝えます。形式的な挨拶文の変わりに、日頃の感謝の言葉を添えると親しみのある文章に仕上がるでしょう。

FAXで送る場合は冒頭の挨拶、時候の挨拶、結びの挨拶も含め、手紙と同様にお知らせを作ります。

メールでお知らせする場合に注意すべき点

メールで移転のお知らせや案内を送る場合は、相手に失礼のないように気を付けなければなりません。また、送信時にも注意すべき点があります。後にトラブルにならないように事前に確認しておきましょう。

格式を重んじる取引先にはメールを避ける

メールでのお知らせや案内は、手紙やはがきに比べてカジュアルな印象を与えるため、格式を重んじる取引先には避けたほうが無難です。事前に手紙やはがきで案内を作成し、丁寧な挨拶文を添えて送ったほうがよい印象を与えることができます。送付先をリストアップし、漏れのないように気を付けましょう。社外向けの文書は、会社同士の信頼関係を築くという意味でも重要なものです。事務所移転のお知らせは直接取引に関わるものではありませんが、今後のためにも十分な配慮が必要となります。

文面がカジュアルになりすぎないように注意する

メールで案内を送る場合は、カジュアルな文章になりすぎないように注意してください。ただし、手紙やはがきのように冒頭の挨拶や時候の挨拶は不要です。始めに日頃の感謝を述べ、オフィスを移転する旨を伝えます。メールの場合は、アクセス方法として新オフィスの地図を添付すると親切です。

送り方や送信エラーに注意する

基本的なことですが、移転の案内を複数の宛先にまとめて送るときは、Bcc送信で送ります。Bccは複数の宛先に送る際に、相手にほかの人のアドレスが見えないようにする場合に利用します。複数の相手に送る場合にToやCcを使うこともありますが、それらで送ると相手にほかの人のアドレスも表示されてしまいます。トラブルを避けるためにも、Bccで送るようにしましょう。また、送った後は、送信エラーがないかチェックする必要があります。

オフィス移転の案内のマナーや例文については、『オフィス移転案内の送り方・内容・例文を紹介!マナーや注意点も解説』をご覧ください。

ハイブリッドワーク時の移転案内方法

テレワークとオフィスワークを組み合わせたハイブリッドワークを実施する企業も多くなってきました。ハイブリッドワークの導入に伴い、オフィスのあり方を見直す動きも広がっています。ハイブリッドワークを実施する場合、従来のような固定席ではなく、自由に席を選べるフリーアドレスのほうが適しているかもしれません。そのため、ハイブリッドワークの導入に伴い、オフィスの縮小移転を検討するケースもあるでしょう。

事務所移転後にハイブリッドワークを導入する場合、移転案内にもその旨を記載しておくことをおすすめします。移転案内には、ハイブリッドワークの実施方法や実施期間、実施日時などを記載しましょう。また、ハイブリッドワークの導入に伴いオフィスの対応方法が変わる場合は、その旨も記載しておきたいところです。たとえば、従来は電話対応が多かったものの、今後はメール対応に切り替えたいといった場合は、移転案内にメールの連絡先を記載するとよいでしょう。

取引先の担当者や商談中の顧客には、移転案内以外にもメールや電話などでお知らせすることがおすすめです。ハイブリッドワーク時の連絡方法を記載しておくと、スムーズなやり取りができます。

ハイブリッドワーク時に配慮しておきたいポイント

ハイブリッドワークを実施する場合は、取引先の担当者や顧客に対する配慮が必要です。ここでは、ハイブリッドワーク時に配慮しておきたいポイントを解説します。

取引先の担当者や顧客にオフィス不在の日を連絡する

ハイブリッドワークを実施する際は、取引先の担当者や顧客にオフィス不在の日を連絡しておくことが大切です。もしハイブリッドワークを実施中であることを知らずに、取引先の担当者や顧客が来社しても対応ができません。わざわざ時間をかけて来社したのに担当者が不在だったら、ビジネスチャンスを逃してしまうおそれもあります。決まった日にハイブリッドワークを実施する場合は事前に知らせておくと安心です。

ハイブリッドワーク時の連絡方法を知らせる

ハイブリッドワークの実施によりオフィス不在になるときは、別の連絡方法を知らせておきましょう。普段は会社の固定電話に連絡が入る場合でも、ハイブリッドワーク時は携帯電話やメールでの連絡方法に切り替える必要があります。ただし、自宅やカフェ、コワーキングスペースなどで電話対応をすると、周囲の人に話を聞かれてしまう可能性があるため注意が必要です。

突発的な業務が発生した場合の対応方法をあらかじめ検討しておく

業種によっては、突発的な業務が発生することもあるかもしれません。緊急時にオフィス不在で対応できない場合、どのように対応すべきかあらかじめ検討しておくことも大切です。たとえば、ほかのスタッフに対応してもらう場合、事前に情報共有の方法や連絡手段などを決めておく必要があります。突発的な業務が発生したときでも、スムーズに対応できるような体制を整えておきましょう。

事務所移転案内の文面例

事務所移転案内はビジネス文書なので、マナーやルールに則った書き方をすることが大切です。移転案内には主に以下のような内容を記載します。

・件名
・時候の挨拶
・新しい住所と連絡先
・業務開始日
・ハイブリッドワーク時の対応について
上記の内容を盛り込んだ文面例を紹介します。

事務所移転のお知らせ

拝啓 貴社ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。

平素は格別のお引き立てにあずかり、厚く御礼申し上げます。
さて、この度弊社○○株式会社は業務拡張に伴い、事務所を移転することになりました。

今後とも変わらぬご愛顧を賜りますようお願い申し上げます。
まずは取り急ぎご案内申し上げます。

敬具

令和○年○月吉日

新住所・連絡先
〒○○○-○○○○
東京都新宿区新宿○丁目○番○号
TEL:03-○○○○-○○○○
FAX:03-○○○○-○○○○
令和○年○月○日より新住所にて営業を開始いたします。
なお、弊社では事務所移転に伴い、ハイブリッドワークを実施いたします。

ハイブリッドワーク時のお問い合わせは、弊社ホームページの「お問い合わせ」または担当者のメールアドレス宛てにお願いいたします。
何かとご不便ご迷惑をおかけいたしますが、あしからずご了承ください。

事務所移転のお知らせは遅くとも2週間前までに!

事務所移転の案内は、手紙やはがきで送ることが一般的です。取引先や担当者に信頼を損なわないようにするため、業務に支障がないようにするためには、1カ月前には準備が完了するように準備を行い、2週間前までには送るようにしましょう。案内はメールで送ることもできますが、文面や送信方法に気を付けることが大切です。

また、事務所移転に伴いハイブリッドワークを実施する場合は、移転案内にその旨を記載しておくことをおすすめします。ハイブリッドワーク実施後の対応方法や連絡先などをお知らせするとよいでしょう。

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この記事を書いた人

マーケティング部 コラム編集部 プラス株式会社ファニチャーカンパニー

プラス株式会社ファニチャーカンパニー マーケティング部 コラム編集部

プラス株式会社ファニチャーカンパニーのマーケティング部門です。オフィスに関する最新のトレンド情報や、オフィス移転・リニューアル・オフィスデザインに関する情報を発信しています。 オフィスの最新情報はInstagram「plus_kagu」で検索してフォロー!昨日よりもオフィスが好きになるような、「家具・働く空間にまつわる工夫・デザイン事例」などの情報をお届けしています。

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