※この記事は、2020年のコロナ禍で執筆された記事です。2023年5月8日の5類感染症移行後の対応とは異なりますが、当時の記録として掲載しています。最新のオフィスづくりをご希望の方は、是非お問い合わせくださいませ。
新型コロナウイルス感染拡大の影響により、多くの企業がテレワークの導入を行いました。その後、緊急事態宣言は解除され、テレワークから段階的にオフィスワークへと戻している企業も少なくありません。しかし、新型コロナウイルスに有効なワクチンや新薬の開発などが進まない限り、まだまだ予断を許さない状況であることには変わりないでしょう。そこで、重要となるのが、オフィスへ出社する社員の健康管理です。今回は、ウィズコロナ時代に社員の健康を守る施策として注目を集めているホテリングについて、その概要から導入のポイントまでをお伝えします。
フリーアドレスから派生したオフィス形式「ホテリング」とは?
元々ホテリングとは、1990年代にアメリカで提案された、部門や職種ごとに部屋を割り当てないオフィス形式から派生したものです。しかし、その当時は日本では普及することがなかったため、耳なじみがない方がほとんどではないでしょうか。
一方で、出勤時に自由に好きな席で業務を行う「フリーアドレス」は日本でも導入している企業が増えているため、ご存じの方も多いと思います。ホテリングはこのフリーアドレスから派生したオフィス形式で、社員の数よりも少ない席を用意し、社員自身が席を予約して利用するシステムです。
ホテリングを行う一般的な目的は売上向上とコスト削減です。営業社員が顧客のそばにいられる時間を増やせるようにテレワークを導入し、営業社員が使っていたオフィスの席を減らすことで、これらの目的を実現しようという発想です。その際、必要に応じて予約制でワークスペースを用意することで、働く環境を過不足なく整えることができます。
しかし、そもそもテレワークがあまり浸透していなかった日本では、ホテリングはほとんど普及していませんでした。最近になって、新型コロナウイルス対策の一環として企業として衛生管理の必要性が高まっています。出社する人数を絞って、席を予約制とするホテリングなら衛生管理を行いやすいと注目を集めるようになったのです。
ホテリングを導入するメリット
新型コロナウイルス感染拡大の影響で注目を集めるようになったホテリング。具体的には次のような導入メリットが考えられます。
3密を避けられ社員の健康被害予防になる
出社する人数をあらかじめ設定できるため、密閉、密集、密接という3密のなかでも密集と密接を避けられます。例えば、「席が隣同士になってしまう座席は予約できない」などのルール設定さえしまえば、出社した従業員同士が近くなりすぎるという事態が避けられます。あとは換気をしっかりと行えば、3密を避けることができ、社員の健康被害予防につながります。
衛生管理がしやすくなる
予約制の特性上、どこの席を誰が使う、どの部屋を何人で使うといったことが明確になるため、衛生管理がしやすくなります。また、運用のしかたによっては、「清掃後の座席でないと予約できない」というルールを設けたりすることで、より衛生管理のレベルを高めることができます。
勤怠管理がしやすくなる
誰が出社していて、誰がテレワークを行っているかが明確になり、勤怠管理もしやすくなります。また、社員にとっても、誰が出社しているかが明確になれば、コミュニケーションが取りやすくなるというメリットもあります。
ホテリングを導入する際のポイント
では、実際にホテリングを導入する際にどういった点に注意すべきかを紹介します。
予約の際のトラブル防止
予約の重複や取り消しなど、トラブル回避対策を万全にします。特に、コロナ禍に於いては紙の台帳などを使った予約は難しいでしょう。遠隔地にいても予約状況を確認できるような、予約システムやアプリを使ってしっかりと管理する必要があります。
オフィスレイアウトの再考
予約制を取り入れるにしても、オフィスレイアウトによっては3密となってしまう場合があります。これを防ぐには、状況により多くの社員が出社するとなった場合でも、3密を避けられるようなオフィスレイアウトが欠かせません。
導入後も改善を継続する
実際に導入してみると、思ったより出社する社員が多い、会議室の数や個室ブースが足りないなど、最初の計画とは異なるトラブルや課題が発生する可能性もあります。そこで、導入後もオフィスの稼働率を見つつ常に改善を実行していくようにします。
業務効率化と社員の健康管理を実現するホテリング
緊急事態宣言の解除とともにテレワークや在宅勤務をやめ、従来のオフィスワークに戻した企業も少なくありません。しかし、逆に新型コロナウイルス感染拡大をきっかけとしてテレワークのさまざまなメリットを実感した企業も多いのではないでしょうか。どちらにしても、第2波、第3波のリスクもあるなかで、社員の健康を守りつつ、業務効率化、生産性の向上を目指すためには、企業としてのしっかりとした対応が欠かせません。
ホテリングは、オフィスワークとテレワークを共存させつつ、オフィスに出社する社員の健康管理の効果も期待できる、今注目度の高い施策です。また、予約制のため、出社している社員と在宅の社員が明確になり、互いのコミュニケーションにも支障が生まれにくく、業務効率化にもつながります。ウィズコロナ時代のなか、企業として生き残っていく方法のひとつとして、ホテリング導入も視野に入れてみてはいかがでしょう。
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