新型コロナウイルスの影響もあり、リモートワークを導入する企業が増えています。通勤時間をプライベートや業務に充てられる、周囲の雑音が少なく集中して業務ができるなど、リモートワークには利点も多いものの、不便な点も少なくありません。そこで、今回はリモートワークの実施に際して、不便に感じるのはどういった点なのかを見たうえで解消方法となるツールを紹介します。
アンケート結果から見るリモートワークに向いた業務と向かない業務
2020年4月、プラスが行ったリモートワークに関するWebアンケート。このなかで、リモートワークに向いている業務と向かない業務について尋ねています。その上位結果はそれぞれ次のとおりです。
リモートワークで行いやすい(リモートワークに向いている)業務
1位:パソコンで作業・書類作成をする
2位:メールを返信する
3位:考えをまとめる
オフィスで行いたい(リモートワークに向かない)業務
1位:ちょっとした相談・報告をする
2位:打ち合わせをする
3位:認識を合わせる/了解を得る
この結果を見る限り、当然ながらリモートワークに向いている業務は基本的に一人で完結するものです。これに対してオフィスで行いたい業務は、一人では完結しないものです。二言三言で終わるようなちょっとした相談や認識合わせは、簡単なようでいて、実は環境によっては必ずしもそうではなく、互いにその場にいるからこそ可能な業務だとわかります。
リモートワークを実施するうえで不便と感じる4つのポイント
同じアンケートで、「リモートワークをして不便だったこと」という設問に対し、多かった回答は次の4つです。
- 相手の様子がわからないため、気軽に相談できず一人で抱え込みやすい
- ブレストなど双方向で発言し合うミーティングは、Web会議だと発言のタイミングを掴めずやりづらい
- 通信環境が悪くネットが途切れる、資料の印刷やスキャンをできない
- 自宅には仕事に適した家具等がないため身体に負担がかかる
この結果から見えるのは、オフィスで働く際の環境が自宅では整っていないことから不便を感じるようになっている点です。もちろん、オフィスとまったく同じ環境を整えるのは困難ですが、今後、リモートワークが一般化していくと考えれば、自宅でも快適に業務ができる環境づくりが大きなポイントだといえるでしょう。
リモートワークの不便さを解消するツールとは?
自宅であっても快適に業務を行うためには、環境づくりが重要であるとしましたが、具体的には以下のツール活用でリモートワークの不便さを解消することが可能です。
Web会議システム
「相手の様子がわからないため、気軽に相談できず一人で抱え込みやすい」の解消方法としておすすめのツールは、ZoomやSkypeといったWeb会議システムです。これらのツールはWeb会議での活用が主ではありますが、就業中は常時つけっぱなしにしておくことで、いつでもオフィスにいる社員とコミュニケーションを取れるようになります。これにより、オフィスにいるときと同様に気軽なコミュニケーションが実現します。ただし、カメラをずっとオンにすることに抵抗のある人や、監視されていると感じる人もいますので注意しましょう。
グループウェア
「ブレストなど双方向で発言し合うミーティングは、Web会議だと発言のタイミングを掴めない」の解消方法としておすすめのツールはグループウェアです。グループウェアを使い、何かしらアイデアが浮かんだ際に都度書き込める場所をつくっておきましょう。Web会議でもそれを基に話を進めていけます。これにより、発言のタイミングが掴みづらいといった問題も軽減します。
有線LANやコンビニ印刷の活用
「通信環境が悪くネットが途切れる、資料の印刷やスキャンをできない」の解消方法としておすすめのツールは、有線LANやコンビニ印刷の活用です。通信環境は機器や場所によっても異なるため、完全な解消方法はありませんが、無線LANに比べれば有線LANのほうが安定しているため、途中で途切れるリスクはほとんどありません。また、資料の印刷やスキャンについては、法人向けのコンビニ印刷サービスやデータ変換サービスを活用すれば、セキュリティリスクも軽減され、安全な印刷・データ変換が可能です。
リモートワーク用の家具
「自宅には仕事に適した家具等がないため体に負担がかかる」の解消方法としておすすめのツールは、リモートワークに適した家具の購入です。当然、コストはかかりますが、社員に健康被害が出るリスクを抑え、快適な環境を実現します。
第2波、第3波に備え、ツール活用で快適なリモートワークを
2020年5月末、緊急事態宣言の解除によりリモートワークからオフィスワークに戻した企業も多いのではないでしょうか。しかし、第2波、第3波によって、再度、緊急事態宣言が発せられる可能性も考えられるため、引き続きリモートワークの可能性についても検討していく必要があるでしょう。また、新型コロナウイルスをきっかけとして導入したリモートワークをすでに継続し、業務効率化につなげている企業も少なくありません。
ただ、今回紹介したようにリモートワークがかえって業務非効率を生んでしまう場合もあります。今後は、ツールを活用し、オフィスワークとリモートワークの良い点を活かしながら働ける環境をつくっていくことが重要となるでしょう。