人手不足や残業時間の削減などで業務の効率化が求められるなか、無駄な会議を減らしたいと考えている人は多いのではないでしょうか。株式会社パーソル総合研究所の調査によると、実際に行われる会議の4分の1程度は参加者にとっては無駄だと考えられているようです。業務の生産性を上げるためにも、無駄な会議を減らす必要があります。また、会議を行う場合もできるだけ効率的に進めることが大切です。今回は、会議によく見られる問題点を挙げ、効率的に進める方法や、効率化を実現するソリューションを紹介します。
会議によく見られる問題点とは?
どのような会議が無駄だと考えられているのでしょうか。会議によく見られる問題点を挙げ、なぜ無駄な時間になってしまうかをまとめてみましょう。
意見が出ない
業務の時間を割いて会議に出席しても、結局発言が一部の人に限られ、意見が出ないということはよくあるようです。会議は議論をする場なので、意見が出なければ開催する意味がありません。結局は、無駄な時間を過ごしてしまうことになります。また、発言したくても本音で話し合えない雰囲気だったり、すでに結論が決まっていて意見する余地がなかったりすることもあります。これでは、有意義な会議とはいえません。
会議自体が無駄
会議自体が無駄だと感じている人も多いようです。例えば、報告するだけの会議なら、メールや社内ポータルで伝達すればすむかもしれません。特に議題がないにも関わらず、定例化しているために毎回出席しなければならない会議もあります。自分の業務とは直接関係がない会議も、無駄に感じられることが多いようです。出席するためにスケジュールを合わせているにもかかわらず、中身のない会議は業務の効率化という意味でも避けたいものです。
会議に割く時間が長い
目的がわからないまま会議がだらだらと長引くことも、よくある問題です。業務が忙しい時期に、長時間の会議は社員のストレスになります。また、主催者が事前準備を十分に行っていなかったために、会議が始まってから出席者が待たされるケースもあります。出席者は待っている間、無駄な時間を過ごさなければなりません。遅れて始まった分、会議が終わる時間も遅くなってしまいます。
会議を効率化するための対策
無駄な時間を過ごさないためにも、会議を効率化する必要があります。すべての会議が無駄というわけではありませんが、回数を減らしたり時間を短縮したりすることは可能です。会議を効率化するために、どのような対策が必要なのでしょうか。
会議の回数を減らす
まずは、会議の回数を減らすことを検討してみましょう。例えば、定例で行っていた会議も、議題がないときは開催しないようにします。報告するだけの会議なら、文書や社内ポータルなど会議以外の手段で報告することも可能です。また、自分の業務に関係のない会議は思いきって欠席することにすれば、会議の出席回数を減らすことができます。
会議の目的を明確にする
会議を主催する場合は、会議の目的を明確にすることが大事です。目的が決まっていると、会議中に何を話し合えばいいのかはっきりします。また、目的が達成できたら、会議を早々に切り上げることも可能です。主催者があらかじめ会議の目的を伝えておけば、出席すべき会議かどうかの判断もしやすくなるでしょう。
会議のメンバーを厳選する
大人数の会議では、発言をする機会がないまま終わってしまう人も多いようです。また、一部の人だけが意見を言うような会議なら、ほとんどの人は参加する必要もありません。そのため、会議の参加者を決める場合は、意見が出やすい人数で調整したほうがよいでしょう。会議に出席するメンバーを厳選すれば、意見を出しあい有意義な議論ができます。
議題や資料を事前に共有する
会議開始後に議題を伝えたり、資料を配布したりするのは時間の無駄になるため、議題や資料は事前に出席者と共有しておくことが大切です。出席者が事前に議題や資料を把握していれば、会議中に話し合うべき内容や伝えるべき意見を用意しておくことができます。
目的以外の話題を出さない
会議の目的が途中で脱線してしまうと、終了時間になっても終わらない可能性があります。主催者は話題が目的からそれたら、別の機会に話し合うように促すことも必要です。そのためには、会議の進行予定時刻を記載したレジュメを用意し、進行に遅れがないかこまめにチェックする必要があります。
会議の時間を守る
会議の開始時間に遅刻すると、終わる時間も遅くなってしまいます。出席者が待たされることのないように、会議の時間はきっちり守らなければなりません。どうしても遅れそうなときは、早めに連絡をいれましょう。
会議を効率化できるツールや設備
ツールや設備を導入することで、従来の会議をより効率化できる可能性があります。会議の準備を効率化するツールや、会議の時間を短縮できる設備を紹介します。
会議を効率化するツール
以下のツールを用意すると、会議の準備や時間管理に便利です。
スケジュール管理ツール
社員のスケジュールが把握しやすくなり、会議の日程も決めやすくなります。
タイムキーパーツール
プレゼンテーションや発言の時間を管理するために便利です。
会議室予約システム
会議室の予約がスムーズにでき、ダブルブッキングも避けられます。
テレビ会議システム
出張しなくても、遠方にいる社員と会議ができます。
会議を効率化する設備
以下の設備を整えれば、会議をスムーズに行うことができます。会議にかかる時間を節約することも可能です。
インターネット環境
テレビ会議や、出席者がパソコンをシステムに接続するために必要です。
プロジェクター
プレゼンテーションや会議の資料を大画面で表示するために使います。
ホワイトボード
図や文字でわかりやすく伝えたり、議事内容をメモしたりするのに便利です。
ラウンドテーブル
少人数の会議や短時間の打ち合わせに使います。
スタンディングテーブル
立ったまま会議をすることで、短時間で集中した議論が交わせます。
無駄な会議の時間を減らして生産性アップ!
会議を効率化するには、事前準備やルールづくりをしっかり行うことがポイントです。また、会議の準備や進行をスムーズに行うためには、ツールや設備を整える必要があります。会議中に手間どってしまうと、出席者全員の時間を奪ってしまうことになるからです。会議の無駄を省くことで、生産性の向上やコスト削減にもつながります。会議を有意義な時間にするためにも、社内で会議のあり方を見直してみましょう。