固定席で仕事をするオフィススタイルから、フリーアドレスへ変更する企業も増えました。さらに、フリーアドレスからより自由度の高い働き方ができるアクティビティ・ベースド・ワーキング(ABW)というワークスタイルの導入を検討する企業も存在します。ABWとは、オフィスデスクに限らず、働く人が自由に作業する場所を選べるワークスタイルです。たとえば、個室やソファ、カフェなど、自分が今やらなければならない仕事に最適な環境を選ぶことができます。ABWとはどのような働き方なのか、メリット・デメリット、導入するステップなどを、事例を交えて解説します。
フリーアドレスやABWの導入・運用のポイントを動画で見たい方は「フリーアドレス・ABWとホテリング -座席管理を用いたアフターコロナのオフィスソリューション-」をご覧ください。
ABWの意味とは?
「ABW」という言葉は聞き慣れない人も多いのではないでしょうか。一方の「フリーアドレス」は、実際に採り入れている企業も多くなり、認知度が高まっている言葉です。どちらもワークスタイルを表す言葉ですが、それぞれ考え方に違いがあります。
ABWとは、自分に最適な場所で働くスタイルのこと
ABWとは働く人が作業をするために、最適な場所を自分で選ぶことができるワークスタイルです。仕事の内容は日々変化します。打ち合わせが中心のときもあれば、資料作成が中心のときもあります。同じ資料作成でも、アイデアが必要なときもあれば、ひたすらパソコン作業に打ち込むこともあるでしょう。ABWはこのような仕事の変化に対応するため、仕事内容に応じて働く場所を自ら選ぶことができる働き方です。「仕事をする環境は自分で選ぶ」という考え方に基づいたワークスタイルといえます。
ABWを導入した場合の働き方の例
ABWを導入した場合、企画書や資料の作成のように集中して作業を行いたいときは個室で仕事ができます。上司とじっくり話をしたいときは、ソファに座って話し込むのもよいでしょう。新しい企画をまとめたいときは、カフェでコーヒーを飲みながらアイデアを練ることも可能です。このように、ABWでは自分にとって最適な環境を選ぶことで、仕事の効率を高めることができるのです。
ABWの導入については、「自由な発想でオフィス業務の効率化を実現するABWとは?」をご覧ください。
ABWが注目されている背景とは
ABWは、1990年代にオランダの Veldhoen + Company(ヴェルデホーエン)社が提唱したものです。当時から、先進的な企業では知られていました。
日本で広く知られるようになった要因はコロナ禍です。ソーシャルディスタンスへの気配りやテレワークの普及で、業務を行う場所が分散化しました。そこで業務を行う場所に関係なく一定の成果を上げることができるABWが注目されているのです。
また、コロナ禍以前から進められている『働き方改革』でも、個人の事情に合わせて業務を行う時間や場所を変えるABWが注目されています。
ABWと同様に自由度が高く、働く人の希望に沿った働き方として注目されるものにハイブリッドワークがあります。ハイブリッドワークについては『ハイブリッドワークとは?テレワークの定着を実現させるポイントと注意点』の記事をご覧ください。
またフリーアドレスとABWについては『「フリーアドレス・ABWとホテリング -座席管理を用いたアフターコロナのオフィスソリューション-」』の動画をご覧ください。
ABWの10の活動
ABWの10の活動は、業務内容に応じて自律的にワークプレイスを使い分ける働き方をサポートするために分類されています。
- 高集中:中断なく高い集中が求められる個人作業
- コワーク:短い会話を交えた個人作業
- 電話/WEB会議:オンライン上での会議
- 二人作業:近距離での二人作業
- 対話:二人または三人での議論
- アイデア出し:三人以上での発想活動
- 情報整理:三人以上での進捗確認や会議
- 知識共有:プレゼンター中心の知識共有
- リチャージ:心身のリフレッシュ
- 専門作業:特別な設備が必要な専門業務
フリーアドレスとの違い
フリーアドレスは固定席を設けることをしません。自席を持たない代わりに個人ロッカーなどの設備があることが多く、ワーカーは業務開始時に自分の荷物を働く場所に持っていき、帰宅時にはまた個人ロッカーなどに仕事道具を戻します。その日の座席を完全に自由に選んで良いケースもありますが、自分の所属するグループ席の中だけで座席を自由に選べるグループアドレスや、ダーツや座席決定システムなどを使って席が割り振られるユニークな座席決定方法もあります。
