オフィス照明の適切な選び方は?種類や明るさ、設置場所を詳しく解説

オフィス照明は、働きやすさや生産性、さらには企業イメージにも大きく影響する重要な要素です。適切な照明を導入すると、従業員の集中力や快適性が高まるだけでなく、来訪者への印象を良くし、省エネにもつながります。 この記事では、オフィス照明の種類や特徴、色温度や明るさの基準、工事の流れのほか、最新の照明トレンドを解説します。オフィスリニューアルを検討中の担当者さまや、快適な職場づくりを進める方は参考にしてください。
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オフィス照明の主な種類と特徴

オフィス照明は、業務効率や生産性、従業員の快適性に直結する重要な設備です。照明の種類によって、光の質や寿命、コスト、省エネ性能が異なるため、それぞれの特徴を理解し、自社の環境や目的に合った照明を選ぶことが大切です。ここでは、オフィスで主に使われている照明の種類と、その特徴を解説します。

LED電球

LED電球は、現代のオフィスで最も一般的に使用されている照明です。初期費用は比較的高いものの、寿命が長く消費電力が少ないため、ランニングコストを大きく抑えられます。加えて、調光や調色にも対応しやすく、オフィスの用途や時間帯に応じて柔軟に運用できます。

また、発熱が少ないため空調負荷を軽減できることもメリットです。長期的な視点で見れば、最もコストパフォーマンスに優れた照明といえるでしょう。

蛍光灯

蛍光灯は、かつて多くのオフィスで採用されていた照明です。初期費用が安価なのがメリットですが、LEDと比較すると電気代が高い反面、寿命も短く、交換の手間やコストが発生します。導入時は安く見えても、電気代と交換コストの両面で費用がかさみ、結果としてランニングコストが高くなることが多い照明です。

現在ではLEDへの切り替えが進んでおり、新設オフィスで蛍光灯を採用するケースは減少傾向にあります。ただし、既存の設備を活かしたい場合や、限定的なスペースでの一時的な使用には選択肢になるかもしれません。

白熱電球

白熱電球は、かつて広く使われていた照明ですが、現在ではほぼ使用されていません。発熱量が多く、消費電力が高いことから、コスト効率や安全性の面でLEDや蛍光灯に大きく劣ります。2020年代以降はほとんどの事業用施設で廃止されており、新たに導入するメリットは基本的にないでしょう。

照明の色合いとオフィスでの使い分け

オフィス照明を選ぶ上で、光の色合いも非常に重要なポイントです。照明の色温度は、空間の印象や心理的効果、作業効率に大きな影響を与えます。主に使われる色合いは電球色、昼白色、昼光色の3種類で、それぞれに適した利用シーンがあります。

照明の色合いは色温度(K:ケルビン)という単位で表され、数値が低いほど赤みを帯びた暖色系、数値が高いほど青みを帯びた寒色系の光です。

■色温度(ケルビン)

色温度(ケルビン)

<色温度(ケルビン)による分類>

電球色(約2,700~3,000K)…暖かみがあり、リラックス効果が高い色合い。落ち着いた雰囲気を演出できるため、休憩室や応接室、リフレッシュスペースなどにおすすめ
昼白色(約5,000~5,500K)…自然光に近く、目に優しい色合い。長時間の作業に適しており、一般的な執務スペースやオフィス全体の照明としてよく使われる
昼光色(約6,000~6,500K)…青白くシャープな印象を与える色合い。集中力を高めたい場面に適しており、会議室や資料閲覧エリア、研修室などに向いている

オフィス内の用途に合わせて適切な色合いを選ぶと、業務の効率を高めるだけでなく、従業員の心理状態や快適性にも好影響を与えられます。

照明の明るさの単位と適切な明るさの目安

オフィスで使用する照明の明るさは、作業効率や健康状態に密接に関わる重要な要素です。明るすぎると眩しさによる疲労の原因となり、暗すぎても目の負担や作業効率の低下を引き起こします。適切な明るさの照明を選べば、快適で生産的な職場環境をつくることができます。

日本産業規格(JIS)が定めているオフィス空間の推奨照度

オフィス照明の明るさは主に照度(ルクス)で表されます。これは、光が照らしている面の明るさを示す単位で、場所や作業内容に応じて必要な照度は異なります。

日本産業規格(JIS)で定めているオフィス空間における推奨照度は、次のとおりです。

<日本産業規格(JIS)が定めているオフィス空間の推奨照度>
資料閲覧室や細かい作業エリア(750ルクス以上)…文字や図面の読み取り、精密な作業を行う場合は高照度が推奨される
一般的な執務スペース(500~750ルクス)…長時間のパソコン作業や書類作成を行うエリアでは、目に負担がかからない程度の明るさが必要
会議室・応接室(300~500ルクス)…落ち着いた空間での対話やプレゼンが中心となるため、やや控えめな明るさが適している
ロビーや廊下(200~300ルクス)…移動や短時間の滞在が主な用途であるため、過度な明るさは必要ない

