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オフィスで使うインテリアは、仕事で使う以上、使い勝手も重視して選びたいもの。いくらおしゃれでデザイン性が高くても、それだけを基準にしてしまうと、自分の用途にあわないものを選んでしまうかもしれません。使い勝手のいいインテリアを選ぶうえでのポイントをご紹介します。

オフィスインテリアとは?

オフィスインテリアとは、オフィス空間を構成する要素の総称です。
デスクや椅子といった家具はもちろん、壁紙、床材、照明など、働く環境を整えるためのさまざまなアイテムが含まれます。
またこれまでのオフィスでは機能性が最重視されていましたが、近年ではデザイン性や快適性も重視される傾向が強まっています。
洗練されたインテリアを構築することで、働く人々の生産性やモチベーション向上が期待されています。
さらにブランドを取り入れたオフィスインテリアは、会社全体のイメージアップにもつながります。

オフィスのインテリアの役割・メリット

オフィスインテリアには、見た目を整えることを含め、仕事においてさまざまな効果があります。
ここでは、具体的なメリットをいくつか挙げて説明します。
・生産性向上
・社員のモチベーションアップ
・コミュニケーションが容易になる

生産性向上

適切なオフィスインテリアを構築することで、生産性向上につながります。
例えば集中して業務に取り組むためのスペースにはシンプルなアイテムを用いたり、気分転換に使えるラウンジにはリラックスできるソファを置いたりと、目的に合わせたインテリアを行うことでその空間で得られる効果が高まります。
個々の業務に合わせた環境が整えば、従業員は効率よく仕事に取り組むことができ、全体的なパフォーマンス向上が期待できます。

社員のモチベーションアップ

快適なインテリア環境は、社員のモチベーションを高める効果があります。
リラックスできる休憩スペースや開放感のあるカフェエリアなどが設置されているオフィスは、日常のストレスを軽減してリフレッシュできる場として機能します。
結果的に社員が前向きに業務に取り組めるようになるため、福利厚生にもつながります。
良い環境が整えば、企業の社会的な評価も高まるでしょう。

コミュニケーションが容易になる

インテリアの配置や空間の使い方次第で、社員間のコミュニケーションが促進されます。
例えばフリーアドレスや共有スペースを設けることで、部署を超えた交流が生まれやすくなるでしょう。
オープンなレイアウトやカフェスペースは気軽な会話や打ち合わせが行いやすく、組織内の情報共有が活発になります。
立ったまま話せるテーブルや少人数用のファミレス席など、コミュニケーションを促すインテリアを考えましょう。

オフィスのインテリアの選び方

オフィスインテリアを選ぶ際には、企業の目標や働き方に応じて最適なものを選定することが大切です。ここでは、インテリア選びのポイントをいくつか紹介します。
・インテリア設置による目的を明確にする
・予算の決定
・レイアウトを決めておく
・ワークスタイルや働きやすさを考慮する
・使い心地を考慮する

インテリア設置による目的を明確にする

オフィスインテリアを選ぶ際には、まずその目的を明確にすることが重要です。例えば業務に集中できる環境を整えたいのか、コミュニケーションを促進したいのかによって、選ぶべきインテリアの種類が変わってきます。
目的が明確であれば、それに合ったアイテムを選ぶことで効果的なオフィス環境をつくり上げられます。

予算の決定

オフィスインテリアには予算がかかるため、事前にしっかりと予算を設定することが大切です。
中古家具やレンタル家具の利用も、コストを抑えつつ効果的なオフィスづくりに役立つため、予算が限られている場合は購入と合わせて検討しましょう。
予算内で優先順位を決めながら、必要なものをそろえていきます。
また必要に応じてオフィス構築の専門業者に相談すると、より効果的なインテリアの提案も受けられます。

レイアウトを決めておく

インテリアを選ぶ際には、オフィスのレイアウトを事前に考慮しておく必要があります。
デスクや通路の幅を確認し、動線がスムーズになるように家具を選択・配置しましょう。
下記の表は、オフィスレイアウトの寸法の目安です。

区分幅・寸法(目安)備考
メイン通路幅120cm~1人あたり60cmの想定で2人がすれ違える通路幅
デスク幅120cm・奥行70cm~一般的に使用されるデスクサイズ
座席幅40cm~通路に面した座席では人が歩く幅も確保

ワークスタイルや働きやすさを考慮する

インテリア構築においては、社員のワークスタイルや働きやすさも考慮しましょう。
近年ではフリーアドレスやテレワーク、ハイブリッドワークなどの導入が進んでおり、それぞれの働き方に適した空間設計が求められます。
フリーアドレスでは従業員が自由に席を選べるため、個々の業務に適したスペースを提供することがポイントです。
またテレワークの普及によりオフィスを利用する頻度が低くなることも多く、オンラインミーティングに適した設備や静かな作業スペースの設置も必要でしょう。
これらの要素を取り入れることで、多様化するニーズに合わせた快適に働ける環境を整えられます。