これらは、オフィスに在籍しているワーカーが少ない場合(在籍率が低い場合)に座席数の最適化を目的にしているケースがあります。また、固定席では難しいコミュニケーションの活性などの目的で採用されるケースもあります。
フリーアドレスについては、「失敗例から学ぶフリーアドレスを成功させるポイントとは?」「ルールと事前準備が大切!フリーアドレス導入で失敗しないために」の記事をご覧ください。
ABW導入によって得られる企業にとってのメリット
業務効率化・生産性向上の実現
たとえば、フリーアドレスで業務を行っている場合、オフィスでミーティングをしたいと思ってもスペースが空いていなければ断念しなければなりません。同様に一人で集中して働きたい場合でも、一人用のスペースが空いていなければ他の社員との相席が必要です。その場合は効率が大きく落ちてしまうでしょう。オフィススペースは有限なので、業務がかち合えばどうしてもそうしたケースは生まれてしまいます。
しかしABWであればオフィスの外もすべてワークスペースとなるため、オフィス内での業務がかち合ったとしても、外に出れば済みます。
コミュニケーションの活性化
ABWは部署内に留まらず業務を行うため、業務を行いながらさまざまな部門の社員とコミュニケーションを取ることができます。そのためABWを活用すれば社内のコミュニケーションが活性化します。
社内だけではありません。フレキシブルオフィスで業務を行えば社外に人脈を得ることも可能です。
社員満足度の向上
ABWの最優先事項は社員の働きやすさにあります。従来のオフィスワークでは、社員の事情にかかわらず、基本的にはオフィス内で働くしかありませんでした。しかしABWにはそうした制約はなく、業務内容や目的、各自の事情に応じて最適な場所を選択して働くことが可能です。そのため、不便さを感じながら働く必要がなくなり、その結果、社員満足度の向上が期待できます。
優秀な人材の確保(雇用・育成コストの削減)
多様な働き方を実現し、業務内容に応じて業務を行う場所を選択できるようにすることで、社員にとって働きやすい環境を生み出すことができます。社員に最適な環境を選択できることで社員満足度が向上し、離職率の低減や、より優秀な人材の確保が可能です。
また離職率が減ることで、雇用にかけるコストや新たに社員を育成するコストを削減することもできます。
オフィススペースの有効的な活用
社員間のコミュニケーション活性化を目的としてミーティングスペースを増やしたいと思っても、オフィススペースによっては難しいケースが少なくありません。ミーティングスペースを増やすと、個人作業に集中できるスペースがなくなってしまうからです。
その場合でも、ABWであればレンタルルームやサービスオフィスなどと契約し、集中して働きたい社員のためのスペースを用意できます。レンタルルームを活用して個人作業のスペースとミーティングスペースを分ければ、オフィススペースに余裕が生まれます。オフィス外も作業スペースとしてうまく活用することで、限られたオフィススペースを有効に活用することが可能です。
ABW導入によって得られる社員にとってのメリット
テレワークの導入で、育児や介護、自身の治療などにより、フルタイムでのオフィス勤務が難しい社員でも、継続して働けるようになりました。オフィスワークでもフリーアドレスを採り入れることで、業務内容に合わせて環境を最適化することが可能になっています。
ABWはこれらの多様な働き方をさらに一歩進めたものです。通常、テレワークの場合は自宅やサテライトオフィス、オフィスワークはオフィス内がワークスペースになりますが、ABWはオフィスに出社した場合でも、業務内容によってはオフィスを出てカフェやレンタルオフィスを選択することも可能です。また、テレワークであっても必要に応じてオフィスに出社しても問題はありません。
また、育児や介護をしている社員であっても、午前中は出社できる、あるいは子どもが学校に行っている間は出社できるといったケースもあるでしょう。その場合でもABWであれば、出社できる時間だけ出社し、後は自宅でテレワークといったことも可能です。
モチベーションの維持、パフォーマンスやエンゲージメントの向上
ABWによって多様で柔軟な働き方が可能になることで、社員側でも自分が納得のいく形で業務を行うことができます。育児や介護で早退しても、その後はテレワークで業務を続けたり、コワーキングスペースで業務を行ったりすることができるからです。
自分の意思に反して中途半端な形で業務を終える必要がなくなるので、業務のモチベーションが落ちるリスクは低く、業務に対するエンゲージメント(満足度)も向上させることができます。それによってパフォーマンス(生産性)の向上にもつながります。
