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皆さんは「木視率(もくしりつ)」という言葉を聞いたことがありますか?

「木視率」とは、屋内に立って室内を見渡した時に見える木肌が占める割合のことです。
この割合が、人の身体面・心理面にさまざまな影響を与えることがわかってきています。

ちなみにこれは木視率0%のオフィスをイメージしたものです。
どのような印象を抱きますか?あなたのオフィスの木視率はどのくらいでしょうか。

木視率によってどんな影響がある?

木視率 30%/45%/90%、それぞれの部屋に人を90秒間滞在させ、脳活動・脈拍・心拍数を調べた実験データがあります。(宮崎良文(2002).『木と森の快適さを科学する』.全国林業改良普及協会)

この実験では、木視率30%の部屋にいるとき、脈拍が有意に低下したことがわかりました。リラックス状態では、副交感神経が優位に働くため、脈拍が低下します。つまり、木視率30%の部屋では、リラックス効果が働いていることがわかります。

ホッと一息つきたいカフェや休憩スペース、オープンミーティングスペースなどでは、木視率30%を意識することで心身ともにリラックスしたり、雑談による交流、カジュアルで和やかな打合せを促すことができるのではないでしょうか。

続いて、木視率45%では、脈拍が有意に増加したことがわかりました。ワクワクしたり、緊張したり脳の働きが活発になると交感神経が優位にはたらくため、脈拍は増加します。つまり、木視率45%の部屋では心理的にワクワクしたり脳の働きを活性化させる効果が働いているといえます。

集中スペースや会議室など、集中して作業したり、活発な議論を目的とするスペースでは、木視率45%を目指すことが効果的だと考えられます。適度な緊張により集中作業や活発な意見交換をサポートしてくれるかもしれません。

木視率30%、45%ともに、それぞれ異なる良い影響を与えることがわかりました。
では、さらに木視率を高めた90%の部屋はどうでしょうか?

木視率90%の部屋では、入室してから80~90秒にかけて急激に脳活動が低下していくという結果が得られました。木目に「飽きた」状態になってしまったと考えられます。木視率は高ければ高いほど良い、というものではないようです。

いろいろな木視率を覗いてみよう

2024年5月に東京ビックサイトで行われた「オルガテック東京2024」にて、プラスは「myイゴコチメイキング」と題してオフィスのさまざまな“イゴコチ”を体感いただくコンテンツを展開しました。
その中で、この「色々な木視率」を体感できるブースもご用意。パーセンテージ別のオフィス風景の画像が飾られた“木視率の穴”を覗いてもらいながらそれぞれの木視率を目で見て体感いただきました。

来場されたお客様はとても楽しそうにそれぞれの穴を覗きこみ、筒の裏側に書かれた「実験データの結果」とご自身の感じ方を比べながら体験されていました。

体験された方からは、「45%が一番好き」「理想は30%だけど、いまのうちのオフィスは0%です」「90%のオフィスがあったらいいなあ」などたくさんの感想をいただきました。
また、数字を使うお仕事をしている方からは「0%が一番落ち着く」といったお言葉もいただき、普段主に行っている業務内容によっても“好まれる木視率”は変わってくる可能性がある という新たな発見もありました。

今後もプラスでは“ワーカーがイゴコチ良く働けるオフィス空間”の観点から「木視率」にも焦点を当て、オフィスにおける木製家具の在り方を探っていきたいと考えています。

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