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商談室のレイアウト設計をする際に注意すべき点

主に接客で使用する商談室のレイアウトは、お客様に与える第一印象を決める大切なエリアです。
商談の成功には、落ち着いた雰囲気や機能性のあるレイアウトが必要です。
そのため、設計段階でいくつかのポイントを押さえることが大切です。

会議室としても利用するのかについて検討する

スペースの都合や業態によっては、商談室を会議室として兼用することもあります。
この場合、商談と会議、両方のシチュエーションで利用できるレイアウトを考えましょう。
テーブルの配置や椅子の数、電源の配置などを調整することで、会議にも対応できる機能性を持たせられます。
フレキシブルに使いたい場合は、キャスターがついた家具などを採用するのもおすすめです。
とくに、会議でプロジェクターやホワイトボードを使ったプレゼンが想定される場合は、商談中は邪魔にならないように片付けられるものが良いでしょう。

威圧感がなく落ち着く雰囲気になっているか検討する

商談室は、お客様がリラックスできる空間でなければなりません。
豪華さやデザイン性に重点を置きすぎると、逆に威圧感を与えてしまうことがあります。
柔らかな印象を与えるためには、過剰な装飾はせずナチュラルな空間作りを意識しましょう。
例えば、座り心地の良いソファやオフィスグリーンを取り入れて、リラックスした雰囲気を作り出すことがポイントです。
また照明の色合いや明るさも、商談の成功に影響を与えます。
間接照明や温かみのあるライトを使用することで、落ち着いた空間を演出できます。

商談室のレイアウトの種類は主に6つ

商談室のレイアウトには大きく6つの種類があり、スペースの広さや目的に合わせて選択します。

ロの字

ロの字レイアウトは、長方形のテーブルを中央に置き、周囲を囲むように座席を配置する形式です。
参加者全員の顔を見ながら意見交換できるため、役員や取引先を含む大切な会議やディスカッションに向いています。
また常に周りの視線があるため、集中力を保ちやすい雰囲気にもなります。
一方で、大人数になると端に座る人同士の距離が広くなり、コミュニケーションが取りづらくなる場合もあります。

島型

島型レイアウトは、複数の小さなテーブルをグループごとにまとめ、それぞれのテーブルを「島」として分けて配置する形式です。
多くの参加者がグループに分かれて話し合う場面に最適で、チームワークを強化したい商談やディスカッションに適しています。
また各テーブルで独立した議論が進むため、異なるテーマを同時に扱う会議にも便利です。
面識の浅い関係でも、グルーピングされることでコミュニケーションが促されるというメリットもあります。
他のグループとのやり取りはしづらくなるため、全体をまとめる進行役をおいたり、各チームが発表する時間を設けたりと、議事進行に工夫が必要です。

コの字

コの字レイアウトは、ロの字レイアウトの一辺を取り除いた形で、その空間を利用してプロジェクターやホワイトボードを設置するのに適しています。
プレゼンテーションを行う商談や、発表者が中心に立つ場面で主に採用されています。
発言者が中央のスペースに立つことで、全員に視線を合わせやすく、集中した議論が可能です。
ただし広いスペースが必要となるため、部屋のサイズを考慮した設計が求められます。

対面式

対面式レイアウトは、テーブルを挟んで参加者が向かい合う形式です。
商談やミーティングでよく使われる形式で、参加者が直接向き合うことで議論を深める場面に適しています。
少人数の商談や、重要な契約の場での使用に特に効果的です。
ただし対面での配置は緊張感を生む場合もあるため、座席間の距離をあけたりテーブルのデザインを工夫したりして、威圧感を和らげる工夫が求められます。

スクール式

スクール式レイアウトは、学校の教室のように机と椅子を一方向に向けて配置する形式です。
発表者が前に立って説明を行うセミナーや講習会に向いており、新商品の勉強会やプレゼンテーションなどで役立ちます。
この形式では多くの参加者が聞く立場になるため、参加者間のディスカッションが必要な場面には向きません。
スペースを有効に使える反面、視線が正面のみに限定されるため、参加者の集中力が維持しにくいこともあります。

アイランド式

アイランド式レイアウトは、複数のテーブルや椅子を自由に配置し、個々のグループや個人がそれぞれ独立して活動できる形式です。
柔軟な配置が可能で、自由な発想を促す創造的な会議やカジュアルな商談に最適です。
またテーブルの配置によっては、少人数から大人数まで対応可能なため、柔軟な対応が必要な場面で効果を発揮します。
キャスター付きの家具を使用することで、より幅広いレイアウト変更も可能です。
ただし大きな会議で使用する場合はまとまりがなくなりがちですから、全体の進行に目を配る進行役が必要です。

目的によって商談室のレイアウトの意識するべきポイントは変わる

商談室のレイアウトは、利用目的に応じて意識するポイントが異なります。
商談をメインにした空間を設計するのか、それとも会議室としての機能を兼ね備えた部屋にするのかで、レイアウトのデザインや家具の選定が大きく変わります。
ここでは、商談室の用途に応じてどのようなレイアウトを意識するべきかを解説します。

目的①:商談室兼会議室として利用する

商談室を会議室として兼用する場合、商談と会議の両方の機能性を満たすレイアウトが求められます。
まずは商談室の役割を優先しつつ、会議室としての利便性も考慮したデザインにするのがポイントです。
商談中はお客様にリラックスしてもらえるよう、リラックスできる家具や柔らかい照明を用いるのが基本です。
会議室と兼用する場合でも、テーブルやソファは応接セットとしても利用できるものを選びましょう。
会議の際にはテーブルを使って資料やパソコンを広げられるようなテーブルや、必要に応じて移動できるキャスター付きのデスクを選ぶと便利です。
同じく収納式のプロジェクターや、不要なときはしまって置けるキャスター付きのホワイトボードなど、商談時に不要なものを隠せるようになっているものを選択しましょう。
限られたスペースでも、フレキシブルに家具を動かせることで商談と会議の両方に対応可能なレイアウトができます。

