フリースペースとは自由に活用できるオフィス内の開放的な空間のこと
オフィスにおけるフリースペースとは、固定席や執務エリアとは異なり、社員が自由に使える開放的な空間を指します。明確に機能を限定せず、企業の方針や働き方に応じて柔軟に設計・運用されるケースが増えています。
フリースペースの活用例は、下記のとおりです。
<フリースペースの活用例>
- リラックスや休憩スペース
- チームを超えた雑談・交流の場
- 個人が集中したい時の作業スペース
- 来客の簡易対応スペース
このように、フリースペースは多目的に使えるため、働き方改革やABW(Activity Based Working)の推進とも相性が良く、今後のオフィスにおいてますます重要な要素となっています。
ABWについて詳しくは、こちらのページをご覧ください。
【事例あり】ABWとは?フリーアドレスとの違いやメリット・デメリットを解説
オフィスにフリースペースが求められる理由
近年、オフィスにフリースペースを導入する企業が増えています。その背景には、働き方の多様化や企業文化の変化、社員同士の関係性の再構築といったニーズがあります。ここでは、特に注目すべき3つの理由について解説します。
<オフィスにフリースペースが求められる理由>
- ABWの浸透により多様な空間が求められるようになったため
- コミュニケーション不足を解消するため
- オフィスの価値を再定義する象徴的存在とするため
ABWの浸透により多様な空間が求められるようになったため
ABW(Activity Based Working)とは、業務内容に応じて働く場所を自由に選べる働き方を意味します。ABWをはじめとするリモートワークやフリーアドレスの普及により、オフィスは「固定席で仕事をする場所」から「必要に応じて使い分ける場」へと役割が変化しています。
その中で、自由に使えるフリースペースは、ABWの考え方と親和性が高く、重要な機能を担っているといえるでしょう。
コミュニケーション不足を解消するため
テレワークや個別業務の増加により、オフィス内での「偶然の出会い」や「ちょっとした会話」が減少しがちです。その点、フリースペースがあれば、部署や役職を超えたコミュニケーションが自然に生まれるかもしれません。
雑談や非公式な情報共有の機会が増えれば、組織内のつながりや新たなアイディアが生まれやすくなるでしょう。
オフィスの価値を再定義する象徴的存在とするため
コロナ禍を経て「なぜ出社が必要なのか?」「出社しなくても業務は進むのでは?」という疑問が生まれる中、多くの企業はオフィスの存在意義を再考しています。
オフィスはただの作業スペースではなく、社員が「行きたくなる」仕掛けが必要です。その中でフリースペースは、企業カルチャーや価値観を体現する場として、ブランド力の向上にも貢献する存在になるといえるでしょう。
フリースペースのメリット
フリースペースは、働きやすい職場づくりや企業の生産性向上に大きく貢献する空間です。単なる「自由なスペース」にとどまらず、多目的に活用すると、職場にさまざまなメリットをもたらします。主なメリットは、下記のとおりです。
<フリースペースがある主なメリット>
- 社内コミュニケーションの活性化につながる
- 柔軟な働き方への対応できる
- 社員のモチベーションが向上する
- イノベーション創出のきっかけとなる
- リモートワークとの切り替えスペースになる
上記のようなメリットを活かせば、フリースペースは、集中作業やチーム作業、リラックスタイムから通常業務への切り替えなど、さまざまな活動を柔軟に行える空間として、活用の幅が広がっています。また、オフィスにおける「余白」としての役割を持たせると、心理的な安心感も生まれやすくなるでしょう。
よくある課題と失敗パターン
フリースペースの導入には注意点もあります。フリースペースのよくある課題は下記のとおりです。
<フリースペースのよくある課題>
- 用途が不明確で使い道が定まらない
- 什器や照明が中途半端で居心地が悪い
- 利用ルールが整備されておらず、誰も使わなくなる
フリースペースにこうした課題があると、「せっかくスペースを設けたのに使われない」「誰のための空間かわからない」「どう使えばいいかわからない」といった事態に陥りやすくなります。そのためフリースペースの導入時には、目的を明確にし、それに合った設計・ルール・運用方針の整備が欠かせません。
居心地の良いフリースペースを作るポイント
フリースペースはただ設けるだけでは、その価値を十分に発揮できません。活用されるフリースペースを実現するためのポイントを見ていきましょう。
■居心地の良いフリースペースを作るポイント
使用目的を明確化する
まず、フリースペースの使用目的を明確化します。休憩用、集中作業用、簡易ミーティング用など、目的によって必要な家具や設計要素は大きく異なるからです。現場のニーズや業務内容と照らし合わせて狙いを定めると、実際に使われる空間が出来上がります。
場所・広さ・動線などを考慮する
フリースペースは、オフィス全体の動線設計の中で自然にアクセスできる場所に配置しましょう。例えば、執務エリアの近くに設ければ、作業の合間に立ち寄りやすくなります。会社の入口近くに設置すれば、来客対応にも活かすことが可能です。
面積が狭いオフィスであっても、通路横やデッドスペースなどを活かせば、面積を大きく割かずにフリースペースを設置できます。壁際にベンチシートを置いたり、コンパクトなソファを設置したりするなど、省スペース設計の家具を活用するのがおすすめです。
運用ルールを設定して使われる空間にする
せっかくフリースペースを設置しても、使い方のルールが曖昧だと活用されにくくなります。「自由席なのか予約制なのか」「利用時間の制限はあるのか」「飲食してもよいのか」などの運用ルールを定め、社内に周知することが大切です。
ルールが明確であれば、使いやすさと公平性が保たれ、継続的に活用される空間になります。
「行きたくなる空間」にするための仕掛けを作る
居心地の良い空間づくりには、視覚的・感覚的な魅力も不可欠です。例えば、フリースペースに暖色系の照明や木目調の家具、観葉植物などを取り入れると、無機質な空間に温かみを加えられます。
また、コーヒーやお菓子の設置、季節感を感じられる装飾など、「立ち寄りたくなる」「いれば会話がはずむ」仕掛けを用意すると、自然と社員が集まり、滞在時間も長くなるでしょう。
プラスが提案する「5 tsubo café」は、良い雑談が生まれる空間として、多くの企業様が導入しているオフィスのコミュニケーションスポットです。従業員同士が会話をはじめるきっかけとなるメニューの提供サービスもあるので、貴社だけの行きたくなる空間づくりにつながります。従業員同士の雑談が広がる場として、ぜひご検討ください。
「5 TSUBO CAFÉ」について詳しくは、こちらのページをご覧ください。
【事例】プラスが手掛けた居心地の良いフリースペースが光るオフィス
プラスでは、働きやすさと居心地の良さを両立させたフリースペースの提案から設計・施工までを幅広くサポートしています。
ここでは、実際にプラスが手掛けたオフィスの中から、フリースペース導入に成功した代表的な事例を紹介します。
事例1:開放感あるフリースペースでコミュニケーションが活発化したヒロマツホールディングス株式会社 様

