テレワークの普及により、固定費削減や働き方改革を見据えたオフィスの縮小が、多くの企業で検討されています。一方、オフィスを縮小することで従業員のコミュニケーション不足やモチベーション低下といったリスクも考えられるため、どのようなメリットとデメリットがあるのか、理解することも大切です。この記事では、オフィス縮小のメリットとデメリットを整理し成功させるための具体的なポイントを詳しく解説します。
オフィス縮小の背景と現状
近年、オフィス縮小は「経営が悪化したから面積を減らす」というネガティブなものではなく、新しい働き方を支えるための前向きな環境整備として捉えられています。その背景を詳しく見ていきましょう。
テレワーク普及によるオフィス需要の変化
テレワークが定着したことで出社率が低下し、従来のオフィス面積に余剰が生じています。DXの進展により、どこでも業務が可能になった今、オフィスの役割は個人作業の場から、コミュニケーションやコラボレーションの場へとシフトしました。社会情勢の変化に合わせ、企業には固定的なオフィスを持たず、柔軟に変化できる戦略が求められています。
最新の働き方改革とオフィス縮小の関係
ABW(Activity Based Working)やフリーアドレスの導入は、オフィス縮小と非常に相性がよい施策です。固定席を廃止することでスペース効率を高めつつ、従業員が業務内容に合わせて働く場所を選べるようになります。つまり、オフィス縮小は単なるコストカットではなく、生産性向上や従業員満足度向上を目指す「働き方改革」の重要な手段となっているのです。

オフィス縮小のメリット
オフィス縮小には、経営面と現場面の双方に大きなメリットがあります。
■オフィス縮小のメリット

コスト削減効果
最もわかりやすいメリットは、固定費の大幅な削減です。
<オフィス縮小で削減できるコスト>
- 賃料・共益費: 面積を減らすことで毎月のランニングコストを縮小
- 光熱費・管理費: 使用エリアが減り、電気代や清掃費なども削減可能
- 交通費・備品費: テレワークとの併用で通勤交通費や、ペーパーレス化による消耗品費も抑えられる
また、移転を伴う場合、立地を見直すことで、よりコストパフォーマンスの高いエリアへ拠点を移すことも可能です。
業務効率化と生産性向上
限られたスペースを有効活用するためにレイアウトを見直すことで、無駄な動線がなくなります。また、オフィスワークとテレワークを組み合わせれば、集中業務は自宅、ブレインストーミングはオフィスといった自律的な働き方が促進され、結果として組織全体の生産性が向上します。
新しい働き方への対応力強化
縮小を機にABWやフリーアドレスを導入すれば、組織の柔軟性が高まります。社内カフェやWeb会議専用ブースなど、今の時代に必要な設備へ投資を集中させると、オフィスの魅力が向上し、採用活動や人材定着にもプラスの効果をもたらします。

オフィス縮小のデメリットと注意点
メリットが多い一方で、計画なしに進めると失敗するリスクもあります。以下のデメリットを事前に把握しましょう。
移転やレイアウト変更に伴う一時的なコストと労力
オフィス縮小による固定費削減効果は大きいものの、初期段階では引越し費用、新オフィスの内装工事費、旧オフィスの原状回復費といったまとまったコストが発生します。
また、金銭面だけでなく、社内調整やレイアウトの検討、荷造りといった実務的な作業も大きな負担です。移転プロジェクトに多くの時間を割く必要があり、一時的に通常業務の生産性が低下するおそれがある点もデメリットといえるでしょう。
コミュニケーションの課題
物理的なスペースや出社頻度が減って対面での何気ない会話や雑談が減少し、チームワークや信頼関係の構築が難しくなるリスクがあります。チャットツールやWeb会議システムの導入はもちろん、使いこなすためのルールづくりや雑談できる場の意識的な設置が不可欠です。
従業員のモチベーション低下リスク
「会社が苦しいから狭くなるのでは?」「自分の席がなくなって働きにくい」といった不安を従業員に抱かせると、離職の原因になります。単なるコスト削減ではなく、働きやすくするためのリニューアルであるという目的を共有し、ポジティブな変化であることを伝える必要があります。
スペース不足と保管問題
オフィスの面積が減れば、当然ながら収納スペースも減ります。書類や備品があふれかえり、執務スペースを圧迫しては本末転倒です。ペーパーレス化の徹底や、外部トランクルームの活用、コンパクトで機能的なオフィス家具への買い替えなど、物理的な物を減らす対策が重要になります。
プラスが手掛けたオフィス縮小の事例
ここでは、オフィスの面積を見直し、柔軟な働き方を実現したプラスの代表的な事例をご紹介します。
柔軟なオフィスのあり方を目指す株式会社NTTデータ コンサルティング&ソリューション事業本部 様

