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労働者の働き方やライフスタイルを抜本的に見直し、一億総活躍社会を実現するとして注目を集めている「働き方改革」。厚生労働省をはじめとする政府の主導により、ガイドラインの策定や関連法案の整備が進められています。働き方改革により、企業の労働環境はどのように変化していくのでしょうか。その概要と、社内の取り組みを進めるうえで知っておきたいことをまとめました。

10年先を見据えた「働き方改革実行計画」、その概要と現状は?

働き方改革は、日本の労働制度や働き方にある課題を解決するものとして提唱されたもの。2016年8月3日の第3次安倍第2次改造内閣発足以降、厚生労働省などの関係閣僚や有識者による「働き方改革実現会議」が定期的に開催され、労働環境のあるべき姿を模索する取り組みが続けられています。

現代日本の労働制度や働き方にはさまざまな課題がありますが、働き方改革実現会議では「正規、非正規の不合理な処遇の差」「長時間労働」「単線型の日本のキャリアパス」の3つを軸に議論が進められてきました。
2017年3月28日に開かれた第10回働き方改革実現会議では、この課題を解決するための行動計画として「働き方改革実行計画」を決定。それぞれの課題をさらに以下9つのテーマに分割し、具体的な方針と解決までの工程表を示しました。

1. 同一労働同一賃金など非正規雇用の処遇改善

2. 賃金引き上げと労働生産性向上

3. 時間外労働の上限規制の在り方など長時間労働の是正

4. 雇用吸収力の高い産業への転職・再就職支援、人材育成、格差を固定化させない教育の問題

5. テレワーク、副業・兼業といった柔軟な働き方

6. 働き方に中立的な社会保障制度・税制など女性・若者が活躍しやすい環境整備

7. 高齢者の就業促進

8. 病気の治療、子育て・介護と仕事の両立

9. 外国人材の受入れの問題

現在はこの働き方改革実行計画をもとに「働き方改革関連法案」を策定。厚生労働相の諮問機関である労働政策審議会からも「おおむね妥当」との答申を得ており、厚生労働省では次期国会での審議を経て、2019年度の導入を目指しています。

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企業は従業員の働き方をどうやって改革する?

働き方改革実行計画が決定し、さらに関連法案の整備が進むことで、いよいよ企業にとっても現実味を帯びてきた働き方改革。今後、企業ではどのような取り組みが求められるようになるのでしょうか。

まずは現状を知ることから始めよう

従業員の働き方を見直し、より良い労働環境を整備するためには、まず自社の現状を知ることが重要です。先に取り上げた「働き方改革実行計画」の9つのテーマをもとに、それぞれの項目で自社がどのような取り組みを行っているか、またどのような問題があるかをしっかりと把握しましょう。

現状把握の方法としてはさまざまな方法がありますが、インタビューやアンケート調査のほか、従業員のストレスチェックの結果などを分析するのも効果的です。また、厚生労働省では、企業の労働状況や休暇取得状況を可視化する「働き方・休み方改善ポータルサイト」を公開しています。こちらもぜひ、活用してみてはいかがでしょうか。

現状をもとに、対応策を検討する

自社の現状が把握できたら、それを踏まえたうえで具体的な対応策を決め実行に移します。このとき、対応策はできるだけ具体的で項目が細分化されたものにするといいでしょう。可能であれば細分化された項目についてそれぞれ対応期限を決め、工程表を作成できるとベターです。

対応策は課題の内容や企業の状況によって異なりますが、迷う場合は働き方改革実行計画(PDF)で示されている行動計画を参考にするのもひとつの方法です。ぜひ参考にしてみてください。

より良い働き方ができるような仕組みづくりが重要

従業員の働き方改革を進めるうえで大切なのは、ただ時短労働や業務の効率化を指示するのではなく、自社の現状を踏まえ、より良い働き方ができるような仕組みを作ることが大切です。具体的な行動計画が決定し、厚生労働省による法整備が進められる今こそ、従業員の働き方を見直すいいタイミングといえるのではないでしょうか。

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働き方改革の課題について詳細を知りたい方はこちらもご覧ください。
働き方改革はどうして進まない?その課題について考えてみよう

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