ピア効果が注目される背景は?メリット・デメリット、活用方法などを解説

ピア効果が注目される背景は?メリット・デメリット、活用方法などを解説

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ピア効果とは、集団内でお互いが切磋琢磨することにより、個々の能力を高められる効果のことです。
ピア効果により個々が高い能力を発揮できれば組織全体としての生産性を高められるため、企業においては個人の能力向上や組織力の強化などに繋がることが期待されています。
また、多様な人材が活躍できる社会を実現することも可能です。

今回は、ピア効果が注目される背景、ピア効果のメリット・デメリット、活用方法や事例などを解説します。

ピア効果とは

ピア効果とは、目的の近しい者同士が同じ環境に集まって切磋琢磨することで、モチベーションを上げたり、より高いレベルを目指すようになったりすることです。もともとは教育分野で注目されていましたが、現在では企業における人材育成や生産性の向上を目的として活用されることも増えています。

実際に、企業の業績向上にピア効果を活用しようとする取り組みも行われています。ピア効果により、組織力・チーム力の強化や、仕事に対するモチベーションアップも期待できます。また、切磋琢磨する中で仲間意識が醸成されて所属する企業や組織へのエンゲージメントが高まり、人材の定着や離職防止にもつながりやすいと考えられています。

ピア効果が注目される理由

ピア効果が注目される理由として、テレワークの普及が挙げられます。
コロナ禍でテレワークが普及し、在宅勤務など、職場の仲間と離れた場所で仕事を行う機会が増えました。従来のオフィスワークでは、常に同僚や上司が周りにいるため、一人で作業をしていても孤独感を持つことはあまりなかったでしょう。テレワークではチャットやオンライン会議などでは仲間とコミュニケーションをとることはできますが、お互いの気配や存在を近くに感じながら随時様子や状況を伺ったり、その場の空気感を共有したり感情を読み取るようなことは難しいため、孤独を感じる人も少なくありません。オフィスで仕事をしているときは意識していなかった仲間の存在が、テレワークの普及により再認識されるようになったのです。

2020年3月に実施された「パーソル総合研究所」の調査によると、テレワークで「孤立しているように思う」と回答した人は28.8%いました。また、テレワークの頻度が高いほど、孤独感も高まる傾向がありました。

テレワークを推進しながらもピア効果を高めるには、定期的にオフィスに集まって顔を合わせ、チームの一体感を物理的に感じられる機会を持つことが大切です。

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ピア効果のメリット・注意点

ピア効果はまた、従業員にとってモチベーションアップや組織力強化などのメリットを期待できるため、企業にとっては業績アップにつながる可能性が考えられます。一方で、うまく効果が発揮されないこともあるため注意が必要です。ここでは、ピア効果のメリットと注意点を紹介します。

ピア効果のメリット

集団内でピア効果が生まれると、仕事に対するモチベーションアップにつながる可能性があります。「仲間ががんばっているのだから自分もがんばろう」「もっとチームに貢献したい」といった気持ちが生まれれば、自発的に仕事に取り組めるようになるでしょう。集団内での志気が高まり、組織力・チーム力の強化にもつながります。企業にとっては、業績アップや従業員エンゲージメントの向上、人材の定着、離職の防止などの効果が期待できます。

ピア効果の注意点

適切な集団形成を行わないと、ピア効果がうまく作用しないこともあるため注意が必要です。集団内にチームの輪を乱すような行為をする人がいたり、同じ意識で行動していない人がいると、かえって能力を発揮できない可能性もありますし、全体のモチベーションが低下してしまう恐れもあります。ピア効果を生むためには、近しい目的を持ったメンバーを同じ環境に集めることが必要です。

ピア効果の活用方法・事例

実際に、ピア効果を活用した人事施策を導入している企業も存在します。ここでは、ピア効果の活用方法と事例を紹介します。

ピア効果の活用方法

  • 人材育成

組織やチームに同じくらいのレベルのメンバーが所属していると、お互いに仕事のしかたや業績を意識するためチーム全体のレベルが向上しやすくなります。たとえば、自分と近いレベルであるにもかかわらず、仕事でより高い成果を出している仲間がいた場合、その人の仕事のしかたを見て学習すれば業績向上につながる可能性があります。適度に競争できる環境が生まれることで、個人の能力を高めることができるのです。

  • 組織力の強化

個人同士が切磋琢磨するだけでなく、チーム同士で切磋琢磨する環境をつくることで、組織力の強化につながる可能性もあります。チーム同士が競い合うことで、仲間意識が高まりチーム全体の業績アップにつなげることが可能です。チーム内で課題がある場合は、一人ではなく仲間と一緒に考えることで新しいアイディアが生まれる可能性があります。チーム全体で課題を解決する能力が高まり、組織全体の強化へつながるでしょう。

  • モチベーションアップやエンゲージメントの向上

ビアボーナスと呼ばれる制度を導入し、モチベーションアップやエンゲージメントの向上につなげる取り組みも行われています。ピアボーナスとは、仲間を評価してお互いにボーナスを贈り合う制度のことです。もともとは海外の企業が組織を活性化させるために導入した制度ですが、日本の企業でも取り入れられるようになりました。ピアボーナスを導入することで、チームで活動することが少ない業種でも、ピア効果を高めることが可能です。

ピア効果を活用した事例

  • 株式会社メルカリ

株式会社メルカリでは、人事施策のひとつとしてメルチップと呼ばれるビアボーナス制度を導入しています。メルチップとは、従業員同士でピアボーナスを贈り合える制度です。メルチップでは報酬が与えられるだけでなく、従業員同士でお互いに感謝や賞賛の気持ちを伝え合うこともできます。メルチップの導入により、組織内でのコミュニケーションの活性化につながっています。

  • スマートキャンプ株式会社

スマートキャンプ株式会社では、投稿や拍手でお互いに感謝の気持ちを伝え合えるピアボーナス制度を導入しました。従業員が増加し、チームを越えた業務も増えるなか、組織内のコミュニケーションを強化することが狙いです。同社が大事にしている4つのカルチャー「Smart Thinking」「Ownership」「Collaboration」「Speed」にハッシュタグを付けて投稿することで、メンバーがどのカルチャーを体現しているのかわかるようになりました。

ピア効果を活用して組織全体の能力向上につなげよう

ピア効果が注目される背景には、テレワークの普及により、仲間と一緒に過ごすことのメリットが再認識されるようになったことが挙げられます。ピア効果を活用すれば、人材育成や仕事に対するモチベーションアップ、組織に対するエンゲージメントの強化にもつながるでしょう。実際に、ピア効果を高めるための人事施策として、ピアボーナスと呼ばれる制度を導入している企業も存在します。ピア効果の活用により組織全体の生産性が高まることが期待できます。

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