ワークライフバランスの実現
ABWによって、業務を行いながら子どもと触れ合う時間を確保することも可能です。またABWを活用してワーケーションを行い、旅行先で業務を行いながら休暇を楽しむこともできます。
ABWによって業務を行う場所を限定しないことで、社員の自由度を増し、ワークライフバランスを実現することにもつながります。
アイデアが出やすい
ABWが導入されると、常に同じ環境ではなく、その時々で異なる環境で業務を行うことになります。そのため、周りにいるメンバーもその時々で異なります。オフィスでも同じ部署の同僚に限らず、さまざまな部署のメンバーと話をすることが可能です。
またフレキシブルオフィスであれば、他社の社員やフリーランスで業務を行う人とも話すことができます。
その時々で異なる環境で業務を行い、さまざまな人と話をすることで、新しいアイデアを得ることもよくあります。
ABW導入時に注意すべき企業にとってのデメリット
労務管理、評価が難しく、管理コストがかかる
ABWでは、オフィスワークであってもオフィス以外で働く社員がいるため、フリーアドレス以上に管理コストがかかります。
解決策としてはグループウェアやビジネスチャットの活用が挙げられますが、成果主義の導入も効果的です。そのため、ABW導入時には就業規則や評価制度の見直し・改善も行うことをおすすめします。
コミュニケーションが少なくなるリスクもある
ABWでは、異なる部署や企業の社員とコミュニケーションができるというメリットが強調されがちですが、コミュニケーションが少なくなる場合もあります。
たとえば、従来のオフィスであれば、同じ部署の社員は同じ部屋にいるので、ひんぱんにコミュニケーションを取ることができました。しかしABWでは同じ部署の社員もバラバラな場所で業務を行うことがあり、コミュニケーションを取りにくくなっています。
またオフィス以外で業務を行うことが多い社員は、他の社員とコミュニケーションを取りにくくなってしまうでしょう。
環境整備にコストがかかる
ABWを導入するには、ある程度の費用が必要になります。オフィスの現状を把握したり、自社に最適なレイアウトを考え、設備を整えたりするコストがかかるためです。これまでテレワークやハイブリッドワークを導入していなかった企業では、そのための費用も必要になります。
セキュリティリスクの増大
ABWを導入することで、オフィスの外での業務も日常的になります。そのため、セキュリティリスクの増大は避けられません。カフェや電車、タクシーで資料やスマートフォン、パソコンなどを紛失・盗難されてしまうおそれも高まります。
解決策としては、社員に対するセキュリティ教育の徹底だけではなく、デバイスは会社側が用意し、管理システムを活用することなどが挙げられます。万が一の際には遠隔でデータ削除やロックができるようにし、データを守るようにしましょう。
ABWのコンセプトや働き方がなかなか浸透しない
ABWを導入しても単なるフリーアドレスやテレワークになってしまう、従来と同じように同じ部署で集まってしまうということも多いようです。この原因は、「何のためにABWを導入するのか」という目的が明確になっていないことにあります。
ABWの目的を明示して社員に広く周知することで、より理解を得ることが重要です。
ABW導入時に注意すべき社員にとってのデメリット
自主性と自律性が必要になる
ABWは自分の事情や業務に合わせて働き方を決められるのですが、その分自分で自分の働き方を管理しなくてはなりません。それは、毎日オフィスで働くよりも厳しい自主性や自律性が求められるものです。
いつもと同じメンバーで固まってしまう
ABWを導入しても、毎日同じ部署のメンバーや同期など仲の良いメンバーで固まってしまうのはよくあることです。しかしそれでは、コミュニケーションの活性化や新しいアイデアなどのABWのメリットを活かすことができません。
まずは職場の状況を調査! ABWを実施するステップ
ABWを導入するためには、まずオフィスの状況を調査することから始めます。そのうえで、導入が可能なのか判断します。実際に導入が決まったら、ABWを視野に入れたレイアウトを考えていきましょう。
ABWを導入する手順を簡単に説明します。
1. ABW導入の目的を定める
何のためにABWを導入するのか、または現在社内にどういう課題があるのか、それをどう解決するためにABWを導入するのか、などABWを導入する目的を明確化します。
2. 現在の状況を調査し、導入について判断する
ABWを導入する前に、現在の職場のレイアウトや働き方の現状、そこから生まれる課題などを調査します。