照明器具の種類と適した設置場所

照明器具は、明るさだけでなく空間の使い方や雰囲気づくりにも関係します。以下に代表的な照明器具の種類と、それぞれに適した設置場所を紹介します。

<照明器具の種類と適した設置場所>
ダウンライト…天井に埋め込み、空間を広く使えロビーやトイレに最適
シーリングライト…天井に直接設置。執務室や会議室のメイン照明として多用される
ブラケットライト…壁付けで補助照明や装飾的役割があり、エントランスや廊下に向いている
ペンダントライト…吊り下げ型でデザイン性が高く、会議室や応接室のアクセント照明に適している
スポットライト…光の向きを変えられ、展示物やロゴの強調に使われる

オフィス照明の選び方とポイント

オフィス照明は、ただ明るければ良いというものではありません。ここでは、オフィス照明を選ぶ際に押さえておきたいポイントを6つ紹介します。

<オフィス照明の選び方と押さえておきたい6つのポイント>

  • ポイント1:オフィスデザインと調和させる
  • ポイント2:既存配線との適合性を確認する
  • ポイント3:トータルコストを意識して導入する
  • ポイント4:調光・調色機能を工夫する
  • ポイント5:省エネ効果のある設備を検討する
  • ポイント6:プロのアドバイスに頼る

ポイント1.オフィスデザインと調和させる

照明は単なる設備ではなく、空間全体の印象を左右するインテリアの一部です。内装の色調や素材、家具のデザインと調和させると、オフィス全体に統一感が生まれます。結果として、社員の集中力向上や来訪者の印象アップにもつながります。

ポイント2.既存配線との適合性を確認する

リニューアルや照明の切り替えを検討する際は、既存の配線器具との適合性を必ず確認しましょう。対応していない照明器具を無理に設置すると、追加の電気工事が発生し、想定以上のコストがかかるかもしれません。現地調査を含めた事前確認が重要です。

ポイント3.トータルコストを意識して導入する

照明器具の価格だけでなく、設置個数、消費電力、電気代、メンテナンス頻度までを含めてトータルでコストを試算しましょう。例えばLEDは初期費用が高めでも、長寿命かつ低消費電力のため長期的にはコスト削減につながります。

ポイント4.調光・調色機能を工夫する

近年のオフィス照明では、明るさを調整する調光、色温度を調整する調色の機能が重要視されています。作業内容や部屋の役割に応じて最適な環境を提供できるので、快適性の向上や集中力の維持に効果的です。

ポイント5.省エネ効果のある設備を検討する

オフィスの電気代削減において、照明の省エネ性能は大きな要素です。例えば、人感センサー付き照明を導入すれば、人の出入りに応じて自動で点灯・消灯され、無駄な電力消費を防げます。廊下やトイレ、会議室など、使用頻度が変動する場所に適しています。

ポイント6.プロのアドバイスに頼る

照明の設計には、空間設計、配線、安全基準、省エネ要件など専門的な知識が必要です。設計段階から照明に強い専門業者に相談すれば、最適な器具選定や施工の提案を受けられ、結果的に失敗を防げます。照明選びに不安がある場合は、早めの相談をおすすめします。

プラスはオフィス照明の選定をはじめ、オフィス全体のリニューアルをサポートするオフィスづくりのプロです。経験豊富なPMが、貴社に最適なオフィス環境を提案いたしますので、ぜひご相談ください。

オフィスデザイン構築マニュアル

オフィス照明の設置の流れ

ここでは、照明設置の一般的な流れを3つのステップに分けて解説します。

ステップ1:現地調査と計画の立案

まずは、照明設置に必要な現地調査を実施します。天井の高さや構造、電源の位置、既存照明の種類・状態などを確認し、それを踏まえて最適な照明器具の種類・配置を検討しましょう。

<初期に確認すべきポイント>

  • 天井や壁の構造と材質
  • 電気配線の状態と分電盤の容量
  • 既存照明の使用年数や不具合の有無
  • 各エリアの用途や必要な照度(ルクス)

これらの情報にもとづき、作業内容に合った照明計画を立てれば、快適性と業務効率の両立が実現します。

ステップ2:見積もり・業者選定・契約

照明計画が固まったら、複数の業者に見積もりを依頼し、価格、施工内容、納期などを比較検討します。相見積もりを取ると、コスト面だけでなく、信頼性やサービスの質も判断材料になります

<業者選定時のポイント>

  • 提案内容が現場に即しているか
  • LEDや調光機能など最新技術への対応力
  • 施工実績とアフターサポート体制
  • 工事期間や対応スケジュールの柔軟性