使い心地を考慮する

家具を選ぶ際には、選んだものが使いやすいかどうかも確認しましょう。
椅子の座り心地やデスクの高さなど、実際に使用する場面を想定して選定します。
使い心地の良いインテリアは長時間の業務でも疲れにくく、仕事の質を向上させる効果があります。

オフィスインテリア選びのコツ

近年のオフィスインテリアにおいては、ただ仕事をするだけの設備ではなく、スタイリッシュかつ機能的なものが求められています。
働く人々のモチベーションや快適性を保ちながら、業務効率を高めるインテリアを行うことが大切です。
ここでは、オフィスインテリアを選ぶ際のコツを紹介します。

自由度の高いインテリアを選ぶ

使い勝手の良さを考えるなら、オフィスインテリアは自由度の高いものを選ぶようにしましょう。たとえば、組み合わせることで高さや幅を自由に変えることができたり、ディスプレイとしても収納としても使えるなど多用途に機能するインテリアを選んでおけば、将来的に人員が増えた場合のレイアウト変更にも柔軟に対応することができます。

おしゃれなインテリアの中には特殊な形状をしていたり、用途が限定されているものも少なくありません。もちろん、空間のアクセントとして選ぶのも一つの選択肢ですが、あまりそういったインテリアが増えすぎると、後々のレイアウトを考える際に苦労することになります。導入を予定しているインテリアが多目的に使えるか、連結することで形状を変えて使うことができるか、再度確認してみましょう。

小規模オフィスなら、目線よりも低いインテリアを選ぶ

下見段階では広々と感じられたオフィスも、いざ契約してインテリアを入れてみると狭く感じてしまうといった経験は、誰にでもあるのではないでしょうか。特に小規模オフィスの場合、背丈の高いインテリアを選んでしまうと、目に止まりやすく空間をふさいでしまうので、圧迫感や狭さを感じる原因になってしまいます。
こうした事態を回避するためには、できるだけ目線よりも低いインテリアを選んでみましょう。こうすることで視線を遮ることなく、空間を広く見せることができます。

モノトーンは空間に緊張感を生み出す

おしゃれなオフィスインテリアによく使われる白や黒、グレーなどのモノトーンカラー。生活感をなくし、スタイリッシュで落ち着いた印象をあたえるため、オフィスにも適した配色とされています。しかし、同時に無機質で冷たい印象をあたえるため、空間に緊張感を生み出してしまう点には注意が必要です。

もちろん、それがオフィスデザインのコンセプトにあったものであれば問題はないのですが、もしも「暖かみ」や「安心感」「リラックス」といった雰囲気を重視してオフィスづくりをしたい場合、モノトーンのインテリアは真逆の印象を与えることになってしまいます。どうしてもモノトーンカラーのインテリアで気に入ったものがある場合は、オレンジや黄色などビビッドなカラーの小物を取り入れて、印象を少し和らげるようにするといいでしょう。

デザイン性の高いものほど、調和とコンセプトを意識する

一般的にデザイン性の高いインテリアは、それだけ空間の中における主張が強くなる傾向にあります。個性の強さは空間の雰囲気づくりにもつながるため、それ自体は問題ないのですが、個性がオフィスのコンセプトと合致しているかは十分に検討するようにしましょう。

いくら気に入ったインテリアでも、それが当初のコンセプトに合っていない場合、これまで作り上げた雰囲気を壊してしまうばかりか、オフィスをおしゃれに見せることによるブランディング効果や従業員のモチベーションアップといった効果も半減してしまうでしょう。インテリア選びの際は、それがオフィスのコンセプトに合ったものかどうか、しっかりと検討するようにしましょう。

オフィスインテリア選定の際は、機能性も重視して

総じて言うと、オフィスのインテリアを選ぶうえでは、見た目の良さも大切ですが、機能性が確保されているかもしっかり確認したいポイントです。使い勝手は良さそうか、レイアウト変更にも対応できるか、オフィスのコンセプトに合致しているかなど、しっかりと選定するようにしましょう。

関連記事:オフィスデザインのコンセプトの決め方・手順について

オフィスにおすすめなインテリア4選

ここでは、オフィスに取り入れたいおすすめのインテリアアイテムを4つご紹介します。

  • 観葉植物やフラワーボックス
  • 多種多様な照明
  • エリア分けもできる床材
  • アクセントになるボードやスツール

観葉植物やフラワーボックス

オフィスにグリーンアイテムを取り入れることは、働く環境をリフレッシュさせる効果があります。
観葉植物やフラワーボックスは視覚的なリラクゼーションを演出するため、ストレス軽減にもつながるでしょう。
また植物は空間を柔らかく仕切る役割も果たすため、オフィスのレイアウトにも自然なアクセントを加えます。
日光や水やりの環境が整わない場合には、フェイクグリーンの利用も効果的です。