社員にヒアリングすることも重要です。実際に働く社員の意見を聞きながら、オフィスの使いやすさや座席の使用時間などを調査します。普段、不便に感じていることはないか、業務上必要な設備やスペースはないか、アンケートを実施します。座席の使用時間が短い社員が多い場合は、ABWを導入しやすいと言えるでしょう。調査結果をもとにABWの導入が適切かを判断します。
3.レイアウトの検討
調査結果から、使いやすさやコミュニケーションのしやすさ等と考慮し、ABWの実施時にどのような設備やスペースが必要なのかの洗い出しをしたうえで、レイアウトを決めていきます。さまざまな業務に対応できるように、デスクのほか、個室スペースや作業スペース、ミーティングスペース、ソファ、カフェスペースなどの設置も検討してみましょう。また、どのくらいの設備が必要なのか、人数や業務割合によって最適な数を割り出す必要があります。
4.社内制度の見直し
ABWを導入するためには、これまでとは働き方や人事評価の仕方を変える必要があります。たとえば、労務管理、人事評価、現場のマネジメントの方法などです。そこで現状の制度を確認し、どう変更するかを検討します。
5. ITツール、ネットワーク、セキュリティの整備
ABWを導入するのに必要なITツールやネットワークの整備を行います。仕事中も移動できるように、Wi-Fi通信やノートパソコン、スマートフォンなどのモバイル機器も準備する必要があります。まだテレワークを導入していなければ、テレワークでも可能な環境を整えましょう。
また、同時にセキュリティ対策を強化する必要があります。
6.自宅やオフィス以外の場所の整備
自宅やオフィス以外で業務を行う場所を用意します。自社で用意するだけでなく、近隣のフレキシブルオフィスを調査しておきましょう。
フレキシブルオフィスについては、『フレキシブルオフィスとは?柔軟な働き方を実現するための効果的な活用のアイデア』の記事をご覧ください。
ABWの具体的な導入事例
ABWは職種によって適している場合と、適さない場合があります。自社に適しているワークスタイルなのか、見極めることがポイントです。ここからは、国内外の導入事例を紹介します。
国内でのABW導入事例
コーラス
文具・事務用品カテゴリーを中心とした製品・サービスのマーケティング・企画・販売をするコーラス(以下同社)。同社は、「社会と共に進歩する」を企業目的としており、「皆が気持ちよく存分に働ける」ためのオフィスを実現するためにABWの導入を進めました。
同社では、「Safer and Cozy Place(より安全で、創造的なイマジネーションを育む快適空間)」を目指し、背面対向型レイアウトを採用。必要に応じて振り向けばすぐにその場でミーティングを行えるようになっています。また、オフィス内に多彩なセッティングを用意し、用途に応じて働ける場所を自由に選択できるようにしました。
コーラスのABW導入事例は『コーラス株式会社 様』にて写真付きで紹介していますので、ご覧ください。
株式会社NTTデータ
情報・通信業の株式会社NTTデータでは、コロナ禍で出社率が大幅に減少しまし、テレワークが定着しました。そのため「アフターコロナにおけるニューノーマルオフィス」を実践し新たな形態を構築することを目的としてイノベーションを行っています。
まずは「クッションオフィス」という考え方で、オフィス機能の「専有」と「共有」を整理しました。「専有」では、規模を小さくして通常のオフィスを残しています。また「クッションオフィス」で各事業部の「共有」機能を集め、事業部全体で共有しました。クッションオフィスはオフィスの面積を減らすだけでなく、組織間のクッションとしての役割もあります。
株式会社NTTデータのABW導入事例は『株式会社NTTデータ コンサルティング&ソリューション事業本部 様』にて写真付きで紹介していますので、ご覧ください。
株式会社 ファイン
健康食品を手がける株式会社ファインでは、「生活者視点を持てるオフィス」をコンセプトに、フリーアドレスやABWを導入しました。
社員は回廊型の動線を自由に動くことができ、コミュニケーションを取ることができます。フロアには、目的に合わせたさまざまなスペースが提供されており、スペースの目的に合わせた家具を設置することで、多様な働き方が可能になっています。
株式会社ファインのABW導入事例は『株式会社ファイン様』にて写真付きで紹介していますので、ご覧ください。
株式会社セゾン情報システムズ
カードシステム事業や流通・ITソリューション事業、データ連携基盤ソフトウェアの開発事業などを手がける株式会社セゾン情報システムズでは、2017年に本社を移転しています。