目的②:商談のみの利用

商談を主な目的とするなら、お客様にとって居心地の良い空間づくりに注力できます。
商談はビジネスの場である一方、緊張感を少しでも和らげることが大切ですから、威圧感のないレイアウトを意識しましょう。
商談室は会社の入口付近に配置することが望ましく、執務室や社内の雑然とした部分が見えないように配慮します。
またオフィス内の騒音が商談の妨げとならないよう、遮音性にも配慮した設計を行います。
基本的に商談室とオフィスエリアは適度に離し、社内の会話が商談中に聞こえないようにしましょう。
室内のレイアウトは、テーブルを中心に置き、その周りにソファや椅子を配置するシンプルなスタイルが一般的です。
応接セットは座り心地の良いものを選び、長時間の商談でも疲れないようにすることが大切です。
さらにリラックス効果のある観葉植物やちょっとした小物を置くことで、商談が円滑に進む雰囲気を作り出します。
これらの家具やインテリアを選ぶときは、お客様がスムーズに移動できるよう動線設計にも配慮しましょう。
適度な大きさのものを選び、広めのスペースを確保しつつ無駄のない配置にすることがポイントです。

おしゃれな商談室レイアウト事例3選

おしゃれな商談室は、顧客との信頼関係を育み、ビジネスを成功に導きます。
ここでは、そんな洗練された商談室を構築した3社の事例を紹介します。

Y社新 ワークプレイスPJ

Y社では、従来のソロワーク中心のレイアウトを刷新し、商談室や会議室を含むワークプレイス全体を再構築しています。
オフィスエリアは大きく「プラーザ」「コワーク」「フォーカス」といった複数のゾーンに分けられ、それぞれのゾーンが異なる目的に対応しています。
商談室として利用される「コワーク」ゾーンは、商談以外にも従業員同士が打ち合わせを行う空間として設計されています。
デスクの配置や照明の選定は、威圧感を排除しリラックスした雰囲気を醸し出すための工夫がなされています。
床の色はグリーンの入ったアースカラーを使用し、それと調和するように観葉植物が置かれています。
またこれとは別に個室の会議室も用意されているため、プライバシーに配慮した商談にも対応しています。
さらに食事を提供するカフェエリアもあり、幅広いコミュニケーションが可能なオフィスとなっています。

トランコム株式会社 東京オフィス

物流業界の最前線に立つトランコム株式会社では、東京駅前という好立地を活かし、商談室をはじめとしたオフィス全体をシンプルで洗練された空間に仕上げました。
とくに商談室のレイアウトは、業界特有の堅苦しさをなくすように意識して設計され、柔らかい雰囲気を持つ空間となっています。
エントランスとラウンジとの間仕切りにはガラス素材のパーテーションが採用され、開放感とプライバシーのバランスが保たれています。
そのほかのエリアでもガラスのパーテーションが多用されており、会話の内容が外に漏れにくく、同時に視覚的に広がりを持たせています。
さらに眺望のよさを活かし自然光を取り入れた設計となっており、室内全体が明るく、暖かな雰囲気で柔らかな空間を演出。
応接室は眺めの良い場所に配置されており、こだわりの家具を置くことでお客様をもてなすのにふさわしい空間となっています。
可動式のテーブルや椅子が採用され、商談の内容や参加者の人数に応じてレイアウトを自由に変更できる柔軟性を持っています。
そのほかにも人数に応じて使用できる大小の会議室がそろっており、柔軟な商談環境が整えられています。

ニッカ株式会社

ニッカ株式会社は、自社の敷地内に新たなオフィスを構築しました。
このオフィスではエントランスから4階まで続く吹き抜けを活用し、開放感を強調した設計が特徴です。
2階が執務空間となっており、3階は作業スペース兼コミュニケーションスペースにすることで、それぞれのフロアに異なる役割を持たせています。
商談室や会議室は4階に位置し、シーンに合わせて複数のエリアを使い分け可能です。
またエレベーターから会議室へと続く動線は余裕を持って設計されており、来訪者はスムーズに会議室までアクセスできます。
ゆったりと使える大会議室では、モニターを設置しプレゼンにも対応可能。
小会議室は中央にスライディングウォールが設置され、参加人数によってフレキシブルにレイアウト変更が行えるようになっています。
キャスター付きのデスクが採用されており、柔軟な商談環境を構築しています。

まとめ

商談室はお客様に与える印象を左右し、ビジネスの進行にも大きな影響を与えます。
基本的には居心地のよさを追求し、考えられる使用シーンや目的によってレイアウトを決めていきましょう。
とくに会議室と兼用する場合は、居住性と機能性を両立しなければなりません。
使いやすく移動可能なデスクや椅子を用意し、フレキシブルな空間を構築しましょう。
また商談室はエントランスからの距離も考え、お客様をスムーズに案内できる場所に置くのがベストです。

この記事を書いた人

マーケティング部 コラム編集部 プラス株式会社ファニチャーカンパニー

プラス株式会社ファニチャーカンパニー マーケティング部 コラム編集部

プラス株式会社ファニチャーカンパニーのマーケティング部門です。オフィスに関する最新のトレンド情報や、オフィス移転・リニューアル・オフィスデザインに関する情報を発信しています。 オフィスの最新情報はInstagram「plus_kagu」で検索してフォロー!昨日よりもオフィスが好きになるような、「家具・働く空間にまつわる工夫・デザイン事例」などの情報をお届けしています。

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