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あらゆる空間になじむ心地よさを追求したプレーンな佇まいのオフィスチェア「Rena(レナ)」を2023年に発売しました。

デザインは、2018年に発売した本格木製オフィス家具「MARU(マル)」をはじめ、さまざまなプロダクト・インテリアデザインで世界的に活躍するデザイナー・小林幹也さんを起用しています。デザイン性の高さが際立つフロント/バックシェルが、多様化するオフィスシーンにマッチする上質な意匠を実現しました。10,000通り以上の色とタイプの組み合わせから、シンプルな中に自分らしさを表現することができます。

プラスが目指す「良い姿勢」を保つための快適な座り心地を追求しました。くるぶし支点のシンクロロッキングと、体格に合わせて自在にたわむ座面のインナーシェルが身体にやさしくフィットし、長時間のデスクワークでも疲れにくくなっています。

デザイナーの小林幹也さんと開発担当の足立さんにデザインが生まれたバックストーリーや開発秘話を伺いました。

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足立:
はじめに小林さんとPLUSのお仕事をご紹介したいと思います。PLUSとしては次のような天然木を用いた商品開発を始めたところから、小林さんにはデザイナーとして関わっていただいています。
 ・ MARU (2018)
 ・ 5TSUBO CAFE(2021)
 ・ MARU HOME(2022)

今回はこれまでのような木製品ではなく、Renaチェアというオフィスチェアの製品化に携わっていただきました。

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MARUシリーズ 5TSUBO CAFE

足立:
Renaというネーミングの由来や想いをお聞かせください。

小林:
RenaはReはRefinedの頭文字からきている「洗練された」という意味と、NaはNatureからきている「本質」という意味が合わさって「洗練された本質」という意味があります。オフィスチェアとしての機能性を備えたうえで、オフィスだけでなく住環境にも合わせやすく使えるもの、ひとの名前に似ていて愛着を持ってもらえるようなプロダクトになってほしいという想いがありました。

足立:
開発背景としては、オフィス空間の多様化がありました。従来のような白いスチールデスクに合わせるだけではなく、木目のテーブルに合わせるようなオフィスインテリアが増えてきています。自宅で働くことも増えてきて一般化しています。また、ABWやフリーアドレスにおいては1日のなかでさまざまな人が時間ごとに入れ替わる着座想定がありました。こうした背景から以下3点がキーワードとしてありました。

  • 置く場所を選ばないミニマルデザイン
  • 最低限の機能とコストダウン
  • 環境に配慮した素材やロングライフ設計

いちばん最初の依頼から最初のデザインアウトプットまではどのように導かれたのでしょうか。

小林:
私がデザインするときにいつも考えることは「どんな空間に置きたいか」をイメージしています。依頼当初はチェアの背もたれはクロスを張ることが前提に進んでいました。実際に使うシーンを考えると、背中からの見え方がチェアにとってはメインになると考えました。

足立:
当初の依頼と実際に製品化された最終形は異なっています。経緯のなかで何度かデザイン変更の依頼をさせていただきました。

小林:
デザイン変更のご依頼によって、樹脂で住空間や木製テーブルに合う椅子って何だろう?ということを考えました。イームズや柳宗理さんを参考に有機的な柔らかいラインを使うことで空間にフィットする佇まいになるのではないかと考えていきました。有機的になりすぎると可愛すぎたり、個性が強く出すぎてそれがノイズになってしまうので、プラスチックならではの適度な柔らかさを意識したデザインに仕立てていきました。 当初は全体的なバランスがとれていませんでした。直線的で男らしい強さを感じられるデザインだったと思います。クロスの使い方、アウターシェルとインナーのバランスを確認してもらいたく提出したCGです。

rena4.jpg旧デザイン画像

小林:
バランスを整えていくのにVR設備を用いました。通常、外観だけでも試作を1~2回制作して確認するような作業になるはずですが、VR上で原寸確認できることによってチェアの意匠的なバランスの違和感をスピーディに取り払うことができました。

足立:
簡単なVR設備でリアルに近い形で体験できることをこの開発経て知ることができました。今後のPLUSの商品開発に導入していきたい設備だと感じました。

足立:
このような経緯を経て、最終的にプレーンでありながら魅力のあるデザインにまとめていだたきました。商品の特徴として、カスタマイズを入れると10,000通り以上の組み合わせが実現可能です。(家具カタログには480パターンを掲載)当初のコンセプトである、多様化するインテリアデザインや働く場所に合わせられる豊富なバリエーションをラインナップしています。

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足立:
Renaで使用しているクロスは「バイオPETクロス」という環境に配慮したクロスを使用しています。PLUSオリジナルとなる「バイオPETクロス」はクロスメーカーとの協業で実現しました。通常、ポリエステル糸は石油由来のエチレングリコールとテレフタル酸というものが合わさって作られています。エチレングリコールを植物由来のものに置き換えることで「部分バイオマス由来ポリエステル糸」ができあがります。それを50%と再生ポリエステル糸を50%ずつ使用してこのクロスは組成されています。10色のカラーバリエーションは、木天板仕様のテーブルやデスクに合わせやすくするために、彩度を抑えた自然な色合いにしています。これは市場のトレンドだけでなく、今後のPLUSのCMFにも繋がるものだと考えています。

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Designer/Mikiya Kobayashi

小林幹也 1981年東京都生まれ。2005年武蔵野美術大学工芸工業デザイン学科卒業。インテリアデザイン会社勤務後、株式会社小林幹也スタジオ設立。家具、プロダクト、モビリティからインテリアデザインまで幅広く携わり、国内外のクライアントとともにデザインを提案している。2010年ドイツのiF product design awardにて金賞、ドイツred dot award、グッドデザイン賞、adc賞など受賞歴多数。自社のオリジナルライフスタイルブランド「IMPLEMENTS」を運営する。

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株式会社小林幹也スタジオ オフィスツアー動画
https://www.youtube.com/watch?v=fTZVNwvTEaI

開発担当:足立
プラス株式会社 ファニチャーカンパニー
マーケティング本部 商品開発部 所属
「チェア」、「会議テーブル」を中心に開発を担当。

詳細な製品情報はこちらからご覧いただけます。
Rena
https://kagu.plus.co.jp/product/rena/

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