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オフィスの移転や模様替えなどの際に、レイアウトを成り行きで決めてしまってはいませんか? デスクや収納家具のレイアウトはもちろん、部署ごとのゾーニング計画は、働きやすさや業務効率にも直結する大切なものです。そこで今回は業務効率化を目的としたオフィスレイアウトで押さえておきたいポイントを紹介します。

まずはレイアウトのタイプを考える

執務スペースのデスクのレイアウトパターンにはいくつのかの種類があり、業務内容や業種にあわせて選ぶことが大切です。以下に、代表的なレイアウトのタイプをご紹介しましょう。

対向式レイアウト

部署ごとにデスクを固め、対向させてレイアウトする形式。「島型」と呼ばれることもあり、事務職や営業職などさまざまな職種で使われている汎用性の高いレイアウトです。

このレイアウト形式を採用するメリットは、デスクがまとまっているため、部署内のコミュニケーションが取りやすい点にあります。また、デスクまわりのスペースに余裕を持たせておけば、デスクを増やすだけで人員の増加にも対応できます。

同向式レイアウト

大学の講義室のように、全てのデスクが同じ方向を向いているレイアウト形式。大会議室などのデスクレイアウトにも使われ、「スクール式」または「並列式」と呼ばれることもあります。

部署内のコミュニケーションよりは社員が集中できる環境の構築や、流れ作業のしやすさなどに重きを置いているレイアウトで、銀行の店舗やテレフォンオペレーター業務などで採用されています。

ブース型レイアウト

デスクの周囲をパーティションで囲い、小部屋のようなブースを構築するレイアウト形式。目の前の作業に集中できるため、プログラマーやデザイナーなど高い集中力を必要とする職種に適しています。反面、デスクを一つひとつブースで覆うため、他のレイアウト形式に比べて空間効率が低下するというデメリットもあります。

フリーアドレス

それぞれの社員のデスクをあえて固定せず、自由な場所に座ることができるレイアウト形式。外回りの多い営業職や、時短勤務などの社員が多い場合は、フリーアドレスにすることでスペースの効率化を図れるというメリットがあります。社内全てをフリーアドレス化するのではなく、部分的に導入したり、集中して作業をするためのブース席と併用するなど、柔軟にレイアウトを構築できるのもメリットのひとつです。

通路やデスクまわりの幅はどのくらいが適正?

デスクや収納家具をレイアウトする上で知っておきたいのが、人がすれ違ったり、作業をしたりするのに必要なスペースの目安です。特に、スペースが限られている場合は、オフィスの床面積とレイアウトしなければいけないデスクの数を見比べながら決めることもあるかもしれません。そんな時に、あまり窮屈なレイアウトにしてしまうと十分にチェアを引けなかったり、通路ですれ違うことができなかったりと働きにくくなってしまう場合があります。

以下、一般的に適正とされているワークスペースや通路、デスクまわりの幅をご紹介します。レイアウト計画を立てる際に、必要なスペースが確保されているか十分に確認しましょう。

ワークスペースの基準(1人あたり)

1000×700mmのデスク:1.1m(0.36坪)

1200×700mmのデスク:1.44m(0.44坪)

1600×700mmのデスク:1.92m(0.58坪)

デスクまわりのスペース

着座して作業を行うのに必要なスペース:デスクから400mm

チェアを引いて立った時に必要なスペース:デスクから1,200mm

通路に必要なスペース

一人の人が通過するのに必要な通路幅(両側が壁もしくは収納家具の場合):800mm

一人の人が通過するのに必要な通路幅(両側が背中合わせのチェアの場合):700mm

人がすれ違うために必要な通路幅:1,350mm

レイアウト決定で押さえたいポイント

オフィスはただ機械的にデスクや家具をレイアウトしたりすればいいわけではありません。またオフィス全体のゾーニングを考慮したレイアウトも業務効率化を進めるうえで欠かすことはできません。そこで、レイアウトを決める際に配慮しておきたいポイントをご紹介しましょう。

社員の動線を考える

オフィスのレイアウトを決める上で重視したいのが、実際にオフィスを使う人間が「動きやすい」と感じられるようにすることです。コピー機まではスムーズに移動できるか、営業や総務など頻繁に出入りする部署は入口付近、SEやデザインなど移動の少ない部署は入口から離れたところなど、社員の動きを踏まえてレイアウトを決める必要があります。必要に応じてヒアリングをするなど、社員の動線を踏まえたうえでデスクやオフィス家具をレイアウトするようにしましょう。

関連性の高い部署は近くにレイアウトする

デスクやオフィス家具のレイアウトとともに、オフィス全体のゾーニングにおいても、動線を考えたうえでのレイアウトが欠かせません。特に業務を効率化するためには、本来必要のない動作はできるだけ省きたいもの。例えば、ちょっとした打ち合わせや業務の確認のためだけに、一日に何度もオフィスを往復するのは非効率です。

オフィスレイアウトの工夫でこうした事態を防ぐためには、普段の業務でやり取りが多いなど、関連性の高い部署を近くにレイアウトするという方法があります。こうすることで必要のない動きをカットできるだけでなく、社員にとっても働きやすいオフィスを実現することができるでしょう。

また業務の効率化を考えるなら、会議室や倉庫などのスペースのレイアウトについても考慮してみましょう。こちらも基本的な考え方は部署のレイアウトと同じで、使用頻度の高い部署の近くにすることが重要です。会議室は使用頻度の高い営業部のそばに、伝票や帳簿などを収納する倉庫は経理部のそばにレイアウトしましょう。

収納スペースの確保

小規模なオフィスは少し物が増えただけで雑多になりやすく、収納スペースの確保は使いやすいオフィスを実現する上で重要なポイントといえます。書類や関連資料が将来的にどのくらい増えるか、見越した上で収納スペースを確保するようにしましょう。

最近では書類をスキャンしてデータとして保存する方法もあります。紙書類をデータ化することで、収納スペースを減らせるだけではなく、検索性の高さから欲しい情報を瞬時に探すことができ、業務効率アップにもつながります。どうしてもスペースを確保するのが難しい場合は、オフィスのペーパーレス化ができないか検討してみてもいいでしょう。

使いやすいレイアウトでオフィスの課題解決を

執務室だけでなく、会議室や休憩室などオフィスにはさまざまなスペースが必要となります。それらのスペースを有効的に活用するためには、ゾーニングやオフィス家具のレイアウトを工夫するだけではなく通路の幅や社員の動線など、さまざまな要素への配慮が欠かせません。

オフィスレイアウトの変更は手間のかかる作業ではありますが、同時にオフィスの課題を解決するチャンスでもあります。業務効率化という視点を織り交ぜて、さらなるオフィス機能の強化を目指してみてはいかがでしょうか。

【お役立ち資料】

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