条件が整ったら、選定業者と契約を結びます。

ステップ3:工事の実施と完了確認

契約後、電気工事士による設置作業がスタートします。設置作業には照明器具の取り付け、配線工事、調光システムの設定などが含まれます。工事内容によっては、業務に支障が出ないよう夜間や休日に対応するケースもあるでしょう。

<施工完了後の確認ポイント>

  • 全照明の正常な点灯・消灯
  • 照度(ルクス)基準を満たしているか
  • 調光・調色機能の設定が正しく行われているか
  • 配線や安全性に問題がないか

最終確認が済んだら、引き渡し・完了報告書の受領をもって工事完了です。

オフィス照明のトレンドと省エネ対策

ここでは、注目されているオフィス照明の最新トレンドや、省エネに貢献する設備・制度について紹介します。

システム天井照明とスマート照明制御

最新のオフィスでは、システム天井と呼ばれるユニット式の天井材と照明を組み合わせる設計が増えています。この構造はレイアウト変更がしやすく、原状回復も簡単なため、柔軟性の高い空間づくりに最適です。

さらに、近年はスマート照明制御の導入も進んでおり、人間の体内リズムに合わせて色温度や明るさを時間帯ごとに自動調整するサーカディアン照明が注目されています

<生体リズムを整えるサーカディアン照明>

  • 朝:覚醒を促す明るく青白い光(高色温度)
  • 昼:活動的な白色光で集中力を維持
  • 夕方:リラックスできる暖色系の光(低色温度)

このような照明環境は、社員の集中力維持や睡眠リズムの安定化に貢献し、健康経営やウェルビーイング経営にもつながるでしょう。

サーカディアン照明は、プラス恵比寿オフィスでご体験いただけます。

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省エネ効果の高いLED照明と照明制御技術

LED照明は、従来の蛍光灯に比べて消費電力が約半分以下、寿命は約4~5倍とされており、導入するだけで高い省エネ効果とコスト削減が期待できます。

さらに、以下のような制御技術を組み合わせれば、効率的なエネルギー使用が可能になります。

<省エネ効果の高い照明制御技術>

  • 間引き点灯:使用頻度の低いエリアで、常時点灯を避ける
  • タイマー設定:決まった時間に自動でオン・オフを切り替える
  • 人感センサー:人の動きを感知して自動点灯・消灯を行う

また、作業用の個別照明であるタスク照明と、空間全体を照らすアンビエント照明を併用すると、快適性と省エネの両立が可能です。こうしたシステムの導入は、個人のニーズに合わせた明るさ調整や、視覚的な疲労軽減にもつながるでしょう。

オフィス照明のリニューアルなら、プラスにご相談ください

オフィス照明は、単なる明かりではなく、働きやすさや生産性、企業イメージ、省エネ、従業員の健康管理など、さまざまな要素に影響を与える重要な設備です。快適な照明環境を整えれば、従業員の満足度向上や業務効率の改善に直結します。

実際に照明リニューアルを検討する際には、「どの照明器具を選べばいいのか」「配線や工事の手間はどれくらいかかるのか」など、多くの疑問や不安をお持ちの担当者さまも少なくありません。

プラスでは、オフィス全体の設計はもちろん、オフィス照明の選定、工事、アフターフォローまでを一貫してサポートしています。豊富な実績と専門的なノウハウを活かし、貴社の業務内容や働き方、ご予算に合わせた最適な照明プランをご提案いたします。ぜひご相談ください。

オフィス照明に関するよくある質問

オフィス照明の種類と、それぞれの特徴を教えてください。

オフィス照明にはLED電球、蛍光灯、白熱電球などがあります。現在主流のLEDは省エネ性が高く長寿命で、ランニングコストを抑えられるのが特長です。蛍光灯は初期費用が安い反面、電気代が高く寿命も短いため、LEDへの移行が進んでいます。白熱電球は現在ではほとんど使われていません。

オフィス照明の色合いの選び方を教えてください。

照明の色合いは、電球色、昼白色、昼光色の3種類に分かれ、色温度(ケルビン)で表されます。用途に応じて選ぶことが大切で、例えば明るい昼白色は執務スペース向きで、落ち着いた昼光色は会議室など集中力が必要な場所に適しています。電球色はリラックス効果が高く、休憩室や応接室などにおすすめです。

オフィス照明を選ぶ際に重視すべきポイントは何ですか?

オフィス照明を選ぶ際は、オフィスデザインとの調和、配線との適合性、ランニングコスト、調光・調色機能、省エネ性などを総合的に考慮することが重要です。特にLEDやスマート照明を活用すると、快適さと省エネを両立できます。また、専門業者への相談を通じて、自社に最適な照明プランを立てると安心です。

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