入居面積 | 約100名 |
延べ床面積 | 約1,000平方メートル |
業界・業種 | サービス業 |
広島マツダグループから商号変更したヒロマツホールディングス株式会社様の本社機能移転に際し、広島を代表するマツダのエスプリをイメージしたオフィスデザインをプラスがご提案。空や公園をイメージしたフリースペースでは、従業員同士の活発なコミュニケーションが生まれています。
詳しくは、こちらのページをご覧ください。
事例2:グループ企業の従業員同士の交流が活性化した株式会社クレディセゾン 様 福岡グループ拠点

入居面積 | 約40名 |
延べ床面積 | 約450平方メートル |
業界・業種 | 金融業 / 不動産業 |
クレディセゾングループ初の共同拠点として、グループ会社の各従業員が自由に使えるよう、共有スペースにはカウンター席やソファ席、ウェブブースなどを備えました。従業員同士の交流やイベント、セミナーなど幅広い用途に柔軟に活用しています。
詳しくは、こちらのページをご覧ください。
事例3:カフェのようなフリースペースに自然に人が集うようになった株式会社プロントコーポレーション 様

入居面積 | 約50名 |
延べ床面積 | 約540平方メートル |
業界・業種 | サービス業 |
業務やちょっとしたミーティング、ランチ休憩にも使える自由度の高いエリアとして、フリースペースを設定した同社の新しいオフィス。事業の中心であるカフェの雰囲気を取り入れたほか、自然に人が集まりやすいコミュニケーションスポットとして「5 tsubo café」が役立っています。
詳しくは、こちらのページをご覧ください。
事例4:ホームライクなフリースペースでほっと一息つけるいちごオフィスリート投資法人 様

入居面積 | 約16名 |
延べ床面積 | 約120平方メートル |
業界・業種 | 不動産業 |
セットアップオフィスとして、自由で居心地のいいリフレッシュスペースを設定。大きなソファやラグなどのホームライクな什器で、空間全体にやわらかな印象を与えています。大きな窓からは心地よい日差しも入り、自然光が空間を包み込み、社員がほっと一息つける癒やしの場所として機能しています。
詳しくは、こちらのページをご覧ください。
事例5:フリースペースで従業員がパワーチャージする株式会社 プレステージ・インターナショナル 様秋田BPOにかほキャンパス

入居面積 | 約500名 |
延べ床面積 | 約5,000平方メートル |
業界・業種 | サービス業 |
自分の家のように愛着を持てる拠点、家のように寛げる多様な居場所になるよう、あたたかな家具、包み込むようなイメージづくりを大切にした同社の新社屋。リラックススペースは従業員にとって緊張がほぐれる場所になるよう、使い心地のよい家具が選ばれました。
詳しくは、こちらのページをご覧ください。
働きやすさにつながる居心地の良いフリースペースならプラスにお任せください
オフィスのフリースペースは、単なる「余った空間」ではありません。社員の交流、集中、リフレッシュといった多様なニーズに応える場であり、企業文化や働き方を象徴する価値ある空間といえるでしょう。
プラスでは、豊富な実績と専門知識を活かし、お客様の課題や狙いに応じた最適なフリースペースをご提案します。「社員が自然と集まりたくなる空間をつくりたい」「オフィスの魅力を高めて、出社意欲を向上させたい」といったお悩みをお持ちの担当者様は、ぜひプラスにご相談ください。
オフィスのフリースペースに関するよくある質問
フリースペースを形骸化しないためにできることはある?
フリースペースを形骸化しないためには、目的の明確化と運用ルールの整備が必須です。使用目的を設定せずに設置したフリースペースは、使いづらくなり、次第に使われなくなる傾向があります。定期的にルールやレイアウトを見直しすると、継続的に活用されるスペースになります。
オフィスでフリースペースが求められているのはなぜ?
フリースペースが求められている主な背景として、ABWが浸透し、オフィス内に多用な空間が必要となっていることが挙げられます。従業員同士のコミュニケーションを促進するためにフリースペースの導入を進める企業も増えており、フリースペースはオフィスの価値を再定義できる存在にもなります。
小規模オフィスでもフリースペースは作れる?
限られた面積でも、通路横や使われていないデッドスペースをうまく活用すれば、フリースペースを設けられます。壁際のベンチシートやコンパクトなソファなど、省スペース設計の家具の活用がおすすめです。