多種多様な照明

空間を照らす照明は、オフィスの雰囲気を大きく左右する要素の一つです。
天井に埋め込まれたダウンライトや個々のデスクに配置されたスタンドライト、会議室に設置するペンダントライトなど、スペースや目的に合わせて照明器具を選ぶことで、空間に深みやアクセントを加えることができます。
適切な照明を選ぶことで、働きやすい環境をつくりつつデザイン性も向上させられるでしょう。

エリア分けもできる床材

床材の選び方ひとつで、オフィスの印象や機能性をガラリと変えられます。
カーペットやフローリングなど、異なる素材や色を用いることでエリア分けが可能です。例えば執務スペースは集中力を高める寒色系、休憩スペースは木目調の暖かい色調にすることで、空間にメリハリをつけられます。
またラグや小上がりスペースなどを用いれば、パーテーションを使わずに空間を分割できるため、開放感のあるレイアウトを実現できます。

アクセントになるボードやスツール

オフィスに彩りを加えるインテリアとして、アクセントボードやカラフルなスツールが人気です。
またデザイン性も大切ですが、オフィスにとって必要なものを置くと無駄もありません。
アクセントボードは社員同士のコミュニケーションツールとしても使用可能であり、スツールは色鮮やかで動かしやすいため、ちょっとした会話やブレインストーミングの場で活躍します。
オフィス空間を明るく、活気のある雰囲気にするための便利なアイテムです。

インテリアを活かしたオフィス事例

オフィスは単に仕事を行う場所ではなく、従業員のウェルビーイングを重視した空間へと進化しています。
ここでは従来のオフィスデザインから一歩進み、インテリアに特にこだわった企業の事例をいくつかご紹介します。
各企業の事例を通じて、インテリアがいかに企業文化や従業員の働き方に影響を与えるかを見ていきましょう。

某情報通信業

このオフィスは、24時間稼働する業態に対応するための快適さと機能性が求められました。
大きな窓とスケルトン天井を活かし、開放的な空間を演出することに成功しています。
窓側の丸柱にはモニターを設置し、棚と一体化することでデザイン性を保ちながら機能的なオフィスレイアウトを実現しました。
また間仕切りにはガラスパーティションを採用し、見た目のスッキリさを維持しながらも、オフィス全体に一体感を持たせています。キッチンエリアも広く設け、コミュニケーションの場として活用されています。

トーエイ物流株式会社

トーエイ物流は埼玉県に本社を置き、倉庫管理や流通加工を手がける企業です。
新社屋の設計では、従業員の働きやすさを最優先にインテリアと家具の計画が進められました。
エントランスは開放的な吹き抜け空間で、木目調のデザインが温かみを加えています。
また2階まで伸びるリブ材は企業の信頼感を象徴し、同時に地域社会とのつながりを意識した設計となっています。
さらにデスクエリアは自由な働き方を反映した斜め配置のレイアウトが採用されており、フリーアドレスを導入することで新しい働き方をサポートしています。

株式会社 プレステージ・インターナショナル 山形BPOパーク

プレステージ・インターナショナルの山形BPOパークは「ガーデンからパークへ」というコンセプトのもと、地域住民に開かれたオフィス空間を目指しています。
全体のインテリアは、既存の建築と新しい増築部分を調和させた開放感のあるつくりになっています。
オフィス内の各エリアにはそれぞれテーマカラーが設定されており、コミュニケーションを促進する工夫も随所に見られます。
とくに1Fと2Fのカフェエリアはそれぞれ異なるデザインで、リラックスした雰囲気を演出しています。
地域住民も利用でき、企業と地域をつなぐオフィスが完成しました。

株式会社メディカル・コンシェルジュ 阪急ターミナル梅田支社

メディカル・コンシェルジュは、医療関係者向けに人材サービスを提供している企業です。
同社の阪急ターミナル梅田支社では「URBAN JUNGLE」をコンセプトに、都会的な空間にグリーンの要素を大胆に取り入れたデザインが特徴です。
エントランスはコンクリート調のクールなデザインにターコイズカラーのタイルを組み合わせ、親しみやすい雰囲気を醸し出しています。
面談ブースやセミナールームはシンプルで洗練されたデザインが採用され、訪問者がリラックスして利用できる空間を提供しています。

【お役立ち資料】

オフィスデザイン構築マニュアル
オフィスづくりに役立つダウンロード資料集