| 業界・業種 | 情報通信業 |
テレワークが定着し、「クッションオフィス」という新しい考え方を軸にリニューアル。事業部ごとのオフィス機能の「専有」と「共有」を整理し、新たなオフィスの実現を目指しました。通常のオフィスは「専有」機能を残すことで面積を縮小。各事業部の「共有」機能を1つに集めた「クッションオフィス」は、情報発信やコラボレーションの場など、組織間のクッションとしての役割を果たしています。
詳しくは、こちらのページをご覧ください。
柔軟なオフィスのあり方を目指す株式会社NTTデータ コンサルティング&ソリューション事業本部 様
オフィス縮小を成功させるためのポイント
オフィス縮小を成功させるために、押さえておくべき6つのポイントを解説します。
<オフィス縮小を成功させるための6つのポイント>
- ポイント1. 目的と必要性の明確化
- ポイント2. 費用対効果のシミュレーション
- ポイント3. 最適なレイアウト設計と設備選定
- ポイント4. コミュニケーションとモチベーション維持策
- ポイント5. 書類・備品の管理とトランクルーム活用
- ポイント6. 移転スケジュールの綿密な計画
ポイント1. 目的と必要性の明確化
経営戦略にもとづき、「なぜ縮小するのか」「縮小してどう働きたいのか」という目的を明確にします。長期的視点で判断し、その目的を従業員へ丁寧に説明して理解を得ることが、プロジェクト成功の第一歩です。
ポイント2. 費用対効果のシミュレーション
移転・工事費など、オフィス縮小にかかる初期費用と、縮小後のランニングコスト削減額を具体的に算出し、何年で回収できるかをシミュレーションします。ICTツール導入などの追加投資も含め、総合的にメリットが出る計画を立てましょう。
ポイント3. 最適なレイアウト設計と設備選定
縮小後のオフィスでは、スペース効率が重要です。フリーアドレス用デスクや、多目的に使える共有スペースなど、省スペースかつ高機能な家具を選定します。集中ブースとコミュニケーションエリアを分けるゾーニングも重要です。
ポイント4. コミュニケーションとモチベーション維持策
顔を合わせる機会が減る分、従業員のコミュニケーションを高める施策が必要です。オンラインツールの活用はもちろん、出社した際に集まりたくなるマグネットスペースを作るなど、従業員のエンゲージメントを高める工夫を凝らしましょう。
ポイント5. 書類・備品の管理とトランクルーム活用
移転・縮小は断捨離の好機です。不要な文書は廃棄または電子化し、オフィスに置く物を最小限にしましょう。法定保存文書など捨てられないがかさばる物については、セキュリティのしっかりした法人向け外部トランクルームの利用がおすすめです。
ポイント6. 移転スケジュールの綿密な計画
オフィス移転では、解約通知のタイミング、原状回復工事、内装工事、引越し作業、ネットワーク工事など、タスクは山積みです。業務を止めないよう、従業員への周知や移行期間のサポートも含めた綿密なスケジュールを組みましょう。プラスのような、オフィス専門業者のサポートを受けるとスムーズです。
オフィス縮小を検討し、企業の生産性と従業員満足度を向上させよう
オフィス縮小は、コスト削減だけでなく、企業の生産性向上と従業員満足度を両立させるための「攻めの戦略」です。成功のためには、目的の明確化、緻密なコストシミュレーション、そして従業員が快適に働けるレイアウト設計が欠かせません。
プラスでは、オフィス家具の提供だけでなく、縮小移転のコンサルティングからレイアウト設計、内装工事までトータルでサポートいたします。「今のオフィスが広すぎる気がする」「もっと効率的なオフィスにしたい」とお考えの際は、ぜひお気軽にご相談ください。貴社の課題解決に向け、最適なオフィスを提案いたします。

オフィス縮小に関するよくある質問
オフィス縮小のメリットを教えてください。
オフィス縮小の最大のメリットは、毎月の賃料や光熱費といった固定費を大幅に削減できる点です。また、限られた空間を有効活用するためにフリーアドレスやABW(Activity Based Working)を導入すると、業務効率や生産性の向上も期待できます。無駄のない効率的な経営体制への転換や、最新の働き方に対応した魅力的なオフィス環境の構築につながります。
オフィス縮小のデメリットは何ですか?
オフィスを縮小すると、移転や改装に伴う初期費用がかかるほか、物理的なスペース減少により収納場所が不足する可能性があります。また、対面でのコミュニケーション機会が減るため、チームワークの希薄化や従業員の孤立感を招くリスクも懸念されます。縮小の前向きな目的を従業員に丁寧に共有し、モチベーション低下を防ぐ配慮が不可欠です。
オフィスを縮小する企業が増えている背景は何ですか?
テレワークの定着により出社率が低下し、従来のオフィス面積に余剰が生まれたため、オフィス縮小を実施する企業が増えました。ICTの進化で場所を選ばず働けるようになった今、多くの企業が固定費の最適化を図っています。また、オフィスを個人の作業場からコミュニケーションの場へと再定義し、面積を減らしつつ質を高める「前向きな縮小」が選ばれていることも特徴です。
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