その際、働き方改革の推進を背景にフリーアドレスやABWを導入しました。ワーキングスペースのほかに、個人で集中して業務を行えるスペース、打ち合わせにも利用できるカフェ、会議にも使えるファミレス席などさまざまなスペースを用意しています。
セゾン情報システムズのABW導入事例は『株式会社セゾン情報システムズ様』にて写真付きで紹介していますので、ご覧ください。
海外でのABWの導入事例
ナショナルオーストラリアバンク
ABWの考え方はオランダから始まり、オランダ以外だとオーストラリアを中心に広まっています。ナショナルオーストラリアバンクでは、本社でABWを導入し、各社員の自席を設けていません。社員は必要があるときだけ来社し、ほかは自宅やカフェなどの好きな場所で仕事をしています。このようなワークスタイルは、企業側にとっては座席確保のためにかかるオフィスへの投資コストが抑えられることがメリットです。社員側はプライベートな時間と両立しやすくなります。
グッドマン
同じくオーストラリアの不動産会社グッドマンも、ABWを導入している企業です。導入した当時、すでに多くの企業がABWを採り入れていました。実際に導入している企業の事例を調査し、導入を決定。当初は社員の自席をなくすことへの不安もあったものの、導入後の調査で社員の満足度が向上していることがわかりました。座席が固定されていないということは、マネージャーは部下と常にコミュニケーションをとりながら、どこで何をしているのかを把握する必要が出てきます。結果的に、社員同士のコミュニケーションも増え、人材の確保や離職率の低下にもつながったのです。
ABWを導入する際のポイント
ABW(Activity-Based Working)を導入する際には、従業員のニーズを尊重し、専門家の意見を取り入れながら進めることが大切です。
多様な働き方を実現するABWですが、スムーズに導入するためには事前に入念な準備が必要です。
ここでは、導入時に押さえておきたい重要なポイントを解説します。
従業員のニーズを取り入れる
ABWを導入する際、まずは従業員のニーズを把握します。
面談やアンケートを通じて従業員の意見を集め、希望や不安、業務に必要な環境について確認しましょう。
従業員の声を反映することで新しい働き方に対する理解が深まり、積極的に活用する姿勢が生まれやすくなります。
ABW環境のメリットを実感しやすくなるため、効率向上や業務改善に繋がり、導入の効果も発揮しやすくなります。
専門家の意見も取り入れる
ABWを初めて導入する企業では、専門家に相談することをおすすめします。
従業員へのヒアリングも兼ねつつ、内部からだけでは見えづらい課題を解決するために、オフィスデザインやワークスタイルに精通した専門家のアドバイスを参考にしましょう。
専門家の視点から導入手順やレイアウト、設備の選定について助言を受けることで、組織全体の生産性向上や働きやすさの実現が期待できます。
ABWを導入しやすい職種とは
ABWに向いている職種と、そうでない職種があります。
向いているとされるのは、情報収集や創造的な発想が重視されるクリエイティブ職、業務に合わせて場所やツールを使い分ける必要がある営業職などです。
従業員が自分に最適な環境で仕事ができるため、成果の向上に繋がりやすくなります。
一方で技術職や情報管理など集中力が求められる職種では、ABW環境がかえって負担になることもあるため、職務内容に応じて導入する必要があります。
ABWはフリーアドレスが進化した働き方
ABWは、社員が自由に働く場所を選べるワークスタイルです。オフィス内に限らず、集中ブースやカフェ、自宅など、仕事に最適な環境を選ぶことができます。フリーアドレスから、さらに進化した働き方といえるでしょう。ABWを導入するためには、まずオフィスの現状を把握し、本当に導入が可能なのか検討することが重要です。ABWがうまく機能すれば、仕事の効率が上がり、社員の満足度もアップします。また、オフィス空間を効率的に利用できるというメリットもあります。
フリーアドレスデスクの座席管理システムSuwary(スワリー)では、オフィスのデスクをIoT化して座席の予約・履歴管理、在席確認・利用データ分析ができます。
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在宅勤務の広がりなどで働く場が広がり、オフィスのフリーアドレス導入も増えています。フリーアドレスを導入する際、メリット、デメリットを把握した上でどのような点に注意したらよいのか、ポイントについてご説明します。 フリーアドレスの導入を検討されている方はぜひご覧ください。